ファイナンシャルプラニングってどう役立つ?

ファイナンシャルプラニングがどのようにお役にたつのかを今日はご紹介してみます。ファイナンシャルプラニングと一言にいっても、その単語の使われ方はさまざまです。投資するものを決めたり、保険商品を買ったりなど、ひとつのアクションをとってファイナンシャルプラニングをした・・と表現する場合もあるでしょう。Smart & Responsibleのお手伝いするファイナンシャルプラニングは、個々人、あるいは個々のご家庭の、月々の収支、お持ちの現金、資産、リタイヤメント口座、学資口座、その他の投資、持ち家、不動産投資、その他の資産、モーゲージやその他のローン、持っていらっしゃる保険各種の内容と補償、いざというときの対応策、将来どのようなお金が必要になるか、払っている税金、節税方法など、パーソナルファイナンスに関わる全体的な情報を総合的に考え合わせ、診断・計画をするものです。それぞれの要素は独立ではなく、相互に関わりあっているので、ひとつを最適化すればよいということではなく、長期的にみて全体的にバランスのとれた解を探していきます。

 

2012 Household Financial Planning Survey(Certified Financial Planner Board of Standards調べ)では、31%のご家庭が包括的なファイナンシャルプラニングを行ったことがあるという結果でした。ファイナンシャルプラニングは多くの資産がある人だけ必要とか、年齢がある程度いったら必要とか・・というものではありません。プラニングの規模こそ違うかもしれませんが、すべての人に必要なものです。

 

まだ20代であれば、これから家を買ったり、家庭を持ったりするそのときにこそ、将来的な像をある程度想像し、学生ローンの返済や家の頭金づくり、リタイヤメント積み立ての開始などを考えることが重要でしょう。反対にすでにリタイヤしているという場合であれば、手持ちの資金をいかにうまく長く持たせるか、急に病気になったときなどどう対応するかなど考えることが重要でしょう。人生のどのフェーズにあっても、現状分析と将来へのプラニングは価値のあるものです。実際、「お金に対して自信をもって生きている人」というのは、ものすごく年収が高いとか資産がある人というのでは必ずしもなく、収入や資産が限られていても、その許される範囲内で計画的に分相応の生活をしている人であることが往々にしてあります。

 

ファイナンシャルプファニングの効用を見ていきましょう。

 

ファイナンシャルゴールを明確にできる

この夏のバケーションのバジェットなどの短期的ゴール、3年後の家の購入などの中期的ゴール、リタイヤメントなどの長期的ゴールを明確にし、目指すところを確認できます。ご夫婦の場合は、ファイナンシャルプラニングによりゴールを明確にし、同じゴールをふたりで共有できるだけでも大きな一歩です。

 

ゴールが現実的なものであるか吟味できる

ゴールを踏まえたうえで、現在持っているもの(資金、資産)、これから貯めるものを鑑みて、実際、目指しているタイミングでゴールを実現することができるのかを測ります。場合によっては楽観的すぎたり、少し時間を長くとれば実現可能であったり、貯める量を増やせばなんとかなったり、ひとつのゴールを多少妥協して他を優先したりと、実現可能な路線が見えてきます。

 

ゴールを実現する道を特定できる

ゴールの優先順位を決めたら、その順番にしたがい、どのようにゴールを実現するかの具体的な計画をします。貯蓄や投資の方法、保険の選択やその他必要な方策を具体的につくっていきます。

 

現在の支出のパターンを吟味できる

収入の範囲内に支出が収まっていることはもちろんのこと、ひとつの支出項目を減らして他に充てられないか(外食を減らしてリタイヤメント積み立ての回すなど)、どこかに無駄な出費がないかを吟味することができます。

 

パーソナルファイナンス上のミスを確認できる

すべての項目を全体に見ることで、見落としていたミスが発見できます。銀行に現金を貯めこみすぎてほとんどゼロに近い利回りしか生んでいない状態や、反対に現金が少なすぎていざというときに対応ができない状態を認識したり、必要な保険が足りずリスク管理が十分でないことがわかったり、あるいは必要ではない保険に入りすぎて無駄な保険料を払っているなど、全体を見渡してみてわかることがあります。

 

ゴール達成への進捗が測れる

ゴールをたてファイナンシャルプランをつくれば、定期的に見直しをかけ、ゴールへ向かう方向が正しいか、正しいならどの程度近づいているかを測ることができます。向かうべき到達点があることは、もちろんすべてが思い通りにいくとは限りませんが、ただ無駄に迷ったり、道を見失うことは避けられます。そして、一年後、二年後にはどのような状態になっているかの予想も立てられるようになります。

 

お金のパワーを最大化できる

収入は同じでも、その使い方、運用の仕方でお金の出すパワーを大きくすることができるようになります。タックスブラケットを把握することで、節税の仕方を工夫したり、具体的にいくら節税できるのかまで計算できます。401(k)への積み立てやIRAとのバランスをとることもできるようになります。健康保険を選ぶことで、その内容とHealth Saving  Account、あるいはFlexible Saving Accountなどとをコーディネートしつつ節税や貯蓄を同時に進めることもできます。雇用主の提供しているベネフィット(福利厚生)を最大限に活用する目を養うこともできます。

 

考えつかなかったリスクについて確認できる

生命保険はかけていたが所得補償保険は考えていなかった。保険やアニュイティの内容を詳しく確認していなかったので、こんな場合には「穴」があることがわかった。。ということはよくあることです。また、自分の生きている間のプラニングに集中するあまり、死後の相続の問題については考えが及んでいなかったり、あるいは自分が決断力を欠く状態になった場合に、お金の問題を誰に託すかなども抜け落ちていることがあります。

 

満足して生活できる

ファイナンシャルプランをもって生きるほうが、自分の金銭生活に満足度が高いというリサーチ結果があります。プランを持っているほうが、「自分が自分のファイナンスに対して、コントロールを持っている(in control)」と感じているパーセンテージが高くなります。そしてこれは収入にはあまり関係しないという結果も出ています。たとえ収入が低くとも、プランを持ちコントロールを持って生きている(分相応の地に足の着いた生活をしている)と、満足度が高いということです。

 

自分のファイナンスについての意識が高まる

この意識が高まるというのは、なかなか具体的に数字にも言葉にもできないことですが、ファイナンシャルプランをすることの大きな副産物です。自分の家庭のファイナンスの全体像を把握することで、お金の出入りに対する意識が高まり、日々のバジェットで「ちょっと使いすぎた」という感覚が生じることにはじまり、「このようにしたら税金上の有利なのではないか」という思いつきや、「将来的にはこんな生活がしたい」というリタイヤメント後の現実的な生活像に至るまで、気づきやアイデアが生まれてきます。ファイナンスに対して積極的な態度をとることができるようになり、それは投資手数料を自分で調べてみようという思いや、今まで読まなかった金融商品の説明を読んでみようという思いを生むかもしれません。そしてこの思いは、どんどん増していって、いつのまにかプラナーなど雇わなくても自分でしっかりとプランしていけるようになるかもしれませんよ。

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4 comments

  1. いつも楽しく記事を拝見しています。主さまにファイナンシャルプランごご相談する際、こちらが住んでいる州が、主さまの住まわれてる州と違っても、詳しくご相談することは可能でしょうか?州ごとにいろいろと税金や制度も違ってきますので、そのところをお伺いしたいと思いました。ちなみにこちらはMD州です。

    1. はい、私はカリフォルニア州に住んでいますが、他州の方(ニューヨークからグアムまで)もお手伝いさせていただいたことがあります。細かい州ごとのルールなどは精通しておりませんので、そのような項目がからむもの(細かいローカル税の計算や州独特の保険の制度など)だとお手伝いできませんが、通常のファイナンシャルプラニングで扱う、たとえば違う州の529を選んだり、州の所得税の考慮などの大きなレベルでの考慮は問題なくできます。

  2. 日本で保険会社で働いてる時に、フィナンシャルプランナーの資格を取り、家のローン以外は借金しないとかいろんなことを考えながら生活してますが、お金のことを考えると、今だに恐ろしいと思います。将来のことを考えるともう長生きなんて絶対したくないと思ったりして、不安ばっかりです^^ もっとしっかりした金銭感覚を持って生活をするべきなのかと思うけど、小さいものとは言え、たまに衝動買いしてしまうと、落ち込んでしまいます。。墓にお金は持っていけないというけど、でも墓に入るまでに十分なお金がないと生活できないし、生きていくのは難しいって思います。。。愚痴ってしまいすみません。。。

    1. そうですね、私たちいつまで生きるかという情報がありさえすれば、本当にファイナンシャルプラニングは楽になります。ちょうどそこまで続くようにお金を貯めて使えばいいのですから。でもそのいつ死ぬかという情報が私たちには明かされていないために、私たちは不安になったり苦悩したりしますね。私はクリスチャンなので、自分の死というもっともクリティカルなことがらを自分では知ることができないことで(ま、生まれてくることも知ることはできないのですが)、謙虚に生きようという気持ちになります。自分で生きているのではなく、生かされている自分に感謝したいと思います。不安に駆られて生きるのではなく、与えられている一日をよろこんで行きたいと思います。衝動買いもその一日のうちで許されたのであれば、よろこんでいればいいと思います。

      自分でできる範囲のプラニングと努力をしたら、あとはゆだねて感謝して生きる。。そうなりたいと思っています。

      聖書のことば:

      だから、わたしはあなたがたに言います。
      自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはいけません。……あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。(マタイの福音書6:25、32〜34)

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