投資アカウントが減るばかり。さて、どうしましょうか。

こんなことは今まであんまりなかったのに、なぜか昨日は、401(k)とIRAのリタイヤメント・アカウントと、529カレッジ・アカウントの明細書が全部まとめて届きました。最近荒れ模様の株式市場ですから、重い気につつまれつつ開けてみれば、やっぱりどれも損失を示すマイナスだらけ。普段はあまり気にしないようにしているけれど、まとめてくるとやっぱり打撃です。どうしましょう。

最近では投資のすべてを,株式や債券からCDやマネーマーケットなどの安全性の高い口座に移す人の記事なども見かけます。このような口座の金利は1%から1.5%というレベルで推移しており、投資の常識から言うとこのような行為はあまり賢い選択とはいえないのですが、それでもマイナス15%とかマイナス20%などという数字が垣間見られる現在の投資市場を思えば、元本割れしないだけでずっとましでよい選択だというわけです。

BUYHOLD(投資商品とくに株などを、一度買ったらずっと持ち続ける)というこれまで良しとされていた投資スタイルも疑問視する向きがでてきました。BUY&HOLDというのは、たとえ短期的には投資リターンはアップしたりダウンしたりと変動を経験しても、長期的におしなべればポジティブなリターンが期待できるという前提にたち、一度投資したらそれをずっと持ち続けるという長期的な投資方法です。これは、安いときに買って高いときに売ることで儲けようという、短期的で投機的な投資方法の対極をいくものです。もちろんそのような手っ取り早い儲け方ができればそれに越したことはないのですが、市場にはそれを目的にチャンスをうかがっている人がゴマンといるわけですから、どんなにタイミングを計る(英語では”time the market”という言い方をします)のがうまくても、いつもいつも勝ち続けることはできない。つまり、少なくとも何回に一回は、タイミングを見誤って損をすることもあるということです。一度二度大儲けをしても、それと同じくらいの大損のことを考え合わせれば、10年、20年という長期にわたっておしなべた場合、BUY&HOLDのほうが成績が良いという理論です。これは歴史的にも裏打ちされた理論でもあります。

しかしここまで値下がり続きとなると人々は不安になるものです。Investment Company Institute(全米投資会社協会)によると、10月の第一週だけで$10.95billionというお金が、長期ミューチュアル・ファンド(投資信託)から引き出されたとのこと。う~ん、どうしましょうね。

しばらく心が騒ぎましたが、結果的には今は何もしないことにしました。これらの我が家の投資アカウントはすべて長期(少なくとも10年以上)の投資であり、自分なりに納得のいくリスクレベルを設定しそれに見合った投資をしているわけで、そういう意味ではもちろん値が下がったときのこともそもそも考慮に入れて設定したものです。ここで売りに出れば(株式や債券ファンドからマネーマーケットなどの固定利回り型に乗り換えるなどで)、損失が確定してしまうわけですし、また将来同様なファンドに投資したいと思えばその時点での市場価格で新たに買うことになります。いつ買うかとタイミングを計らねばならないことにもなります。もしかしたら、値下がりしたときに売り、値上がりしたときに買うという一番避けたいパターンになってしまうかもしれません。

将来の退職後の生活費や子どもの学資のことですから、このような市場模様では持ち続けるも不安、手放すも不安というかんじですが、少なくとも夜安眠できないほど心配にならないのは、しなければならない下準備は精一杯やったという下支えがあるからです。下準備に必要なのは、以下のようなことです。

1.投資目的と投資期間を明確にする : 投資の目的と期間によって、どういった形態の投資が適切であるかが違ってきますので、まずはこのふたつの要素を明確にすることが必要です。たとえば、2年後に購入する家の頭金であればできるだけリスクの少ない投資が好ましいですし、30年後のリタイヤメント資金であればもう少しリスクをとって投資することができます。

2.目的と期間により許容できるリスクを設定する : リスクはどの程度に抑えたいかという希望と、目標額を達成するためにはどのくらいのリターンを見込まねばならないかという必要性とのバランスで、実際に許容するリスクを設定します。リスクとリターンの関係についてはこちらをどうぞ。許容リスクをどう知るかについてはこちらをどうぞ。多少目標額に届かなくても安全性を重んじたいのか、なるべく目標額を達成することを狙って少し多めにリスクをとるかという決断をします。

3.設定したリスクにより適切なアセット・アロケーション(資産分配)を設定する : ここでのアセットとは、現金に近いキャッシュ同等品(マネーマーケットや預貯金などの短期金融商品。非常に安全)とボンド(国債や社債などの債権。キャッシュ同等品よりはリスクがあるが、ストックよりは安全)とストック(株。もっともリスクがある)との3種類のアセットのことを指しています。自分の許容リスク・レベルにあうように、持っている資金をこの3種のリスクの異なるアセット・クラスに分配(アロケーション)します。アセット・アロケーションについてはこちらをどうぞ

4.それぞれのアセット・クラスでのダイバーシフィケーション(多様化・多元化)を確認する : 一つ、二つの債権や株を集中的に持つのではなく、十分多様で多種の債権や株を持つことでリスクを分散させます。自分でダイバーシフィケーションをするのが大変な場合は、目的とリスクレベルに応じ、ミューチュアルファンド(投資信託)を買うのがいいでしょう。一発狙いではなくて、多数を狙うことで、大負けを防ぐということです。

5.設定したリスク・レベルをメンテナンスしていく : 以上のことは、いったん設定したらほったらかしにせず、定期的(6ヶ月や1年に一度)にチェック・維持することが必要です。たとえば、過去一年のうちに債権が全体的に値上がりし、株が全体的に値下がりしたら、一年後に持っている資産のうちの債権の比率が高まりますね。設定した許容リスクが維持されるよう、債権の比率を少し下げて株のほうに移行させるアロケーションの微調整が必要です。

我が家の場合は、今のところ、市場の動きに一喜一憂せず、国が元気になって、経済が上向きになるのを信じて、長~い目でじっと待つということがいいのかなと思っています。。。

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