Last Updated on 2015年8月6日 by admin
食卓のうえに置いてあったNewsweekのとあるページに、“WANT”と題したコラムがあって、”Must-haves from Oprah’s favorite designer”というサブタイトルで、そのなんちゃらっていうデザイナーのお兄ちゃんが、自分がどうしても欲しいもののリストを掲載していました。そのうちの一番上に、ランバンのハイトップ・スニーカー $1,795というのがありました。それを見た息子、「なんで、スニカーにこんなお金払いたいのかな。オレなら絶対いらないね」とひとこと。この息子は、下の妹に比べるとずっと「金遣いがアラい」タイプでして、少しお金が貯まるとすぐ何か買いたがる人。しかも案外贅沢嗜好。その息子がつぶやいたひとことなので、私は表面では「そ~だよね~」とクールに決めつつ、内心「イェイ!」 いつもポンポン、モノを買いたがるのをたしなめるのに苦労してるけど、一応経済感覚は育ちつつあるのだな~などと思いまして・・・
スポーツだの習い事だの塾だのと、子どもにはいろいろ学ばせるのに心を砕きますが、基本的なおカネとの付き合い方といいますか、おカネに対する姿勢といいますか、そういうものもきちんと教えておくこともとっても大切だと思います。カレッジに行くので家を出て行く前に、基本的なことはカバーしておきたいものです。ものの買い方にはじまり、クレジット・カードの使い方やクレジット・ヒストリのしくみ、おカネの貯め方や借り方など、規模は小さくても、日常わたしたちが家庭で行っているのと同じことを少しずつ学んでいかねばなりません。
息子が12歳くらいになったころから、おカネとの付き合い方のビギナー編とでもいいましょうか、まずはショッピングのしかた、もの買い方について教えてきました。たとえばこんなこと・・・
1. 貯まったら買う
昔は違ったが、現代ではお金がなくてもモノが買えること、それは便利でいてとても危険なことを話しました。クレジット・カードは、とても便利だけど、責任をもった使い方をしないと大変なことになることを(ちょっと脅しつきで)教えてきました。まず、今のうちは、「貯まったら買う」、「ないお金は使わない」を身につけることが先決。
2. 労働して買う
おじいちゃんやおばあちゃんからもらうお金ばかりをあてしたり、親にねだったりするのでなく(実際そうなんだけど)、労働してお金を稼ぐこと。まだ、外でアルバイトができないので、家中の窓拭きや洗濯係りなどをさせましたが、でも、これはちょっと親のほうが失敗でした。洗濯1回に5ドルあげていたら、友達から、「それ、あげすぎ!」と怒られました。そうだよね、最初のアルバイトはきっと時給6ドルとかだろうから、あげすぎはよくないな~と反省。実際にアルバイトし出した時、「給料が安い」と労働意欲をそぐことにもなってしまいますものね。
3. モノの値段はひとつではない
同じモノを買うのでも、場所(観光地vs生活の場所)、店舗(小売店vsディスカウント・ストアvsオンラインなどなど)、買い方(まとめて買うvs一つ一つ買う)、時期(前売りvs直前)で値段はいろいろ。最初に見た値段を、絶対的な値段と思わないこと。息子の発見は、アメリカン・イーグルのジーンズは、アメリカン・イーグルのお店で買うと$45するところ、同じモールの中に入っているTJ Maxxで買うと$19だということ。それからというもの、「TJ Maxxはおばさんのいくところ(自分みたいなティーンはいない)」とボヤきつつも、よく行きます。。
4.自分自身で価値を見極める
値札や人の言うことにかかわらず、モノの価値をはかる基準を自分のなかにもつ。$100のものが50%オフで$50になっていても、それが本当に$50の価値があるものなのかを自分で決める。値引きの額に惑わされない。反対に店の片隅で$10で売っているものでも、案外いいものだってある。
5.「Want」と「Need」を区別する
何かを買いたいと思ったとき、買わねばならないと思ったとき、それは本当に必要なもの(Need)なのか、それともあればいいもの(Want)なのかを見極める。「Want」なら買ってはならないわけではなく、たまには贅沢も必要だけど、それを知って買うのとそうでないのでは大きな違いがある。
6.Instant gratification(即時に要求を満たして得る満足感)に慣れない
「すぐに買わねば!」と思わせるように、ビジネスはあれやこれやいろいろな手で迫ってくる。あふれる広告、CM、ソーシャル・メディアを使ったインスタント・マーケティング・・・欲しいと思っても、その場で買わない。「○○までに買えばさらにディスカウント!」などようなキャンペーンは、すぐにまた始まったりする。これは息子にとってとってもチャレンジングな課題。「欲しいと思ったら今欲しい!」のです。「○ドル余分に払えばOvernight Shippingにしたら、明日着く・・」などと、計算している息子。。。急ぎのShippingは誰かの誕生日に間に合わないとか、結婚式が明日だった・・・のような特別な理由がない限り使わないことを何度も言い聞かせています。
7.一週間考える
これが買いたいと思ったとき、一週間待ってみる。・・・このルールを教えたときは、「一週間なんて待てないよ」とブータラ文句でしたが、案外実行してみて、「やっぱりやめとく」とか「やっぱりあっちにする」とひっくり返ったことが、これまで2回はあります。英語でSleep on itといいますが、これってシンプルだけど案外効果があります。上のInstant gratificationに慣れない・・というのと相まって、「とりあえず待ってみる」というのは本当に効果的な方法です。
8.安易に買って、安易に返品しない
アメリカは返品が簡単です。わたしもいろいろなものを返品したことがありますが、簡単に返品ができるから、気楽に何でも買ってみようというのは、あんまりよい姿勢ではないと思います。もちろん、他の店でもっとぴったりのものが見つかるかもしれないけど、そうでないかもしれないから、とりあえず買っておくということはありますが、本当にそれが必要かどうかをよく考えもしないで買うのは消費者として無責任のような気もします。そういう姿勢は、人間としての信頼性にもつながるような気がして、息子には、ものを買うときには精一杯考えて買うように教えています。
9.消耗品でない限り、あらかじめ買わない
どうせ必ず使うものなら買いだめもOKですが、そうでないもの、特に嗜好品はあらかじめ買わないこと。息子のこれまでの失敗はふたつ。ひとつは、水着ショーツ。Buy one Get one freeにつられて2枚買うと言い張りました。「でも、水着は一年に2枚もいらないんじゃない?」という私に、「じゃあ、一枚は来年用を買う」という息子。結局ワンサイズ上はなく、2サイズ上を買うことに。ところが、数年後、その水着がfitするころになったら、趣味が変わってデザインが気にくわないなんていいだして。。。もうひとつは、スノボー。セールだからとあわてて買ったのに(両親の反対にもかかわらず)、結局その後、シーズンが終わるまでに一度もスノボーをやりに行かれず。挙句のはてには、「1ヶ月のうちに、ちょっと靴がキツくなった」などと言い出して、結局返品。さすがの息子も、先取り買いはやめたほうがいいと学んだようです。
10. オンラインで買うときは、bbb.orgで成績チェック
オンラインで買うことの危険性を理解し、そのオンライン・ショップの健全性や信頼度をちゃんと調べてから買うこと。最初は面倒だの、ママは心配しすぎだのいろいろ文句を言っていましたが、このごろは何にも言わなくても自分でちゃんとBetter Business Bureau( bbb.org)にいってチェックしているみたい。一度、bbb.orgでC+の成績のお店から何か買って(これも親の忠告にもかかわらず・・)、その後のやりとりで大変な思いをしたので自分で学んだらしいです。
11. なるべくTaxがかからず、shippingもかからない買い方をする
Taxは私たちみんなのために役立つはずのお金ですから、本当は喜んで(?)払わねばならないものだけど・・・という大義名分だけは教えた上で、それでも払わなくて済むTaxであれば避けたほうがいいこと、それからオンラインはものの値段は安くてもshippingがかかるとトータルの値段は一緒だったりすることを話しました。値段やもののタイプによってはTaxを払ってもローカルの店舗で買ったほうがいいものがあったり、オンラインでなるべくshippingをかけないで買う方法など教えています。
12.為替をうまく利用する
毎夏、日本に帰国すると、まとまったお金をおじいちゃん・おばあちゃんからお小遣いとしてもらうのですが、それを日本円のままとっておくか、ドルに換えるかを一緒に決めます。円が比較的安いころは、そのまま円で持っていて必要なときに親から換金してもらって使ったり、次に日本に行くときまでとっておいたりしていました。円高が進んでからは、日本出国のときに成田でドルに換えるようになり、3万円が昔は300ドル、今では370ドルになるのを身をもって体験し、それからは、日米両方で買えるものなら、日本で円で買ったほうが得か、アメリカでドルで買ったほうが得かなどと計算しているようです。
このくらいかな~、ビギナー:ショッピング編。だんだん大きくなるにつれて、他にもいろいろ教えておかないといけませんね。お金の管理や使い方って、人生死ぬまでつきまとうとても大切なことですが、案外、学校なんかでは教えないものですからね。
勉強になりました。
今!私もHawaiiの日本人が経営する会社のやってる事やシステム、契約がおかしいので、BBBに申請するつもりです。
全額返金希望です。
嘘が多く非常に困る会社でして。頑張ります。
Roroさん、がんばってください!