薬と処方箋で節約ができますか?-できますよ!

「医療費を節約(コントロール)する」シリーズの第二弾、薬の安い買い方です。いつも飲んでいる薬、長期間にわたって服用が必要な薬などは、月々の費用が嵩みますね。薬で節約するにはどんな方法があるのか考えてみます。

1.Generic Drugを選ぶ

薬は、Brand Name Drug(ブランド薬)とGeneric Drugに分けることができます。ブランド薬とは、マーケティング上の商品名がつけられた、特許によってプロテクトされているもので、それを開発した会社しか作って売ることができない薬です。Generic Drugとは、処方量や形態、強さ、処方の仕方、質、効用、使用目的などにおいて、相当するブランド薬と同等である薬です。AdvilやMotrinはブランド薬ですが、IBUプロフェンはGeneric Drugということになります。アメリカでは薬の特許は20年間有効とのことですが、実際は開発段階のクリニカル・トライアル以前から特許申請をするため、20年間のカウントはブランド薬が市場に出るはるか以前にはじまるそうで、結果的に実質的な特許期間は8年から12年くらいらしいです。その8年から12年が終わると、どの会社でもその薬を作ることができるようになり、それがGeneric Drugと呼ばれるものです。一般的に、競争激化のためGeneric Drugはブランド薬に比べて劇的に価格が低いものです。

薬自体の価格が低い上に、健康保険のco-insuranceのパーセンテージも、Generic Drugのほうが低いことがしばしばなので、消費者にとってはダブルでコスト減となります。さらに、WalmartやTargetなどのチェーン店では、Generic Drugの種類によっては30日分でいくらあるいは90日分でいくらというように定額の低価格で提供しているものもあるようで、定期的に飲むものならなおさらチェックしてみるとよいでしょう。

たとえばブランド薬のZocorは一錠$5.71であるのに対し、GenericのSimvastatinは一錠$0.92という差です。

お医者さんから処方箋をもらうとき、あるいは薬局で薬剤師さんに処方箋をfillしてもらうときに、次のような質問をしてみるといいでしょう。

  1. Is this a generic?
  2. Is there a generic version of my drug available?
  3. Can I substitute my medication with a generic?
  4. How much will I save under my prescription plan if I take the generic?
  5. Does the generic version look different from the brand name drug?

追記: ブランド薬とGeneric Drugは完全に同等ではありません。効能においてほぼ同等ということですが、含まれる成分などには違いがあるということです。よって副作用などでも違いが出ることもあるそうです。詳しくは下記コメントをご覧ください。turtleさん、情報提供ありがとうございました。

 

2.Therapeutic Alternativesを選ぶ

まだブランド薬の特許が切れておらずGeneric Drugが出ていない薬の場合、高いブランド薬に代わってTherapeutic Alternative(治療代替薬)を選ぶのも一策です。Therapeutic Alternative(治療代替薬)は、似たようなカテゴリに属する薬ですが化学的には少々の差異があるというような薬だそうで、治療上の作用は類似しており同じ目的のために使われる薬ということだそうです。お医者さんに、Therapeutic Alternative(治療代替薬)を使って節約することができないか聞いて見ましょう。

たとえば、ブランド薬のMavikは4mgで一錠$1.69であるのに対し、Therapeutic Alternative(治療代替薬)のLisinopril 5mgは一錠$0.31という差です。

こんな風に質問してみるといいそうです。

  1. Is there any therapeutic alternative drug that I can take instead of xxx?
  2. Can I substitute my medication with therapeutic alternatives?
  1. How much will I save under my prescription plan if I take the therapeutic alternative?
  2. Does the generic version look different from the brand name drug?

 

3.メール・オーダーを利用する

わたしは継続的に飲んでいる薬がないのでよく知りませんでしたが、長期間のプリスクリプションであれば、メール・オーダーのほうがかなり安くなる場合が多いようです。メール・オーダーだと、薬局で処方箋をフィルするときの1ヶ月分の薬代で、3か月分が買えるんだそうです。年間を通せば数千ドルの節約ができることも。

4.薬を自分で割る

1ガロンのミルクはハーフ・ガロンのミルクより単位あたりが割安であるように、薬も大きな錠剤のほうが小さな錠剤よりもmgあたりが割安であることがしばしば。特に比較的高価な薬などの場合は、大きなmgのものを自分で半分にして飲んだりすることでコストを節約できるかもしれません。ただし、これは医者さんに相談してみる必要があります。たとえばLipitorという薬の場合、40mgの錠剤でも20mgの錠剤でも値段は変わらないのだそうです。錠剤を割るというのはちょっとびっくりするかもしれませんが、コスト削減という目的ではなくても、ちょうどよいサイズがない場合などに常に使われている方法らしく、そんなに珍しいことでもないので気軽に相談してみましょう。割るのが簡単な薬もあれば、やめたほうがよい薬もあるとのことなので、きちんと相談することです。詳しくはこちらをご参考に

5.一回に飲む分を多くする

上の方法の代替策として、20mgを一日2回の代わりに、40mgを一日1回にできないかお医者さんに相談してみるのも手でしょう。ほとんど効果に差がないのなら、処方箋を変更してもらうことも可能です。あくまで、効能と節約とのバランスをとることが必要ですが、お医者さんは効能のほうをメインに考えますから、節約のほうはあなたの責任。効能を犠牲にしない節約の方法を提案し、お医者さんと一緒にベストな方法を見つけるというスタンスをとるといいですね。

ひとつ使えそうなサイトをご紹介します。DestinationRx.com

ブランド薬に対し、Generic DrugやTherapeutic alternativesを検索できたり、処方量ごとの値段を比較できたりできます。簡単な登録が必要です。薬についてあらゆる情報が検索できますが、その情報を持ってお医者さんと相談のうえ、自分にぴったりの薬の買い方、飲み方を自分で見つけていくという姿勢がたいせつです。情報は力なり。お医者さんの処方箋をそのまま鵜呑みにせず、それがどんな薬なのかはもとより、節約できるのみ方はないかを自分で考え、お医者さんに提案していきましょう。

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4 comments

  1. ジェネリック薬品は体内にその薬剤が吸収された場合、ブランド薬とほぼ同じ(完全に一致はしません)薬効動態曲線を描きます。日本ではブランド薬品を第一先発薬品といってます。ブランド薬品が市場にでるには、作用、副作用など含め詳しく調べますが、ジェネリック薬品についてはブランド薬品のように副作用についてはそれほど研究されていないと思います。ブランド薬品とジェネリック薬品は、名前が違うように、異なる薬品であるため副作用も同じであるとはいいきれないと思います。ジェネリック薬品に関する大きな副作用のトラブルを聞くことはありませんが、ジェネリック薬品を内服する場合は、医師、あるいは薬剤師に副作用についてもきくと良いと思います。話が変わりますが、アメリカの錠剤は大きいですよね・・・・・大きな錠剤を呑むのは苦手な私は、以前抗生剤を処方されたとき、錠剤の大きさに本当に驚いたものでした。

    1. turtleさん、詳しい情報をありがとうございます。私の知り合いが、ジェネリック薬品に換えてみたら、胃が痛くなるなど今までなかった作用がでたのでどうしてだろう・・といっていました。そういうことだったのですね。そうすると、薬の中の材料や混合比などが違うということなのでしょうか。それとも主要素は同じで、フィラーが違うというレベルのことなのでしょうか。ブランド薬とジェネリック薬の違いについて医師や薬剤師に聞けば、細かい副作用の違いまでわかるものですか?ご存知でしたらぜひお教えください。

      1. ジェネリック薬品を作る過程で、その材料、混合比をブランド薬品と同じにしたら、それはブランド薬品になってしまいます。また、ブランド薬品のジェネリック薬品は薬剤によって複数存在する場合もあれば、1つしかない場合もあります。ジェネリック薬品のないブランド薬品もあります。ブランド薬品と薬効効果を同じくするために、たとえば、Aの代わりにBを使用するとか、代わりにCを倍量使用して同じ効果を期待するとか、ということになると思います。ブランド薬品と全く同じ材料で同じ混合比でつくられた薬品ではないが、ブランド薬品と同じ作用を期待できる、というのがジェネリック薬品といえます。お友達がジェネリック薬品に換えて胃が痛くなったというのは、詳細はわかりませんが、ジェネリック薬品の成分の何かがお友達の体に合わなかった可能性は否定できないと思います。副作用については、医師や薬剤師はこれまでに挙がった副作用や研究結果などからは情報提供してくれると思います。ただ、薬剤にはブランド薬品、ジェネリック薬品に関わらず、必ず作用と副作用の両方を兼ね備えているものであるという認識は常に持っていたほうがいいですね。

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