プリンターのインクがない、また買いにいかなきゃ~。ここぞという時に、キレるインク。しかもインクカートリッジってバカにならない値段ですよね。Office DepotやStaplesに駆け込むと、ブランドごとにずらっ~と並んだ箱。自分の機種用の番号を確認して、それを持ってレジへ。39ドルなり。高いなあと思いつつも、ブランドと機種ごとに決められたインクを買うのが当たり前と思い込み、ずっとそうしていました。調べてみたら、実はあります、節約の道。
まずは、なぜインクカートリッジはあんなに高いのか、疑問に思ったことはありませんか。大量に出回るものだし、インクだってそんなに作るの大変だとは思えないし、あんなに高い必要はないと思いません?
Hewlett Packardをはじめ、Lexmark、Dell、 Canon、Epson 、Brotherなど、どのプリンター会社も、同じタイプのビジネス・モデルの上に成り立っており、これはRazor&Bladesビジネス・モデルと呼ぶのだそうです。あるもの(たとえばrazor)を非常に低価格かあるいは無料で提供し、その代わりずっと必要になるもの(たとえばRazorを使うのに必要になるblades)を継続的に売ることで利益を確保するモデルです。他によくあるのは、携帯電話は無料であげて月々の契約料で稼ぐというモデルや、電動ハブラシを安く売ってその後のヘッド交換で稼ぐというモデルなどです。
継続的に買ってもらえるというのは企業にとっては利ザヤ。本当なら洗濯機と洗剤のように、どのメーカーの洗濯機にでもどのブランドの洗剤を使えるというようにできるはず。しかしながら、それをやっちゃあ、利ザヤが逃げていく・・・というわけで、お店に並ぶブランドごと機種ごとのボックスがずら~っつ…に至ったわけです。「この機種にはこれしかダメ」と消費者に思い込ませれば、そのブランドのプリンターを使っている間は、「忠実な顧客」として定期的に売り上げが見込める、こういうのをマーケティング用語では「囲い込み」といいますが、そう、私たち消費者は囲い込まれているのです。
例を見てみましょう。たとえば、HP Photosmart D110a。ネットサーチで出てきた最安値は、Radio Shackで$59。いえいえ、インクではなく、プリンター本体の価格ですよ。ところが、同HPが売っているこのプリンター用のインクカートリッジは$34.99(XLサイズ、600枚用)。
実際、プリンターの利益率は非常に低く、あるアナリストの話によるとほぼコストで売るか、あるいは場合によっては損失20%ででも販売しているとのこと。その代わり、インクカートリッジの利益率は60%だそうです。つまり、上のHPの例では、$34.99の値段のうち$21が利益ということです。
どうします?あなたがHPに勤めているのでもない限り、ちょっと払いたくないでしょう、この値段。。。では、どんなオプションがあるのでしょうね。
1.自分でリフィルする。
うまくいけば、これが一番安いオプションのようです。大型カートリッジでも一回のリフィルあたり$4、小さいものなら$2くらいで済むらしいですから、大幅コスト削減ですね。機種によってやり方が違い、場合によってはリフィルができなかったり、難しいものもあるようです。
実はこれは私はトライしたことがあります。リフィル・キットを買ってきて、ちゃんと説明書を読んでやりました。ところが、うまくインクが入らず手についてしまったりで、えらいmessy!2回トライしたのだけど、私には向かないとあきらめました。
2.リフィルしてもらう。
自分でリフィルはちょっと~という場合の代替策は、そう、人にやってもらうことです。Walgreenは一回$12.99。機種によっては対応しないものもあるようなので、あらかじめ調べて行ってください。Costcoの1Hour Photo Centerでもリフィルをしてくれるそうで、コストは$8から$10です。買い物前にドロップして、帰りにピックアップできれば便利かも。あとCartridge Worldというフラインチャイズもあちこちにできつつあり、リフィルしてくれます。自分の持っていたカートリッジにリフィルしてもらうというよりは、すでにリフィルしてあるカートリッジと自分の空カートリッジをトレードインするというような感じらしいです。カートリッジの耐久性上、同じカートリッジを使ってリフィルできる回数には限度があり、Costcoによると5回から10回が目処と言っていますが、多くの場合5、6回が安全圏のようです。
個人的に試したことがないので経験談は書けませんが、オンラインで調べる限り、非常に満足している人から、もうやらないという人まで様々のようです。コツは、インクがなくなってきたと思ったらすぐリフィルすることのようです。インクが無くなり切ってしまったり、無くなってから時間がたってからリフィルをすると、ヘッドが乾いてしまってうまくプリントできなくなるそうです。
3.compatibleか remanufacturedのカートリッジを買う。
compatibleカートリッジというのは、StapelsやOffice Maxなどで売っている、小売店ブランドのカートリッジす。どのメーカーのどの機種にcompatibleかを確認して購入します。Remanufacturedカートリッジというのは、リサイクルされたカートリッジです。リフィルしたものを再販するものです(前述Cartridge Worldのやり方はこれに近いです)。
compatibleカートリッジは新品、remanufacturedカートリッジはリサイクル品ですが、実際のところ、ふたつのことばは混同して使われることもよくあるようです。オンラインでcompatibleカートリッジと検索しても、remanufacturedのものが出てきたりしますので、新品かリサイクル品かが気になる場合はよく説明を読んだほうがいいでしょう。
このcompatibleとremanufactured、お値段的にはどうかというと、妙なことにメーカーによってどちらが安いかにバラツキがあるようです。InkGuides.com調べ(2009)によると…
このリポートによると、お持ちのプリンターがBrotherやCanonなら、compatibleカートリッジを買うほうがお得、HPやEpsonならほぼ変わらず、Lexmarkならremanufacturedカートリッジのほうがお得ということですね。
Googleでcompatible/remanufactured ink cartridgeでサーチすると、これらを販売する会社がたくさんでてきます。信頼できる会社かどうかはきちんと見極めた上で、値段とS&Hの条件のよいところを選ぶといいですね。
ところでこのcompatibleとremanufacturedカートリッジ、質はどうなのでしょうね。わたしはこのところ、remanufactured品を使っていますが、特にメーカー品と比べて問題は見当たりません。これからもremanufactured品で行こうと思っています。
しかしながら、メーカーにとってはこれは頭の痛い話。プリンターは出血価格で販売しているのに、利ザヤのカートリッジが買ってもらえないとなれば大問題。ということで多くのメーカーが、この第三者が売るカーリッジ市場には大ネガティブ・キャンペーンを行っています。たとえばHPによると。。。
- テストしたremanufactured品のうち33%以上が、箱から出した段階で使い物にならないか、あるいはその後不具合を生じた。
- HPのオリジナル・カートリッジのみが、不具合なく毎回正しく作動した。
とのこと。どちらをとるかは、消費者の私たちの決めるところです。