Stimulus Checkの銀行口座へのデポジットの送金が4月半ばより始まりました。もう受け取ったという方もいらっしゃるかもしれませんが、対象者全員に行きわたるまでには少し時間がかかりそうです。以前にもこのブログで、CARES ACTについてはご紹介しておりますが、今回はこのStimulus Checkにフォーカスしてみます。
Stimulus Check (リカバリー・リベート)いくらもらえる?
納税者に対し、独身で$1,200、ジョイントリターンの夫婦で$2,400までのリベートが発行されます(詳しくはこちら)。米国居住者(resident alien)であること、他の納税者の扶養家族でないこと、EstateやTrustでないこと、ソーシャルセキュリティ番号があることという基本条件があり、さらに所得制限があり、高所得になるとリベート額が減額・消滅します。
もらえるのか、もらえないのか、もらえるならいくらもらえるかは下のカリキュレータで調べられます。
いつもらえるか?
もらえる場合についてですが、受け取りがいつになるか・もう発行されたのかなどステータスを調べられるツールが、下のIRSのサイトに用意されています。しかしながら、必要情報を入力してクリックしても、かなりの確率で“Payments Status Not Available”というエラーメッセージがでてしまうようです。
2018も2019もタックスリターンをファイルしていない場合、またはファイルしてあるものの最近だったがためにまだ処理されていない場合には(現在IRSは2019年タックスリターンをプロセスしていないようです)このエラーメッセージがでるようですが、そうでなくとも単にサーバーのオーバーロードで同じエラーが出るようです。エラーが出たからと言って、もらえるものがもらえないということはないはずですので過度のご心配は無用です。
早くお金を手にするためには、Direct Depositがベストです。すでにタックスリターンの時、リファンドをDirect Depositで受け取っている人は、その口座にお金が振り込まれます。リファンドのときにDirect Depositを使わず口座情報をIRSに登録していない場合は、上のGet My Paymentページから口座情報を登録することができます(すでに登録してある口座情報を変更することはできません)。ただし、エラーメッセージが出ず進めればですが。
IRSによれば、数千万件が4月15日までに支払われており、大方が4月末までには送金されるとされています。タックスリターンでDirect Depositの登録がない場合には小切手の郵送になりますが、それは5月初頭以降からの予定のようです。IRSは低所得者層から優先的に発送を行うとしています。
詐欺にお気をつけを
Federal Trade Commissionによれば、4月半ばまででコロナ関連の詐欺は22,400件弱、合計被害額$16.64ミリオン、一件あたりの平均は$557だそうです。一番多いタイプは、旅行やバケーションのキャンセル・返金関連ですが、Stimulus Checkも詐欺の対象になっています。
銀行やIRSになりすまして、個人情報を盗むのが常套手段です。電話や電子メールリンクには反応しない。銀行もIRSもコロナ関連で電話をして個人情報を確認するということはないと公表しています。
Stimulus Checkの正式名称は、Economic Impact Paymentであり、もしも銀行やIRSからの通知であればその正式名称を使っているはずです。Stimulus CheckやStimulus Paymentの通称を使っている者は、詐欺である可能性が高いと見ましょう。
巧妙なものだと、銀行からの詐欺警告通知のテキストがスマホに入り、詳しくはこちらを見よというリンクがついているようなものもあるそうです。詐欺と聞いて、ついクリックしないように。なにか妙だと思ったら、直接オンラインで自分で口座にログインして確かめましょう。
大学生はStimulus Checkの対象になるか?
大学生の大半は親の扶養に入っているケースが多く、Stimulus Checkを受け取るための条件のひとつ“他の納税者の扶養家族でないこと”にひっかかり、大学生本人はStimulus Checkを受け取ることができません。
一方で、親の方は、その他条件に合致すればStimulus Checkを受け取るわけですが、扶養している子どもに対する追加の支給はあるかというと、16歳以下の子どものみに限り追加でひとり$500の支給があるだけです。17歳以上から24歳までの学生については、追加支給がありません。
まとめると、多くの大学生は本人もStimulus Checkがもらえず、扶養されている子どもとして親が追加額を得ることもないという立場となります。
親の扶養から外して、本人がタックスリターンするという手をとれば本人の$1,200のStimulus Checkを得ることができる可能性もあるのでしょうが、親の扶養からはずすと、親の通常のタックスリターンで、扶養の学生に対して得ているCredit for Other Dependents(ひとり$500のクレジット。親のAGI$200,000(独身)/$400,000(ジョイント)まで)やAmerican Opportunity Tax Credit(ひとり$2,500までのクレジット。親のMAGI $90,000 (独身)/$180,000(ジョイント)まで)やLifetime Learning Credit(ひとり$2,000までのクレジット。親のMAGI68,000(独身)/$136,000(ジョイント)まで)などが受けられなくなり、本末転倒となります。また連邦税にならって州税においてもCreditが出ている可能性もあり、それも失うことになります。
この大学生に対するブラインドスポットをカバーするために、CARES ACTでは大学に向けてのStimulus Paymentというのがあります。総額$12.5ビリオンの連邦助成金が全米大学に対し発行されました。
この助成金は、各大学の在籍学生数によって各機関に振り分けられています。受け取った助成金を具体的にどのように使うかは、緩いルールがあるのみで具体的なことは各大学にゆだねられています。課されているルーとしては、助成金の少なくとも50%は学生に提供することとしています。コロナウイルスで通常のオペレーション休止関連での、学生の費用負担を助けるために、非常資金援助という形で学生に対して提供しなければならないということです。
対象になる費用とは、食費、ハウジング、教材、テクノロジー、ヘルスケア、チャイルドケアなどのカレッジコストを包括します。
学生への資金援助に関して、いくらを誰に給付するのかという具体的システムやプロセスについては、各大学がそれぞれ決めることになっています。全員の学生に押しなべて支給するのか、それともニーズの高い学生を優先にするかなど意思決定も大学にゆだねられています。強要ではないが、一人当たりの最高額は、Federal Pell grant の最高額(for the 2019-2020 academic year, $6,195)を参考値として使うようにという通達が出ています。
いち早くシステムをつくり、Web上で申請Formを提供したのがUniversity of Southern California(USC)。他の大学は、4/20現在まだあまり情報を出していません。いずれにせよ、申請には、負担費用が上の条件に合致していることを証明する必要があるので、ご自分のお子さんの大学によるWeb(Financial Aid Officeのページなど)での発表をチェックすることと、このUSCページを参考に費用の整理と証拠書類などを用意しておくとよいかと思います。あくまで、申請のしかたや額の決め方などは大学がそれぞれ決めますので、USCのものはあくまでご参考に。
また、政府からのガイドラインには、“自校の学生に、ニードが低い場合(特に費用負担が高くなくそれほど困っている学生がいない場合)には、自校に充てられた助成金を、同じエリアあるいは州にあるよりニードの高い大学にあげてください”というようなゆる~い提案も出ています。カリフォルニアの大学などは、合計支給額$1.7ビリオンをシェアしあいます・・というようなニュースもあり、今後どうこのお金が使われるかは中もうしたいところです。
なお、全米のどこの大学がいくらの助成金を得たかは、こちらで公表されています。
アメリカ在住、38年のアメリカ市民。72歳、SSを受けながらまだ、仕事をしています。今だに振込みがないのですが、何か問題がありますでしょうか?
2018/2019年のタックスリターンをして、リファンドを銀行振り込みで受け取っていた方に対しては、すでに送金が終わっているようなニュースを読みました。それ以外の方は今からの順次だと思います。ステイタスは記事中のツールで調べるよりないかと思います。電話でIRSを装ってStimulus Checkのことで誘ってくる詐欺が増えていますので、それらは無視なさってください。
手前ども60代半ば永住権所持夫婦(Married Filing Jointly)、毎年IRSへ所得申告後、所有銀行口座へIRSから税還付がありますがShizue Nakamura 様同様にStimulus payments の振り込みが一切ありませんでした。何度かIRSへ問い合わせしてみましたが的を得た回答を得られず諦めていました。先日2020年度申告の際にstimulus payments 受領の有無についての質問項目があり、無しと答えるとクレジットがありました。IRSからの振り込みがなかった人は税申告の際にもらえるようです。以下IRSサイトご参考まで。https://www.irs.gov/coronavirus/economic-impact-payments
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