このブログでもVanguardでの投資について何度かご紹介しておりますが、口座の開設のしかたについてまとめた記事が欲しいというリクエストをいただいています。今回は、Vanguardで口座を開く場合の一般的なフローについてご紹介しようと思います。
これまでの記事で何度か取り上げていますが、Vanguardは支店を持ちません。なので、口座を開設したり投資商品を購入したりという手続きも、オンラインでしていただくのが一般的です。ロールオーバーなど第三者機関からの送金が関わるような場合には、すべての手続きをオンラインですることができず、途中電話や書類でのやり取りが必要になる場合もありますが、それでも一連のアクションのスタートは、オンラインで始められます。問題や質問がある場合は、電話かemailでサポートが受けられます。現在利用している第三者機関とご本人とVanguardの担当者での三者カンファレンスコールなども可能です。
なお、Smart & ResponsibleはVanguardとは何の利害関係もなく、お客様が口座を開いてもコミッションなどを受け取ることもありません。オンラインでの手続きにはいろいろなケースやタイプがありますが、以下一般的な情報として提供させていただきますので、手続きの仕方によっては必ずしも下記で記載したように進まない場合もあります。口座開設や維持について細かいご質問は、Smart & Responsibleでは対応しかねますので、直接Vanguardへお願いいたします。
Vanguardで口座を開く場合には、大きくわけて下の3つのタイプがあります。
以下ひとつひとつ見てきます。
Check or transfer from bank
ひとつめは、チェックを送付する、あるいは他の銀行などの口座からオンラインでVanguardに送金して、口座を開く方法です。これは新たに、IRA、529、課税口座などを開設し、新たに現金を使って投資を始める場合などが該当します。
https://personal.vanguard.com/web/cf/service-center-contact-us/topic/bank-transfers
入金はチェックでもできますが、銀行口座と新しく開くVanguardの口座をリンクさせておくと、月々の自動積み立てをしたり、将来的にはVanguard口座からお金を引き出し銀行にデボジットしたりという指示が、オンラインでできるようになります。
銀行口座のお金でVanguardのファンドを購入する方法はふたつあって、
1)口座開設時にVanguardの具体的ファンド名を指定して、銀行口座のお金を使い直接購入する方法と、
2)銀行口座からとりあえず現金をVanguard口座に入金して、お金がVanguardの入金されてからそれを使って具体的なファンドを購入する方法
があります。
2)の場合、Vanguardに入金されたお金は、Federal Money Market (Settlement Fund)に入ります。Federal Money Marketはマネーマーケットファンドで現金とほぼ同義のリスクのほとんどないファンドです。Settlement Fundは、ファンドを買う時に使うお金、ファンドを売った時に受け取るお金が、一時的に駐在する口座です。
オンラインで手続きをどのページから始めるかで、出てくる画面が異なることがあります。上の画面でなく、下のような画面が出てくることもあります。
どのファンドを購入したいかを指定する画面です。①新しくS&P 500 Indexファンドを指定し、購入する金額を入力し、②をクリック
購入金額をどこから持ってくるかを指定する画面です。①をクリックし、②で購入に使う現金が入っている銀行の口座を指定します(銀行口座のお金で直接ファンドを購入する場合:上の1)のケース)。
いったんVanguardの入金された現金(Settlement Fund)を使って購入する場合は(上の2)のケース)、From my settlement fundを選択します。
Rollerover from an employer plan
二つめは、以前勤めていた会社や団体の401(k)や403(b)を、VanguardのIRAに移して(ロールオーバーして)投資を続ける場合です。
1) 一般的なケースは、401(k) を Traditional IRAにロールオーバーします。税金は発生しません。
2) 401(k)を Roth IRAにロールオーバー(この場合はRothコンバージョンと呼ばれる)をすることもできますが、これは所得税が発生します。
3)稀に、401(k)でRothバージョンでの積み立てを行っていた場合は、Roth IRAにロールオーバーします。税金は発生しません。
以降は、もっとも一般的な1)のケースを想定して書きます。
まずはロールオーバーをして入金するためのVanguardのTraditional IRA口座をオンラインで開きます。
次に、現在401(k)をお持ちの金融機関に連絡をし、ロールオーバーしたい旨を伝え、残高のチェックをVanguardに送付してもらうようリクエストします。ヘルプが必要な場合は、Vanguardのアドバイザーが、カンファレンスコールなどで3社通話をセットアップするなどでフォローしてくれます。
Vanguardにチェックが到着されたら、そのお金で新たに投資をすることができます。オンラインでファンド購入の手続きをするか、アドバイザーに購入したいファンドを告げます。ケースバイケースですが、手続き開始から2~3週間かかるようです。
ロールオーバー手続きについてまとめたワークシートがありますので、お使いください。
https://personal.vanguard.com/pdf/Rollover_worksheet.pdf
Transfer from financial institution
これは、たとえばVanguard以外の金融会社で持っているIRAを、Vanguardに移す(トランスファー)するというような場合です。Traditional IRAやRoth IRAを持っているが、それをそのままVanguardに移します。
1)現在持っているファンドをそのままVanguardに移す(投資しているファンドは変わりがないが、ファンドを管理する会社をVanguardに変更するだけ)こともできます(in-kind transferという)し、あるいは
2)現在持っているファンドを売り払い現金化して(IRAの中なら税金は発生しませんが、課税口座だとキャピタルゲインが発生します)、現金をVanguardに移し、そこで新たなファンドを購入することもできますし、また
3)現在持っているファンドをそのままVanguardに移し(in-kind transfer)、その後Vanguardの口座内でファンドを売り((IRAの中なら税金は発生しませんが、課税口座だとキャピタルゲインが発生します)、新たなファンドを購入するということもできます。
2)と3)は最終結果は同じです。in-kind transferはすべてのファンドについて可能とは限りません。Vanguardでは扱えない他社ファンドもありますから、その場合は、2)をとることになります。
確認が肝要
銀行口座の現金を使って新たに投資を始める場合(一番最初のケース)なら比較的すぐ手続きが済むかと思いますが、ロールオーバーやトランスファーなどだと何週間も時間がかかることもあります。手続きには何段階かのステップを経なければならないこともあります。
最終的に自分の希望する投資ファンドに希望するだけの金額で投資がされたかをきちんと確認することが必要です。Vanguardにお金を移したからもう安心・・などと思っていると、ずっとsettlement fundにお金がとどまったままで投資されていなかったとか、in-kind transferで以前持っていたままの高い手数料のファンドのままVanguardに移っていた・・というようなこともありますから、必ず最終的に希望する形態に落ち着いたことを確認してください。
はじめまして。
こちらでVanguardについて知りました。
記事を読ませてもらって関心を持っています。
現在、夫の会社で401Kでもリタイアメントの準備をしていますが、
Vanguard一本にトランスファーしたほうが良いと思われますか?または、401Kはそのまま続け、
別のアカウントでVanguardにもアカウントを作って投資をするという2パターンには大きな違いが出るとお考えでしょうか?
401(k)は積立額が所得税控除になるという大きな利点がありますから、ぜひ最大限まで活用ください。会社の契約している401(k)の管理会社がVanguardでなかったとしても(多少手数料が高かったとしても)所得税控除の効果で、ほとんどの場合、401(k)は活用するのがベストです(あまりに手数料が高い、あまりにファンドラインアップがひどいという場合のみ、401(k)を使わないというオプションを考慮します)。それを超えて投資できる額があれば、Vanguardでどうぞ。
ご回答ありがとうございます。
いつも記事の更新を楽しみにしています!
こんにちは。先週まさにVanguardのHPを見ていたんです。以前ご相談に乗って頂いた時、子供の大学の費用の件でこの会社の事を知り、早く積み立てを始めよう始めようと思いつつ、まだやってませんでした。すいません。。
私は会社の401(K)を別会社を通して持っているので、今のところこのまま続けて行こうかなーと思ってます。これからもブログで色々勉強させてもらいます!
コメントいただいたのに、承認UPが遅れてすいません!こちらこそよろしくお願いいたします。