賢くショッピング- 案外知らないアウトレットとTJ Maxxの裏話

Last Updated on 2012年2月22日 by admin

あなたは、デパート・ブランド店派?それともアウトレット派?あるいは、TJ Maxx派?自分流買い物法みたいなものが誰にもあるかと思います。わたしは、ブランド品にはこだわりがないけれど、自分に合った質のよいものをできるだけ節約して買うというのがポリシーです。ということで、高級デパートやブランド店は見るだけ。そして、アウトレットかTJ Maxxかと言われれば、ダンゼンTJ Maxx派です。この記事はそれがなぜかの独善的分析!

ここでTJ Maxxと呼んでしまっていますけど、本当のところはMarshalls、Ross、Loehmann’sなどのディスカウンターを含めています。実際、TJ MaxxとMarshallsは同じ会社が保有しており、扱っているブランドもかなりダブっています。Rossも似たかんじですが、値段設定はさらに少し安めだと思います。Loehmann’sはちょっぴりハイエンドよりのものを、少し高めの設定で売っているように思います。ということで、下でTJ Maxxと呼んでいるのは、このようなディスカウンターを総称しています。

さて、アウトレットよりTJ Maxxなわけは…

理由1:アウトレットはワナに陥りやすい。

 

アウトレットはふつう遠いところにあるでしょう。出かけるときは「さあ、いくぞ」というノリじゃないですか?いったん出かければ、少なくとも半日がかり、長ければ一日がかり。つまり行くには決心がいるし時間と労力(ドライブしていく)という「投資」が必要ということです。人間、何か決心したり投資したりすれば、その分モトをとりたくなるもの。そうすると、「何か買わなきゃ」、「手ぶらでは帰れない」というキブンになるものじゃあ、ありませんか。つまり、本来なら買わないものまで買うハメになるということ。ある調査によると、アウトレット・モールに行った場合と、近くのモールに行った場合の購入額を比べると、平均的な人はアウトレットでのほうが79%も多く消費するということです。

それに加えて、「買ってしまった」ものを、「あ~、やっぱり返したい」となったとしましょう。でも返品するには、またそこまで行く決心と投資が必要ですよ。そうなると、「ま、面倒だからいいか」と本当は必要ないものまでキープすることにもなりません?

一方、TJ Maxxは、すぐ近くにあるでしょう?(なかったらごめんね)決心も投資もないから、目ぼしいものがなければ手ぶらで帰宅も平気だし、返品だってラクラク。

 

理由2:アウトレットのものは、昨シーズンものか、あるいはB級品かも。

 

そもそもアウトレットはブランド品のキズ物や難あり品を安く売る特設のモールとして始まったわけですが、最近はほとんどの製造がアメリカ国外で行われるため、キズ物や難あり品がアメリカ大陸まで来るということが少なくなりました。実際のところ、アウトレットで売っている商品の80%超は、そもそもアウトレット販売専用につくられるものだそうです。

キズ物や難あり品は、本来A級品であるべきものの不完全品であり、少々のキズや難に目をつぶれば、あとの品質はA級に近いものです。これに対し、そもそもアウトレット用につくられたものは、素材やつくりなど全体的にB級品です。ひとそれぞれだと思いますが、わたしは買うならA級品のキズ物のほうを好みます。

この違いは、タグを見て判断するのが一番(もちろん、手にとってその質の見分けがつけばあなたはプロ!)。A級品のキズ物のほうは、正規のブランドのタグがついていますが、キズ物であることを示すため、マーキングがあったりカットがあったりします。これに対して、アウトレットやファクトリーストア専用B級品の場合は、ブランド名にoutletとついていたり(LL Beanのfactory storeラベルなど)、ブランドによっては別名をつくっていたり(Brooks Brothersの346ブランドなど)、ブランド名の横に見分けのためのマークがあったり(Gapや Banana Republicの小さな三つの四角マークなど)します。専門家によると、アウトレットで最新シーズンのスタイルを見たらそれはふつうB級品(アウトレット専用品)とのこと。昨年のスタイルであれば、A級品の売れ残りの可能性が高いとのことです。

一方、TJ Maxxはどうでしょう。一般的にキズ物、難あり品を安く売っているところというイメージがありますが、実際そのような不完全品はTJ Maxxで売っている品の5%以下だそうです。しかも昨シーズンものの売れ残り品も少ないのです。ほとんど商品、TJ Maxxによれば85%以上の商品は、最新シーズンのA級品なんですよ。

TJ Maxxをはじめとするディスカウンターは「off-price buyer」と呼ばれ、メーカーの製造予測誤りによる過剰品や、デパートなど小売店の販売予測誤りによる余りものを、off-priceつまり激安で仕入れる会社です。メーカーが600,000着分売れると見込んでの生地を仕入れたのに、ふたを開けてみたら小売店からは500,000着分しか注文が入らなかったとなると、off-rice buyerの出番。残りの100,000着分を激安でおろしてもらえるよう交渉するのだそうです。結果的に春先にデパートに並んでいるブラウスとまったく同じものが、TJ Maxxで40%引きで売っているということになるわけです。このことがあまり問題にならないのは、きっとデパートでいつも購入する顧客層とTJ Maxxに行く顧客層が完全に分離しているからでしょう。デパートに行く人は少々高くてもデパードで買うし、TJ Maxxに行く人はいつもTJ Maxxで安く買うわけです。

 

理由3:アウトレットでは、得をしているかのような幻想を見いやすい。

 

よくMSRPという表示を見たことがあるでしょう。これは、Manufacturer’s Suggested Retail Priceの略で、つまりメーカーの小売希望価格ということです。ミソはsuggested(希望)というワード。実際、この価格で消費者が買うことはほとんどないのです。アウトレットで、MSRP $100、アウトレット価格 $60となっていたら、40%も得したと思い込みがちですが、実際のところはその商品の平均小売価格は$70かもしれません。とすると、10%くらいしか安くなっていないことになります。MSRP価格はリファレンス・プライスとも呼ばれ、消費者が「どのくらい得か」を測るために参考(リファレンス)にする価格であり、MSRP表示はこの心理作用を狙って使われているのです。この心理作用と、理由1で書いた「わざわざアウトレットに出向く」決心と投資とが相乗的に働いて、アウトレットでは「せっかく来たし、安いに違いないから、もっともっと買わねば」という呪縛にかかってしまいがちです。

一方、TJ MaxxではMSRP表示ではなくて、「Compare At」価格を表示しています。これは、デパートなどの小売店やカタログ販売の販売価格(MSRPではなく、実際の販売価格)の予想値で、TJ Maxxの仕入れ担当が販売市場を調査した結果に基づくものだそうです。実際、わたしの個人的経験からすると、TJ Maxxなどの「Compare At」価格はMSRPよりもかなり低いことが多く、実際の販売価格にかなり近いように思います。つまり、「Compare At」価格 $100、TJ Maxx価格 $60となっていれば、ほぼ40%offで購入したと考えても、そうはずれてはいないということです。

ということで、私はTJ Maxx派。ちなみに、TJ Maxxとは何も関係ありませんし、一銭ももらっていませんのであしからず。以上、独断に満ちた分析でした。。。

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