スマホのアップグレード - 自分への価値を見極める

私の携帯電話はSamsungのGalaxy SIIです。いつ購入したか忘れましたが、Wikipediaによれば2011年に発売になったものだそうで。私以外の家族はみんなiPhoneで、中には最新版を使っている者もあり、「ママの電話はあまりにもかわいそう」と言われるのですが、わたし的にはこれで十分、当面これでいいと思っています。テキストとLineと通話にアラームとカメラ、あとはショッピングリストとかノートも使いますが、それくらいで十分です。たまにメールチェックをしたりニュースを読んだりマップを使いますが、それ以外は、携帯ではなく常時PCを使っているので、Galaxy SIIで何の不便もありません。私がスマホに求めるものはそれだけなので、かわいそうと言われようがなんだろうがそれでいいのです。

アップグレード派 vs ずっと使う派

あるリサーチによると、アメリカではスマートフォンを持つ人のうち45%は毎年新型機にアップグレードし、40%は2年に一回アップグレードするそうで、残りの15%は壊れるまで使うそうです。永遠に続くアップグレードサイクルですが、毎回アップグレードすることは必要なんでしょうか?どんなテクノロジーも一緒でしょうが、スマートフォンも開発されたばかりの当初はどんどんと進化が進んで、小型化、軽量化、高機能化が進みましたが、ある一定の時期を過ぎると、それ以上はたとえ機能が進んだとしても以前ほどの目ざましい進化はありえない、つまり微妙なミニマム進化状態に入っていくものでしょう。

たとえ新しい機能が追加になっても、それは目新しいうちはちょっと使ってみるものの、その後はやはりもう使わなくなることも多いでしょう。結局いつも使う機能というのは限られているもので、最終的にはもともと使っていたものでも十分だったということもあるでしょう。しかしながらメーカーはとにかく新しい製品を買ってもらって売り上げ確保のサイクルを維持せねばなりません。日本もアメリカも消費者の消費活動のうえに経済が成り立っているのは同じことで、消費をいかに鼓舞するかということに各社は心を(お金も)砕きます。新機能があたかもどうしてもなくてはならないもののように唄い、アップグレードしなければならない思いを駆り立てます。

機能的な差でインパクトがなければ、形で勝負。新機種は前の機種とは見てわかる差をつけて、それがいかにファッショナブルであるかをPRします。薄くなったり小型になったかと思えば、今度は大型になります。PR次第で消費者の心はどんどん変わります。新機種を持っていることは、機能的にそれが必要というよりはステータスシンボルでもあり、新機種を持ちたいという願いは多くの場合NEEDではなくWANTです。

 

自分の判断基準

人間、WANTをすべて手に入れる余裕があればそれはそれでいいのかもしれませんが、多くの場合、限られたお金を将来への貯蓄も含めたいろいろな使い方をしなければならないわけですから、通常はWANTのスクリーニングが必要になります。NEEDではないものは買わないとするのもいいですし、WANTの中でも「ちょっとここは贅沢してしまおう」という部分は特別に決めておいて、それ以外のWANTはあきらめるというのもよいでしょう。いずれにせよ、自分自身の判断基準というかルールが必要です。

ところが、メーカーとそれと結託した携帯キャリア各社はマーケティングの天才です。コマーシャルや宣伝などのPRだけでなく、販売活動にもすばらしい力を発揮し、「アップグレードしたい・しなければ」という思いを植えつけるだけでなく、「アップグレードしないと返って損」というシステムをつくりだして迫ってきます。古い機種をトレードインすれば新機種が安く手に入るしくみや、新機種がタダでもらえるしくみ、新機種にすればおまけがついてくるしくみなどなど。。自分の価値判断を持っているつもりでも、次から次へといろいろなプロモーションで迫られると、「それならアップグレードするか」と思いたくなっても当然ともいえます。

 

2年契約のしばり

このようなプロモーションの最たるものが2年契約のシステムです。2年契約をしてスマートフォンを安く入手し、2年の期間が終わると新しい機種に無料あるいは非常に安くアップブレードする権利が与えられ、そこからまた2年契約が始まるというしくみです。こうやって永久ループに入って、アップグレードをし続けることになります。もちろん、アップグレードを拒んで古い機種を使い続けることも可能ですが、アップグレードしてもアップブレードしなくても支払う月々の使用料は同じということもあって、アップグレードしないと損という感がありました。

2年契約は新機種が非常に安く手に入る反面月々の使用料が高く、メーカーはこの方法で2年間かけてじっくりと当初の製品コストを回収するとともに、それを上回る利益を得るというしくみでした。使用者の立場からすると、2年間のコストを比較すれば、製品を安く買い高い月々の使用料を払い続ける2年契約と、本来の製品価格を払い月々の使用料がサービス料金だけで済む非2年契約(ノンコントラクト、プリペイド)では、2年間のコストに直すとほぼトントンですが、2年を超えて同じ電話機を使ったとすると、後者のほうがコスト安です。しかしながら、コスト安を享受できるのはあえて最初に高い製品価格を払い非2年契約でサービスを始めた人たちだけで、2年契約サイクルを始めた人は2年後ごとのアップグレードサイクルに永遠にトラップされた形でした。

 

携帯キャリアの路線変更

ところが、このサイクルに変化が見られるようになりました。たとえ2年契約をしてきたのであっても、契約完了後アップグレードせず古い機種を使い続けることを選択するなら、その分$10~$25ほど月々の使用料が安くなる形態が出始めました。月々の使用料が、以前の2年契約ではサービス料部分と製品の代金部分とが分かれておらずトータル料金でチャージされたのに対し、新しい形態ではこのふたつが分離され、アップグレードした場合はサービス料と製品代金がチャージされ、古い機種を使い続ける場合はサービス料金だけ支払えばよくなりました。

 

こうして同じスマートフォンを何年も使い続けることで、大きな節約が可能になりました。頻繁にアップグレードをする必要性を感じない顧客層はサービス料金だけの契約で、比較的安価にサービスを利用することができます。反面、以前として12ヶ月~18ヶ月で新機種に乗り換えたい顧客層も存在し、トレードインプログラムも人気です。使っている電話機と引き換えに新しい製品を手にするというアーリートレードインのしくみで、新製品の価格からトレードイン価格を差し引いた差額は、利子ゼロで月々返済していくというものです。携帯キャリアはこうすることで、アップグレード派からは月々製品代を回収できると同時に、旧モデルでもハッピーな層に対してはトレードイン製品をリセールしたり、あるいは機器保険の代替品として提供したりすることで、再利用による利益をあげることができることになります。

 

今後は、アップグレード派と、長く使う/旧モデルでハッピー派との2極化が進んでいくのかもしれません。ちょうどリースでいつも新車に乗っていたい層と購入して同じ車を乗りつぶす層とに別れるように、スマートフォン市場も分かれていくのでしょう。この記事は、どちらがよいとか悪いとかを問題にしているのではありません。自分はどちらになりたいかの判断基準を持ち、メーカーやキャリアのやり方に流されるのではなく、どちらを選択にするにせよ納得して賢い選択をする消費者になることをお勧めするものです。また、そもそもスマートフォンでなくて十分、通話ができればよいのでダムフォンでOKという人もおられるでしょう。それも立派な選択だと思います。

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2 comments

  1. 2年半使用しているLGのスマートフォンについにバッテリーの消耗が見られ、明日買いに行こうと思っています。確かに去年の12月でAT&Tの2年契約が終了したのと同時に、月々の使用料が$30ほど安くなりました(すごくハッピーです。)

    トレードイン製品のリセールですか。私の携帯使用度を考えると、それで十分かもしれません。でも最近はソーシャル(特にLinkedInとFacebook)を良く見るので、携帯自身の負担度はどれくらいなのか、、、ちょっと分かりますが、トレードインを念頭に明日お店に行ってきますね。

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