不要な保険に無駄なお金を払っていませんか?(1)

将来の不測の事態に備えるのが保険。予期しない事態への不安があるので、人は保険を買います。もしも火事になったら、もしも事故にあったら、もしも大病をしたら・・・。こうした事態によって、それまで一生懸命築いてきた生活が崩壊してしまわないように、正しいリスク評価をして 備えておくことはとても大切です。しかしながら、将来の不測の事態すべてに備えていたらいくらお金があっても足りませんし、それは無駄なことでもあります。保険会社は、この消費者の抱える「不安」をよく心得ていてさまざまな「保険」をつくりだし売っていますが、そんな中に購入するに足らない保険というのもあるようです。2回に分けてお届けします。

 

購入に足らない保険のナンバーワンカテゴリーは、保険のカバーする条件があまりに限定的なので、ほとんど必要になる可能性の低い保険、言い換えれば、もっと広範囲をカバーする保険で一緒にカバーしてしまったほうがずっと合理的だと考えられる保険です。

 

たとえば生命保険は、被保険者が死亡すれば必ず保険がおりますので、その条件は「保険者の死亡」であり、こういう死亡でなければならないとか、あんな原因の死亡ではいけませんなどの条件は(一部の例外を除いては)ありません。あくまで「死亡」だけが条件です。それに対し、保険が支払われる条件がとても狭く、そのような条件を満たす事態は起こる可能性はなくはないものの可能性が非常に低く、支払う保険料に見合わない保険というのがあります。たとえば・・・・

 

Accidental Death & Dismemberment Insurance (AD&D)

 

AD&Dはその名のとおりアクシデントが原因で死亡するか、あるいは体の一部を失う(Dismemberment)ことになった場合に保険金が支払われる保険です。アクシデントの定義はポリシーによって異なりますが、病気による死、医療事故、ドラッグ乱用での死などはカバーされません。ある調べによれば、アクシデントが原因で起こる死は、全体の死亡数の中のわずか0.5パーセントです。また、体の一部を失うような事態は具体的な数字はありませんが、非常に特殊ケースといえるでしょう。老衰や病気などをカバーせず、アクシデントと体の一部がなくなった場合だけをカバーする保険・・ちょっと首を傾げませんか?

AD&Dを購入するならば、普通の生命保険を購入するほうがよいでしょう。Term Life(期限付き生命保険)を使えば、子どもが自立するまでの間など補償が必要になる期間に対してだけ、状況に応じ補償額を必要なだけ、より低コストで購入することができます。また、体の一部を失うようなことになれば、おそらくDisabledとなり今までの仕事を続けることができなくなるかと思います。それであるなら、Disability Insurance(所得補償保険)の購入により、Dismembermentだけでなくどんな理由からでもDisabledになった場合の所得が補償される保険を購入するほうが理にかなうでしょう。より広範囲の条件をより安くカバーするのが一番です。

多くの人は生命保険と所得補償保険を購入していれば、AD&Dは不要だと思われます。ただ、仕事が危険を伴うので事故の可能性が高いとか、ロッククライミングやダイビングなど事故にあうことが憂慮される趣味をもっているなどの場合で、どうしてもAD&Dがほしいというのであれば、生命保険にRider(特約)としてつけることもできます。そのほうが、AD&Dを単独で買うより低コストでしょう。

 

モーゲージ生命保険

モーゲージ生命保険(Mortgage Life Insurance)は、被保険者が死亡したとき、残っているモーゲージ残高の支払いを補償します。こちらの場合は、どんな死亡でも(一部の例外を除いて)カバーされるのですが、ただ補償はモーゲージの残高返済だけが対象となります。そう意味で、補償の受け取り方に限定があるといえます。生命保険であれば、死亡すれば一定の契約保険金がベネフィシャリー(通常は残された家族)に支払われ、ベネフィッシャリーはモーゲージの返済だろうが、クレジットカードの返済だろうが、その他の生活費だろうが、何にでもそのお金を使えるという自由があります。それに対しモーゲージ生命保険は、モーゲージ残高の支払いだけが対象になります。また、補償金は直接モーゲージを持っている金融機関に支払われ、家族の手に渡ることはありません。残された家族には、モーゲージの完済より先に優先順位の高い課題、たとえばお子さんの学費確保などがあるかもしれませんが、それは考慮されません。

モーゲージ生命保険は、モーゲージ会社がモーゲージと一緒に販売することが多く、これらは当初ローンを組むときに保険料が一括で加えられ、月々のモーゲージ支払額の中に組み込まれた形で、ローンを支払い続けている限り払い続けるという形がよく見られます。このタイプだとモーゲージ生命保険の保険料も一緒にローンする形になり、保険料だけでなくそれに対する利子も払うことになり、非常に高くつくことになります。たとえば、健康な40歳の男性が$50,000のモーゲージローンを組んだ場合、モーゲージ生命保険だと年間$370もの出費になるところ、$50,000のTerm Life(期限付き生命保険)であれば年間$92で住むという例もあります。

通常の生命保険を十分な補償額で購入していれば、被保険者が死亡すれば家族は補償金を手にすることができ、それをモーゲージの完済に使ってもいいし、生活費や学費につかってもいいという自由があります。また、モーゲージ生命保険は家にくっついた保険ですので、その家を売って新しい家を購入すると保険もなくなりますが、普通の生命保険なら家とは完全に独立していますので、ずっと持ち続けることができます。

 

車ローンの生命保険

これは上のモーゲージ生命保険のAuto Loanバージョンです。車を購入してローンを組んだとき、車のディーラーから進められることのあるものです。上とまったく同じ理由から避けたほうがよいでしょう。

なお、Autoローンを組む場合は、ディーラーで組むローンより銀行やクレジットユニオンなどで組むほうがローン自体の条件がいいことが多いので、それも付記しておきます。車のディーラーにとっては、車の販売によるマージンはどんどん減少していきている現状があり、車のローン金利やワランティ料、保険料などが補足収入として魅力的であるという背景があります。ディーラーのいうとおりに金融商品を買わず、他も見て比べてみるということをお勧めします。

 

つづきは2回目で。

 

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