毎年$10,000ずつターゲットデイトファンドに17年間積み立てたら・・・

このブログでは、インデックスファンドにドルコスト法(毎月、毎年定額を淡々と積み立てる)で長期的に運用するという方法を再三再四ご紹介しております。今回は、「じゃ、本当にそれをやったらどういう効果があるの?」を、実際に確認してみたいと思います。最近は401(k)でもよく見るようになったターゲットデイトファンドを取り上げたいと思います。具体的にはVanguardのTarget Retirement Fund2045というのに、2003年(この年がこのファンドができた年です)から、毎年$10,000ずつ17年間投資し続けたとしたら、リタイヤメント資産はどう伸びてきたかを過去データで見てみます。

現在残高$432,297

2003年に、初期投資$100でVanguard Target Retirement Fund 2045に投資をし始め、毎年$10,000(月々$833)ずつコンスタントに積み立て続けたとしたら、17年後の2020年末には$432,297になっていました。下記の通り初期投資$100、2003年を含む2020年までの18年間で積み立てたお金が$180,000。積み立て元本合計は$180,100です。この期間平均の平均年間利回りは9.29%です。累計では元金が3.6倍になった計算となります。

期間中の残高の経緯は以下の通り。

黄色いところが株式市場が大きく値下げをしたところです。左側の黄色印はサブプライムローン問題の金融大恐慌、右側の黄色印は記憶に新しい(というか今も真っただ中の)コロナショックです。でこぼこはありますが、全体的には順調に右肩上がりで増えてきているのが分かります。

Vanguard Target Retirement Fundは以下のように、US株式、外国株式、US債券、外国債券で組み合わせてできています。Target Date(今回の場合は2045)に向けて、リスクが自動調整で投資がされていきます。2003年(2045年から42年前時点。グラフにはありませんが)に株式比率90%で投資開始となり、2020年(2045年から25年前時点。黄色の矢印)までは90%レベルを維持し、今後だんだんと2045年のリタイヤに向けて株式比率が下がっていくところです。

株式90%:債券10%の全世界分散ポートフォリオにより、年間平均9.29%の投資が実現した例です。年間平均9.29%というとすばらしいですが、これはあくまで平均の話。実際、株式市場はアップダウンが激しく、90%も株式を持っていれば自ずと投資残高にも大きな影響を受けます。

上がったり下がったり

18年間中、マイナス利回りだったのは4回。一回目は2008年の金融恐慌で34%も下げました。その後は少しマイナーな下げで、2011年の-2.58%、2015年の-1.66%と続き、2018年には-8.02%です。2020年当初のコロナショックは、がくんと下げたものの、すごい勢いで戻してさらに値上がりし、2020年オーバーオールで利回りはプラスの16.67%です。

これを見ると、上がっても下がっても何も路線変更はせず、ただただ淡々と積み立て続けることのパワーがご覧いただけるのではないでしょうか。かえって何かすることはキケンであることも見て取れるように思います、2008年、2011年も、2015年も、2018年も、下げたあとには1,2年以内に二けたの上昇があります。これを逃さずゲットする方法は?ずばり、下げたときに売らないでそのままstay investedです。

もちろん過去に起こったことが将来に起こる保証はありません。ただ、これが将来に起こる可能性のほうが、起こらない可能性よりはずっと高いように思うのです。

6 comments

  1. いつも参考になる記事ありがとうございます。一つ質問ですが、退職後の401kを個人のIRAにrolloverしたのですが、これを全額V社のターゲットファンドにいれたいと思ってます。この場合、rolloverした全額一度に購入したらいいのか、または数回に分けて購入するべきか、どちらがいいかなどありますでしょうか?あと10年以上保持するのでどちらでもあまり変わらないでしょうか?

    1. Rolleoverしたものは現金でしょうか、株式ファンドなのでしょうか?
      現金のように理解したので、以下の記事をリンクさせていただきます。
      迷っているヒマがあるなら投資する!
      まとまるなら、「資金は今から下がるかもなどと心配せずに、とにもかくにも一刻も早く投資に回した方がよい」です。リーサーチでは2/3の確率で一括投資が良いという結果ですが、裏返せば1/3ではタイミングを分散させるほうがよかったということなので、そこはどう考えるか(将来の市場の動きはいろんな人がいろいろ言いますが、実はだれにも正確には予測はできません)だと思います。

      反対に、すでに株式ファンドなどを持っていらっしゃって、それをV社のTDFに入れ替えるのなら、タイミングはそれほど気にしなくていいように思います。株を売って株を買う(債券も入っているとは思いますが)ので、ある程度似たようなものの間での転換になるからです。

  2. 毎回このサイトの記事を参考にさせてもらっています。
    質問があります。
    VanguardのIRAの口座を開設した後にETFに投資しても、Mutual Fundに投資しても税金面での優遇は変わらないでしょうか?
    例えばVTIを買っても、VTSAXを買ってもどちらも税金面では変わらない認識でいいんですかね?

      1. 返信ありがとうございます。
        ということは、何を運用してもTraditionalなら税金控除ができ、Rothなら適正年齢後は無税で引き出せるということですね。
        決められた商品だけ買えるものと思ってました。

        1. ああ、そういう意味での税金でしたら、そうです。中身がミューチュアルファンドでもETFでも、入れものとしてのTradirionalやRothの違いは、税優遇は同じように作用します。

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