オンラインサイトのレビューはよく読みますか? 私はYelpとかAmazonとかトラベル予約サイトのレビューをよく参考にします。ただ、これらのレビューの中には、そのお店なりビジネスなりのある程度の操作が入っていることは多いもの。非常によいレビューに惹かれて購入してみたところ、実際使ってみたら「アレ、それほどよくもない」という体験もしたことがあります。レビューはせっかくのリソースだからぜひ参考にしたいもの、でも同時にフェイクレビューに惑わされるのは残念です。賢い購買選択のために賢いレビューの使い方ってあるのでしょうか?今回はAmazon.comのレビューに焦点を当てて調べてみます。
レビューのスター統計をみる
まずは、5スター特典の統計の分布を見てみましょう。相当すばらしいか、相当ひどいかの両極端でない限り、ある程度統計はそれらしい分布を見せるのが自然でず。それらしい分布というのは随分とあいまいな言い方ではありますが、とにもかくにも、あまりに白黒はっきりした分布を見た場合は、もしかしたら人工的に操作されているのはないかと疑ってかかったほうがよいかもしれないということです。
実際、Amazonで出展されているふたつのアイテムを比較してみましょう。ひとつは、Duffle Bag。もうひとつはWhite Bean Extractです。前者は、私の友人の会社で、この会社はレビューを操作するためのマーケティング活動は一切していないので、レビューはすべて顧客が自らしている正当なものです。後者は適当にピックしたアイテムで、レビューが正当かどうかは知りません。
これらふたつのアイテムの統計分布は以下の通り。。
確かな根拠はありませんが、上はなんとなく信頼できそうな感じがしませんか?下は、ちょっとばかり人工的なにおいがしてきます。これはとりあえず判断のスタート地点ということにしましょう。
Amazon Verified Purchaseのレビューかどうか
レビューをした人のログインネームの下にVerified Purchaseと記載があれば、その人はそのアイテムをAmazonで購入した顧客であることを意味しています。レビューを書くときに、Amazonでそのアイテムを購入したひとにしか、Verified Purchaserである旨選択するチェックボックスが表示されません。実際に購入した人がレビューを書いているということは、実際購入もしないのにセラーの依頼を受けてレビューを書いただけではないということになり、客観的なレビューである確率が高いといえます。
ただ、Verified Purchaseでないということは、実際にそのアイテムを使ってのレビューではないとは必ずしも決定はできません。Amazonではない他のサイトやお店で購入したのかもしれないからです。さらに、本当はAmazonで購入したひとであっても、レビューを書くときにVerified Purchaseのチェックボックスをチェックし忘れるひともいるかもしれません。
あくまで、数値的にAmazon Verified Purchaseのレビューが多いほうが、全体的なレビュー統計の信憑性が高いと推測されることと、ひとつつひとつのレビューも実際にアイテムを使用しての内容である可能性が高いといえるということです。
Verified Purchaseをクリックしてみるとそれぞれ、レビューの全体のうちVerified Purchaseのものだけがリストされます。Duffle Bagのほうは、全140のレビューのうち、138(99%)がVerified Purchaseでした。一方で、White Bean Extractのほうは、522中483(93%)がVerified Purchaseでした。数字的にはどちらもVerified Purchaseのパーセンテージが高いといえますが、ただ後者のほうがもしかしたら操作がはいっている可能性もあるかもしれないことが読み取れます。
Verified Purchaseなら信じられるか
ところが、Verified Purchaseであってもセラーの操作が入っている可能性はないとはいえません。たとえば、セラーがレビュー集めのプロモーションのために、実質上大きなディスカウントで(ときにはフリーで)アイテムを“販売”することで、短期間で好意的なレビューを集めることもできます。これに対応するために、本年頭に、AmazonはこのようなPurchaseはレビューとしてカウントしないことを発表しました。どの程度のディスカウントであればカウントしないかは公表されていないようですが、限度は50%くらいではないかという推測が多いようです。ですので、50%以上のディスカウントで売られたものはVerified Purchaseとしてカウントしないが、でもそれ以下ならされるということであるので、完全のこの操作の問題が解消されるわけではないでしょう。また、ディスカウントの代わりにギフトカードやPayPalリファンドなどを出すことでも、実質上のディスカウント相当の見返りを出すことができるので、やはりこの問題は軽減されるものの残るのではないかと思われます。
レビューの日付のちらばりを見てみる
つぎに、レビューの日付を見てみましょう。セラーがプロモーションやマーケティング活動を通してレビューを集めるのは、ある一定期間に集中することが多い(とくに商品を売り出した初期フェーズに多い)ので、レビューの日付に偏りがないかを見ることも大切です。
たとえば上のDuffle Bagの場合は、2015年1月に初めてのレビューが記載され、その後、月々レビューの多い月少ない月の変化はあるものの、かなりまんべんなくレビューが掲載し続けられています。これに対しWhite Bean Extractのほうは、同じ2015年1月に初めてのレビューが記載されて、その後3ヵ月経った2015年4月には85件のレビューが追加され、翌月5月には46件のレビューが追加されていますが、今度直近の2016年3月は5件、2016年4月は7件という数字です。ちょっと不自然だと思いませんか?
同じセラーの他のアイテムはいかに
そのセラーの他のアイテムも見てみましょう。スターの統計や分布に似たようなパターンが見られたら、要注意です。どんなによいセラーでも、どのアイテムでも「すばらしい」レビューを得ることはなかなか難しいはず。トップセラーの商品もあれば、そうでない評価が今一歩の商品があるのがビジネスの常です。たとえば、White Bean Extractのセラーの場合、多くの商品でスターの分布の同じようなパターンが見られました。プロモーションなどの操作でそうなっている確率は高いといえましょう。
2~4スターのレビューを読む
セラーの操作が入っている可能性が高いのは5スターと、その逆の1スター(競合相手のネガティブレビューである可能性)であると思われます。真ん中の2~4スターは比較的操作が入っている可能性が低いかと思われ、このあたりのレビューをじっくり読んでみるのは意味があることかもしれません。どういう点がプラスと評価されているのか、どういう点がマイナスだと評価されているのかを自分なりに吟味してみることです。
こんなサイトも
最後にFakespotというサイトをご紹介しましょう。このサイトは各サイトのレビューを分析して、信憑性についてグレードづけをしています。
たとえば、Duffle BagのURLを入れてみると。。
White Bean ExtractのURLでは。。
ということでした。。
こんにちは。
私も常々アマゾンのレビューは怪しいものがあるな・・と思っていました。高評価なので購入したら、ジャンクだったり・・という経験もあって、レビューを数と星の評価だけに頼らずにもっと詳細にみるようになりました。
個人的には私は、4のレビューをよく見るようにしています。その中で、pro/con が書かれているものは、使えるレビューのような気がしています。
私もそう思います!
こんにちは。
プロシューマ向けハイテク機器をアマゾンでも販売している中堅会社で開発の仕事をしています。当社のような会社ではアマゾンのレビューはマーケティング、カストマサービス、Q/Aなどの重要なリソースの一つです。
ご参考までに。
ありがとうございます。