昨今人気が高まったゴールドですか、その流行も少しおさまりつつあるようですね。いまだ米国経済の先行き不安は残り、貴金属の王様であるゴールドには根強い人気があるのも確かです。「ゴールド投資ってどうなんでしょう?」というご質問にお応えして、今日はゴールドについて考えてみます。
ゴールドの魅力はなんといってもインフレに左右されない価値を提供するということですね。たとえば銀行預金や債券などは、将来手に入る利子が決まっていますが、インフレ率が高くなった場合、将来手にする利子はインフレ率が低かったころに比べるとずいぶんと価値が目減りしてしまいます。これに対してゴールドの価値は独自の変化をしますが、歴史的に見て安定した価値を保持します。諸国の通貨はインフレで目減りしても、ゴールドの価値は目減りしないというのがこれまでのパターンです。
インフレには強いゴールドですが、需要と供給のバランスには左右されます。2011年9月に1オンスあたり$1,900でピークを迎えたゴールドの値段、その後上がったり下がったりを繰り返し、この4月には1オンス$1,400まで下がりました。5月には持ち直したものの、年末には1オンス$1,200から$1,300まで下がると予想しているアナリストもいます。
「悲観」と「憧れ」
ゴールド投資のウラには、「悲観」と「憧れ」があるのだそうです。
「悲観」のほうは、経済の先行きに対する不安や恐れといったもので、国が借金まみれになっているとか、しばらくは超低金利が続くとか、株式市場もどうなるかわからないしとなると、相対的にゴールドがよく見えて買われることになるということのようです。昨今のゴールド人気は、アメリカ経済の先行き不安、ドル安に加え、ヨーロッパ諸国の金融不安なども加わった結果だそうです。これは裏返せば、その反対の状況ではゴールド離れが起こるそうで、金利が上がってインフレ率を2%超えた時点で、ゴールドの値下がりが起こる可能性が高まるといわれていいます。
反対に「憧れ」のほうは、ゴールドというモノ自体への「憧れ」です。やっぱり、金(きん)といえば何か特別な感情がありますね。他の投資媒体とはまったく違った、単に「投資」以上の何かが。。インドと中国が世界のゴールドの延べ棒、コイン、装飾品需要の半分以上を占めるのだそうで、この両国ではゴールドというものは文化的にも特別なシンボルなのだそうです。日本でもありますよね、金箔の入ったお菓子とか化粧水とか。。中国とかインドではお金持ちが増えるに連れて、ゴールドへの需要が高まっているらしく、これはこれからのゴールド値予測の好要因です。
簡単に増やせない供給
需要が増えるのなら供給も増やせばいいじゃないか・・と思いますが、どうやら簡単にはガンガン掘り起こすことはできないらしいです。出そうなところはある程度もう掘り起こされていることと、場所を見つけたり、掘り起こしたり、それを輸送したりする際の環境上や政治上のルールや問題が複雑で、それにともなうコストも上がっているということもあるようです。限られた供給もゴールド値予測の好要因です。
ローラーコースター
ゴールドの値動きは激しいです。専門家によると、1年間のうちに15%以上も上がったり、下がったりするような場合でも、7割がたはそれが特に具体的な要因によって起こったと特定できないそうです。つまり予測なく上下するローラーコースター状態ということですね。あるいは、劇的な値動きの場合は、中央銀行の金融措置による場合や、投機的なトレーダーがこぞって売り買いをする場合が多いようです。つまり、個人投資家にとっては非常に読みにくい投資ともいえます。
ゴールド投資はどんな形態がある?
ゴールド自体: 延べ棒やコインをディーラーから買います。ディーラーは、ゴールド商品を搬送したり、保険をかけたり、保管したりのコストをカバーせねばならないので、実際のゴールド自体の値段にこれらのコストを加えた値段で商品を販売します。それを買う個人も、同様に保険や保管に心を砕く必要があります。
ゴールド先物: ゴールドは穀物などのコモディティーと同じように、市場で取引されています。将来の値動きを予測して先物取引するというやり方もありますが、これは経験のない個人にはなかなか手が出せないところでしょう。
ゴールド株: ゴールドの発掘やその関連事業を行っている会社の株を買うという方法。ある程度はゴールド自体の値動きと相関があるものの、株のほうは会社自体の経営で左右されるところが大きいのでオーバーラップしない部分も多いといえます。ゴールド市場とその会社の将来との両方をかんがみる必要があります。
ゴールドETF: もっとも簡単なゴールド投資はこれ。延べ棒やコインに投資するETF(Exchange Traded Funds)を持つことです。金塊だけを投資媒体としてもつETFはGLD(SPDR Gold Trust)とかIAU(COMEX Gold Trust)などがあります。これらゴールドETFはもちろん長期投資にも利用されますが、投機的な意図で持つ投資家も多いので、先に述べたような激しい値動きを見る可能性は大であることは承知しておきましょう。
ゴールド・ミューチュアルファンド: ETFと同じく簡単にゴールド投資をする方法です。ゴールド・ミューチュアルファンドと一言で言っても、延べ棒を持つファンド、ゴールド関連企業の株を持つファンド、ゴールドだけでなく銀などの貴金属を持つファンドとさまざまです。自分の投資のニーズにあったファンドを選ぶことが必要です。
投資するなら・・・
ゴールドの値段が上がるだろうとゴールドだけを単体で買うのなら、それは賭けになります。前述のように上がることもあれば下がることもあるわけで、よければいいけど悪ければ悪くもなります。あるいは子どもや孫に残してやるつもりでゴールドコインを買うというのは、それはそれで乙なもの。。一方で、大きな投資ポートフォリオの一部としてゴールド株やゴールドETF、ゴールド・ミューチュアルファンドをスパイス的に持つということもできます。こちらはゴールド自体の値段の上昇に期待するのではなく、ポートフォリオのダイバーシフィケーション(投資の多様化)を実現するために、多様な投資の一種としてゴールドに投資するということです。ゴールドの値動きは前述のとおり激しいですが、株や債券などの値動きと独立した値動きをするので、ポートフォリオ全体の利回りの安定を確保するのに貢献するのです。個人投資家がポートフォリオに「キック」を与えるために、このようなゴールドの持ち方をする場合は、ゴールド比率をポートフォリオ全体の5%程度に収めるというのがひとつの目安です。この持ち方が一番「安全な」ゴールド投資といえましょう。
以前、ゴールド持っていました。タイミングよく買って売りましたけれど、あれの問題は、売値と買値のところで手数料のように取られてしまうので、いいペースで上昇が見込まれるか、長期保有するかしないとダメなところです。たしかプラチナはもっと手数料高かった。
資源、マテリアルのファンドとかで十分かな。。。
ただ、「お金」でない資産は持ちたいという気持ちはいつもあります。
資源出てくる土地とか?
娘にソーシャルスタディーを教えてくれていた先生が、昔の金貨(アニティーク)を持っていて、教科書を読みながらそれを見せてくれました。一応投資らしいけど、でも投資だけでない価値があって、すてきだな・・と思いました。資源出てくる土地、私も欲しい~。。
投資だけでない価値。そこですよね。どうも普通のゴールドだと、つまらない。
最近よく、ヘリウムガスが不足とか聞くので、ヘリウムガスに直接投資できないのかと思ってるんですが。w
土地は夢があります。
資源も案外、きれいな水源とか、美しい森とか、単純な資源が貴重になる時代がもうそこまで来ているんじゃないかという気もするんです。そういうのを買って、開発するんじゃなく、息子たちに守りぬくよう伝えるとか。
夢見すぎですかね?
お~、Cheeさん、いいですね、そういうの。そういうのを「Legacy」というのでしょう。お金を子どもや孫に残してもただのお金だけど(ま、残せるだけいいわけだけど)、自分の価値観とかを継承するために残すもの・・・「ひいひいばあちゃんは、こんな人だった・・」みたいな。いいですね。うちの主人の母(私の義母)は、自分は大金は残してやれないけど、「山登りを楽しむ」ことを孫に残したいからと、私たちが日本に帰国するたびにあちこちの山に孫たち一同を引き連れていきます。苦しい思いをして上りきった頂点で飲むお茶のおいしさやトマトの甘さ、一生、子どもたちの心に残ると思います。
こんにちわ
日本に住んでおり、アメリカの税率について調べていた所中々よい情報がなく、こちらのサイトを見つけ興味深く拝見しております。
もし、お時間あれば教えて頂きたいのですが、
ETFのSPDRゴールドシェア(GLD)
税制面で蒐集品(collectibles)の税率28%でしょうか?
株式のように1年以上保有した場合などで税率に変化はありますでしょうか
もし、参考サイト等あれば自分でも調べますので教えて頂けると大変ありがたいです。
以下のサイトなどどうでしょうか?
https://www.journalofaccountancy.com/issues/2015/jan/investing-in-gold-tax-considerations.html