山火事、火山噴火、台風、水害、ハリケーン、トルネード、地震・・・自然災害のニュースを聞くことが多い今日この頃です。ご自分の家を持っているご家庭では、ほとんどの場合Home Owner’s Insuranceに入っておられると思います。モーゲージがある場合は、レンダーがHome Owner’s Insurance加入を貸し付けの条件にしますので、加入率は100%でしょう。ところで、このHome Owner’s Insuranceでどこまで自然災害をカバーするのか、別途自然災害用の保険が必要なのか…今日はそのあたりのお話しです。
お察しの通り、上に列挙された自然災害がすべてHome Owner’s Insuranceでカバーされるわけではありません。何がカバーされないか・・を吟味していく前に、何がカバーされるか・・をまず確認していきましょう。
Home Owner’s Insuranceでカバーされるもの
Insurance Policyで何がカバーされ、何が除外されているかは、Policyに記載がされています。ある程度の標準化があるものの、保険会社ごとに細かい差異は存在しますし、またRider(特約)でカバーを追加していたりすれば、それも差異になります。以下では、一般的にHome Owner’s Insuranceでカバーされるものについて列挙します。
FIRE AND SMOKE
火災による被害、煙による被害をカバーします。一部の州で猛威を振るう山火事はもちろんのこと、地震が原因でガス管が壊れ発火して火事になったというような場合でも、被害が火災によるものなのでカバーの対象となります。
LIGHTNING STRIKES
落雷による被害をカバーします。保険Policyによっては、パワーサージによる家電製品などのダメージもカバーします。
WINDSTORMS AND HAIL
風やヒョウによる被害をカバーします。トルネードが来て強風で屋根が吹き飛んだ・・などは風害ですので、通常カバーされます。強風のせいで窓が壊れ雨や雪が家の中に入り込み水害が起こったような場合も、原因が風なので通常カバーされます。このあたりは、Policyごとに微妙な差が存在するエリアでもあり、よくPolicyを読む必要があります。
EXPLOSION
爆発による被害をカバーします。ガス漏れやBBQグリルのプロパンが爆発したような場合も、通常はカバーされます。
VANDALISM AND MALICIOUS MISCHIEF
破壊行為や悪意あるいたずらなどよにる被害をカバーします。スプレーペイントでの落書き、投石などでの破壊、卵攻撃(Eggingという英単語が存在します)などの被害です。通常警察に通報しレポートを作成してもらう必要があります。
DAMAGE FROM AN AIRCRAFT, CAR OR VEHICLE
飛行機、車、トラックなどによる被害をカバーします。あまりないかもしれないけど、それでも案外聞きますね。セスナが住宅に突っ込んだというニュースもちょっと前にありました。被害は通常カバーされます。
THEFT
窃盗による被害をカバーします。泥棒が窓を壊して侵入し、物を盗んでいったようなケースでは、建物へのダメージも盗まれた物も通常カバーされますが、物品のほうはどのようなタイプのものをどれだけカバーするという細かい規定がある場合が多いようです。高価なものは全額カバーされない場合が多いので、別途特約でカバーをしておくのが賢明です。
FALLING OBJECTS
落下物による被害をカバーします。宇宙から飛んでくる流星でも、トルネードに巻き上げられた石でも、台風で折れた木でも、上から落ちてきて家にダメージを発生させた場合は、通常カバーの対象となります。
WEIGHT OF ICE, SNOW OR SLEET
屋根に積もった雪や氷などの重さで、建物にできたダメージをカバーします。建物が壊れて水が中に入ったり、風が吹き込み被害があったような場合も、通常はカバーされます。
WATER DAMAGE
水道管破裂やウォーターヒーターの爆裂などによる水害をカバーします。次第に起こる摩耗・消耗は対象になりません。急に事故的に起こるものだけが対象になります。
Flood(洪水)による水害もカバーしません。また、下水・排水がつまってバックアップしたり、地下のSump Pumpがオーバーフローすることでの水害もカバーの対象となりません。
Home Owner’s Insuranceではカバーしないもの
上に上げた以下のリスクはHome Owner’s Insuranceでは通常カバーされないので、別途保険の購入が必要です。それぞれの地域でのリスク要因を吟味し、別途購入の必要性を吟味する必要があります。
洪水
低地、河川が近くにある地域、ダムの下流など洪水の可能性が高い地域ではFlood Insuranceを別途買うのが賢明です。家の購入時には、家が洪水確率の高いFlood Zoneにあるかの情報開示が必要なので、すでにご存じかと思います。FEMAのこちらのサイトでもアドレスを入力するとFloodのリスク分析を確認できます。保険会社もFlood Insuranceを提供していますが、National Flood Insurance Programを通して購入することも可能です。Houselogicによれば、平均的Flood Insuranceの保険料は年に$600ほど、平均的なFlood被害のクレームが苦は$30,000ということです。
ハリケーン
高リスク地域は、東海岸と南東湾岸地帯です。保険会社からの保険カバレッジを購入するか、各州運営のハリケーン・ストーム保険(Hurricane/Windstorm Insurance)に加入することになります。ハリケーン保険を購入した場合は、それが潮・波・地下水からのサージでの水害をカバーするのかをよく確認します。雨などの上から降ってくる水はカバーするが、下から上がってくる水は別というような場合もあるそうですので、Policyをよく読むことが必要です。価格はリスクによって大きく変わり、年に$300から海岸線のハイエンド・ホームでは$20,000までになるそうです。
地震
高リスク地域は、いわずもがなカリフォルニとその他西海岸地域、一部中西部です。ただ断層は全米に存在するそうで、リスクと被害の度合い予想はこちらで見られます。カリフォルニアの場合は、以前より地震保険がずいぶんと買いやすくなりました(参考:地震保険の加入を再考する)。California Earthquake Authorityから見積もりも簡単にでき、Home Owner’s Insuranceに追加する形で同じ保険会社から購入ができるようになりました。Homelogicによれば、カリフォルニアでの地震保険は、Deductibleが家の価格の5%から15%の設定で、保険料は家の価格$1,000につき$1.50から$3.00程度ということです。カリフォルニア以外の州の場合ば、直接保険会社に問い合わせることになります。
リスクが憂慮される場合は、家計に大きなダメージ与える被害をしっかりとカバーし、ある程度痛手はあっても対応できるくらいのダメージは非常時の蓄えとして持つ現金や預金でカバーするという考え方をするのがよいでしょう。Deductibleを引き上げ、大きなリスクをしっかりカバーするという姿勢をとると、保険料も抑えることができます。
こんにちは。いつもこちらのサイトで、いろいろお勉強させていただいております。
先月下旬に、隣接する市所有の公園内の大木が、我が家のガレージの屋根に倒れてきました。幸い大事に至る事なく、屋根の一部を破損するのみで済んだのですが、事故発生後3週間経っていますが、未だ保険会社側からの補償額提示を待っているところです。この間に、我が家では、屋根の修理費や、木の撤去作業中に荒らされた前庭の修復費の見積もりを数社に依頼し、補償額交渉に向けて準備してます。
今回の一件を機に、我が家でも保険内容を改めて読み直したり、また、市側の保証義務があるのかどうかということもいろいろ調べ、改めて、保険内容を詳しく知る必要があると、つくづく感じました。そういう状況ですので、今回の記事は、まるで我が家のために書かれたのかと思いました。
ちなみに私の住んでいる市では、市所有の木が倒れても、自然現象というくくりで、被害に対しての補償義務はないとされています。が、たまたま1ヶ月ほど前に、市に対して公園内の木数本のコンデイションに不安があり、将来的に我が家にダメージがある心配があると、クレームを入れていたので、こうなると市側にある程度の保証義務が発生するようです。この一件があったからかどうか分かりませんが、20メートル近くに及ぶ倒木の撤去作業は、市側が全て行ってくれました。重機2台を使用しての大掛かりな作行でしたので、自費となると多大な費用がかかったことと思います。この件に関しては、保険会社側も、かなり喜んでいました。
災害は、忘れた頃にやってくるとは言いますが、思いもよらぬ状況でやってくると言うことを、改めて実感した今回の一件でした。
実際の体験談をありがとうございます。保険の契約内容など読みたいものではないですから、実際ことが起こってから初めて読むというケースも多いですよね。しかしながら、市側にクレームを入れるということの大切さを思わされました。何事も、「あれっ」と思ったら、市やカウンティや学校や大家にレポートをしておく、そしてそれを記録をとっておくということが大切なのでしょうね。ありがとうございます。