車のリースと購入 あなたにはどちらがぴったり?

前回は車をリースする場合と購入する場合にかかるコストに焦点をあてて比較してみましたが、コストだけではなく他にもリースか購入かを決めるポイントがあります。今日は、リースの利点と欠点を洗い出しながら、どんな人がリース向きかを探って見ましょう。

まずはリースの利点から・・

リースの利点

ダウンペイメント(頭金)が少なくてOK

今(2013年1月現在)提供されているToyotaの例(2012年Prius II)を借りれば、$2,499の頭金で月々は$249、$1,999の頭金で$259、頭金ゼロで月々$319などのパッケージが用意されています。頭金が多ければ多いほど、月々の支払いは低くなります。もともと頭金ゼロというパッケージが用意されていなかったとしても、ディーラーに要件を伝えれば、フレキシブルに対応してくれることが多いようです。

月々の支払いが少なくてOK

前回の記事でとりあげたように、リースでは、車の価値のうちリース期間に費やされる部分についてのみの支払いとなるので、必然的に車を購入するよりより月々の支払いが劇的に安くなります。月々の支払いをなるべく低く抑えたいというニーズがある場合には、大きな利点となります。

いつも最新の車に乗れる

リース期間は24ヶ月、36ヶ月,48ヶ月などがよく使われるようです。つまり、ずっとリース派で通すならば、数年ごとに新しい車に換え続けるということ。最新のテクノロジーと安全装備を備えた最新モデルの車に乗ることが重要だという人には利点です。また、常にWarrantyが効いた状態ですので、大きな修理費用に悩まされることもないでしょう。月々の支払いだけしていればいいというのは大きな利点かもしれません。

かんたんスイッチ

新車ならまだしも中古車の購入となれば車の状態を確かめたり、値段を調べたりが面倒なもの。また買い替えのときには、自分の車を売ったり、トレード・インしたりするのも、いろいろと労力がいるでしょう。一方、リースならリース期間が完了した時点で、ディーラーに乗りつけキーを返却するだけ。新しいリースを組み、新車に乗って家に帰るだけです。売り買いの面倒を避けたい人には魅力でしょう。

税金面で有利

購入の場合には、車の価格に消費税がかかりますが(消費税がかからない州もあり。州ごとの情報はこちらでご確認を。)、リースの場合は月々の支払いだけに消費税がかかるので、支払う消費税が大幅に節約できます。2012年のPriusの例で行くと、消費税が8%の場合、$23,600で購入すれば$1,888の消費税がかかりますが、36ヶ月リースを組めばリース期間に支払う消費税の合計は$851と$1,000以上もの節税になります。

また、スモール・ビジネスのオーナーなどで、ビジネス目的に車を使う場合は、さらに利点があるかもしれません。オート・ローンを組んで購入したときの利子は税控除の対象となりませんが(ただし、ホーム・エクイティー・ローンを組めば、税控除できる可能性があります)、リースの場合は、月々の支払い額全部が税控除の対象となり、節税できる額が大きく増えます。ただし、一定額以上の高級車については控除額に限度があります(詳しくはIRS publication 463参照)。

 

では、反対に、リースの欠点は?

リースの欠点

エクイティーがたまらない

購入すれば、車の価格は資産となり、ローンの額は負債です。資産から負債を差し引いた部分はエクイティー(純資産)と呼ばれ、「自分のもの」である部分です。リースの場合はあくまで他人のもの、いつまでお金を払っても他人のもののままです。いつかローンを完済し、完全なオーナーシップを持てる日はいくら待っても来ません。購入した場合のように、新しい車に買い換える際に古い車を売ったりトレード・インすることもできません。

より高いクレジット・スコアが必要かも

ローンと同じく、クレジット・スコアがよければよい条件でリースでき、クレジット・スコアが悪いとリース条件が悪くなるという点では同じですが、ある程度以下になるとリース自体ができないということもありえます。

盗難に逢ったら保険でカバーしきれないかも

リースしていた車が盗難されたり事故で廃車になった場合、リース会社に対して返済せねばならない額が、保険でカバーされる額より多くなることがあります。このリース会社への支払い必要額と保険がカバーする額との差をカバーする保険がギャップ保険です。多くのリースではギャップ保険がすでに含められてパッケージが組まれているようですが、そうでない場合もあるので確認が必要です。

フレキシビリティがない

リースは、24ヶ月なり36ヶ月なりのあらかじめ決められた期間、特定の車を、特定の条件の範囲内で利用し、特定の状態で返却するという固定契約です。この特定の条件にぴったりあてはまるケースにおいては、リースの利点が最大化されます。反対にこの条件から逸れるようなことがあると、非常に高くついたり不便であったりということになりかねません。どのような条件が課せられるかといいますと。

リース期間: 24ヶ月なり36ヶ月なりのリース期間は固定です。契約をしたが、ちょっと支払いが苦しくなったので契約を取りやめたい、転職・転居することになったので契約をやめたいとなると、リース完了以前にキャンセルをすることになり、大きなペナルティを支払うことになりかねません。しかしながら、このような人も実際にはいるわけで、逆手にとってそれを利用する手もあります。ほんの1年だけ車が必要というような場合には、期間満了時以前にリースが不要となった人のリースを引き受けるという方法もあります。www.swapalease.comで見てみると、2010年のPriusを残存リース13ヶ月で月々$292というエントリーがありました。悪くないかもしれません。

Lease-to-buy: リースして期間満了時(あるいはそれ以前でも)に買い取るという方法もありますが、このオプションは大体の場合において最初から購入するのより高くつくようです。コストのことだけを念頭におけば、買うなら最初から買う、リースするなら定められた条件内でリースするというほうがよいでしょう。ただし、Lease-to-buyは、当初の月々の支払いを低く押さえ、余裕ができたところで購入に切り替え支払額を増やしたい(たとえ少々長期的トータル・コストが多くなっても)という使い方をするのならベネフィットがあるでしょう。あくまで計画が大切。

磨耗・消耗(wear and tear)の具合: ボディや内装の状態は、平均的利用の後の平均的な状態のまま返却する必要があります。たとえば子どもがたくさんいて、ジュースをこぼしたりスポーツ用品を積んで傷がひどいというような場合には、返却時に追加料金が課せられることがあります。

マイレッジ: リース契約時に、「年間12,000マイルとか15,000マイルの利用」といように、年間マイレージを決めます。これを超えて利用すると、一マイルにつき12から20セントの追加料金を支払うことになります。かといって、年間マイルを多めに買いすぎれば、利用しなかったマイレッジの分だけ無駄な出費ということになります。あらかじめ利用をなるべく正確に予測することが必要になります。

以上、リースの利点と欠点を見てきました。まとめますと、比較的高いクレジット・スコアがあって、新しい車に乗っていたい人で、リースの条件の範囲内で計画的な利用が見込め、車を平均的な状態に維持することができる人にはリースが向いていると言えましょう。長期的には少々コストが嵩んでも、月々の支払いを低く抑えたいというニーズも前提になります。

反対に、購入のほうが向いている人は、自分が所有する車に自由きままに長く乗り続けたい人でしょう。月々の支払いは少々多くても、長期的にコスト効果の高い形で車を使いたいというニーズが前提になります。

 

 

8 comments

  1. なるほど~。
    我が家は、あまり運転しない、子どもが汚す、移動さえできれば満足という性質なので、安い車を乗りつぶす作戦しか考えていませんでしたが、今後、一時的に2台目が必要になったら、リースも悪くないかもです。
    車は当たり外れがかなりありますもんね~。

    1. うちも乗りつぶし派ですが、でもたしかに一時的なニーズにはいいですね~。駐在の方などにも(クレジットスコアの問題がなければ)いいかも~。

  2. お久しぶりです。我が家も乗りつぶし派です。
    以前リースをした事もあったのですが、子供のスポーツ等で遠出する事もあり返却時にマイレッジの追加料金を$3000程支払うハメになったのでそれ以来車は購入する事にしています。
    今、私が乗っている車もすでに10万マイル超えています。

    1. cranberryさん、おかえりなさい。うわあ、$3,000はきついですね。そうですよね、遠出したり、子どもの友達を乗せたりするときに、リースだとなんかあれこれ考えなきゃいけなさそうで。。どんだけ乗っても、どれだけ汚しても自分のものと思うと気がラクでして。。

  3. 日産電気自動車リーフをリースしてくれる大きなリース会社のおすすめは、ありませんか?

    1. 黒宮様、コメントいただいていたのに、お返事が送れて申し訳ありません。コメントをいただいていた旨の通知メールがうまく届いておりませんでした。
      具体的な会社を推薦することは残念ながらしておりません。

  4. お教えください。車のリースが来月終わりになります。
    しかし、セーフティチェックと車の登録税を支払わなければなりません。登録税はリース車を返した場合には、どのようになるのでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

    1. コメントありがとうございます。このような内容は、私にはお答えする知識がありません。手続きなどはリース会社に直接確認いただけますようお願いいたします。

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