クレジットスコア - 知っておきたい最近の動向

クレジットレポートやスコアをとりまく状況に、いくつか変化がありました。クレジット関連のアップデート4事項についてお知らせします。自分のクレジットレポートにエラーがあったときのクレームリクエストがやり易くなること、医療費に関してはモーゲージなどの支払いとは違ってある程度の余裕期間が認められるようになること、最近ではクレジットカード会社がクレジットスコアを簡単に見るしくみを提供しはじめていること、従来のクレジットスコアに変わる代替スコアが開発されつつあることについてまとめます。

 

レポートのエラーを直す・・

 

クレジットスコアは、その人が借りたお金をきちんと返すかどうかを測るスコアで、モーゲージや車のローン審査、クレジットカード発行審査、ひいてはレンタカーや賃貸物件などの審査、ともすると就職のときにも判断材料として使われるものです。スコアがいいか悪いかで、カードがおりるかおりないか、賃貸物件が借りられるか借りられないか、ローンの利子がいくらになるかというように、ファイナンシャル生活には多大な影響を及ぼすものです。私たちの好むと好まざるとにかかわらず、私たちのクレジットに関する情報は常に自動的に収集されており、それをExperian, Equifax and TransUnionの3つのクレジットエージェンシーがデータベース化して管理しています。クレジットエージェンシー3社はこの情報を金融機関などのスコアを利用する会社に売ってビジネスをしているわけで、その情報の正確性については大きな責任があるはずなのですが、実のところクレジットレポートの5つに1つは間違いが含まれているという統計もあり、決して正確性は誇れるものではありませんでした。

そのうえ、間違いについてクレジットエージェンシーに問い合わせたり、間違いを正すようリクエストしたりするのは、非常に骨が折れるとともに時間のかかる作業であり、思うように調査さえもしてもらえないという問題もありました。

このたび、クレジットエージェンシー3社はレポートの間違いに対する問い合わせがあった場合の対応について、改善をしていくという旨を発表しました。人の情報を勝手に集めておき、それを売って商売をしている割には、その信憑性については責任を持たず、本人からの間違いの指摘には迅速に対応しないとは、消費者の立場からするとなんとも腹の立つやり方だったわけですが、今後は行政と消費者団体などからより厳しく吟味されることになるようです。間違いに対しての問い合わせを調査するための専門職をおき、必要であれば間違いを正し、あるいは問い合わせにきちんと対処するためのシステムを作ることが求められることになります。消費者である私たちは、今までどおりクレジットレポートを定期的にチェックするとともに、間違いに対しては自信をもってクレームすることができるようになるはずで、この動きは消費者にとっては喜ばしいものです。

 

医療費の未払いはちょっと優遇

 

医療関係の未払い金に関しては、180日の待ち期間を設定し、その期間を過ぎてからクレジットレポートに反映されることになりました。医療請求・支払いには、保険会社もからんでくるため非常に時間がかかることが多いものです。医療保険の保険会社への請求処理や、保険会社が医療措置をapproveしたり、保険負担額と個人負担額を決めたり、またその連絡作業などに時間を要します。その後、いったんとどいたEOB(Explanation of Benefits)や病院からの請求書に対して、変更や校正を求めたりすればさらに時間がかかります。それらがまだ片付いていない間に、コレクションエージェンシー(第三者の取り立て機関)に情報が周り、クレジットレポートにはその旨が加えられると、クレジットスコアにはマイナスの影響があります。

今後は、180日の待ち期間の後にも残っている未払い金についてのみ、クレジットレポートに反映されることになりました。また、いったんレポートに載った場合でも、支払いが終わり解決されれば、レポートの記載はそっくり削除される、つまり延滞があったという記録は残らないことになりました。

医療費の高騰、自己負担の大きい保険の登場、保険の複雑化もともない、医療関連の未払いは全体の延滞金の半分以上をしめ、4,300万人のアメリカ人が延滞をしているといわれます。また、過去の統計によると医療関係の延滞自体は、消費者の全体的なクレジット傾向とは相関が低いというデータもあります。つまり、医療費の請求・支払いは、たとえ他の支払いをきちんとしている人であっても、解決に時間を要することが多いということなのでしょう。医療費の請求は複雑でわかりにくいものでもあり、その上間違いも多くあります。クレジットスコアに悪影響があることを恐れず、必要ならば時間をかけて請求内容を確認し、そのうえで納得のいく支払いができるようになりました。

 

もうチェックしていますか?

 

Consumer Financial Protection Bureau (CFPB) という機関が、昨年、消費者のクレジットスコアチェックを容易にするためのイニシアティブをはじめました。これを受けて、現在では多くのクレジットカード会社が、月々のマンスリーステイトメントやオンラインサイトを通してクレジットスコアを簡単に見られるしくみを提供するようになりました。前にも書いたとおりクレジットスコアはファイナンシャル生活において大きな影響を及ぼすものであり、クレジットスコアがより簡単に入手でき、また目の当たりにする機会が増えることで、消費者の意識が高まり、ひいてはスコア向上のために積極的なアクションをとるはずだということを前提にしています。

amex credit score check

スコアはすでに12を超えるクレジットカード発行会社大手が提供をしています。クレジットカードのオンライン口座にアクセスがある方なら、いつでもオンラインで自分のスコアが確認できるようになりました。もうチェックされているでしょうか?まだなら、すぐにご自分のクレジットカードのアカウントにアクセスしてみてください。クレジットスコアを確認できるリンクが見つかると思います。これで有料のオンラインモニターサービスを使わなくとも、スコアを定期的にチェックすることができるようになりました。これはスコアだけですので、あとは、年に1回annualcreditreport.comを使ってクレジットレポート全体に間違いがないかをチェックするとよいでしょう。

 

クレジットがなくてもいいスコア

 

クレジットスコアでもっとも頻繁に使われているFICOスコアの開発会社Fair Isaac Corpは、最近新しいタイプのクレジットスコアを開発しテスト中だと発表しました。現在のクレジットスコアは、少なくともひとつはローンかクレジットカード口座があり、ある一定期間以上返済履歴があってはじめて算出されます。まだ十分な履歴がない若者、アメリカで生活し始めたばかりの外国人、あるいはクレジットカードを使ったりローンを借りたりするのがいやな現金主義の人々の中にも、もちろん”creditworthy(返済をきちんとすると信頼のおける人々)”はいるわけで、そのような人々を救い上げる狙いがあります。スコアリングの評価基準には、ケーブルテレビ、携帯電話、電気、ガスなどのユーティリティ料金の支払い履歴と住所の変更履歴(少ないほうが安定で良しと判断)が使われます。

クレジットスコアのない人は、この新しいスコアによって必要に応じクレジットカードやローンを組み、それらを返済していくことでクレジットヒストリーができるにつれて、従来のクレジットスコアを築き上げていくというしくみです。この新しいスコアは、クレジットスコアがないがユーティリティ料金などは着実に支払っている堅実な層に対して、ローンやクレジットカードの発行を売り込みたい金融機関のニーズに応えたもので、Fannie MaeやFreddie Macなどのモーゲージ機関もこのようなスコアモデルの導入を検討しているようです。

この新システムは従来のクレジットスコアの代替ではなく、それへの前段階としてブリッジ的な役割を果たすものだと考えられます。日本から来て間もない人などクレジットスコアがなくても、これまでよりローンやクレジットカードの発行が受けやすくなりますが、その後は従来のクレジットスコアを維持し向上させていく部分はこれまでも変わらず必要かと思われます。

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7 responses to “クレジットスコア - 知っておきたい最近の動向”

  1. いつも勉強になる記事をありがとうございます。
    質問させてください。現在クレジットカードを1枚持っていて、3年ほど使っています。新しくクレジットカードを作ろうと思っているのですが、消費スタイルなどを考えた結果、新しく2枚別々の会社のカードを作るのが良さそうです。
    ①2枚クレジットカードを新しく作りたい時、クレジットスコアに影響することなどを考えると、どれくらいの間隔を開けて申し込むのが良いでしょうか?
    ②今のクレジットカードを退会したい場合、どれくらいの期間新しいカードを使ってからがいいのでしょうか?
    お返事頂けますと幸いです。

    • すでによいスコアをお持ちでしたら、2枚まとめて申し込んでよいと思います。インクワイアリによるスコアの影響は5ポイント以内ですから、心配する必要はありません。逆にスコアが悪くインクワイアリによる影響が気になるレベルでしたら、そもそも2枚申し込むこと自体再考する必要があるでしょう。りんごさんはきっと前者でしょうから、心配はないと思います。古いカードのキャンセルのタイミングも、新しいカードをつくってからすぐで問題ないと思います。ふつうカードをキャンセルするとCredit available額が減り結果的に多少スコアが下がりますが、りんごさんの場合新しい2枚のカードのCredit availableが新たに追加されるので差し引きCredit availabeのトータルは増えるので問題ないでしょう。またスコアが少々下がったところで、すぐに家を買うとか車を買うとかでクレジット申請する予定がないのなら何の問題もありません。

    • はじめまして。
      Amexのオンラインアカウントでクレジットスコアーが見たいのですが、赤くサークルされた項目が私のページには出てきません。どうしたら見れるのでしょうか?お手数ですが、お時間のあるときにでもご返答頂けたらありがたいです。よろしくお願いいたします。

      • Amexでもカードでいろいろな種類があるので、セッティングが違うのでしょうか。いずれにせよ、私にはわかりませんので、クレジットスコアをチェックしたいのだがどうすればいいか・・と問い合わせてみてください。

  2. 医療費の支払い状況とクレジットスコアは関係あるのでしょうか?
    20世紀までは医療機関に初めて行くと「身上書」みたいな質問票にSSNを記入させられていました(私は記入を拒否していました)が、最近は見なくなりました。保険カードの個人番号も、以前のようなSSNを直接使う危ないやり方は見なくなりました。
    SSNなしでどうやってクレジットビューローに照会・報告するのか疑問です。
    実は我が家から15マイル以内に同姓同名同年代の人物が存在します。キリスト教文化では名前の種類は日本などと比べてずっと少なく、人込みで石を投げて「Mike」に当たる確率はとても大きいでしょう。例えば「John Smith」は全米で46,798人いるそうですから、これらの「John Smith」達が0~90歳に一様分布していると仮定すると、全く同じ生年月日の「John Smith」は平均1.5人存在します。「Juan」とか「Schmidt」とかを加えるともっと多いでしょうね。SSNなしで特定できるか?

    • どうやって特定するのでしょうね?でも、ファイナンシャル関係でなく、その人の医療ヒストリデータベースも存在しシェアされているそうですから、どうやってか特定するのでしょうね。でも、間違いももちろんありえますから、クレジットレポートなどのチェックが必要ということなんでしょうね。。

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