アメリカの自動車保険をどう選ぶ – 信頼できて安い保険を見つける(2)

Last Updated on 2013年1月21日 by admin

自動車保険を賢く買うためには、少なくとも数社以上から見積もりをとって比較すること、これに尽きます。面倒なことですが、でもこれをするかで年間コストが数百ドル単位で違ってくることもありますから、数年に一度のこと、腰すえて取り掛かりたいですね。「アメリカの自動車保険をどう選ぶ ― 信頼できて安い保険を見つける(1)」では、前準備編として、1.まず自分が必要とするカバレッジを見定めること、そして、2.ドライビング履歴を整理しておくこと(必要に応じ、ドライビング・レコードを取り寄せること)についてご紹介しました。2回目の今回は、実際に保険料の見積もりをどうやって集め、比較していくかについて考えて見ましょう。

 

3.見積もりを集める

自分が必要とするカバレッジ、ドライビング履歴、運転免許証、車両登録(Vehicle Registration)、が手元にそろったら、まずはオンライン見積もりを取るのが言いかと思います。netquote.com や insurance.comなどオンライン見積もりサイトを利用すると、短時間でいくつもの見積もりを集めることができます。その際、そのサイトが信頼できるものであることを、www.bbb.orgなどで確認することを忘れずに(詳しくは、「オンラインで安全に買う - 被害者にならないために」をご覧ください)。ソーシャル・セキュリティー番号や免許証番号などの個人情報を入力するわけですから、慎重に進めたいものですね。どのサイトも完全に安全ということはありませんから、ご自分の判断で利用してください。見積もりは、保険会社から直接e-mailで送られてくる場合もあれば、ローカルのエージェントが連絡してる場合もあります。いずれにせよ、1、2日のうちに複数の見積もりが手に入るでしょう。

Update1/21/2013: 上記でご紹介しましたnetquote.comと同様な保険サイトInsureMe.comの親会社であるBankrateは、2012年後半以降にビジネスの質の低下がありBBBのaccreditionを剥奪されました。insurance.comとinsure.comの親会社であるQuinstreetはratingが低下したもののB+を保っていますが、ただ現在Governmentからの何らかの調査が入っており、2013年現在将来のなりゆきが不透明です。Insure.comやInsurance.comもBBB ratingが公表されなくなりました。これらのサイトはオンライン自動車見積もりの主要プレーヤーであり、現時点ではオンラインでの見積もり取得はお控えになったほうがよいかと思われます。

Smart &Responsibleでは今後の動きを見守っていきますが、今のところはこれらのサイトをお使いになるのは控え、手間はかかりますが保険会社ごとに連絡(下の2のプロセス)していただき、見積もりを集めることをおすすめします。

また、上のようなオンライン見積もりサイトはすべての保険会社が参加しているとは限りません。知り合いの推薦付の会社や、日本語が使えるので便利な会社などで、見積もりサイトに参加していない会社があれば、それぞれの会社のWebサイトに直接行って見積もりをとるか、電話でコンタクトします。場合によっては保険ブローカー(複数の保険会社の保険を手がける独立系ビジネス)などにコンタクトしたいケースもあるでしょう。どんな手段で見積もりをとるにせよ、すべて同じカバレッジの条件でとりましょうね。そうでないと比較ができません。保険料の見積額は比較が容易にできるように、表にまとめていきましょう。

4.保険会社について調べる

大きなカバレッジを非常に低コストで契約できたからといって、もし万が一のときに保険会社がつぶれてしまっていたのでは元も子もありません。保険会社が財務的に安心できる会社であるかをチェックすることは重要です。財務の健全性はAM Best(会社名を入力、“Auto(Personal)”と州名を選んで検索)や Standard and Poors(名前から検索。こちらは登録が必要)で確認できます。AM Bestでは、B+以上であれば「財務的に良好」かそれ以上とみなされます。財務的健全性は、長期的に保たれるべきものです。3年後、5年後事故にあったときにも、きちんと補償を行える力がなくてはなりません。私個人的には、最低でもAは望みたいと思います。

もうひとつ、保険会社について調べたいのはクレーム処理がスムーズに行われているか、顧客からの苦情が多くないかです。実際に多い苦情は、クレームが拒否された、クレーム処理に時間がかかりすぎる、補償金がクレームした額に満たない、修理工場を自由に選べない、修理の品質が低い、アクシデントのあと保険料があがった、クレーム処理でパーソナルな配慮が足りない、などなどだそうです。

実際に事故にあったときは精神的にも苦しいもの。そんなときに、素早く公正にクレームを処理してくれる会社は力強い味方です。大手の会社についてなら、JD Powerのカスタマー・サーベイの“Contacting the insurer”という項目で成績が確認できます。JD Powerでは、保険のカバレッジのフレキシビリティーや、保険料、請求処理の明確さなどの項目も確認できますので、是非ご参考になさってください。

JD Powerでは確認できない保険会社、あるいはJD Powerで確認できる会社でもさらに詳細なデータが欲しい場合は、各州の保険を司る部署(州によってDepartment of Insuranceだったり、Attorney General’s Officeだったり、名称はいろいろ)のサイトに行って苦情データを確認します。こちらから、各州の名前をクリックすると、それぞれの州のInsurance担当部署のサイトに行きますので、”Consumer Complaint Data”や “Customer Complaint Index”などの名称のリンクを探しクリックしてみてください。各保険会社の苦情成績表がでてくるかと思います。

 

5.数社に絞り、電話してみる

ここまでのリサーチの結果を鑑みて、保険料もリーゾナブルで財政的にも健全かつカスタマーサービスも良好な2、3の保険会社に絞ります。ここまできたら、今度は実際に電話してみることをお勧めします。各保険会社の販売形態によって、電話する先は1-800のカスタマー・センターということもあれば、ローカルのエージェントということもあるでしょう。実際に電話してみる理由はふたつ。ひとつは、電話してみることで、その会社とのコミュニケートのしやすさを体験することができます。すぐ繋がるか、質問は的確に答えられたか、全体的な感じはどうかなど。ローカルのエージェントの場合であれば、より直接的な印象を持つことができるでしょう。

ふたつめは、実際に人と話すことで、さらにディスカウントの可能性が探れることです。たとえば、夫婦で運転する車を取り替えると保険料が下がるなど、オンライン見積もりでは見過ごしていたディスカウントを提示されることもあります。「他の保険会社では○○カバレッジが同じ条件でもずっと安かったのに、おたくは少し高いようだけどどうしてかな・・・」というような質問もできます。話し終えた後、最終的なカバレッジと保険料についてはe-mailで送ってくれるようリクエストするとよいでしょう。あとで、文面できちんと確認できるからです。

最後になりますが、自分は1-800ナンバーに直接コンタクトするほうが気楽か、ローカル・エージェントを持ちたいかを少し考えたほうがいいかもしれません。保険のカバレッジにちょっと質問があったとき、あるいは事故に巻きこまれてリポートせねばならないとき、電話するのは1-800かエージェントかどちらを好みますか?私の個人的体験になりますが、以前はエージェントなしの保険にオンラインで加入していました。実際事故に巻き込まれたとき、相手にしたのは合ったことも話したこともないクレーム・センターの処理担当。決して親切とはいえない対応で、聞きたい質問にもはっきり答えてもらえず、大きなフラストレーションを感じたのを覚えています。今は、ローカル・エージェントのいる保険をあえて選びました。オンラインで見積もりはとりましたが、家の近くのエージェントを見つけ、実際にオフィスに出向いていって契約しました。エージェントはつまるところ保険会社の人(直接雇われてなかったとしても保険会社からお金をもらう人)ですから、あなたの100%味方というわけではありませんが、それでもクレーム・センターの一担当よりは、顧客のことを配慮する姿勢があると期待しているのですが・・・どうでしょうか。こういったわけもあって、最後の「電話してみる」フェーズは、自分にとって安心できるコミュニケーション方法を確保するという意味で、案外大切なポイントかもしれません。面倒でもこれをしておくと、いざ事故のとき、助けが必要なときに安心かと思います。

さてさて、ここまできたら、おそらく自分にとってのベストの保険会社が、かなりクリアになってきたのではないでしょうか。

 

ベストの保険会社を選んだら契約となりますが、サインする前には、契約のメインポイントはきちんと読んで理解すること。それから、すでに自動車保険を持っている場合は、新しい契約が有効になる日時をきちんと確認したうえで、ギャップがないように古い契約をキャンセルすることもお忘れなく。運転時、保険の証明書を携帯することを必要とする州にお住まいの場合は、正式な新しい保険証が届くまでテンポラリーの証明書をもらえるはずですから、それをダッシュボードの中かお財布に入れておきましょう。  Drive Safe!

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