Last Updated on 2012年3月30日 by admin
「自動車保険、○○会社にスイッチして保険料を$400セーブしよう~」とはアメリカでよくあるうたい文句。自動車保険に初めて入る人も、もう入っている人も、何年かに一度は訪れる自動車保険の見定め。自動車保険なんてどこでも一緒と思っていませんか?もしもの時に本当に頼りになる会社なのか、必要以上に保険料が高すぎないかなど、自分の条件や状況に合わせてよく吟味することがたいせつですね。アメリカでは「自動車保険は見積もりをいくつも集めて比較検討すること」とよく言われますが、自動車保険を賢く選択するためには、いったいどこから始めればいいのでしょう。このシリーズは2回に分けてお届けましす。1回目は「信頼できて安い保険を見つける(1) 前準備編」です。2回目は「信頼できて安い保険を見つける(2) 実践編」です。
賢く選択するコツは、まず自分のニーズを知ることだと思います。自分に必要なカバレッジをできるだけ正確に把握すること。己を知らずして、自分にとってベストな保険はわからない!己を知った上で、見積もりを集め比較検討すること。面倒ですがこれに尽きます。Checkbook.orgが、サンフランンシスコに住む夫婦を想定して、自動車保険の年間保険料の見積もりを17社から集めたところ、もっとも安い会社が$1,422、もっとも高い会社が$3,651で$2,000以上の開きがあったというから驚きです。これはなぜでしょう。
保険会社は統計に頼ります。若い人より年齢の高い人、未婚の人より既婚のひとのほうが事故の確率が低いとか、プロフェッショナルの学会や組合などに参加している人は違反が少ないなどというように、人口を細かくグループ化していき、その属性を持った人のリスクを測って行くわけです。あなたのリスクが高ければ保険料は高くなりますし、低ければ安くなります。ただしこのグループ化の仕方はそれぞれの保険会社で違いますから、あなたの持ち合わせる属性のリスクを高く評価する会社もあれば、低く評価する会社もあります。
また、どの保険会社も、通常、どこそこの地域のこれこれの条件を満たしたドライバーを特別ターゲットとするというような、いわゆる「お得意グループ」があるそうで、これも保険会社によって異なるそうです。この「お得意グループ」の属性をあなたが持ち合わせていれば、この会社の保険料は他の会社のそれより随分と安くなるはずです。問題は、その会社の「お得意グループ」は公開されないので、あらかじめ知ることができないことです。つまり、とにかくたくさんの会社から見積もりを集めてみるしかないということです。
知り合いが「○○保険会社は保険料がなかなかリーゾナブルでいいよ」と教えてくれても、それがあなた自身に当てはまるかは全くの別問題。年齢も性別も家族構成も職業もドライブ暦もなにもかもすべて一緒というのであれば別ですが。ある人にとって最安の保険会社があなたにとって最安とは限りません。
ということで、自分にぴったりの自動車保険探し、一緒にはじめましょう。今回は、「前準備編」です。実際に見積もりを集める前に、ちょっとした準備が必要です。どんな準備かというと。。。
1.自分に必要なカバレッジの検討をつける
まずは、自分に必要なカバレッジの検討をつけましょう。もうすでに自動車保険に加入していれば、現在お持ちのカバレッジを見直して、増やすところ、減らしてもいいところを検討するとよいでしょう。はじめて保険に加入する場合でも、何もわからないところからエージェントの話を聞くのではなくて、ある程度自分の必要とするものについて自分なりの考えをまとめたうえで、相談にのってもらうほうが生産的です。 提案されたままのカバレッジを鵜呑みにするのではなく、自分から理解して決めていくという姿勢を持ちたいですね。
自動車保険には、対人ライアビリティー、対物ライアビリティー、人身傷害補償、無保険・不十分保険ドライバー・カバレッジ、衝突車両損害補償、包括車両損害補償の、6つの大きな項目が存在します。項目ごとに、自分に必要なカバレッジを決めていく必要があります。詳しくは、「自動車保険-いくらあれば十分か?(1)と(2)」をご覧ください。6項目それぞれについて、必要なカバレッジの額、deductible、すでに保険に加入していれば現在の保険料を表にしておくといいでしょう。こうすることで、これからとる各社からの保険料の見積もりを、すべて同じ条件で比較することが可能になります。
2.ドラインビング・レコードを確認する
見積もりをもらうときには、必ずドライビングの履歴を聞かれます。何年何月にどのような違反をしたか、事故をしたかの詳細をあからじめリストアップしておくとよいでしょう。保険料の決定に何年分のドライビング・レコードが考慮されるかは、それぞれの保険会社のポリシーによるところです。多くの場合、それぞれの違反がその州のドライビング・レコードに何年残っているかで左右されるようです。州によって異なりますが、軽罪の場合は2から3年、自分に非がある事故だと3から7年、DUIなどの重罪だと10年というのが目安のようです。
ドライビング履歴を申請する際、年月など、多少、記憶があやふやでもかまいません(時期が多少ずれるぐらいなら)が、正確な履歴を確かめたい場合は、各州のDMVからドライビング・レコードを取り寄せます。各州のDMVのオフィスのサイトに行くと、申請の仕方やドライビング・レコードにはどのような情報が何年間記録され続けるかについての詳細を確認できます。
あなたの申請がどうであれ、保険会社はあなたのドライビング・レコードを取り寄せます。このとき、自己申告したレコードと、保険会社が取り寄せたレコードにあまりに相違があると、「本当のことを申請しなかった」とペナルティーが課せられることもあるそうですから、できるだけ正確に申請したいものですね。
レコードの確認は、多くの州でオンラインで瞬時にでき、コストはカリフォルニアは2ドル、マサッチュセッツは6ドル、フロリダは8ドル、ニューヨークは7ドルというように大体10ドル以下です。Certified(オフィシャルな認証付)のドライビング・レコードだともっと高いですが、保険の見積もり用ならオンライン確認のNon-certifiedで十分です。お住まいの州の名前と”DMV”、”driving record”というキーワードでオンライン検索すると、お目当てのサイトに行き着けると思います。ここでひとつ注意点。ドライビング・レコードを代理で取り寄せ法外な値段($39.95など)を要求する第三者サイトがありますから、お気をつけを。オフィシャルなDMVのサイトであることを確認するためには、URLにCA.GOVやSTATE.MA.USなどのように、州名にGOVやSTATEのエクステンションがついていることをチェックします。DMV.COMやDMV.ORGは第三者サイトです。いずれにせよ、10ドル超を要求しているサイトであれば、第三者サイトでないか疑ったほうがいいでしょう。
さて、ここまでで前準備はできました。自分の必要とするカバレッジとドライビング・レコードが確認できましたね。あとは、運転免許証と車両登録(Vehicle Registration)とを手元において、次は実際に保険料の見積もりを各社から集めていきます。第2回に続きます。