同じものでも値段が違う・・・と聞いてどう思います?たとえば、ホテルのルームサービスのミネラルオォーター1ボトルとスーパーで買う1ボトル、値段はずいぶんと違いますね。それは納得行きますか?この前私がPapaJohnsのピザをオンラインでオーダーしました。息子が大学に通っている街の情報がPCのCookieで残っていたようでそのままオーダーしようとして、あ~だめだ、住所が違う・・と思い、自分の街の住所に変更したら、ピザー2枚、チーズスティック1パックのオーダー全体の値段が、5ドル弱高くなりました。あら場所で違うんだ、Papa Johnsの値段! 学生街と大人の住宅街の違い? これも納得行きますか? じゃあ、同じホテルの同じ日に泊まる部屋。Expediaで探しました。PCで検索するのと、Macで検索するので$40も値段が違います。これは? ちょっと納得できないでしょう。。
- Orbitz.comとCheaptickets.comで、ホテルの部屋を検索した場合、メンバーログインして検索したほうが、ログインなしで検索した方より安かった。
- Home Depot.comで、デスクトップで検索したほうが、モバイル機器で検索したより安かった。
- Expedia.comとHotels.comはランダムに値段を変えて、どのような顧客がどのような価格帯 に食いつくか食いつかないかをテストしている。
- Orbitz.comで、Macユーザーに対しての方がホテルの値段が高かった。
- Staples.comで、ユーザーの居住地によって製品の値段が違った。
このPrice Discrimination、ずいぶんと不公平だと思われるかもしれませんが、完全に合法です。顔を合わせてする商売なら、やってくるお客の身なりとか、旅行者か現地人かあたりを見て、値段をふっかけたりすることもあるでしょうが、それのオンライン版です。
見張られている私たちの消費行動
私たちのオンラインでの行動は、常に見張られているわけで、知らず知らずのうちデーターがとられています。ここにあげたPrice Discriminationは、私たちのオンラインでの行動を見て、それによって合理的に(このくらいはふっかけてもいいだろうなどと?)される場合もあれば、顧客の反応などを見るためにテスト的にランダムにされる場合もあるようです。
行動の見張りはPC上にストアされるCookieによってされるので、Cookieを定期的に消去することや、Incognitoモード(Chromeの場合は、画面右上のアドレスバーの右のところをクリックするとNew Incognito Windowを選択して開くことができます)でのショッピングを推奨する専門家もいます。
ただ、Cookieや履歴などを見張られたうえで、より安い値段が提示される(コストにシビアで慎重なバイヤーと判断されれば)ということもあるでしょう。また、ランダムテストなどの場合は、履歴には全くかかわりなく異なる値段が提示されるわけですから、一概にCookieやIncognitoを使えばより安い値段で買い物できると安心するのは短絡的だと思います。
普段から賢い購買を心掛ける
プライベート情報が無断で使われないように細心の注意を払うことはもちろん大切ですが、これを完全に行うことは無理と現実的なあきらめも必要です。ですから、勝手に情報を収集されて見張られても大丈夫なように、自分の購買行動を自分で見張ることも大切だと思います。たとえば、オンラインでぽこっつとPop Upした宣伝をクリックして、その場ですぐ購買をしてしてしまうなどという行動は、バツです。他のサイトで値段を調べたり、いいなと思ってもとりあえず3日ぐらい待って購買するなど、値段に注意を払う慎重なバイヤー、計画的に物事を進めるバイヤーという地位を確立するのが肝要です。すぐ考えなしに反応するという履歴に残れば、この顧客は、刹那的なバイヤー・・ということになり、その後の高い値段を提示されることになるとも限りません。
何かを買おうかなと思った場合、とりあえずカートに入れてそのままにするというのもよいかと思います。eBayやAmazonなどだと、その後「値段が下がりました」などとメール通知が来ることがあります。それもPrice Discriminationの一部かもしれません。すぐには買わない、比較吟味して買う・・この行動が、その一回の購買行動だけでなく、将来の購買にも影響をするということを覚えておきたいものです。
同じものの違う値段
ということで、ここからは、これをPrice Discriminationと呼ぶのかなんなのかよくわかりませんが、とにかく同じものでも値段が違うということの例として、同じ日に検索した、同じ航空機チケットが、Expedia.comとExpedia.co.jpとExpeida.caでずいぶんと違うということをご紹介します。以前、里帰り航空券を買う- 株価のように変わるチケットの値段 という記事を書きました。これは時間軸上で、航空券の値段が上がったり下がったり非常に激しいという内容でした。今回は、時間ポイントが同じでも、しかも同じExpediaだから親会社が一緒でも、検索するサイトが違うと値段が違うことを見てみます。
検索したのは下記の航空チケットです。検索したのは4月25日のほぼ同刻です。
まずは、アメリカサイト、Expedia.comの結果から。
ここでは1:20AM発の便に注目しましょう。値段は$1,324です。
では、お次は日本サイト、Expedia.co.jp。同じ便は11万5,490円。
為替換算のために、リアルタイムレートを使いました。
ドル換算すると、$1,052となります。$1,324と比べるとずいぶんお安いですね。
お次は、カナダサイト、Expeida.caです。同じ便が$1,026カナディアンドルです。アメリカンドル換算すると、なんと$759。ちょっと信じがたいですが、Expeia.comと比べると、$565の違いです!全く同便です!
ということで、こういうことはよくあるということを心にとめて、できるかぎり賢い消費者になる努力をいたしましょう。
ちなみに、航空券って他の国のサイトで買ってもいいの?と思われている方もいらっしゃるかもしれません。かつては、アメリカから日本への往復は、日本の旅行会社では買えなかった時代もありましたよね。でも、今は大丈夫のようです。我が家は今回の夏の帰省は、Expeida.co.jpでチケットを購入しました(上記の便ではなく、北海道の旅もつけたのでちょっと違うバージョン)。請求は円で、為替手数料のないクレジットカード(CapitalOne)で支払い、Expedia.co.jpからのConfirmationメールは、いつものExpedia.comと同じ感じで英語で来ました。
いつも為になる貴重な情報をありがとうございます。私も、とりあえずショッピングカートに入れておき、探します。オンラインショッピングでは、必ずebates.comやshopathome.comなどのキャッシュバックサイトを通じて購入しています。食料品は、ibottaというアプリでキャッシュバックをして貯めてます。結構馬鹿に出来ないくらい貯まります。
航空券をカナダのサイトと日本のサイトで比べて、こんなに差があるとは目から鱗でした。航空会社に腹が立つけれど、よいディールを見つけたいです。
ibottaというのは知りませんでした。ありがとうございます。
まさに体験しました。日本とアメリカのXperiaどちらが安いかは場合によって変わるようですよね。先日とった航空券は日本で買うとレート換算が139円になっていてアメリカのが全然安かったです。その前に予約したホテルは日本のが安かった。
ユナイテッドエアラインのサイトでさえも日米で違う時があるように感じます。
そうですか!う~ん。値段って本当にあってないようなものですね。。考えさせられます。
Expediaよ、お前もか! と思わず叫んでしまいそうです。
ポイントを貯めているのですが、今確かめてみると、カナダのサイトでも同じようにログインできるものの、アメリカのサイトで貯めたポイントは反映されていませんでした。
日本のホテルを予約するときは、アメリカのサイトでは一部屋いくら、日本のサイトでは一人いくらの計算なので、アメリカのサイトを利用することが多いのですが、航空券はこれから購入前の検索サイトが増えそうです。
他の方々のご意見も参考になりました! ありがとうございます!!