今年こそマネー把握 5つの質問に答えられますか?

家庭のマネー把握のための5つの質問を用意してみました。家計管理が得意な方やオンライン・マネーツールなどを使って管理をされている方なら簡単に答えられる質問かもしれません。また、少し前にこのブログで紹介しました家計把握―マンスリーキャッシュフローをつくってみる!シリーズを実行に移した方なら、頭に数字が浮かんでくるかもしれません。パーソナルファイナンシャルプラニングでは、「マネー感覚」というようなものが大事だと思います。1ドル、2ドルのレベルまで正確ではなくていいので、だいたいのお金のINとOUTの流れ、また今使うお金と将来使うお金のための貯蓄・投資のバランスを把握していると、家計の様々な局面で利点があると思います。では、テストです。5つの質問に答えてみてください。

手取り給料はいくらですか?

固定給の方ならグロス年収レベルでの把握は案外簡単だと思います。自営の方は季節性などもあるかもしれませんが、ある程度グロスでの収入は抑えられているでしょう。手取りはいかがでしょうか?すぐ答えられますか?ほとんどの方が月々の給料で生活をされているでしょうから、これがお金のINです。他に、レンタル収入や投資収入などもあるかもしれません。

夫婦の場合、家計を管理しているほうの配偶者は手取り給料を直ぐ言えても、家計にノータッチのほうの方はあまり知らないなんてこともありますね。また夫婦別会計にしているような場合は、お互いの手取りを知らないこともあるかもしれません。我が家の場合、私の主人は自分のグロス年収は知っていますが、手取り額は答えられないと思います。何年かに一度は、夫婦でグロスと手取りを確認するということも有意義だと思います。

手取りがいくらなのか確認したい場合はどこを見ればいいでしょうか?月々銀行に振り込まれる額を見ればいいですね。あるいは、給与明細に記載されている振込額を確認すればよいでしょう。ある金額を知りたいとき、どこを見ればいいかということを確認するのもひとつのポイントです。

この手取り収入というお金を将来のための貯蓄・投資と月々の生活に充てていくことになりますから、これは最も基本となる大切な数字です。

グロスの給料から引かれる項目は何ですか?

では次に、その手取り額が計算されるために、グロス収入から引かれている項目をすぐに言えますか?できれば大体の額まで把握できれいればすばらしいです。

ピンとこない方はこの機会にPay Stub(給料明細)を確認してみませんか?

引かれている額は大きく分けて、Before-Tax DeductionとAfter-Tax Deductionに分かれていると思います。

Before-Tax Deductionはその名の通り課税前に引かれる額で、つまり所得税の対象になりません。401(k)などの積立額、健康保険料の自己負担分、Flexible Spending AccountやHealth Savings Accountなどへの積立額などがあります。

After-Tax Deductionの方は課税後収入(所得税がかかったのち)から引かれる額です。401(k)などへの積立でも敢えてRothを選んでいる場合や、雇用主提供の生命保険や所得補償保険などのうち自己負担で入っている保険の保険料などがあります。

そしてさらには税金も引かれます。税金には、Federal  Income Tax、State Income Tax(所得税のない州もあり)、 OASDI Tax (ソーシャルセキュリティ)、 Medicare Taxがあります。これらがグロス給料から引かれて手取りの給料になります。グロス給料がいくらで、いくらくらい差し引かれる額があり、手取りがいくらになっているか、この大枠をとらえておくとよいかと思います。

いくら貯めていますか?

「貯めている」には大きく分けて2種類あるかと思います。積極的に額を決めて貯めているものと、ラッキーなことに月々の余剰分があり銀行口座に貯まっていくものと。前者は、主にリタイヤメント積み立てや学資積み立てさらには、短中期的な目的(たとえば家の頭金、車の買い替え、家のリモデルなど)のために貯めているお金などがあるかと思います。これがそれぞれいくらなのか把握しておくことも大切かと思います。もらった手取り給料のうち合計でどのくらいを貯蓄・投資に回せているかを把握してみましょう。

リタイヤメント準備には年間でいくら貯まっていますか?

リタイヤメントについては、この目的に貯められている総額がいくらなのかという額も計算してみましょう。手取り給料からIRAなどへ自分で積み立ている額と、上で確認した給料天引きの401(k)などの積み立てを合わせ、またEmployer Matchで積み立てられている額も確認してそのトータル額を出してみます。いかがでしょう、その額をみて満足しますか?この額はそれこそ人それぞれで、現在の給料、将来望むリタイヤメントの生活レベルにもよりますが、年間$20,000程度は目指したいところです。

月々の固定費はいくらですか?

月々必ずかかる費用をざっくり把握していますか?必ずかかるものは、モーゲージやレント、HOA、電気・ガス・水・ゴミやケーブル・電話などのユーティリティ、その他塾や習い事などです。これらは月々絶対出ていく費用です。

上の手取りの収入から、貯めている金額とこの固定費とを差し引いた額が「ある程度自由に使えるお金」です。ただ半年とか年に一回払う保険料とかバケーションのお金も(ボーナスやタックスリターンのリファンドから捻出するならそれはそれでいいですが)なども、この「ある程度自由に使えるお金」から捻出しなければなりません。ですからざっくりそれらをカバーするためにバッファー分見積もる必要があります。たとえば年間保険料が$3,000、バケーションが$5,000であれば、$8,000÷12で$666を月々バッファーとして見込みます。このバッファーを差し引いた分が本当に「ある程度自由に使えるお金」です。

月々使えるお金をどう使ったかをさらに仕分けしていくと家計簿になりますが、たとえ細かい家計簿をつけていなくても、この大きなお金の流れを頭に入れておくことをやるかやらないかでかなり違います。グロス収入がいくらで、そこからどんな天引き分があり、手取りがいくらで、貯めている額がいくらで、固定費がいくらで、年間で発生する費用のためのバッファー分をいくらみこんで、それらを差し引くと手取りのうちいくらくらいが自由に使えるお金か・・これをざっくりと把握しておくと家計センスがかなりアップします。

まとめるとこんな感じになります。表をクリックするとExcelシートがダウンロードできますから、よかったらご自分の家計把握にお使いください。年に一度、ご夫婦での意識合わせなどにも良いと思います。

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