Smart & Responsibleのファイナンシャルプラニング(1)

2019年秋から新たなサービス体制にてファイナンシャルプラニングを提供させていただくべく、ただいま準備中です。その準備として私自身が頭を整理するためにも、またこれからサービスをご利用いただく方々にSmart & Responsibleのサービスについて理解いただき、サービス利用にあたってご満足のいく決断をいただくためにも、Smart & Responsibleのサービスはいったいどんなもので、どのような価値を提供でき、また同時にどのような期待にはそえないものなのかまでを、まとめて行こうと思います。

 

Holistic &Hourly Fee Onlyアプローチ

 

Smart & Repsonsibleは、Holistic(包括的)なファイナンシャル・プラニングを提供いたします。パーソナルファイナンスにおいてお互い関係しあう要素を包括的に考え併せ、部分最適ではなく、全体的な最適解を探します。考慮される要素には、下記のように保険によるリスク管理、リタイヤメントや教育などの長期運用、税金面での考慮、収支バランス、バジェット管理、ローン返済、家や車など大型消費プラニング、ソーシャルセキュリティ年金受給プラニング、リタイヤメントの引き出しプラニングなどを含み、その方その方のニーズに合わせて決定します。現在の収入をどう使い、どう貯めるかという現時点のお金の使い方のバランスを考えながら、将来的にお金が必要となる時に備えるためゴールを洗い出し、ゴール実現への道を計画します。

Smart & Repsonsibleは、Hourly Feeのみで報酬を得ます。特定の金融商品の販売や推薦によるコミッションはいただきません。また、手数料をいただいて投資資産の管理をすることも行っていません。完全にお客様の立場に立って、金融商品や投資ファンドの推薦を行います。また、お客様のほうから指定いただく商品に対する中立的な目での吟味・分析も行います。可能な限りいくつかの選択肢を用意し、それぞれ長所・短所などを上げながら、お客様がご自分にぴったりのものをご自分で選んでいただくための意思決定サポートを行います。選択肢を挙げられないような問題の場合にも、お薦めするプランがなぜよいか、問題があるとすれば何かについて説明させていただきます。お客様ご自身で納得のいく選択をすることができるようにお手伝いいたします。

よって、決断はお客様のおしごとです。また、ファンドの購入や保険の加入など、プラン実行はお客様でやっていただくのが基本です。必要に応じ、プランの実行もHourly Feeベースでお手伝いすることができます。

 

Smart & Responsibleのチャージのしかた

 

今までSmart & Responsibleでお受けしてきたケースでかかった所要時間は、1時間~18時間までの範囲です。1時間というのは、簡単にお答えできるご質問を1,2ついただき、メールで回答したものです。18時間というのは、収入や資産構成が複雑で1度のレポートですぐに答えを出すことが難しく段階的に詰めていくことが必要だったり、あるいは最初にお出ししたレポートから、さらに新たな分析事項が生まれ、何回かのステージで分析範囲が拡大していったようなケースです

これまでのやり方では、ご連絡をいただき詳細情報をいただいてから分析内容を確定し、それにかかる時間を見積もり、かかった時間分だけをチャージさせていただいていました。他のファイナンシャルプラナーも抱えている問題なのですが、この時間を正確に見積もるというのは大変に困難な作業です。よくリノベーションするときにコントラクターが、「やりはじめて壁の中(あるいは屋根の下などでも)を見てみると問題が出てくることがあるので、正確な見積もりは難しい」と言うのを聞きますが、それと同じで、プラニングもやりはじめてみると、当初予測ができなかった要素にも時間がかかり、始めの見積もりをオーバーするということはよくあります。見積もりを出して、それをオーバーしたことは頻繁でしたが、かといって、見積もり上限以上にお支払いいただいたことはありませんでした。とにかく見積もりは難しいというのが本音です。

こんな状況を踏まえ、今後の新しいシステムでは、ある程度パッケージ化したサービス提供に移行する予定でいます。それぞれのケースの簡単さ、複雑さに応じて、ある程度の料金の調整ができる柔軟さは確保しながら、パッケージ1、パッケージ2のように商品化したサービスで基本固定料金を設定した形になります。これにより複雑な見積もり作業がなくなり、またお客様のほうでもあらかじめWebページ上で基本的なトータル料金を見ることができるようになります。新システムは秋から開始の予定で適宜お知らせします。

 

Smart & Responsibleを使っていただくのにぴったりのお客様は

 

ファイナンシャルプラニングに限らず、どんなサービスであっても、サービスを利用する人のタイプは、大きく下の3つに分けられます。まずは3つのタイプを見てみましょう。

 

Delegator(おまかせタイプ):

理由はいろいろでしょうが、時間的にまたは能力的にすることができない、またはできるけどしたくないので、人に完全に委任して(Delegateして)おまかせしたいタイプです。ファイナンシャルプラニングの場合だと、とくに投資資産管理などで、ファイナンシャルアドバイザーを立て、たとえば年間投資資産の1%というような管理手数料(AUM Fee=Asset Under Management Fee)を払って、ポートフォリオづくりからリバランスまで全部おまかせするケースなどがそれです。また、金融商品の選択なども、信頼できる人に選択決断を委託してしまい、面倒なことはすべて丸投げしたいという方です。

 

Do-it-yourselfer(自分でやるタイプ):

Youtubeを見てやり方を勉強したり、自分なりに情報を集めて学んだりで、自分で決めて自分で実行するタイプです。最近では、401(k)で提供されるファンドも低手数料のインデックスファンドが増えてきていますし、またそれをベースにしたターゲットデイトファンドが提供されていることも多くなりました。ちょっと下地の勉強をしたら、自分でファンドを選んで投資をするということは決して敷居の高いことではなくなりました。

 

Validator(確認したいタイプ):

ValidatorはDelegatorのようにお任せにしたくはないが、Do-it-yourselferのように完全に自分でやるのも少し不安が残るので、自分の考えていること、やろうとしていることをValidate(お墨付きをもらう)したいタイプです。一応自分で調べてやっているけれど、ファイナンシャルプラナーに確認したいというようなニーズを持つ人です。

 

Smart & Responsibleでは、パーソナルファイナンスに関わるさまざまな情報をできるだけわかりやすく提供することを目指しています。これは、Smart & Responsibleを始めた動機でもあり、いわばミッションとも思ってやっています(同時に情報を整理することで、プラナーである私自身の勉強にもなっています)。Do-it-yourselferである方がこれらの情報を使って、ご自分で解決できることがあれば大変うれしく思います。

また、問題が少し複雑であったり、いくつかの要素が絡み合うので、自分の選択があっているか確認したいというような場合や、もっといいやり方があるかもしれないので検証してほしいというようなValidatorニーズには、Hourly Feeのプラニングサービスをお使いいただければと思います。

包括的なプラニングとなると、どうしてもDo-it-yourselfでは追いつかない部分もあります。その場合は、お客様と一緒に最適解を探っていき、最終的に納得のいく回答へと導くタイプのプラニングサービスをお使いいただくことになります。このプロセスにはお客様ご自身も、情報提供に始まり、どうしたいか、どう思うかなどインプットをいただく機会がたくさんあり、最終的にはご自分にとって最善の意思決定をしていただくので、広義のValidatorに属するかと思います。

こんなわけで、Smart & Responsibleのブログを読んでいただくのにぴったりなのはDo-it-yourselferとValidatorタイプの方であり、有料でプラニングサービスを使っていただくぴったりのお客様はValidatorタイプの方です。完全に、お任せで自動操縦でやってほしいというDelegatorタイプの方のニーズには、対応できるサービスではありません。

 

 

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9 comments

  1. 岩崎 淳子 様

    いつも拝読しています。私は2011年から米国在住で、2児の父です。
    おそらく旦那様は同業者(大学勤務)だと思います。

    お恥ずかしながら、クレジットカードの負債が2万5千ドル近くあります。
    2013年頃、生活が苦しかった時期があり、使ってしまいました。
    毎月、最低返済額だけ払っています。

    家賃の安いエリアに引っ越すなど、財政状況を立て直して、早く返済すべく頑張っていますが、
    最近、どこかで個人情報が漏れたのか、「Debt Consolidation Loan」のディレクトメールがよく我が家に入ってきます。詐欺かな?と思ったのですが、Google検索をする限り、一応ちゃんとした会社の様です。Interest Rateが今のカードの20%以上と比べると、4%−5%と書いてあり、
    これを使うことのメリット、デメリットを教えていただけませんか。

    お恥ずかしながら、似たような状況の日系の方もいるかと思い、コメントさせてもらいました。
    今後の更新も楽しみにしています。

    1. 個人的なご質問でしたので、以下をメールで返信差し上げようとしたのですが、メールアドレス不備で戻ってきてしまいました。ですので、コメント欄でお返事させていただきます。
      _____
      メールありがとうございます。
      4~5%のInterest rateというのは大変低いレベルなので、おそらく期間限定とかではないでしょうか?その期間後は、いきなりrateがあがるというようなローンはたくさんあります。また、Transfer Feeのような手数料で儲けるタイプのものもありますので、とにかくすべてFine Printも含めてよく条件をお読みになるのが良いと思います。

      Consolidate ローンかあるいは新しいクレジットカードのバランストランスファーなどをうまくつかってrateを低くし、繰上げ繰上げでなるべく早く返済してしまうというのが必要かと思います。現在、Minimumだけを払っておられるということですが、これはできる限り避けたいことで、最低でもその月使った額全額を払い、極力それを超えて貯まっているローン部分まで繰上で返済していく必要があると思います。

      月々のバジェットを見直し、返済計画をたてることが、ローンの借り換えよりも大切かと思います。ローンを借り換えても、計画がないと結局もっと借りられるので借金が増えてしまうというケースもあったりします。

      以下の記事が参考になるかと思い(Consolidate Loanについてではありませんが、似たようなロジックが適用できます)りします。

      クレジット・カードのバランス・トランスファー成功の秘訣(1)
      クレジット・カードのバランス・トランスファー成功の秘訣(2)

  2. はじめまして、「最高の家計」を読ませていただき、こちらのブログにたどり着きました。一つ質問させてください。秋から始まるファイナンシャルプランニングは、日本在住者でもお願いすることは可能でしょうか?

    1. 拙著をお読みいただきこのようにコメントいただき、ありがとうございます。残念ながら日本在住の方へはサービスを提供させていただくことができません。プラニングはどうしても、法律、税法、商品などその国に特有の知識が必要となり、私は日本については十分な知識を持ち合わせていないからです。ご期待に沿えず申し訳ありませんが、日本にもたくさんのすばらしいプラナーの方がいらっしゃいます。良い方に巡り合えますように。

      1. ご返事、ありがとうございます。
        とても残念ですが、こちらで私達に合う方をさがしてみます。
        「最高の家計」、とても参考になりました。他の本を読んでも、一歩踏み出せなかった投資に踏み出す気になれました。スクーの講座も参考に、納得しいて行動してゆきます。

        これからも素敵なお仕事をされてください。

  3. 最初にコメントさせてもらった者です。入力したアドレスが間違っていてすみませんでした。(今回は直しました)

    推薦いただいた2つの記事を読み、1年以上の0%APRで、しかもBalance Transfer Feeが低いOR無いクレジットカードを今探しています。確かに、毎月けっこうな額を払っているのに、利息部分だけで全く元本が減らないので、どうしたものかと思っていました。こうした基本的なことをわかっていないので、Smart & Resonsibleには助けられています。

    また我が家の状況の改善をこちらで報告できたら、と思っています。今後とも記事の更新を楽しみにしています。

  4. ファイナンシャルプラニングサービスについて質問です。
    (1)妻40代後半、夫50台前半の夫婦で共働きですが、お金は夫婦それぞれが別で管理しています。
    投資方針なども大きく異なります。サービスを受けるには、夫婦の資産を合算した世帯資産を見ていただくということでしょうか? 妻だけの資産でお願いは出来ますか?

    (2)将来的に両親から相続を受けますが(金額はだいたいわかります)、その分を考慮してプランニングしていただくのは可能ですか?

    1. はい、(1)、(2)ともに可能です。
      プラニングする場合、将来的なリタイヤメント後の生活を考慮しての長期プラニングがほぼ必ず入ってくるわけですが、そういう意味で将来の生活単位でプラニングするのがもっとも適切です。たとえば、今夫婦別会計にしていても、将来的には老後を夫婦一緒に暮らすという場合には、会計は別のままでも、資産を合わせて鑑み投資なども全体的に整合性をとっていくのが最適です。ただし場合によっては、ある程度部分最適にはなりますが、奥様だけ、ご主人だけのプラニングもお受けすることもあります。遺産などの他の資金源がかなり確実に分かっている場合はそれをあらかじめ入れてプランすることもできます。

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