2019年秋から新たなサービス体制にてファイナンシャルプラニングを提供させていただくべく、ただいま準備中です。その準備として私自身が頭を整理するためにも、またこれからサービスをご利用いただく方々にSmart & Responsibleのサービスについて理解いただき、サービス利用にあたってご満足のいく決断をいただくためにも、Smart & Responsibleのサービスはいったいどんなもので、どのような価値を提供でき、また同時にどのような期待にはそえないものなのかまでをまとめています。
今までプラニングを使っていただいた方々はどんな人?
Smart & Responsibleでこれまでプラニングサービスをご利用いただいた方の年齢は以下のようです。安定した収入ができ、家庭をお持ちになる可能性の高い30代、40代の方の比率が高いですが、これからファイナンス基盤を作っていく20代や、反対にリタイヤメントがだんだんと近づき具体的な老後のプランを練り始める50代、60代はもちろんのこと、リタイヤメントに入ってからの70代の方もいらっしゃいました。
また、世帯年収では以下のような分布でした。$100,000~$150,000が最も多く、次いで$50,000~$100,000でした。ファイナンシャルプラニングに最適な年収というのはありません。入ってくるお金が多いなら多いなりに、少ないなら少ないなりにプランが必要です。
さらに、純資産(資産から負債をひいたもの)は下のような分布になっています。純資産$500,000までが最も多い層でした。収入と同じで、ファイナンシャルプラニングに最適な純資産というのも存在しませんが、資産が多くなればなるほど、資産の種類も多くなり、それだけプラニングが複雑になるという傾向はあるかと思います。
Smart & Responsibleの得意と不得意
これまで数百人の方のプラニングをお手伝いをしてまいりました。個人を相手にするサービスであり、代金の回収が大変ではないか(回収率が低いのではないか)と危惧してくれる知人もいましたが、Smart & Responsibleの回収率はインボイスをお出ししてから1週間以内でほぼ100%です。通常は、最終の分析レポートをお出ししてからご質問などを承り、それが落ち着いてからインボイスをお出ししますが、サービスに満足いただいているケースが多いためか、ほぼ即日1,2日以内にお支払いいただけるのが90%以上です。超良好な回収率の裏には、プラニングサービスについてお客様からご連絡いただく時点で、すでにブログなどを読んでいただいておりSmart & Responsibleの考え方などに賛同いただいている、裏返せば異なるものを求めていらっしゃる方はご連絡をいただかないということかと思います。
今まで1件だけ、ご不満がありお支払いをいただけなかったケースがあります。そのお客様はたくさんの不動産をお持ちで、リタイヤメントは不動産収入中心で・・という方でした。反省するに、私のお出ししたレポートはあまりに簡略的で、全く詳細を欠いていたのだと思います。長いリタイヤメント期間の間の物件の老朽化や買い替えなどのタイミングや前提づくりなどを踏まえて、不動産収入の確実性をどう見込むかなどは、私の不得意分野です。不動産収入を年金などと同じように定期収入と見込んでモデル化することは可能ではあります。ただ不動産収入が収入源のメインという方はそれぞれのマーケットに詳しい不動産専門家にご相談されるのが良いと思います。
一方で、Smart & Responsibleの得意とする分野は、今まで書いてきた包括的なパーソナルファイナンスの要素のバランスをとりつつ、長期投資においては低手数料のインデックスファンドを基本に、投資期間とリスク許容量を踏まえながら高くリスク分散した投資ポートフォリオで運用しつつ備えるという方法です。特定の個別株やホットで旬な投資ファンドをお勧めするというような短期的視野には立たず、インデックスファンドを使った長期パッシブ投資(売り買いを繰り返さない投資)を基本に考えます。
インデックスファンドを使った長期パッシブ投資については、こちらの特集シリーズの、「わかる長期投資特集」と「インデックスファンド投資をわかる特集」をご覧ください。
Smart & Responsibleのプラニングは、特に投資に興味があり時間と労力を割いてがんばりたい・・という方でない方向きです。、一般に多くの方は、不動産や特定株のように投資資産を一極集中することで得られるハイリスク・ハイリターン狙いではなく、広く投資を分散させることでリスクを抑えつつも、ゴール達成ができるだけのちょうどよいリスクをとり、長期的に低手数料運用していくのが、一番簡単で効率的であるという信念に基づいています。
Bestな使いかた
これまでSmart & Responsibleを使っていただいたケースを振り返るに、お客様のタイプでいくつかのパターンに分けることができるかと思います。
Starting&Growing (20代から40代) :
キャリアが軌道にのりそろそろ将来を見据えお金の使い方を検討したい、結婚、出産を機に、新しくファイナンシャルプランを作りたい、子どもが大きくなるにつれ学資やリタイヤメントを視野に入れつつバランスの取れたバジェットを構築したい、負債の返済計画を作りたい、他のニーズとの整合性をとりながら家の購入をすべきかどうか、いくらまで大丈夫かなどを知りたいなどは、今から家計を建て上げ、また力強く貯めていくフェーズで対応が必要な問題です。計画的な準備が必要ではありますが、まだお子さんの行く大学もリタイヤメント後の生活もあまり具体的には想像できません。ただ、それでも長期的な貯蓄・投資は必要です。このような場合には、大きな枠で長期的ゴール設定を絞りすぎない程度に緩やかに行いつつ、現在手元にある現金の使い方の最適化にフォーカスを置いたプラニングサービスをお使いいただくのが良いかと思います。同時に、職場のベネフィット利用を最適化したり、401(k)などの投資ポートフォリオの見直しも行います。また、万が一の場合に備える保険のチェックも欠かせません。
Goals in view (40代から60代) :
だんだんと長期的ゴールが可視化してくるフェーズです。お子さんの大学にどのくらいのコストを見込めばよいか、リタイヤメント後にはどのような生活がしたいかが少しづつ明確になってきます。ソーシャルセキュリティやその他の年金なども受給額の目途が立ってきますので、その受給開始時期の最適化も行います。このフェーズでは、具体的なゴールを明確化するとともに、不安に思っていることなども洗い出していきます。ゴールは、Need(絶対必要なレベル)、Want(なるべく実現したいレベル)、Wish(できれば実現するとうれしいレベル)に分けて考え、不安材料などと合わせ、それぞれの実現可能性を割り出していきます。実現可能性が低い場合には、どのような要素をどう変更すれば実現可能性が上がるかについてシナリオ判断します。シナリオ判断の結果を持って、必要な軌道変更などを行い、ゴール実現への道を可視化していきます。
Near or In Retirement (60代から70代):
リタイヤメントを目前に控えているフェーズです。今まで蓄えてきたリタイヤメント資産、ソーシャルセキュリティ、その他の年金などを合わせて考慮し、リタイヤする時期の判断や、リタイヤメント資産が枯渇しないようなお金の引き出し方、節税を視野に入れた401(k)などのRoth IRAコンバージョンや、固定収入確保のためのアニュイティの購入などを総合的に見ていきます。また、これまで貯めてきた様々な投資口座を整理して、管理を簡略化し、スムーズなお金の引き出しを実現することも考慮します。この時期でも、Need(絶対必要なレベル)、Want(なるべく実現したいレベル)、Wish(できれば実現するとうれしいレベル)とともに、不安材料を洗い出していって、リタイヤメント資産の枯渇を防ぐ実行可能性を上げるためのシナリオづくりをしていきます。
以上はすべてHolistic(包括的な)ファイナンシャルプラニングサービスです。フェーズの違いで考慮する要素に変化はあるものの、お客様のパーソナルファイナンスに関わるすべてのエリアを考え併せます。
まだ、どのフェーズにあっても、お客様のファイナンシャル知識の向上もお手伝いさせていただきます。日ごろから疑問に思っていること、今一度よく理解できないことなども同時に確認する機会を提供いたします。体系的に学びたいという方には、お読みいただくとよいブログ記事をお勧めしながら、全体的に理解するためのお手伝いをします。
一度Holistic(包括的な)ファイナンシャルサービスをお使いいただいた後は、転職した、お子さんが生まれた、引っ越したなど家計で大きな変化があった場合や、そうでなくとも3~5年に一度、メンテナンスチェックとして、立てたプランの進行度や方向性チェックなどをすることをお勧めします。
はじめまして。こちらの記事を読んで 毎回 とてもためになってまして、かつ勉強させていただいております。ぜひ新たなサービス体制が整われた際にはお願いできたら、と思っておりますが、他州でも お願いすることは可能でしょうか?