HSAを活用しよう!

今回はHigh Deductible Health Plan(High Deductibleプラン。HDHPと略される)とともに使われることの多いHSAについて取り上げます。 High Deductibleプランに入っているならHSAを考慮する 雇用主がHigh Deductibleプランを提供する場合は、ふつうHSAとペアで提供している場合が多いでしょう。言ってみればHSAはHigh Deductibleプランの魅力度をアップし、High Deductibleプランをプロモートするための「甘味料」的な意味合いがあります。さらには雇用主がベネフィットの一部としてHSAにいくらかお金を入れてくれ …

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質問にお答え: 65歳以降のHSA拠出条件

ご質問: Medicare加入後はHSAに拠出できないのは理解しておりますが、例えば67まで働き会社の保険に加入するとして、それでも65でMedicare Part Aのみ申請するとします。その後のHSAの拠出が可能なのか、それともPart AのみとはいえMedicare加入とされHSAにはもうそれ以上拠出できないのでしょうか? *** 短い答え Part AのみとはいえMedicare加入とみなされ、HSAにはもうそれ以上拠出(積み立て)できません。 HSAへ積み立てできる条件 65歳を過ぎてHSAへの拠出資格を維持するには、主に以下の条件すべてを満たしていることが必要です。 HSAに積み立 …

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リタイヤメント口座にクリプトカレンシー?

401(K)やIRA口座でクリプトカレンシーに投資できるようになったら、どうしますか?実際、金融機関の中には、リタイヤメント口座でのクリプトカレンシー投資を可能にすべく動きだしたところがいくつかあるようです。この動きに対し、2022年3月10日にアメリカ労働省が、「Cryptocurrency Concerns: Why We’re Working to Protect Retirement Savings from Volatile Digital Investments」というタイトルの警告文を出しました。この警告文が功を奏したのか、その後401(k)にクリプトカレンシーのチョイスが増えた …

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Vanguard のミューチュアルファンドとETF どちらがいい?

投資市場において確固としたステイタスを確立してきたETF(Exchange-Traded Fund)。多くの人気ファンドが、Mutual FundとETFという二つの形態で提供されています。Vanguardでも、そもそもMutual Fundとして提供されていた人気ファンドのほとんどがETFとしても提供されるようになりました。投資家としてMutual FundとETFをどう使い分けるべきかについて最新情報をもとに考えてみます。 ミューチュアルファンドとETFの基本的な違いから知る必要のある方は、こちらをご覧ください。 ETFを知る - ミューチュアルファンドとどう違う? さて、この違いを踏まえ …

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REIT とコモディティ ポートフォリオに入れる 入れない?

投資ポートフォリオの核となるのは、株式と債券です。とりたいリスクレベルによって、株式と債券の比率を決めます。株式比率が高ければより高リスク・高リターンです。株式と債券に加えて、投資ポートフォリオに入れるべきと議論されるのがAlternativeとよばれる投資媒体です。オルタナティブ投資とか代替投資と訳されますが、要は株式や債券など「ふつうの伝統的な」投資以外のものです。もちろんAlternativeにはいろいろありますが、特に取沙汰されるのはREITとコモディティです。 REITとは REITとは real estate investment trustの略で、賃貸収入を生む不動産物件を運営す …

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投資と投機のちがい ー 投資するのはギャンブルか

投資と投機はよく似た言葉です。案外、混同して使われてもいます。しかしながらこの二つは、性質的にかなり異なるものであり、違いを理解しておくことは大切なことだと思っています。私は、投資はしますし推奨しますが、投機はほとんどせず人にも特に推奨しません。どちらも納得と覚悟をしてするなら決して悪いものではないですが、よく違いをわからないで投資しているつもりで投機していたりすると痛い目にあうこともあります。 ひとつ思うのは、投資と投機はかなり異なるものですが、どちらもリスクがからむものであり、リスクをとるためのアクションが「ここからここまでは投資」、「ここからここまでは投機」と白黒はっきり区別できるもので …

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ETFを知る - ミューチュアルファンドとどう違う?

ETFはExchange Traded Fundsの略で、最近では非常に人気がでてきていますね。最初のETFは1990年につくられたそうですが、今ではミューチュアルファンドに代わる勢いで伸びてきています。昨今では、IRAや529など、今まではミューチュアルファンドがしきっていたエリアにもETFが進出してきています。あなたのIRAでETFを選ぶオプションがあったら、選びますか?従来のミューチュアルファンドとは何が似ていてどう違うのでしょう。今日はそのお話です。 ミューチュアルファンドと似ているところ ETFはミューチュアルファンドと同じように、さまざまな株や債権などをプールしてファンドとして組ん …

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リタイヤメントプランの活用(4)ーRoth 401(k) とAfter-tax 401(k)

一般的に401(K)といえば、雇用主がベネフィットの一部として提供し、所得税控除で積み立てることのできるリタイヤメント積み立てプランです。しかしながら、これ以外にも違ったタイプの職場リタイヤメントプランがあります。Roth 401(k)や、After-tax 401(k)などです。違いは何なのか、どう使い分ければいいのかについて考えてみます。 いろんな401(k)積み立て 401(k)の積み立ての種類は4つあります。下の表の最初の三つは雇用者が自分で積み立てるもの、最後の雇用主マッチは、雇用者の積み立てに対し一定のルールで雇用主がマッチアップしてくれるものです。 401(k)プランは、雇用主に …

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リタイヤメントプランの活用(3)ー401(k)かIRAか

リタイヤメントのための長期投資には、ぜひ税優遇のあるプランを利用したいものです。それらには、大きく分けて職場で提供されるリタイヤメントプラン(401(k)が主流)と個人で加入するプランであるIRAがあることを見てきました。たくさん積み立てる余裕のある人は、401(k)とIRAは併用しそれぞれ最大限まで積み立てるとよいでしょう。一方で、限られたお金しか積み立てられない場合、401(k)を優先すべきかそれともIRAを優先するかは考慮が必要となります。それぞれの長所を比較してみましょう。 401(k)のいいところ 1.積み立て上限(Max Contribution)が高い 401(k)に積み立てるこ …

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リタイヤメントプランの活用(2)ーIRA

「インデックス投資を理解する」シリーズと「インデックス投資をはじめる」シリーズで、何にどうやって投資すればいいのかを考えました。具体的に投資をはじめるとき、どのような口座を開ければいいのでしょうか。 老後のための投資ならば、リタイヤメント口座と呼ばれる税的に優遇措置のある口座が用意されています。税的に優遇があるわけですから、まずはこのような口座を優先的に使って投資を行うのがよいです。これらの口座は、まず職場提供とのもと個人で入れるものに分かれます。前回は、職場で入る代表的なプラン401(k)プランについて学びました。 今回は、上の表の右側のコラム。個人加入のプランについて学びます。IRA( I …

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リタイヤメントプランの活用(1)ー401(k)

将来のために投資を始めたいと思った場合、まず何にどう投資をすればいいのかという問題にぶちあたります。このあたりは、「インデックス投資を理解する」シリーズと「インデックス投資をはじめる」シリーズでカバーしています。 次に考えなければならないのが、その投資をどこでするかという問題です。老後のための投資ならば、リタイヤメント口座と呼ばれる税的に優遇措置のある口座が用意されています。税的に優遇があるわけですから、まずはこのような口座を優先的に使って投資を行うのがよいです。 職場提供のプランと個人で加入するプラン 税的優遇措置のある口座は、大きく分けて二つの種類があります。ひとつは、働いている職場で提供 …

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インデックス投資をはじめる(3):メンテナンス

このシリーズでは今までのところで、とるべきリスクレベル(許容リスク)を決め、それに従って4つの基本となるインデックスファンドを適切な配分で組み合わせて投資をはじめるところまでをカバーしました。 インデックス投資は、基本的につみたてたあとは何もしないほったらかし投資(パッシブ投資)です。しかしながら、少しばかりのメンテナンスが必要です。そのメンテナンスとは、リバランスとリアロケーションです。 リバランス 最適な比率で投資をはじめたのは素晴らしい第一歩です。ただこの最適な配分は時間とともにくずれてきます。なぜそんなことが起こるかというと、それぞれのファンドの成績がまちまちだからです。たとえば株式市 …

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インデックス投資をはじめる(2):どのファンドを買えばいいのか

前回、インデックス投資をはじめる(1)で、投資のリスクレベルを決め、株式と債券の配分比率を決めるところまでカバーしました。今回は、株式と債券とで、どんなファンドに投資すればいいのかというところ見ていきます。 基本の6カテゴリー おさらいになりますが、インデックス投資とは市場にあるすべての株を持つことで市場リスクだけをとる手法です。では、「市場」をどう定義するか、「市場全体」とはどこの市場かという問題にぶちあたります。リスク分散を究極に突き詰めるためには、アメリカ市場だけではなく、北米市場だけでもなく、先進国市場だけでもなく、どんどん視野を広げていくと新興国市場までも含めた全世界市場ということに …

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インデックス投資をはじめる(1):リスクレベルの設定

さて、インデックス投資を理解するシリーズの(1)から(6)までで、インデックス投資とは何なのか、安心して長期投資を行うにはどんなことを知っておくべきかについての基本をお話してきました。いわば、インデックス投資の理論的な部分です。ざっと要点をまとめてみます。 インデックス投資は、「ふつうの人」が広く一般的に使える手法である インデックス投資は、個別のリスクは排除し、市場リスクだけをとり市場の平均リターンを確実に享受する手法である インデックス投資は、ほったらかしのパッシブ投資である インデックス投資は、手数料が小さい効率的な投資である インデックス投資では、市場下落があっても、なにもしないで待っ …

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株も債券も値下がりした投資ポートフォリオ これからどうなる?

昨年2022年は投資をしている者にとっては厳しい一年でした。長期投資をしている人が使っている基本的なインデックスファンドも、もちろん下落しました。US Total Stock Indexは20%値を下げ、US Total Bond Indexは15%値を下げました。「株式が値が下がるのはわかるけど、債券まで下がるなんて!」、「債券がちょっとくらい値下がりするならわかるけど、株式なみに値下がりしたのはいったいなぜ?」という声が聞こえてきます。 高リスク・高リターンの株式に、低リスク・低リターンの債券を混ぜることでリスクを下げるというのは投資の基本的考え方です。リスクを下げるために買っていた債券が …

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インデックス投資を理解する(6):時間を味方につける

シリーズここまでで、パッシブ運用に徹し、なるべく手数料が低いインデックスファンドを選び、いったん買ったなにもしないというのがよさそうなのはわかりましたが、シリーズ6回目の今回は、本当に何もしなくても損失がリカバーできなくなることはないのか、ただただ持っているだけでいいのかという質問について別の角度から見てみます。 それでも怖いひとのために・・ ここまで読んできても、まだ「なんだか下がるかと思うと不安で投資できない」とか、「下がったのに持ち続けるのは恐ろしくて・・」という人もいらっしゃるかと思います。もうひとつ違う角度から株式市場を見てみましょう。次のグラフを見てみてください。 1926年から2 …

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インデックス投資を理解する(5):リスクを怖がる必要なしの術!

前回の4回めまでで、投資の王道は、パッシブ運用に徹したインデックスファンド、その中でもなるべく手数料の低いものを選ぶということだということを見てきました。5回目の今回は、「低手数料のインデックスファンド投資を選ぶといいのはわかりました。でも市場の暴落などで一瞬のうちに資産をなくすのではないかと心配が残ります」という声についてお応えします。 大きく落ちることは必ずある:( 株銘柄は選ばず、市場に存在する株式すべてを持つことで、究極的のリスク分散を果たし、個別株リスクはすべて排除し、着実に市場平均利回りを狙う、低手数料のパッシブ運用インデックスファンドを選ぶのが、一番楽に利回りを確保していく方法だ …

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インデックス投資を理解する(4):どんな方法より強力で最もシンプルに利回りを上げる方法

さて、シリーズ3回目の前回は「一生懸命やってもほとんど役にはたたない」ということがわかりましたが、もう少しこの話を進めてみましょう。今度は、「一生懸命やるとコストがかかる」ということについて考えてみます。 ミューチュアルファンド運営するためにはもちろんんそれなりのコストがかかります。ファンドにはファンドマネージャーという人がいて、そのマネージャーがファンドの株式の選択、必要な売り買いをしつつ、そのファンドの掲げげているポリシーに見合った運用がされていることを常に確認しています。 そのファンドマネージャーへの報酬は、Fund Expense(信託報酬)という形で投資家から集められカバーされていま …

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インデックス投資を理解する(3):パッシブ投資に徹する

シリーズ2回目の前回は、株式のリスク分散について学び、インデックスファンドは、市場において究極的にリスク分散を突き詰め、市場の平均利回りを狙うものであることを見ました。3回目の今回は、平均より よい成績を狙うことについて考えてみたいと思います。 勝ち組の株だけ持ちたい! 市場全体を持ち市場平均を狙うインデックスファンドへの投資は、力強い信奉者がいる反面、根強い抵抗もあります。その抵抗とは、「市場全体を持つということは、勝ち組の株だけでなく負け組の株も全部持つということだ。わざわざ負けの株まで入れるなんてばかばかしい。それこそ無駄だ」という具合です。どうでしょう?なかなかもっともらしい意見ですね …

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インデックス投資を理解する(2):分散投資で平均狙い!

インデックス投資を理解するシリーズ1回目は、インデックス投資とは何なのか、その発祥から発展まで簡単に説明しました。2回目の今回は、なぜそのインデックス投資が優れた投資法なのかについて学んでいきます。 インデックスファンドで市場全体の株式を持ち、市場の平均の利回りを狙うことの長所は、究極のリスク分散によります。このリスク分散によって、個別株の上がり下がりの影響を最小化し、その代わり市場の成長にともなう利回りをしっかりと手にすることができます。少しづつ見ていきましょう。 分散投資のパワー ひとつの株だけ持っていると、モロにその価格の上昇・下落のリスクを受けます。ところが二つ以上値動きの異なる株を組 …

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インデックス投資を理解する(1):それってなに?

このブログでも投資の始め方、運用法についてはこれまでたくさんご紹介してきましたが、今回はまた初心に戻って、インデックス投資についてシリーズでお贈りしたいと思います。401(k)やIRAなどでインデックスファンドを使った投資をすでにされている方も多いかと思います。でも、なんとなくそれを選んだけど、実は深く理解していない・・というような声を聴くこともあり、このシリーズを読めばひととおりの知識がつき、納得して投資ができることを目指します。 投資運用したいが何をどうすれば・・・ お金は増やしたいですよね。不動産投資で賃貸収入というのもよさそうだし・・クリプトカレンシーで儲けた人の話を聞けば少し興味もあ …

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タックスロス・ハーベスティング 課税口座をお持ちなら・・・

今回はTax Loss Harvestingについて書いてみます。実は、この記事を書くかどうかは迷いました。なぜなら、このサイトでは長期パッシブ・インデックスファンド投資を推奨しており、ふつうこのタイプの投資法においては、ロスハーベストはあまり意味をなさないことが多いからです。ただ、株式もさらには債券もロスを出しているものが多い現状では、ある一定の条件を満たすのなら、ロスハーベストも考慮に足るケースもあります。広く一般にお勧めすることではありませんが、一応取り扱ってみようと思います。 ロスハーベストとは・・ ロスハーベストとは、ロス(投資の損失)をハーベスト(収穫する)もので、損失を出している …

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高利債券I bond 9.62%を買いそびれた? 今は6.89%です。

新規発行のI Bondの金利はついこの10月末まで9.62%でした。この高利を確保するための購入期限だった10月28日には、多くの投資家がI Bondをかけこみ購入し、$979ミリオンがI Bond市場流れ込みました。10月のトータル発行額は$7ビリオンだそうです。11月からは金利が更新され、6.89%になります。このI Bondあちこちで取り上げられているので、購入をされた人、購入を考えておられる人、ただ何か知ってみたい人、いろいろおられるでしょう。今日はこれを取り上げます。 I Bondとは? I Bondは、US Treasury(米国財務省)発行の債券です。米国政府が発行しているものな …

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Brokered CDって? 利子が高いCD  利点とリスク

読者の方から、Brokered CDについてのご質問をいただきました。 ご質問:「Brokered CD」というものがVanguard と Fidelity で提供されていますが、どの様にお考えでしょうか? レートはオンラインバンクのCDよりも良いです。 という内容でした。私自身、Brokered CDを使ったこともなく、よく知らない分野でしたので今回勉強してみました。 たとえば、VanguardのBrokered CDを調べてみると、利子がこんな感じで提示されていました。 これに対し、各社が出しているCDを調べてみると、こんな感じです。 比較として1年APRをとってみると、下の表で一番高いC …

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課税口座(普通の投資口座)ではどんな投資法が有効なのか

401(k)やIRAなどの税優遇がある口座では、年々の利回りが非課税のまま運用がされ続けるという大きな特典があります。株式ファンドが配当金を出しても、債券ファンドが利子を出しても、さらには投資者がAファンドからBファンドにのりかえ、売却益(キャピタルゲイン)が出ても、一切税金がかからないまま運用が継続されます。一方で、課税口座(Taxable Account、Brokerage Account、Regular Accountと呼ばれる)ではそうはいきません。上記のような課税事象が起こったときには、その年に税金を払わねばなりません。この税金にできるだけうまく対処する投資法はどんなものがあるのでし …

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お子さんへの簡単贈与 - Roth IRA

今回はお子さんのために親が主導で積み立てるRoth IRAについて考えてみます。たとえばこんなケース;子どもが夏のバイトでお金を稼ぐようになった・・全部使うのではなくて、今から少しずつ貯めることのたいせつさを教えたい。子どもが就職して給料をもらうようになった・・今から少しでも投資の経験をさせて、複利で増える力を経験させたい。ある程度子どもにお金を残したいので、今から少しずつお金を譲っていきたい・・などなど。Roth IRAの利用価値があるかもしれません。 積み立てる まず積み立てをすることができるためには、お子さんにEarned Income(労働収入)があることが必要です。積み立て限度は、年 …

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Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2022年限度額

401(k)と並んで、リタイヤメント準備のためによく使われるIRA(Individual Retirement Arrangements)。IRAにはいろんな種類がありますが、その中でももっともよく使われるのはRoth IRAとTraditional IRAです。2022年度の数字を入れた比較表をお届けします。積み立て限度額や控除対象となる限度額などを確認いただくとともに、どちら選んだ方がよいのかの考えかたもまとめました。 以下、選択のための3つの要素を考えます。 収入 収入によって、Roth IRAは積み立て可能な額が決まります。Traditional IRAは収入にかかわらず積み立ては可能 …

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Fedの政策金利が上がるとどうなる?

Federal Reserveは3月に政策金利の利上げを行いましたが、今後5月以降複数回にわたって利上げを継続するだろうとの予想です。40年ぶりの高いインフレーション率と好調な労働市場を背景に、アグレッシブな利上げが予想されています。 政策金利とは、Federal Reserveが金融機関に貸し付ける際の金利のことです。この金利は、大手金融機関同士が貸付を行う再の金利に影響を及ぼし、それが今度はプライム金利(銀行が、最も信用の高い顧客に貸し付ける際の金利)に影響を及ぼします。この意味で、Federal Reserveの政策金利はUS経済全体に影響を及ぼす重要な金利ベンチマークです。では、政策金 …

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インフレ懸念 - 投資をどうする?

2022年2月にはアメリカの消費者物価指数は7.9%の伸びを記録し、過去40年間の最高値を記録しました。お肉もパンも値段が上がり、ガソリンの値段も半端でない上がり方です。NetflixもAmazonプライムも値上がりしました。とにかく何でも値が上がり、今までの家計バジェットでは同じようにものが買えないことを誰もが経験していることでしょう。 今後このインフレ率がどうなっていくのか、現在のインフレ上昇は一時的なものなのか、それともある程度の期間継続するのかについては、専門家の中にも意見の食い違いがあります。7%というようなインフレ率が長期間続くことは想像したくないし、実際問題として想像しがたいこと …

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Vanguardターゲットデイトファンドのキャピタルゲイン問題

Vanguard ターゲットデイトファンドは業界ナンバーワンのシェアを誇る人気ファンドですが、2021年に、通常と比べてあまりにも大きなキャピタルゲインを出したことで問題が浮上しています。このキャピタルゲイン、401(k)やIRAなどの税優遇のある口座で持っている限りにおいては問題になりませんが、課税口座(Taxable Account、Brokerage Accountと呼ばれる)で持っている場合は、当年のキャピタルゲインとしてタックスリターンで報告し、キャピタルゲイン税を支払う義務が発生します。そもそも、税金をあまり心配する必要のないインデックスファンドをベースにしたターゲットデイトファン …

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ベスト ターゲットデイトファンド?

Morningstar社が、Best Target Date Funds Rankingというのを出しています。最新版は去年2021年のものになりますが、トップ10はこんな感じになります。 これを見たとき少々驚きました。BlackRockあたりが一位というのはよいにしても、PimcoやJPMorganについては「へえ~!」という感じで、Expense Ratio(ファンド手数料)が0.51とか0.52とかのT.Rowe Priceに関しては「本当に~!」という感が免れませんでした。しかも私が大好きなVanguard は8位。これはちょっと考えを直さなくてはならないかも・・・と思い、少し調べてみ …

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ESGファンドに投資すべきか?(2)

前回ESGファンドに投資すべきか?(1)では、ESG投資の目覚ましい成長と、その裏にあるファンド会社の思惑や、Blackrock内部告発者の発言などを見てみました。今回は、ESG投資を進めるにあたって、ファンド会社やファンドマネージャーが頼りにしているESGレイティングの堅牢性、安定性、確実性を考えてみます。 Phillip Morris のSustainable評価 ESG投資市場の伸びと足並みを合わせる形で、各企業にESG成績をつけるESGレイティングシステムができました。ESGファンドマネージャーは、それらの評価に従って自分のファンドに入れるべき企業を選んでいきます。まさに、ESG投資が …

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ESGファンドに投資すべきか?(1)

最近、ESGという三文字、あちこちで見かけます。アメリカだけでなく、日本でも騒がれるようになりました。本ブログでも一度以前に関連記事を書いていますが(Socially Responsible Investing(社会的責任投資)についてどう考える)、それ以降ますますすごい勢いで伸び続けている投資カテゴリーです。以前はこのSocially Responsible Investingという用語がよくつかわれていましたが、最近はもっぱらESG InvestingとかESG Fundsなど、ESG=Environmental, Social, and Governance のほうが一般的なってきました …

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アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(4)

12月は、4回シリーズで「アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ」というのをお届けしています。アルケゴスの転落」の部分はファイナンシャルプラナーとして思うことがあり、「人間のかなしさ」の面ではクリスチャンとして考えさせられる部分があり、クリスマスの月にちなんでこの両面から思ったことを書いています。今回は最後です。いろいろ考えたことを綴ってきましたが、今回は、アルケゴス問題を考えながら、学んだことを投資の面からと、人間に関する面からとに分けてまとめてみたいと思います。 過去の記事はこちら: アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(1) アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(2) アルケゴスの転落に思 …

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アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(3)

12月は、4回シリーズで「アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ」というのをお届けしています。アルケゴスの転落」の部分はファイナンシャルプラナーとして思うことがあり、「人間のかなしさ」の面ではクリスチャンとして考えさせられる部分があり、クリスマスの月にちなんでこの両面から思ったことを書いています。今日は3回目。先週は、今回のアルケゴスの転落が単なる「悪意のない投資の失敗」なのか、それとも投資のプロとして避けうる失敗であったのかに思いを馳せました。また、自身は地味な生活をし多くのクリスチャン団体に巨額の寄付をしていた「敬虔なクリスチャン」であるビル・ファンは、神の前に「低い」存在であったのか、それ …

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アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(2)

12月は、4回シリーズで「アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ」というのをお届けしています。アルケゴスの転落」の部分はファイナンシャルプラナーとして思うことがあり、「人間のかなしさ」の面ではクリスチャンとして考えさせられる部分があり、クリスマスの月にちなんでこの両面から思ったことを書いています。今日は2回目。前回は、ビル・ファン氏がアルケゴス社を始めるまでの経緯と、彼が「敬虔なクリスチャン」であり、自身は比較的地味な生活をしながら、毎年60を超えるクリスチャン団体に巨額の寄付をしていた人であったことなどを振り返りました。今日は、2021年春先に起こったアルケゴスの転落のところから話を始めます。 …

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アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ(1)

2021年もあと1か月を残すところになりました。12月はクリスマスの月。イエス・キリストの誕生をお祝いする月にちなんで、4回シリーズで「アルケゴスの転落に思う人間のかなしさ」というのを書いてみたいと思います。「アルケゴスの転落」の部分は投資の失敗に関係していてファイナンシャルプラナーとして思うことがあり、「人間のかなしさ」の面ではクリスチャンとして聖書とてらしあわせたときいろいろ考えさせられたところがあったので、無理やり(?)この二つをくっつけてクリスマスに向けて書いてみた記事です。こんなノリのシリーズもたまにはいいかな~?と思い・・4回おつきあいくだされば光栄です。 2021年春に起こったア …

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投資のビッグピクチャー

「インデックスファンドとETFとどっちがいいですか?」、「ドルコスト法というのをやってみたいのですが、どこで口座を開けばいいですか」というご質問を受けることがあります。質問者が深く理解できるよう説明できればいいのですが、たまに説明してもなんとなく腑に落ちない顔をされることもあります。たぶんそれば、投資のビッグピクチャーを描くことなしに、細かい部分に焦点を当てて説明してしまうため、なかなか質問者が納得する回答が提供できないのかと思います。それで今回は、いろいろな概念を整理してビッグピクチャーを描いてみたいと思います。 とりあえず、投資を始めたいと思ったとき、どこから考えていくことになるかというス …

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Fidelity の手数料 ゼロファンドってどう?

ファンドの手数料(Expense Ratio)に対する消費者意識はどんどん高まり、15年前には1.5%とか2.0%などという手数料を課しているファンドも案外あったものですが(そして、それらに投資する人も案外いたものですが)、最近ではインデックスファンドなら0.30%以下はふつう、0.10%以下も珍しくなく、0.05%以下でも驚かなくなりました。ところがこれがゼロ=0.00%だったらどうでしょう。Fidelityが手数料ゼロのファンドを出しています。その名もFidelity ZERO。金融においてはとくに、「ただより高いものはない」が常識ですから、いったいこのファンド、大丈夫なのか・・疑問があっ …

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ただより高いものはない:Schwab のロボアドバイザー

Charles Schwabは第二四半期の報告で、同社のロボアドバイザーSchwab Intelligent Portfolio(SIA)について、連邦政府からのペナルティチャージが課せられる可能性があり、そのために$200ミリオンを計上することを発表しました。 報告の中で、Schwabは「わが社は、コンプライアンスの問題に起するSECからの捜査に対応中である。、本捜査は、主に、デジタル・アドバイザリー・サービスに関する過去の開示情報にかかわるものである」としたうえで、「捜査の現状を受け、2021年第二四半期の決算においては、費用として計上することはできない(ペナルティとしての)支払い責任$2 …

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実は私も持っていた ミーム株!

今日は、Michael Finke(PhD, CFP®)という人が書いた記事を読んでいて、なるほど~と思ったのでシェアします。この人は、次に市場が価格調整をするときには、クリプトやミーム銘柄の保持者にとっては大変厳しいダメージがあるだろうが、その対極にいるような長期インデックス投資者も同時にいくばくかのダメージをこうむることになる・・・と書いています。以下、Michael Finkeの書いた記事をベースに、ところどこ主観もまじえて書いてみます。 前回の記事でも書いたのですが、バブルというのは、「いかにそれが価値があるものか」のストーリーから始まります。テック・バブルの場合は、「ニュー・エコノミ …

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バブルの法則:クリプトカレンシーの場合

私はビットコインもそのほかの仮想通貨も買ったことがないので全くの素人ですが、でも常に話題になっていますから関連記事を読んだりしています。値段の上がり下がりの激しさ、最近ではコインの種類の多さにもいつもすごいな~と思っています。昨今では仮想通貨という言い方より、クリプトカレンシーと呼ばれることが多いですね。種類が増え、取引が大きくなり、ものすごい規模の市場に成長しているのは驚くばかりです。 $1トリリオンの市場 ちょっとGoogle検索してみたら、2021年9月時点で6,500種類のクリプトカレンシーが存在するそうで、市場規模の大きいほうから並べると以下のようになるようです。 最も市場が大きいの …

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Rothコンバージョン ケーススタディ

「節税するためにRothコンバージョンをしたほうがいい」ということをお聞きになったことがあると思います。節税と聞くととにもかくにも是非したほうがいいように思いますが、そんなに話は簡単ではありません。今回は、このRothコンバージョンの意義、どんな場合にその威力が発せられるか、実際のコンバージョンはどんなふうに行うのかなどについて考えてみたいと思います。 そもそもRothコンバージョンって? そもそもRothコンバージョンというのは何か・・と思われる方もらっしゃるでしょう。Rothコンバージョンとは、Traditional IRAをRoth IRAにコンバートすることを言います。Traditio …

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スモールビジネスの401(k)

スモールビジネスで401(k)を提供するにはいろいろなハードルがあります。401(k)は準拠しなければならない法律やそれを記録する書類提出など、事務的労力とコストが高く、規模の小さいビジネスにとっては導入が難しいことがほとんどでした。そもそもスモールビジネスではリタイヤメントプランがないところもあり、またリタイヤメントプラン導入を考える場合には、SEP IRAやSIMPLE IRAなど事務的コストが低いものを優先させるケースが多かったものです。ところが昨今ではロボアドバイザーなどにもみられるように、投資サービスのデジタル化が進み、ローコスト401(k)を提供するオンラインサービスが登場しつつあ …

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転職で置き去りにされた401(k) $1.35トリリオン!

転職するとき、401(k)をどうするかについてご相談を受けることも少なくありません。ご相談いただく方は、401(k)があることを分かっておられるのでよいのですが、今回の記事は「忘れられた401(k)口座」の話です。この「忘れられた401(k)口座」、かなりの数と残高に上るようでなんとももったいないことです。転職は、職場環境、もしかしたら住む場所なども変わる変化のとき。今ある401(k)をどうするか・・は、なかなか考える機会がないまま・・ということもあるでしょう。 Capitalize社の調べによると、 転職によりそのまま残される401(k)は、一年間で280万口座あまりと予想され、2 …

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jellyfish floating in deep blue ocean

投資ポートフォリオにCryptcurrency(仮想通貨)は必要か?

今や注目されるべきはビットコインだけでなく、目まぐるしい勢いで新しい仮想通貨が誕生しています。厳密にいえば、「通貨」であるためには、広く一般に「通貨」として受け入れられ使われていなければならないはずですが、基準を緩くしてとりあえず自称「Cryptcurrency(仮想通貨)」としているものを数えるなら、一週間のうちにも数十の新しい仮想通貨が生まれ、今や何百という種類が存在しているそうです。有名人の一声でいきなり値上がりし、リスクをとって「投資」した人が大きなキャピタルゲインを得て一躍大金持ちに・・というニュース記事もあちこちで見ます。さて、この仮想通貨、インデックスの長期投資ポートフォリオに入 …

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モンテカルロで測るリタイヤメント成功確率

モンテカルロ・シミュレーションということばをお聞きになったことはありますか?モンテカルロ・シミュレーションはさまざまなエリアで利用されています。ファイナンシャルプラニングにも応用されており、投資結果やリタイヤメント成功確率などを予測するために用いられています。Smart&Responsibleのプラニングでも必要に応じこの手法を取り入れています。このモンテカルロ・シミュレーション、いったい何なのか、どんなふうに使われるのか、結果はどう読み取ればよいのかをまとめてみます。 よくコンピュータなどの歴史で名前が出てくるフォン・ノイマンという人がいますが、モンテカルロ・シミュレーションはこのノイマンと …

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ファイナンシャルゴールがわからないとき・・・

Goal-based planningという言葉をお聞きになったことはありますか?ファイナンシャルプラニングでゴール設定をして、それを実現するためにどうしたらよいかをプランする・・・という具合に進める手法のことで、広く受け入れられ使われています。ファイナンシャルプラナーを雇っても、あるいはロボアドバイザーなどを使っても、「ゴールは何か」を必ず聞かれることでしょう。Goal-based financial planningのソフトウエア開発にも力がそそがれ、巨大産業に発展しています。 ゴールなんてふつうわからない・・・ たしかにゴール設定は大切ですが、「何歳でリタイヤして、年間いくらくらいで生活 …

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GameStop事件 若い世代を守るために

1月末に起こったGameStop事件、まだ記憶に新しいですね。GameStopの株価は、たった9日間の間に$19.79 から $380へと値上がりしました(1,800%の伸び)。このブログは、長期インデックス投資を推奨していますので、読者の皆さんの中には個別株をデイトレードする方はほとんどいらっしゃらないのではないかと想像します。今回の事件、ソーシャルメディアやゲームAPPを使い慣れた若者を対象に、ゲーム感覚で株式をトレードする機会を提供するRobinhoodというAPPが絡んでおり、大きな問題提起のきっかけとなりました。お子さんや周りにいる若い世代と、投資のこと、株取引のこと、リスクのこと、 …

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毎年$10,000ずつターゲットデイトファンドに17年間積み立てたら・・・

このブログでは、インデックスファンドにドルコスト法(毎月、毎年定額を淡々と積み立てる)で長期的に運用するという方法を再三再四ご紹介しております。今回は、「じゃ、本当にそれをやったらどういう効果があるの?」を、実際に確認してみたいと思います。最近は401(k)でもよく見るようになったターゲットデイトファンドを取り上げたいと思います。具体的にはVanguardのTarget Retirement Fund2045というのに、2003年(この年がこのファンドができた年です)から、毎年$10,000ずつ17年間投資し続けたとしたら、リタイヤメント資産はどう伸びてきたかを過去データで見てみます。 現在残 …

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M1 Finance の使い道

最近ご連絡をいただくお客様のなかにM1 Financeをお使いの方が増えているように感じています。市場にはさまざまなロボアドバイザーがあり、私はとても全部を把握しておりませんが、今回はこのM1 Financeの使い道を吟味してみたいと思います。M1 Financeの投資サービスは無料であることと、低コストETFを使ったターゲットデイトファンド的な機能を提供していることから、Smart & Responsibleでお勧めしている長期パッシブ・低手数料インデックス投資と目指すところが同じように感じています。それぞれの方のニーズにもよりますが、課税口座やIRAで利用価値があるのではないかと思 …

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Vanguardのロボアドバイザー 課税口座で期待

Vanguard はこれまでPersonal Advisor Services という名前のアドバイザーサービスを提供してきました。テクノロジーを駆使しつつ人を介してのサービスで、$5ミリオンまでの投資額で年間0.30%の手数料でした。これに加え、2020年には新たにVanguard Digital Advisorというサービスが登場しました。こちらは人を介さないロボアドバイザーです。 必要最低限だけど手堅いチョイス Vanguard Digital Advisorは最低投資額が$3,000。IRAや課税口座で使えます。他社のロボアドバイザは何十何百ものファンドや個別銘柄を選べることも多いです …

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Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2021年限度額

401(k)と並んで、リタイヤメント準備のためによく使われるIRA(Individual Retirement Arrangements)。IRAにはいろんな種類がありますが、その中でももっともよく使われるのはRoth IRAとTraditional IRAです。2021年度の数字を入れた比較表をお届けします。積み立て限度額や控除対象となる限度額などを確認いただくとともに、どちら選んだ方がよいのかの考えかたもまとめました。 以下、選択のための3つの要素を考えます。 収入 収入によって、Roth IRAは積み立て可能な額が決まります。Traditional IRAは収入にかかわらず積み立ては可能 …

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Morningstar評価基準改定が私たちに語るもの

モーニングスター社がファンド評価の新システムを導入したのが2011年。そして2019年末から2020年にかけて、この新システムがさらに洗練されました。過去の投資成績が将来の投資成績を予想するのには不十分/不正確であるという事実を踏まえ、ファンド運営を質的に評価するしくみが必要になったことと、ファンドの成績を予想するのにはファンド手数料が大きな要素であることの理解が進んだことが変更のポイントであるように思います。2008年の金融大恐慌以降、ファンドの低手数料化とインデックファンド投資が大きく躍進していますが、今回のモーニングスター評価システムの改定も、この流れを組むものです。 2011年 スター …

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手数料、手数料、手数料!

モーニングスター社が、ファンド評価基準を改定し、2019年から2020年にかけて新評価システムへの移行を実施しています。35年前に開発された5つ星評価システムは、過去の投資成績にのみ焦点を当てたものであり、その後の数々のリサーチで、過去の投資成績は将来の投資成績を正確に予想するものではないことが明らかになりました。と同時に、ファンド手数料こそが、将来の成績の決定要因として信頼性が高いことが示されました。今回の評価基準改定はそれを汲むものであり、今後、手数料をより正確に反映されたファンド評価がなされていくことになると思います。この改定と相まって、アメリカでの投資ファンドの手数料化は目を見張るもの …

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投資ファンドのシェアクラスって知っていますか?

投資しているファンドの名前のあとに、AとかBとかCとかのアルファベット文字がついているのをご覧になった方もあるのではないでしょうか?これらはシェアクラスと呼ばれるもので、ひとつのミューチュアルファンドに対して存在する異なるシェアの種類のことです。たった一つの文字ですが、これが案外大きな意味を持ちます。今日はシェアクラスの学びです。 シェアクラスとは たとえば、Franklin Income A とか、Franklin Income Cとか言った具合に、最後についているアルファベットがシェアクラスです。シェアクラスが違っても投資しているファンドは全く同一です。同じリスクレベル、同じ投資内容、同じ …

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上がりはしても決して下がらないアニュイティ(2)

「もし市場がマイナスになっても、残高が絶対減らないプロテクションのついたアニュイティを購入しようとしているのですが、どうでしょう?」というご質問も最近よくお受けします。アニュイティの中でもFixed Index Annuityという商品に焦点を当て、前回はそれがどのような商品なのかについて調べてみました。今回は、その購入をどう決断したらよいのかについてポイントを考えてみます。 前回も書いた通り、アニュイティは大変複雑で、その提供する価値とコストを具体的に把握して、買うか買わないかを理性的に判断するのが大変難しい商品だと感じています。決断にあたっての不確定要素も多く、いつまで生きるか、アニュイテ …

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上がりはしても決して下がらないアニュイティ(1)

株式市場に不安がある時期には、「着実に入る配当金や利子が出るファンド」や「上りはしても下がらないアニュイティ」などの人気が上がる傾向があり、前回はこの前者のケースの配当金や利子を出すIncome Fundについて取り上げてみました。今回は、後者のアニュイティを見てみましょう。「もし市場が今回のCovidのように大きく下げても、残高は決して下がらないプロテクションのついたアニュイティというのを購入しようとしているのですが、どうでしょう?」というご質問も最近よくお受けします。アニュイティは目的にあったぴったりの使い方をすると大変に素晴らしいものである反面、よくわからず適当に購入すると残念なことに終 …

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「月々配当があるからよい投資」は本当?

Covidの影響で今春、6週間で約35%下落したUS市場ですが、その後歴史的にも類を見ないスピードで値を戻しました。一方で、実際にはまだまだ経済はダメージを受けており、多くの企業利益は落ち込み、失業者数も大きな改善が見られず、ワクチン開発にも未だ少しばかりの時間がかかりそう・・と、実質的な状態と株価の乖離があるのではないかという疑心暗鬼も存在しています。こんな中、月々案外調子よく、目に見える形で入ってくる配当金があると、なんだかほっとする気持ちにもなります。実際、株式市場に不安がある時期には、「着実に入る配当金や利子が出るファンド」や「上りはしても下がらないアニュイティ」などの人気が上がります …

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老後に利子と配当金だけで生活する・・・は現実的?

リタイヤメントに向かって貯めている間の投資の王道は、それなりにリスクをとって株式比率を上げ、株式インデックスファンドと債券インデックスファンドを組みあわせたポートフォリオでの運用です。最近では、自分で株式ファンドと債券ファンドを組み合わせなくても、リタイヤメントのターゲット年を選べば、ふさわしいリスクレベルですでにファンドが組み合わされたターゲットデイトファンドも人気があります。これがいったんリタイヤすると、いきなり貯めるフェーズから引き出すフェーズに180度お金の流れが変わることになります。一生懸命貯めてきた資産、できるだけ減らしたくないと思うのは普通のこと。できれば、利回りだけで生活してい …

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あなたの401(k)の手数料はいかに?

2009年の金融恐慌以降、投資にかかる手数料は全体的に減少してきています。10年以上前は大変に手数料の高い401(k)プログラムもたくさん存在し、また手数料開示を義務付ける法律もなかったこともあり、いったいどのくらいの手数料を払っているのか、401(k)プラン参加者には見えない部分もたくさんありました。その後、手数料などに関する情報開示が義務付けられ、また投資媒体を懸命にリサーチをし選択する高手数料のアクティブファンドの利用が少なくなり、投資媒体を選ばず市場全体にまんべんなく投資する手数料の低いパッシブファンドへの乗り換えが進み、さらには401(k)の市場自体が大きくなり競争が高まったことで、 …

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人間のこころ: 投資で最も怖いモノ

投資で最も怖いモノ、それは株式投資で避けて通れないリスク・・・と答える人も多いでしょうが、実は違います。最も怖いモノは、私たちの心であり、心の中にある恐れです。損をするかもしれない、資産をなくすかもしれないという恐れ、これは何らかの行動を起こすための強力な動機になります。損をしたくない、減らさないでいたいという恐れとともに、もっと儲けたい、どんどん増やしたいという貪欲は、実は深いところでつながっていたりもします。この恐れと貪欲、全く違うもののように思われがちですが、実は同じ心の二つの面であるともいえるのです。この心のために、本当はすべきでない行動をしたり、売るべきでないものを売ってしまったり、 …

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Managed Payout Fund (老後の収入確保ファンド)を考える

401(k)やIRAで一生懸命貯めてきたリタイヤメント資金。リタイヤするまでは毎月、毎年貯めていくことに注力してきましたが、いったんリタイヤしたら今度は使うフェーズに入ります。この変化は案外ドラスティックで、だんだんと貯めるフェーズからだんだんと使うフェーズに変わるわけではなく、多くの人の場合、退職すると同時に180度お金の動きの向きが変わります。貯めていた時は資金がだんだん増えていくのを見ていたのに、使うフェーズに入るとだんだん資金が減っていくことになります。そのことだけでも心理的に心細く、場合によっては罪悪感さえ感じてしまう人もいます。加えて、使いすぎれば寿命までリタイヤメント資金がもたな …

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コロナはいつまで 投資はどうなる?

本年2月から3月に大きな下落を見た株価はその後比較的早く値を戻し、経済活動が少しずつ再開し経済回復への期待がもたれました。しかしながら全米各地で感染率が再度急増し、振り出しに戻ってしまった感があります。アメリカの第2四半期のGDPは前期比で32.9%減少し過去最悪の下げを記録。失業率は6月に11.1%、7月に多少改善し10.2%となっています。身近でも大手の小売店が閉店に追いやられ、“Closing”のバナーを目にします。 その割には、株価は4月以降横ばい傾向で来ており、感染率の急増、経済悪化のニュースを横目に、大きな下落を見ていません。US市場でもまたグローバル市場でも同じような同じようなパ …

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Socially Responsible Investing(社会的責任投資)についてどう考える

Socially Responsible Investing(SRI)という名をあちこちで目にした方もいらっしゃるでしょう。日本語では社会的責任投資と訳され、企業が負うべき社会的責任をきちんとはたしている企業を対象に投資を行っていくことを指しています。実はこの考え方自体はかなり以前から存在したようで、1920年代のキリスト教倫理観により、武器やギャンブル、たばこ、アルコールに関連する企業を投資対象からはずすという考え方にはじまったようです。最近では2012以降急激に注目が集まり、2016以降は年間40%の成長率で投資額が増えているということです。昨今では401(k)でもSRIファンドが選択肢と …

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世界分散投資の意義を再考する

ホームバイアスという言葉をご存じでしょうか?投資をするとき、自分が住んでいる国の株式(債券も同じく)に偏って投資をする傾向のことをいいます。アメリカに住んでいたらUS株式にばかり注目し、日本に住んでいたら日本の株式ばかりに投資するというような具合です。過去にも多くのリサーチでこのようなホームバイアスの存在が認識されていますが、その理由についてはすっきりした説明がありません。ただ、考えてみればなんとなく人間心理的にあたりまえのような気もします。 今回のコロナウイルスの時代、どこか外国に行かねばならないとしたら、自分がいる国の方がよっぼと感染率が高かったとしてもなんとなく行く先での危険が気になった …

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ファクター投資って何でしょう?(2)

前回、最近ちょっとした流行りのファクター投資についてみてみました。ファクター投資という言葉は新しいが、それはつまるところアクティブ投資の一種であり、昔のアクティブ投資の自動化/高精度化/高速化/低手数料化バージョンであること。ルールの自動化により株式や債券などの選択の精度は上がり高速化され、低手数料が実現されているということをお伝えしました。今日は、各社が売り込むファクターの種類にはどんなものがあり、また私たちはファクター投資についてどういう姿勢をとるべきかについてみていきます。 どんなファクターがある? では、実際、ファクター投資とはどうやって実現されるのか・・ですが、以下のようなファクター …

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ファクター投資って何でしょう?(1)

投資にも流行りすたれがあります。このファクター投資、英語ではFactor-based Investingといいますが、ちょっと前からの投資の流行語です。各社がファクター投資のファンドやETFを宣伝しているので、目にした方もいらっしゃるかもしれません。何か新しい投資法のようで期待を集めるかもしれません。このブログでは、インデックスファンドをベースにしたパッシブ投資を一貫してお勧めしておりますが、もしかしてファクター投資に乗り換えた方がいいのではないかという考えが浮かぶかもしれませんが、今、なぜそれが注目されつつあるのか、自分に必要かどうかをどう見極めるか・・について2回にわたり考えてみます。 た …

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コロナのあと 市場回復はどんなふうに?

コロナのロックダウン生活も何週目でしょうか。私はカリフォルニアに住んでいるので、まだStay-at-Homeの状態です。すでに24の州がReopen(経済活動の再開)をしました。3州が近々Reopenするそうです。23州とワシントンDCが依然としてClosed状態です。さて、今後進む経済再開とともに、株式市場はどんなふうに回復していくのか‥多くの人が気になることかと思います。Vanguard、Fidelity、Charles Schwabが発表している予想レポートを読んでみましたので、それの概略をまとめみました。ご参考までに。 <概略> 今回のリセッションは、経済自体に原因があるのではなく、パ …

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Vanguardの創始者ジャック・ボーグルが生きていたら・・・

Wealth Logic創始者のアラン・ロスという人が、“ジャック・ボーグルが生きていたら、どうするか?”という記事を書いていました。ロス氏は、今は亡きVanguard社の創始者ボーグル氏に何度か会ってインタビューをしたことがあり、もしもインデックスファンドの父と呼ばれるボーグル氏が今生きていたら、現在のコロナウイルスによる市場の混沌についてなんというだろうかと架空のインタビュー記事を想定したものです。アプローチがなかなか面白いなと思ったのと、私自身ボーグル氏の大ファンなので彼を偲んで和訳してみました。(すべて3/18/2020付けのFinancial Planning誌より) Q.ボーグル氏 …

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鳥の目で見る 株式市場

毎週毎週株価が下がるブログトピックばかりで残念ですが、でもやっぱり人が寄るとコロナウイルスの話になり、旅行規制などに話が及べば経済の話になり、経済から株式市場へと話題はつながり・・となんだかパターン化しているような気もします。早くテストキットが広く普及し、ウイルス拡散のスピードが抑えられるように、重症例が医療キャパシティの範囲内に収まるようにと祈るばかりです。株式市場も人々の不安をあおるように下向きを続けています。報道を見ていても、ブレイキングニュースと銘打って赤字で市場の大きな下落を伝えています。「米株式市場が急落 新型ウイルス“パンデミック”宣言受け」、「米株式市場で初のサーキットブレーカ …

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“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(2)

前回、インデックスファンドを使った長期投資では、市場がどう動こうと何もしないことが最善であることを見てみました。一般的に10年以上を長期投資とみなしますが、10年の間には平均的な数字ではありますが、10%以上の値下がりが3回、20%以上下がったまま2か月以上続くのが2回、大きな景気後退が1回がある計算になり、市場が大きく下げることは長期投資をする限り必ず誰もがかなりの頻度で経験するものです。それは当たり前に起こるものであり、実際そのような局面に来たら、ただただクールに構え何もしないこと・・これがベストということを学びました。今回は、そのただただクールに構える・・という部分に焦点を当ててみます。 …

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コロナウイルスでどうする投資?

本来なら今週は、“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(2)“をお届けするはずでしたが、コロナウイルス関連で具体的なご質問をいくつかいただきましたので、それについてシェアさせていただきたいと思います。 コロナウイルスで株式低迷。今後世界経済は打撃を受ける・・。こんなとき株式投資をしている私たちは不安になるものです。持っている投資はこのままでよいのか、これから積み立てるはずの投資は待った方がよいのか、株でないものにお金を避難させたほうがいいのか。いろいろな質問が頭をよぎるかもしれません。長期ほったらかしのインデックスファンド投資をしている皆さんを対象に、以下のQ&Aを用意してみ …

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“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(1)

“何もしない投資”、“ほったらかしで増やす”などはインデックスファンドを使ってのパッシブ投資を表している表現です。最近では投資には慎重な日本でさえもよく見かける言葉になりました。何もしないほったらかしでお金が増えるならば、そんなに楽なことはないけれど、でもこれ、案外やってみると難しいと感じる人も多いと思います。私たちは日々、“やる”ことに価値を置く忙しい日々を送っています。また、どこにいても24時間365日絶え間なく新しい情報が次から次へと入ってくる情報化社会に暮らしています。何か起こったらそれに反応して、早急に何かをやらねばならない・・そんな生き方に慣れてしまっています。 そんな中、何もしな …

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州によるIRA自動積立プログラムについて

比較的大きな会社や組織で働いている人は、401(k)や403(b)などリタイヤメントプランの提供を受け、所得税控除で積立ができると同時に、Employer matchの恩恵もあり、年間でかなりまとまった額がリタイヤメント資金準備に積み立てられていることが多いです。一方で、アメリカの労働人口の半分くらいは、職場でのリタイヤメントプラン提供がなく、資金準備が大きく遅れているという問題があります。前回ご紹介した、SECURE ACTもこの問題を軽減すべく、スモールビジネスのリタイヤメントプラン提供を促進することを狙ったものですが、この連邦政府での動きとは別に、各州政府がこの問題に取り組んでいます。S …

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SECURE ACTで変わるリタイヤメント準備

2019年12月にSECURE ACTという法律が制定されました。本名は、Setting Every Community Up for Retirement Enhancement Actといい、アメリカで働くより多くの人がリタイヤメン準備を積極的に進めることができるよう、資金準備プランを使いやすくするということを狙った法律です。すでにリタイヤメントプランに参加している人にも、まだ参加できていないという人にも、関与する変更点がありますので、下に挙げていきます。 Required minimum distributions (RMDs) のスタートが70.5歳から 72歳に 高齢化にともなり、リ …

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Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2020年限度額

401(k)と並んで、リタイヤメント準備のためによく使われるIRA(Individual Retirement Arrangements)。IRAにはいろんな種類がありますが、その中でももっともよく使われるのはRoth IRAとTraditional IRAです。2020年度の数字を入れた比較表をお届けします。積み立て限度額や控除対象となる限度額などを確認いただくとともに、どちら選んだ方がよいのかの考えかたもまとめました。 以下、選択のための3つの要素を考えます。 収入 収入によって、Roth IRAは積み立て可能な額が決まります。Traditional IRAは収入にかかわらず積み立ては可能 …

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Charles Schwabの口座申込書の問題の一節・・・

しばらく前に「変化する金融市場」というブログ記事のシリーズをご紹介しました。シリーズ第三回目には、アメリカを離れるとそれまでアメリカで持っていた口座が維持できなくなる可能性についてとりあげました。口座が維持できたりできなかったりはそれぞれの金融機関の方針によるもので、非アメリカ居住者に対してフレンドリーな機関もあれば、そうでない機関もあるというお話を書きました。フレンドリーな金融機関としてとりあげたCharles Schwabについてですが、読者の皆さんの中から、「口座を開設しようとしたが、申請フォームの中にあったFACTA reportingに関する一節に対して疑問が残りフォームにサインがで …

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変化する金融市場(3)~アメリカを離れると口座維持できない?

長らく暮らしたアメリカだけれど、やはり老後は日本で・・という人も増えているように思います。その場合、アメリカで一生懸命貯めた401(K)やIRAなど投資口座はどうなってしまうのかという疑問をよく聞きます。この問題、一昔前まではほとんど浮上しませんでした。日本に帰ってもそのまま口座は持って置けるのがほとんどで、オンラインで操作することも可能な場合が多かったのです。ところが最近になって、かなり状況が変わってきています。口座の維持が難しい場合も発生しています。 ***このトピックはまだ新しく発展途上で、業界にもなかなか確固とした情報がありません。ここに書く内容は最善を尽くして集めたものですが、完全に …

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変化する金融市場(2) ~アメリカ市民権、永住権の放棄と離脱税

前回は、市民権、永住権を持っている場合の義務や規制について、FATCAと絡めながら見てみました。市民権、永住権を持っている限り、私たちは世界のどこに住んでも、全世界所得についてアメリカへの納税義務があり、FATCAという法律後は、世界に持つ金融資産についてアメリカへの報告義務ができ、さらには私たちが口座を持つ世界の金融機関も私たちの金融資産についてアメリカへの報告義務が生まれたことをまとめました。 市民権、グリーンカードの放棄急増 このような変化を背景に、US Person(市民権・グリーンカード保持者)の中に、それを放棄する人が増えています。以下は、市民権を放棄した件数の変遷です。2010年 …

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変化する金融市場(1)~アメリカ市民権および永住権を持っている場合

アメリカで暮らしておられる皆さんは、毎年タックスリターンの際に、FBARやFrom 8938で日本の金融資産について報告をしていらっしゃる人が多いかとお察しします。一昔前まではこんな報告をする必要がなかったので、面倒に思っていらっしゃる人も多いでしょう。この義務、日本に帰ってもついてきます。市民権・永住権を持ったままであればこの義務から逃れられず、それだけでなく今度は日本側でもいろいろ面倒な規制を受ける可能性があります。これらすべて、FATCAという法律に関係しています。 ***このトピックはまだ新しく発展途上で、業界にもなかなか確固とした情報がありません。ここに書く内容は最善を尽くして集めた …

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投資ファンド選びでステマにはまらない!(2)

ステマ記事の2回目です。ステマとは、中立的な立場を装って書かれた記事を通して、また宣伝とはわからないような装丁で情報提供することで、ユーザーの商品に対する印象をよくするマーケティングのこと。ステルスマーケティングの略です。ステルスという名のレーダーに映らない戦闘機がありますが、まさにそれのごとく、名前を明かさず忍び寄ってくる宣伝とでもいいましょうか。 このステマが投資ファンドにもあります・・という記事を前回書きました。前回は、利回りで並べたランキングは、何をどう分類し何をどう測るかでランキング入りするファンドを操作できることと、またそこで発表されている利回りに魅力を感じてそのファンドを買っても …

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投資ファンド選びでステマにはまらない!(1)

投資ファンドを選ぶときには、「ステマ」に気をつけましょう!ステマというのは、ステルスマーケティングの短縮語だそうです。LISKUL(liskul.com)によると、ステマとは「中立的な立場での批評を装ったり、当の商品と直接の利害関係がないファンの感想を装ったりして行われる。商品の特長の紹介や、評価システム上の評価をつり上げるなどの行為により、多くのユーザーの目に触れさせ、またユーザーの商品に対する印象を上げることが主な目的とされる」ということです。amazonのレビューなども影響をうけています(参考記事 Amazonのレビューって信じられる?)。 このステマ、金融商品にももちろん適用されていま …

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課税口座での投資、できるだけ税金がかからにようにするには?

401(k)やIRAではないふつうに開く投資口座は、税優遇がありませんから、年々利回りが課税されます。そのような課税口座では、いったいどんな投資を持てばいいのでしょうか?何か税金面で有利な投資というものがあるのでしょうか?今日はそこらへんを探ってみます。 課税口座を使う場合 課税口座を使う理由はいくつかあると思います。 税優遇のある口座にはすでに上限まで積み立てているが、それ以上にお金を積み立てたいという場合 引き出し年齢制限(59.5歳まで引き出せない401(k)やTraditional IRA)や利用目的の制限(学資だけにしか使えない529)を回避し、いつでも自由に出せるお金として持ってお …

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RMDを知る(2)

401(k)やTraditional IRAには、70歳半になると(訂正:SECURE ACTにて開始時が生年によって72歳から75歳までの間に変更)Required Minimum Distribution(RMD)という引き出し必要額が定められています。RMDは引き出す必要がなかったとしても、引き出すことが義務付けられており、もしも義務付けられたRMDを引き出さないと手痛いペナルティがあります。複数の口座がある場合は、管理や計算も複雑になります。70歳半(2019年末SECURE ACTにて72歳に変更)になる前にRMDについて把握しておき、RMDの自動引き出しなど必要な手続きをしておくこ …

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RMDを知る(1)

401(k)やTraditional IRAには、70歳半になると(SECURE ACTにて、開始時が生年によって72歳から75歳までの間に変更)Required Minimum Distribution(RMD)という引き出し必要額が定められています。RMDは引き出す必要がなかったとしても、引き出すことが義務付けられており、もしも義務付けられたRMDを引き出さないと手痛いペナルティがあります。複数の口座がある場合は、管理や計算も複雑になります。70歳半(開始時が生年によって72歳から75歳までの間に変更)になる前にRMDについて把握しておき、RMDの自動引き出しなど必要な手続きをしておくこと …

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Roth 401(k) とAfter-tax 401(k)

一般的に401(K)といえば、雇用主がベネフィットの一部として提供し、所得税控除で積み立てることのできるリタイヤメント積み立てプランです。これ以外にもRoth 401(k)や、After-tax 401(k)というものが提供されている場合もあります。違いは何なのか、どう使い分ければいいのかについて考えてみます。   いろんな401(k)積み立て 401(k)の積み立ての種類は4つあります。下の表の最初の三つは雇用者が自分で積み立てるもの、最後の雇用主マッチは、雇用者の積み立てに対し一定のルールで雇用主がマッチアップしてくれるものです。 401(k)プランは、雇用主によってその提供の度 …

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リタイヤメント準備 - 401(k)とIRAの使い分け

老後の資金を貯める主な方法には、雇用主の提供する401(k)、403(b)、457などのグループ・プランに参加し給与天引きで積み立てをしていく方法(ここでは401(k)と総称します)と、Traditional IRAやRoth IRAなどに個人的に積み立てをしていく方法があります。401(k)もIRAも、どちらもTax Deferred(税遅延)プランと呼ばれ、利回りへの課税は老後に資金を引き出すまで遅延されるという大きな魅力があります。では、違いは何なのでしょう。 401(k)かIRAか、どう使い分けるのがいいのでしょう。それぞれの強みと弱みを比べてみましょう。   401(k)の …

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お引越し:住んでいた家を売るか貸すか

引っ越しの理由はいろいろあるでしょう。同じ地域でもっと大きい家にアップグレードする、転職のため他の地域に移る、リタイヤメントが近づいたので小さな家にダウンサイズする・・などなど。そんなお引越しの際、それまで住んでいた自宅を売るのか、それともレントで貸し出すのか・・・。多くの人が直面する疑問かと思います。それぞれのケースで考慮点もまちまちかと思いますが、おおまかなガイドラインを今日は考えてみます。   戻ってくる可能性があるか? お引越しがなんらかの理由でテンポラリーなものである可能性が高い場合、売らずに貸すという選択は大いに理に適うものでしょう。売って引っ越し、戻って買うというのでは …

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ちょっと使わない現金を貯めておく口座

健全な家計では3~6か月分の生活費を、非常時の蓄え(Emergency Fund)として現金で持っておくというのが基本になっています。急な出費や事故、収入が途絶えたり減額になったときでも、問題なく通常の生活ができるための現金プールです。ある程度まとまった現金ですから、これを全額チェッキング口座に置いておくか、それとももう少し高めの利子で増やすかは判断が必要なところです。今回は、そんなときに使われる選択肢となりえる口座の種類について考えてみましょう。   Savings Accounts 銀行のセービング口座は、ご存知の通りチェッキング口座とペアで持つことが多いです。チェックやAMTに …

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Vanguardで口座をつくる手続きフロー

このブログでもVanguardでの投資について何度かご紹介しておりますが、口座の開設のしかたについてまとめた記事が欲しいというリクエストをいただいています。今回は、Vanguardで口座を開く場合の一般的なフローについてご紹介しようと思います。 これまでの記事で何度か取り上げていますが、Vanguardは支店を持ちません。なので、口座を開設したり投資商品を購入したりという手続きも、オンラインでしていただくのが一般的です。ロールオーバーなど第三者機関からの送金が関わるような場合には、すべての手続きをオンラインですることができず、途中電話や書類でのやり取りが必要になる場合もありますが、それでも一連 …

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リタイヤメント後のポートフォリオ管理―総括編

実際にリタイヤメントに入って、貯めてきた資金を使っていくにあたって、知っておかねばならないこと、心構えしておかねばならないことをまとめてみます。今までのご紹介してきた記事ごご紹介していますので、必要に応じご覧ください。 STEP1 リタイヤメントに投資は必要か この問題への回答はズバリ、いくらリタイヤメント資金があるかによります。$5ミリオン貯まっているならば、たとえ全額1%金利のマネーマーケット口座に入れても、(もちろん生活費にもよりますが)かなりの確率で資金枯渇なく寿命を全うできるでしょう。$数ミリオン貯まっているなら、おそらく大丈夫、では$1ミリオンなら?? いくらあれば大丈夫かというこ …

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引き出し時のマーケットタイミング ー どのファンドから換金するか

「リタイヤメント資金を準備するために、どう投資ポートフォリオを運用するか」というトピックについては、すでに多くの議論やリサーチがなされてきました。実は貯めている段階で注意しなければならないことは比較的シンプルで、基本を押さえれてポートフォリオとアロケーション調整の枠組みを組めば、あとはただお金を入れ続けるだけで大丈夫といっても過言ではありません。一方で、ベビーブーマーがリタイヤメントに入り始めたころから、「リタイヤメント資金をどう戦略的に引き出すか」というトピックも出始めるようになりましたが、このテーマについてはまだ多くの研究と議論が必要な段階といえます。 インデックス投資では「何もしない」と …

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リタイヤメント口座の数がたくさんある! - どの口座から引き出すか

一生懸命貯めてきたリタイヤメント資金。みなさんはどんな口座で資金準備をされてきたのでしょう?何回かキャリアチェンジをしたり、途中で起業したり・・とということも普通ですから、401(k)をいくつか持っている方、いくつかの種類のIRAを持っていらっしゃる方、加えて課税口座で運用をされている方など、複数の口座に資金がばらけていることも決して珍しくはありません。今回は、このように複数の口座にリタイヤメント資金が分散している場合、実際リタイヤメントに入ったときに、どの口座から引き出しをしていけばいいのか、その順序を考えてみます。 リタイヤメント口座の種類 リタイヤメント資金を貯めることができる口座には主 …

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ファンドはいくつかの投資会社に分散投資がいい?

“ミューチュアルファンドやTFを持っていますが、ひとつの会社にまとめるとリスク集中しませんか?”、“リスク分散のために、いくつかの金融機関にばらけて持った方がいいですよね?”というご質問をお受けします。“株でもなんでもひとつに決め打ちする代わりに、いくつかに分散する・・これって基本でしょ?“という意見も。少し前には、投資口座の整理 - まとめて管理をラクにする!という記事を書きましたが、”本当にまとめてしまってもいいのでしょうか?“という不安も。結論からいいますと・・・ひとつにまとめてしまって問題はありません! なんでもかんでも分散はダメ リスク分散という言葉は、最近では投資をする方のなかでも …

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Vanguardがトクベツなわけーあなたがオーナー!

私は自他ともに認めるVanguardファンです。自分でもVanguardで投資をしていますし、お客さんにも友達にも“Vanguardはいいですよ”とすぐ勧めます。別にVanguardを勧めてどなたがファンドを購入したとしても、私に何か見返りがあるわけではないのですが、それでもどなたかがVanguardに口座を開いたとおっしゃると、もうひとり同士が増えた思いでなんだかうれしくなるものです。前にもこんな記事書きました(私がVanguardが好きなわけ・・・)こんな私は少し変でしょうか? Bogleheadたち いえ、案外そういうVanguardファンはたくさんいます。Vanguardの創始者のJo …

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貯めるときのタブーは引き出すときの必須事項

マーケットタイミングという言葉はご存じでしょうか?市場の騰落を見ながら、安い時に買い、高い時に売るためにタイミングを計ること、別の言い方では「機を見る」とも呼ばれます。売り時、買い時のチャンスを常に計るがら、売り買いを繰り返す投資のしかたは、アクティブ投資とも呼ばれ、本サイトでは提唱していません。マーケットタイミングを計る投資法は、コストが高くつくばかりか、恒常的に成功を収めることができず、インデックスファンドを使った機を計らないパッシブ投資には長期的に勝つことができないという数多くのリサーチ結果を踏まえてのことです。マーケットタイミングはタブーなのです。ところが、このタブーのマーケットタイミ …

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不動産投資シリーズ(4) -不動産投資の収益性を考える

ミューチュアルファンドはもうすでに投資しているが、ポートフォリオの一部として不動産への投資も考えてみたいという方もおられるでしょう。不動産投資を考えるシリーズ全4回でお届けしており、(1)では、レンタル物件を購入し大家(ランドロード)になるにあたって、必要となるスキルについて考えました。(2)では、物件管理業者への委託、REITを通しての不動産投資について見てみました。前回(3)では、レンタル収入でリタイヤメントをサポートする場合の考え方について考えました。今回は、不動産投資の収益性を測るための指標について考え、収益性をどうとらえるかについて見てみます。   3つの指標 不動産投資の …

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不動産投資シリーズ(3) -リタヤメントと不動産収入

ミューチュアルファンドはもうすでに投資しているが、ポートフォリオの一部として不動産への投資も考えてみたいという方もおられるでしょう。不動産投資を考えるシリーズ全4回でお届けしており、(1)では、レンタル物件を購入し大家(ランドロード)になるにあたって、必要となるスキルについて考えました。前回(2)では、物件管理業者への委託、REITを通しての不動産投資について見てみました。 今回は、不動産収入でリタイヤメントをサポートすることについて考えます。 レンタル収入で年々6%を得る、不動産は値が下がることはない、年々着実に物件価格は上がっていく・・・というのはよく聞く不動産投資の魅力ポイントです。40 …

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不動産投資シリーズ(2) - 管理会社に委託か、それともREIT?

ミューチュアルファンドはもうすでに投資しているが、ポートフォリオの一部として不動産への投資も考えてみたいという方もおられるでしょう。不動産投資を考えるシリーズ全4回でお届けしており、前回(1)では、レンタル物件を購入し大家(ランドロード)になるにあたって、どんなスキルがいるのかを書き出してみました。 今回は、大家業を自分でやるのがちょっと大変という場合、どんな手があるのか、大家業抜きの不動産投資の可能性について考えてみます。 信頼のおける管理会社は宝のような存在であり、信頼のおけない管理会社は問題の上に問題が重なる存在・・・とよくいいます。管理費用は低くて4%、高いと15%にも上りますが、カバ …

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