今や注目されるべきはビットコインだけでなく、目まぐるしい勢いで新しい仮想通貨が誕生しています。厳密にいえば、「通貨」であるためには、広く一般に「通貨」として受け入れられ使われていなければならないはずですが、基準を緩くしてとりあえず自称「Cryptcurrency(仮想通貨)」としているものを数えるなら、一週間のうちにも数十の新しい仮想通貨が生まれ、今や何百という種類が存在しているそうです。有名人の一声でいきなり値上がりし、リスクをとって「投資」した人が大きなキャピタルゲインを得て一躍大金持ちに・・というニュース記事もあちこちで見ます。さて、この仮想通貨、インデックスの長期投資ポートフォリオに入れるべきでしょうか?そこのところどう考えるかについて考えてみます。
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インフレ率5%の今後は・・・
コロナワクチンが広まり経済活動が次第に戻るとともに、アメリカのインフレーションは2021年3月に2.6%、4月には4.2%、5月には5.0%となりました。インフレ5%というのはアメリカにしては非常に高いレベルです。この高いインフレ率、今後も続くのでしょうか。多くの意見が、これらの高インフレは今後持続するものではないと見ているようですが、いくつかの記事を読んで見解とをまとめてみました。また、それに対して私たちはどんな姿勢をとればよいかも考えてみました。
なぜインフレを気にしなくてはならないか
アメリカのインフレーション率はだいたい2%前後をうろうろしていたのが、コロナによる経済停止により一時的に激減しました。そして2021年春以降経済活動がオープンし人々が動き出したのにともない、ここ数か月で上昇中です。2021年3月に2.6%、4月には4.2%、5月には5.0%となりました。インフレ高騰を憂慮する記事はあちこちで見ますが、さてこのインフレ率、消費者として、また学費やリタイヤメント費用を貯める者として、私たちにどのような影響があるのでしょうか?
HOA Feeを考える
Home Owners Association(HOA。住民による管理組合)はアメリカではますます一般的になってきているようです。全米の物件の4件に1件はHOAに属しているというリサーチもあり、今後新設される物件がHOAの管理下にある確率はどんどん高くっているようです。HOAがきちんとしていると管理の届いた美しい環境に住むことができる一方で、毎月かかるHOA Feeは決して軽くみられる程度ではないことも多く、毎月のキャッシュフロー上での考慮はもちろんのこと、長期的なプラニングの面でもきちんとした認識が必要だと思います。
Dark Webで自分の情報が売られていたら
このところいろいろな所で個人データ流出があり、最初は驚いていたのに最近では「ああ、またか」と何か慣れを感じています。Mass shootingとも似ていて、本当は大変なことなのに、自分ではどうしようもない無力感と気にしていたら生きていけないあきらめとが交錯します。我が家もここ数年でいくつかの個人データ流出に巻き込まれ(クレジットビュロー、雇用主などなど)、それぞれが事後策としてモニタリングサービスを無料で提供するので,一応登録して利用しています。そうすると今度は、「あなたの情報がDark Webで売り買いされています」という警告が送られてくるのです。これも最初は、「あら大変だ!なんとかしなければ」と思って対応していたものの、何回か続くと「あ、またか」になりつつあります。幸い、大きな被害につながるケースは今のところないものの、このDark Webというのはいったい何なのか、どう自らを守って行ったらいいのか調べてみました。
買わせる心理学(2)
Dr. Robert B. Cialdinという人が書いたInfluence: The Psychology of Persuasionという本のサマリーを読んだので、モノやサービスを売る時にどのような心理作戦が使われているか、またそれを踏まえて消費者として不本意に影響されることに対してどう自分を守ったらよいかというポイントを考えています。人が「納得して」購買や契約や投票に踏み切るとき、6つの原理が働いているそうです。先週は最初の3つを考えました。今回は後の3つです。
買わせる心理学(1)
Dr. Robert B. Cialdinという人が書いたInfluence: The Psychology of Persuasionという本があります。顧客にモノやサービスを売る時に、どのような心理作戦を使うと人は影響され納得し購買に踏み切るかというポイントと、それを踏まえて消費者として不本意に影響されることに対してどう自分を守ったらよいかというポイントをまとめた本のようです。なんでもWarren Buffetの読みたい本リストに入っている一冊だそうで、私は読んだことはないのですが、内容に興味があったのでサマリーを読みました。今日はそのサマリーに基づき、私の主観も交えて感想をシェアさせていただきます。
知らないうちに売られている個人情報
自分の名前をGoogle 検索してみると、驚くような個人情報がでてくることがあります。住所や誕生日まで出たりします。それは大変不快なもので、勝手に自分の情報をこんな風に公開して!と怒りも覚えるものですが、検索結果1ページ目に出てくる情報は実は氷山の一角とも言われ、見えないところで個人情報の売買が行われている可能性を考えると恐ろしくなります。実際のところGoogle検索の1ぺージ目に出てこない裏の部分で、私たちの個人情報はどんどん集められ、一括管理され、売られています。どんなに個人情報管理に気をつけていても、アメリカで暮らしている限りおそらくあなたもその情報の一部になっています。今日は、ちょっと怖いけど、意識向上のための記事です。
モンテカルロで測るリタイヤメント成功確率
モンテカルロ・シミュレーションということばをお聞きになったことはありますか?モンテカルロ・シミュレーションはさまざまなエリアで利用されています。ファイナンシャルプラニングにも応用されており、投資結果やリタイヤメント成功確率などを予測するために用いられています。Smart&Responsibleのプラニングでも必要に応じこの手法を取り入れています。このモンテカルロ・シミュレーション、いったい何なのか、どんなふうに使われるのか、結果はどう読み取ればよいのかをまとめてみます。
ファイナンシャルゴールがわからないとき・・・
Goal-based planningという言葉をお聞きになったことはありますか?ファイナンシャルプラニングでゴール設定をして、それを実現するためにどうしたらよいかをプランする・・・という具合に進める手法のことで、広く受け入れられ使われています。ファイナンシャルプラナーを雇っても、あるいはロボアドバイザーなどを使っても、「ゴールは何か」を必ず聞かれることでしょう。Goal-based financial planningのソフトウエア開発にも力がそそがれ、巨大産業に発展しています。
ソーシャルセキュリティ口座(MySocialSecurity)で受給額をチェックしてみる
将来リタイヤしたときにソーシャルセキュリティの老齢年金額はいくらになるのか、自分にもしもの時があったら配偶者や子どもにいくらの手当てがでるのか・・・予想はついていますか?2011年までは郵送によるソーシャルセキュリティの通知があり、ベネフィットの内容が各人に報告されていました。それが廃止されて早10年。あれからオンラインサイト(my Social Security)が導入され、オンラインでベネフィットの内容確認ができるようになりましたが、昨年末このサイトが刷新され、より詳しいシミュレーションなども可能になりました。まだアカウントをつくっていらっしゃらない方は、ぜひおつくりになりご自分の情報を確認されるとよいかなと思います。
GameStop事件 若い世代を守るために
1月末に起こったGameStop事件、まだ記憶に新しいですね。GameStopの株価は、たった9日間の間に$19.79 から $380へと値上がりしました(1,800%の伸び)。このブログは、長期インデックス投資を推奨していますので、読者の皆さんの中には個別株をデイトレードする方はほとんどいらっしゃらないのではないかと想像します。今回の事件、ソーシャルメディアやゲームAPPを使い慣れた若者を対象に、ゲーム感覚で株式をトレードする機会を提供するRobinhoodというAPPが絡んでおり、大きな問題提起のきっかけとなりました。お子さんや周りにいる若い世代と、投資のこと、株取引のこと、リスクのこと、お金を借りて投資するということなど、さまざまな話し合いが今必要ではないかと感じています。
毎年$10,000ずつターゲットデイトファンドに17年間積み立てたら・・・
このブログでは、インデックスファンドにドルコスト法(毎月、毎年定額を淡々と積み立てる)で長期的に運用するという方法を再三再四ご紹介しております。今回は、「じゃ、本当にそれをやったらどういう効果があるの?」を、実際に確認してみたいと思います。最近は401(k)でもよく見るようになったターゲットデイトファンドを取り上げたいと思います。具体的にはVanguardのTarget Retirement Fund2045というのに、2003年(この年がこのファンドができた年です)から、毎年$10,000ずつ17年間投資し続けたとしたら、リタイヤメント資産はどう伸びてきたかを過去データで見てみます。
M1 Finance の使い道
最近ご連絡をいただくお客様のなかにM1 Financeをお使いの方が増えているように感じています。市場にはさまざまなロボアドバイザーがあり、私はとても全部を把握しておりませんが、今回はこのM1 Financeの使い道を吟味してみたいと思います。M1 Financeの投資サービスは無料であることと、低コストETFを使ったターゲットデイトファンド的な機能を提供していることから、Smart & Responsibleでお勧めしている長期パッシブ・低手数料インデックス投資と目指すところが同じように感じています。それぞれの方のニーズにもよりますが、課税口座やIRAで利用価値があるのではないかと思います。
健康保険マーケットプレイス 加入期限延長
通称オバマケア(Affordable Care Act)と呼ばれていたHealth Insurance Marketplaceでの健康保険加入申請期限が延長されました。トランプ前大統領の指揮下、大幅な見直しの可能性および存続の危機があったオバマケアですが、ほぼ当初の状態のまま今も継続しています。バイデン新政権は2021年度健康保険プランの加入を5月15日まで延期しました。Covidの影響で雇用にもさまざまな影響があり、健康保険の確保は多くの方の課題となっています。Kaiser Family Foundationの調べでは、約九百万人の無保険者が金銭的助成を得ながらの保険加入の機会を得ることになるとしています。私は保険加入の方法など具体的な手続きなどには詳しくありませんが、よくまとめられた記事を見つけたので、それを参考にする形で要点をまとめてみます。参考になさってください。
リタイヤ後、生活費は減っていく?
一生懸命働いて積み立ててきたリタイヤメント資金。これを枯渇させずどう使ってリタイヤ後の生活をサポートしていくか・・これはファイナンシャルプラニングのなかでも最も重要課題といってもよいでしょう。リタイヤメントプラニングをする際には、退職後の生活がどんなふうになり、どのくらいの生活費がかかるのか、趣味や習い事、旅行などにどのくらいかけたいか・・などを洗い出し、それぞれの費用が一生涯の間、年々のインフレ率によって増えていくことを前提にシミュレーションをしていくのが普通です。
カレッジ費用 みんなどうやって払っているの?
2013年に同じようなタイトルのブログを書きました。カレッジの授業料や寮費、食費、生活費、その他諸費を含んだトータル費用はいくらくらいになるのかについて調べたものです。あれから7、8年ですが、どのくらい変化があって、またその費用をみながどうカバーしているのかについて振り返り、また今後キーとなるトレンドなどがあるのであれば、それに心を止めてみたいと思います。
Vanguardのロボアドバイザー 課税口座で期待
Vanguard はこれまでPersonal Advisor Services という名前のアドバイザーサービスを提供してきました。テクノロジーを駆使しつつ人を介してのサービスで、$5ミリオンまでの投資額で年間0.30%の手数料でした。これに加え、2020年には新たにVanguard Digital Advisorというサービスが登場しました。こちらは人を介さないロボアドバイザーです。
必要最低限だけど手堅いチョイス
Vanguard Digital Advisorは最低投資額が$3,000。IRAや課税口座で使えます。他社のロボアドバイザは何十何百ものファンドや個別銘柄を選べることも多いですが、このロボアドバイザーが投資するファンドは、Vanguardの以下のETF4つのみです。
Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2021年限度額
401(k)と並んで、リタイヤメント準備のためによく使われるIRA(Individual Retirement Arrangements)。IRAにはいろんな種類がありますが、その中でももっともよく使われるのはRoth IRAとTraditional IRAです。2021年度の数字を入れた比較表をお届けします。積み立て限度額や控除対象となる限度額などを確認いただくとともに、どちら選んだ方がよいのかの考えかたもまとめました。



以下、選択のための3つの要素を考えます。
Morningstar評価基準改定が私たちに語るもの
モーニングスター社がファンド評価の新システムを導入したのが2011年。そして2019年末から2020年にかけて、この新システムがさらに洗練されました。過去の投資成績が将来の投資成績を予想するのには不十分/不正確であるという事実を踏まえ、ファンド運営を質的に評価するしくみが必要になったことと、ファンドの成績を予想するのにはファンド手数料が大きな要素であることの理解が進んだことが変更のポイントであるように思います。2008年の金融大恐慌以降、ファンドの低手数料化とインデックファンド投資が大きく躍進していますが、今回のモーニングスター評価システムの改定も、この流れを組むものです。
パートナーとのお金のコミュニケーション
子どものお友達がお母さんと一緒にうちに遊びにきたとき、そのお母さんが玄関から入ってくるなり言いました。“Nice house. How much did you pay for this?” 一瞬耳を疑いました。そんなに親しいわけでもないのに・・・、いや、たとえ親しくても、家の値段はフツウ聞かないでしょ・・・。だけど不思議なものであんまりストレートに聞かれると、別に隠す必要もなくストレートに答える私。日本人ではなかなかありえませんね。私たちは年収とか家の値段とか、聞いたり話したりすることは案外タブーと思っているところがありますよね。「そんなこと聞いちゃあ失礼」とか、「お金の話をするなんて何かえげつない」とか、「子どもの前でお金の話をするもんじゃない」とか。でも、お金の話をすることって本当はとても大事です。お金にとらわれて生きるのは悲しいことですが、お金の話を全くしないで生きることは決して美徳ではありません。一緒に暮らしている配偶者、それなりの年齢になった子どもなど、生活を共にしている大切な人とお金について十分なコミュニケーションをもち、意識合わせをすることは非常に大切なことだと思います。今日は、配偶者とどうそれをしていくかについて思うところを書いてみます。
アンブレラ保険は必要ないですか?
アンブレラ保険という名前をお聞きになったことがあるでしょうか?車に乗るなら自動車保険を買わねば乗れません。家を買ってモーゲージ・ローンを組むなら、ホーム・オーナーズ保険に入らないとお金を貸してもらえないでしょう。しかし、アンブレラ保険はふつうに生活している分には、「買わねばならない」という状況にはならないので、「盲点」となりえる保険です。アンブレラ保険のことをそもそも知らない、あるいは知っていても入っていない人が案外多いものです。このアンブレラ保険、どんな場合に必要なのか、一緒に考えて見ましょう。
手数料、手数料、手数料!
モーニングスター社が、ファンド評価基準を改定し、2019年から2020年にかけて新評価システムへの移行を実施しています。35年前に開発された5つ星評価システムは、過去の投資成績にのみ焦点を当てたものであり、その後の数々のリサーチで、過去の投資成績は将来の投資成績を正確に予想するものではないことが明らかになりました。と同時に、ファンド手数料こそが、将来の成績の決定要因として信頼性が高いことが示されました。今回の評価基準改定はそれを汲むものであり、今後、手数料をより正確に反映されたファンド評価がなされていくことになると思います。この改定と相まって、アメリカでの投資ファンドの手数料化は目を見張るものがあり、投資家においても、またファンド側においても、今や「手数料を低くする」ことの重要性はコモンセンス化しました。今回は、ファンドの手数料に関してのトレンドをご報告します。
投資ファンドのシェアクラスって知っていますか?
投資しているファンドの名前のあとに、AとかBとかCとかのアルファベット文字がついているのをご覧になった方もあるのではないでしょうか?これらはシェアクラスと呼ばれるもので、ひとつのミューチュアルファンドに対して存在する異なるシェアの種類のことです。たった一つの文字ですが、これが案外大きな意味を持ちます。今日はシェアクラスの学びです。
シェアクラスとは
ベスト529プラン 2020年版
Morningstar社が毎年行う529プランランキング2020年版が発表されました。People(ファンドマネージャーの能力・適正)、Parent(ファンド会社のビジネス傾向)、Process(ファンド運用プロセス)、Price(手数料などを含む値)の指標に基づき、各州の529プランを評価し、Gold、Silver、Bronze、Neutral、Negativeの5段階評価をつけるものです。
2020年Gold評価の州
- My529(前名 the Utah Educational Savings Plan)
- Bright Start College Savings, Illinois
- Michigan Education Savings Plan
Utah My529とIllinois Bright Start College Savingsはこれまで通りのGold評価、Michigan Education Savings Planは昨年のSilver評価からのアップグレードです。これから新しく529プランを始められるのなら、上記3つのプランのどれかを選ばれるとよいのではないかと思います。
Credit Freezeのすすめ
個人情報の流出、なりすまし被害など不穏な事件は後を絶ちません。それに対処する策として、消費者が自分のクレジットレポートを守りID詐欺を未然に防ぐための方法として、2013年からCredit Freeze(クレジットレポートの凍結)が可能となりました。あれから7年経ち、Credit Freezeも発展しました。以前はFreezeをするのに料金があり、Unfreezeするのに料金がありと、何かとお金がかかっていたのがなくなりました。また、Freeze/Unfreezeのしやすさも各段に改善されました。2020年になってみて私が思うのは、自分のクレジットレポートはFreezeしておくというのがデフォルトになってもよいのではないかということです。今日はそのことについて考えてみます。
上がりはしても決して下がらないアニュイティ(2)
「もし市場がマイナスになっても、残高が絶対減らないプロテクションのついたアニュイティを購入しようとしているのですが、どうでしょう?」というご質問も最近よくお受けします。アニュイティの中でもFixed Index Annuityという商品に焦点を当て、前回はそれがどのような商品なのかについて調べてみました。今回は、その購入をどう決断したらよいのかについてポイントを考えてみます。
上がりはしても決して下がらないアニュイティ(1)
株式市場に不安がある時期には、「着実に入る配当金や利子が出るファンド」や「上りはしても下がらないアニュイティ」などの人気が上がる傾向があり、前回はこの前者のケースの配当金や利子を出すIncome Fundについて取り上げてみました。今回は、後者のアニュイティを見てみましょう。「もし市場が今回のCovidのように大きく下げても、残高は決して下がらないプロテクションのついたアニュイティというのを購入しようとしているのですが、どうでしょう?」というご質問も最近よくお受けします。アニュイティは目的にあったぴったりの使い方をすると大変に素晴らしいものである反面、よくわからず適当に購入すると残念なことに終わる可能性のある商品です。今回は、アニュイティの中でもFixed Index Annuityという商品に焦点を当てて、考えてみようと思います。
「月々配当があるからよい投資」は本当?
Covidの影響で今春、6週間で約35%下落したUS市場ですが、その後歴史的にも類を見ないスピードで値を戻しました。一方で、実際にはまだまだ経済はダメージを受けており、多くの企業利益は落ち込み、失業者数も大きな改善が見られず、ワクチン開発にも未だ少しばかりの時間がかかりそう・・と、実質的な状態と株価の乖離があるのではないかという疑心暗鬼も存在しています。こんな中、月々案外調子よく、目に見える形で入ってくる配当金があると、なんだかほっとする気持ちにもなります。実際、株式市場に不安がある時期には、「着実に入る配当金や利子が出るファンド」や「上りはしても下がらないアニュイティ」などの人気が上がります。今回はこの前者のケースをとりあげて、このようなファンドに対しての利用のポイントなどを考えてみます。
老後に利子と配当金だけで生活する・・・は現実的?
リタイヤメントに向かって貯めている間の投資の王道は、それなりにリスクをとって株式比率を上げ、株式インデックスファンドと債券インデックスファンドを組みあわせたポートフォリオでの運用です。最近では、自分で株式ファンドと債券ファンドを組み合わせなくても、リタイヤメントのターゲット年を選べば、ふさわしいリスクレベルですでにファンドが組み合わされたターゲットデイトファンドも人気があります。これがいったんリタイヤすると、いきなり貯めるフェーズから引き出すフェーズに180度お金の流れが変わることになります。一生懸命貯めてきた資産、できるだけ減らしたくないと思うのは普通のこと。できれば、利回りだけで生活していけたらよいのに・・と誰もが思います。たとえば1990年にリタイヤした人達は、1年もの定期(CD)の利子がなんと9%でしたから、利回りだけで生活していくということは全くもって可能でした。ところが、現在では利子は2%前後をうろうろしていますから、銀行預金の利子だけではなかなか生活費はカバーできないのがほとんど(もちろん元金が相当あれば、可能な場合もありますが)です。銀行預金だけとはいわなくても、できるだけ利子や配当金など受け取れる現金を大きく確保し、なるべく元金に手をつけないで運用したい・・・と思うのは人情。今日は、そのような方法にはどんなものがあって、それらは有効な方法なのかについてみてみたいと思います。
あなたの401(k)の手数料はいかに?
2009年の金融恐慌以降、投資にかかる手数料は全体的に減少してきています。10年以上前は大変に手数料の高い401(k)プログラムもたくさん存在し、また手数料開示を義務付ける法律もなかったこともあり、いったいどのくらいの手数料を払っているのか、401(k)プラン参加者には見えない部分もたくさんありました。その後、手数料などに関する情報開示が義務付けられ、また投資媒体を懸命にリサーチをし選択する高手数料のアクティブファンドの利用が少なくなり、投資媒体を選ばず市場全体にまんべんなく投資する手数料の低いパッシブファンドへの乗り換えが進み、さらには401(k)の市場自体が大きくなり競争が高まったことで、全体的に手数料は継続的に低下傾向です。
人間のこころ: 投資で最も怖いモノ
投資で最も怖いモノ、それは株式投資で避けて通れないリスク・・・と答える人も多いでしょうが、実は違います。最も怖いモノは、私たちの心であり、心の中にある恐れです。損をするかもしれない、資産をなくすかもしれないという恐れ、これは何らかの行動を起こすための強力な動機になります。損をしたくない、減らさないでいたいという恐れとともに、もっと儲けたい、どんどん増やしたいという貪欲は、実は深いところでつながっていたりもします。この恐れと貪欲、全く違うもののように思われがちですが、実は同じ心の二つの面であるともいえるのです。この心のために、本当はすべきでない行動をしたり、売るべきでないものを売ってしまったり、買うべきでないものを買ってしまったりするわけで、実は投資で一番怖いものなのです。
リタイヤメント後の生活バジェット どう見積もるか
リタイヤメント資金の積立フェーズは割とシンプルです。とくに、インデックスファンドをベースにした高分散のパッシブ投資に徹しているなら、ただただ積み立てればいいだけで、多くの場合ファンドを選んで投資比率をセットしたらあとは月々の積立運用はシステムがやってくれます。一方でリタイヤした後は案外考えることがたくさんあります。いくら引き出すか、どの口座から引き出すか、どのファンドを現金化するか、どのタイミングでするか・・などなど考えることも多くなります。資金が早期枯渇してしまうことは大きな問題ですから慎重にならざるをえません。
ソーシャルセキュリティの最適な開始年齢は?
ソーシャルセキュリティ年金は62歳から受給開始ができます。多くの方が67歳(1960年より前に生まれた方は66歳)でフルリタイヤメント年齢に達し、その後70歳が最も遅い開始時点となります。フルリタイヤメントでもらえる年金額は“一応の”基本となりますが、フルリタイヤメントで受給開始する代わりに、それより前に開始すれば(最早で62歳)受給金額は減り、それより後に開始すれば受給金額は増え70歳で最大になります。今日は、いつから受給開始をするのがよいのか・・という問題を見ていきます。
Managed Payout Fund (老後の収入確保ファンド)を考える
401(k)やIRAで一生懸命貯めてきたリタイヤメント資金。リタイヤするまでは毎月、毎年貯めていくことに注力してきましたが、いったんリタイヤしたら今度は使うフェーズに入ります。この変化は案外ドラスティックで、だんだんと貯めるフェーズからだんだんと使うフェーズに変わるわけではなく、多くの人の場合、退職すると同時に180度お金の動きの向きが変わります。貯めていた時は資金がだんだん増えていくのを見ていたのに、使うフェーズに入るとだんだん資金が減っていくことになります。そのことだけでも心理的に心細く、場合によっては罪悪感さえ感じてしまう人もいます。加えて、使いすぎれば寿命までリタイヤメント資金がもたないという危険性もあります。さらに、自分ではどうにもコントロールできない市場(株式市場動向や利子の変化)からくる影響にもさらされるわけす。「いくらをどう引き出すか」は大きな課題であり、できれば誰かにマネージしてもらい、月々(あるいはその他定期的に)一定額を自動的に受け取れるようにしたいと思うのも自然なことです。それをしてくれるファンドとしてつくられたのがManaged Payout Fundです。
スーパー低金利でリファイナンス?
Federal Reserveの低金利政策による間接的な影響で、モーゲージ金利も低金利が続いています。本年度は、モーゲージ低金利記録が更新され続け、30年固定利子ローンは2.88%、15年固定金利なら2.44%という数字まで出ています(2020年8月上旬)。そんなわけで、コロナの中でも不動産市場は意外と活気があり、ロケーションによりますがマルティプルオファーが入るコンペティティブな物件も出ているようです。同様に、リファイナンスもさかんで、この機に低金利ローンを確保しようとする消費者も多いようです。リファイナンスは賢く使えばいろいろな形で家計改善に役立ちます。今日はどんな使い方があるのか見てみましょう。
銀行口座に関わる詐欺(Bank Account Fraud)
クレジットカードの不正使用、なりすましローン、なりすましタックスリファンドなど、個人が被害を受ける詐欺にはいろいろありますが、今回は銀行口座に関わる詐欺や不正利用(英語でBank Account Fraudと呼ばれるもの)について考えます。Better Business BureauのScam Tracker Annual Risk Reportによると2018年には、50,000人が詐欺被害にあいその平均被害額は$152/件でした。被害額にはばらつきがあり数千ドル単位の被害を受けた人もいるということでした。詐欺被害者のうち、被害額が戻って来ず自己負担となったのは4件に1件ということでした。
コロナはいつまで 投資はどうなる?
本年2月から3月に大きな下落を見た株価はその後比較的早く値を戻し、経済活動が少しずつ再開し経済回復への期待がもたれました。しかしながら全米各地で感染率が再度急増し、振り出しに戻ってしまった感があります。アメリカの第2四半期のGDPは前期比で32.9%減少し過去最悪の下げを記録。失業率は6月に11.1%、7月に多少改善し10.2%となっています。身近でも大手の小売店が閉店に追いやられ、“Closing”のバナーを目にします。
ホームオーナーズ保険がカバーする額
家を持っている方なら、みなさんホームオーナーズ保険に入っておられると思います。もしも家が火災に遭って被害を受けたとき、いくらまで補償を受けることができるのか、すぐ答えられますか?生命保険の補償額はなんとなく覚えていても、家の保険については補償額がいくらかわからない・・というのは案外多い話です。いつもいつも気にする必要はありませんが、何年に一回かはホームオーナーズ保険の補償内容も再確認したいものです。
フリートライアルをキャンセルし忘れた!
フリートライアルって巷に溢れていますよね。無料でトライできるのはいいけれど、実は無料ほど高いものはなく、ついキャンセルするのを忘れてチャージされたというようなこと、おありではないでしょうか?私はそもそも忘れっぽい人間なので、本当に必要でない限り気軽にトライはしないようにしているのですが、今回やってしまいました。クレジットカードのステイトメントを見て、気が付いた次第で。しかも、このサービス、何か月後にはいくらいくらかかります・・という文句を読んだ覚えもない・・ま、ビジネス関係のサービスで、人の紹介で使ってみようということになったので、安心しすぎて気が緩んでいたのかもしれません。調べてみたらこういうケース案外増えているようですよ。
リタイヤメント後の医療費はいくらかかるのか?(2)
リタイヤ後の医療費は、健康にかかわる大切な費用であるうえ、とくにアメリカでは生活費の中の重要な割合を占めるものであるので、なるべく正確に見積もりたいものです。医療費は、月々の健康保険料と、受ける医療サービスに対する自己負担費用に大きく分かれます。前回は、リタイヤ後の健康保険のタイプ別にかかる費用の目安を調べてみました。今回は、実際に医療を受けた場合のCopayやCoinsurance、Deductibleなどを含む自己負担費用について把握してみたいと思います。
リタイヤメント後の医療費はいくらかかるのか?(1)
リタイヤしてから医療費にはいくら見積もればいいのでしょう?健康保険料も病院にかかったときの請求も大変高いアメリカ・・老後のバジェットで、医療費を甘くみていると大変なことになりそうですね。Fidelity社のリサーチでは、65歳の夫婦が終身で必要となる医療費は$285,000 (2019)、シングルの方の場合は女性で$150,000、男性で$135,000だそうです。しかしながら、これはまとまった一括の額。しかもひとそれぞれでかなり個人差もあるでしょうから、自分のケースで月々のベースでいくらバジェットしておけばいいのか・・これが一番知りたいところであります。具体的な数字を特定することはなかなか難しいですが、今日は、この大切な費用をどう見積もればいいのか、自分のケースはどうなのかについてある程度の具体的な予想をしてみるということを目指します。
住む州でどのくらい違う? リタイヤ後の税金
まずは所得税・・
州の所得税は、州によって大きな開きがあります。所得税ゼロがあるかと思えば、最も高い所得税率は13.3%(California)まであります。
所得税ゼロの州:
• Alaska.
• Florida.
• Nevada.
• South Dakota.
• Texas.
• Washington.
• Wyoming.
• New Hampshire (投資収入には課税)
• Tennessee(投資収入には課税)
反対に、最も高い部類は:
- • California: 1 to 13.3 percent.
• Hawaii: 1.4 to 11 percent.
• Oregon: 5 to 9.9 percent.
• Minnesota: 5.35 to 9.85 percent.
• Iowa: 0.36 to 8.98 percent.
• New Jersey: 1.4 to 8.97 percent.
• Vermont: 3.55 to 8.95 percent.
• Washington, D.C.: 4 to 8.95 percent.
所得税はいくらくらい?
所得税のかかり方は、その所得の内容によって変わってきます。リタイヤ後の所得の主流は、ソーシャルセキュリティ年金、401(k)やTraditional IRAなどリタイヤメントプランからの引き出し額、雇用主が年金を提供している場合はその受給額となります。州によって、このソーシャルセキュリティ年金は非課税としたり、その他のカテゴリーの収入は部分課税などとするところもあります。
同じリタイヤメントプランでもRoth IRAなど課税後所得で積み立てたものは所得には数えられませんし、また保険会社から提供されるアニュイティなどをお持ちの場合には一部だけが所得となります。
ここでは、話を簡単にするために、ソーシャルセキュリティ年金、その他の年金、引き出し額が所得と数えられるリタイヤメントプランだけから収入を得るとします。トータル収入が、$60,000の場合、$100,000の場合、$150,000の場合で計算したそれぞれの州の所得税は以下の通り(年額)。
Floria、Washingtonは所得税ゼロの州ですから税なし。収入が$100,00までくらいなら、$1,000の州税で済む傾向があるようですが、なぜかColoradoだけ際立って所得税が高いです。何でも高いと言われるNew YorkやCaliforniaは所得が$100,000までくらいならば、かえってArizonaよりも安く、$150,000レベルまで行くと逆転します。
ご自分の州がここにない場合、Smart Asset Calculatorで計算できます。
所得税以外にも・・・
州は、様々な形で税金を集めます。所得税はないに越したことはありませんが、所得税がない州は消費税(Sales Tax)や固定資産税(Property Tax)が高いということもあり得ますから、あくまで税金を総合的にとらえる必要があります。
あくまで先の6州に限ってまとめてみると課税される税金は州によってこのように違います。
Florida、Washingtonはソーシャルセキュリティ年金にも、その他の企業年金なども、また401(k)などのリタイヤメントプランからの引き出しもすべて非課税。所得税自体がありません。Washingtonは消費税(Sales Tax)が他の州よりも高いですが、両州とも平均固定資産税(Average Property Tax)は1%前後でそれほど高くなく、相続税・贈与税(Estate Tax)も課しません。よって、SmartAssetやKiplingerなどの評価でもTax Friendlyな評価を得ています。
一方で、ArizonaやCaliforniaは企業年金や401(K)引き出しに対しフルに課税されるうえ、消費税も高めです。ColoradoやNew Yorkは所得によって部分課税ですが、固定資産税が非常に高く、New Yorkに至っては州レベルでの相続・贈与税もかかります。
全米各州のTax Friendliness評価はこちらで見られます。
老後どこの州が税金が少なく済むかという判断は、リタイヤメント後の所得の種類・パターンによっても、また家を持っていて固定資産税を払わねばならないのか、それともレンタルかにも、さらには何をどのくらい購入するかによって消費税の発生のしかたによっても変わってきます。一般的には総合的にFlorida、Nevada、Alaskaあたりが低税金で暮らせる州として名前があがります。
税金以外にも、物価や家の値段、医療へのアクセスや費用などもリタイヤメント後の暮らしやすさの指標として加わってくるかと思いますが、今回は税金に限ったお話でした。
Socially Responsible Investing(社会的責任投資)についてどう考える
Socially Responsible Investing(SRI)という名をあちこちで目にした方もいらっしゃるでしょう。日本語では社会的責任投資と訳され、企業が負うべき社会的責任をきちんとはたしている企業を対象に投資を行っていくことを指しています。実はこの考え方自体はかなり以前から存在したようで、1920年代のキリスト教倫理観により、武器やギャンブル、たばこ、アルコールに関連する企業を投資対象からはずすという考え方にはじまったようです。最近では2012以降急激に注目が集まり、2016以降は年間40%の成長率で投資額が増えているということです。昨今では401(k)でもSRIファンドが選択肢として提供されることも増えてきたようです。投資をするにあたって、SRIについてどう考えるかについて探索してみたいと思います。
コロナ危機でソーシャルセキュリティ年金はどうなる?
2020年4月20日づけで、Center for Retirement Research(Boston College)がSocial Security’s Financial Outlook:The 2020 Update in Perspectiveというタイトルのレポートを発表しました。このレポートの分析内容は、コロナ危機以前のデータを基にしていますが、後付けでコロナ危機を考慮したコメントも付け加えられています。私は経済や年金の数理計算のことはよくわかりませんが、ソーシャルセキュリティ年金が今後ちゃんともらえるのか・・はファイナンシャルプラニングでも大切な要素ですので、今回はこのレポートの内容をわかる範囲でまとめてみます。
世界分散投資の意義を再考する
ホームバイアスという言葉をご存じでしょうか?投資をするとき、自分が住んでいる国の株式(債券も同じく)に偏って投資をする傾向のことをいいます。アメリカに住んでいたらUS株式にばかり注目し、日本に住んでいたら日本の株式ばかりに投資するというような具合です。過去にも多くのリサーチでこのようなホームバイアスの存在が認識されていますが、その理由についてはすっきりした説明がありません。ただ、考えてみればなんとなく人間心理的にあたりまえのような気もします。
新しいW4フォームができました
2020年ももう半ばで若干遅ればせながらではありますが、本年から新しくなったW4フォームについてご報告します。給与からの所得税の源泉徴収を調整するためのW4フォームが2019年までのものから更新されました。トランプ税制改革(Tax Cuts and Jobs Act)の内容を反映させると同時に、複数の収入ソースがある場合や夫婦で収入がある場合など、より正確な源泉徴収を実現するようにリデザインされました。
オンライン授業でも大学行く?
我が家にはシニアが二人います。ひとりは大学のシニア(息子)、もうひとりは高校のシニア(娘)です。この6月に予定されていたダブル卒業式には、日本の祖父母たちを呼んで参加してもらおうと思っていました。足腰が弱まり通常の観光は難しくなった祖父母たちと、近場のメキシコあたりまでお気楽なクルーズ船トリップ(乗っていればいいのでご老人には最適)でもしようなどと計画していましたが、今となっては卒業式はキャンセル、クルーズなんでとんでもない・・日米で行き来もままならない状態です。
ファクター投資って何でしょう?(2)
前回、最近ちょっとした流行りのファクター投資についてみてみました。ファクター投資という言葉は新しいが、それはつまるところアクティブ投資の一種であり、昔のアクティブ投資の自動化/高精度化/高速化/低手数料化バージョンであること。ルールの自動化により株式や債券などの選択の精度は上がり高速化され、低手数料が実現されているということをお伝えしました。今日は、各社が売り込むファクターの種類にはどんなものがあり、また私たちはファクター投資についてどういう姿勢をとるべきかについてみていきます。
ファクター投資って何でしょう?(1)
投資にも流行りすたれがあります。このファクター投資、英語ではFactor-based Investingといいますが、ちょっと前からの投資の流行語です。各社がファクター投資のファンドやETFを宣伝しているので、目にした方もいらっしゃるかもしれません。何か新しい投資法のようで期待を集めるかもしれません。このブログでは、インデックスファンドをベースにしたパッシブ投資を一貫してお勧めしておりますが、もしかしてファクター投資に乗り換えた方がいいのではないかという考えが浮かぶかもしれませんが、今、なぜそれが注目されつつあるのか、自分に必要かどうかをどう見極めるか・・について2回にわたり考えてみます。
コロナのあと 市場回復はどんなふうに?
コロナのロックダウン生活も何週目でしょうか。私はカリフォルニアに住んでいるので、まだStay-at-Homeの状態です。すでに24の州がReopen(経済活動の再開)をしました。3州が近々Reopenするそうです。23州とワシントンDCが依然としてClosed状態です。さて、今後進む経済再開とともに、株式市場はどんなふうに回復していくのか‥多くの人が気になることかと思います。Vanguard、Fidelity、Charles Schwabが発表している予想レポートを読んでみましたので、それの概略をまとめみました。ご参考までに。
自動車保険のリファンドとこれから
4月はじめにAllstate と American Familyの2社が、コロナウイルスの影響によるStay-at-Homeの実施により保険金払い出しの軽減があったため、その分を保険契約者に払い戻すとは発表しました。
自動車保険会社はさまざまなデータを使って、事故の発生確率や補償額の大きさなどを統計的に割り出し、契約者の払う保険料の額を計算します。利用するデータのうちのひとつ、Miles Driven(走行距離)は直接事故の発生確率に影響しますが、Stay-at-HomeによりこのMiles Drivenは大きく減少しました。モバイルデータ分析を専門とするArity社は、3月半ばから4月22日までの間に、全米でのMiles Drivenの数値は50%減少したとしています。
Stimulus Check (リカバリー・リベート) アップデート
Stimulus Checkの銀行口座へのデポジットの送金が4月半ばより始まりました。もう受け取ったという方もいらっしゃるかもしれませんが、対象者全員に行きわたるまでには少し時間がかかりそうです。以前にもこのブログで、CARES ACTについてはご紹介しておりますが、今回はこのStimulus Checkにフォーカスしてみます。
Stimulus Check (リカバリー・リベート)いくらもらえる?
納税者に対し、独身で$1,200、ジョイントリターンの夫婦で$2,400までのリベートが発行されます(詳しくはこちら)。米国居住者(resident alien)であること、他の納税者の扶養家族でないこと、EstateやTrustでないこと、ソーシャルセキュリティ番号があることという基本条件があり、さらに所得制限があり、高所得になるとリベート額が減額・消滅します。
ロックダウン状態での家計見直し
コロナウイルスの影響で一番打撃を受けたのは、レストラン、旅行、小売りなどのサービス業界であり、フロントラインで顧客とのインタラクションが必要な職種が最も先に消滅しました。Mckinsey & Companyば、これらの業種が、“影響を受けた/受ける可能性のある職種”の42%に当たるとしています。打撃を受けた業界に関わられる方は、今本当に大変な時期だと思いますが、どうかこの苦難の時期、球根が冬のあいだ静かに養分を蓄えるように寒さを耐え、春には力強く咲くことができるようにとお祈りいたします。
コロナウイルス モーゲージ救援
コロナウイルスの影響で家計に打撃を受けた場合、まず家計の中でも大きな支払い義務であるモーゲージやレントが問題になっています。連邦および多くの州政府は、救済措置を発表しており、また同時に多くのモーゲージ関連会社に対して救援措置の実施を促しています。
まずはじめに
救済措置について知る前に、まずは自分の家計の状況を把握することが必要です。
生活維持のために必要な固定費を洗い出しましょう。モーゲージ・レント、ユーティリティ、保険費や税金、食費あたりが固定費に入ってくると思います。多くの州でStay-at-homeが実施されており、不幸中の幸いともいいますか、外食・余興、チャイルドケア・課外活動費など、支出したくても支出できない状態ですから、これらは大幅に削減できるはずです。スポーツジムや習い事などもオンラインやバーチャルで継続されるケースも多いですが、資金繰りが難しいのなら一時休止にするのがよいでしょう。衣料費・美容費なども削減が可能はなずです。
コロナ経済対策 CARES ACTの概要
コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act―頭文字をとってCARES ACT)について、3月25日に上院を満場一致(賛成96票、反対0票)で通過、27日に下院でも発声投票で可決されました。COVID-19パンデミックによるアメリカ経済への被害を少しでも和らげるための総額$2トリリオンの救済パッケージです。このパッケージは中小企業やビジネスへの救済も含まれていますが、ここでは個人やご家庭に関する部分について概要をご紹介します。
Vanguardの創始者ジャック・ボーグルが生きていたら・・・
Wealth Logic創始者のアラン・ロスという人が、“ジャック・ボーグルが生きていたら、どうするか?”という記事を書いていました。ロス氏は、今は亡きVanguard社の創始者ボーグル氏に何度か会ってインタビューをしたことがあり、もしもインデックスファンドの父と呼ばれるボーグル氏が今生きていたら、現在のコロナウイルスによる市場の混沌についてなんというだろうかと架空のインタビュー記事を想定したものです。アプローチがなかなか面白いなと思ったのと、私自身ボーグル氏の大ファンなので彼を偲んで和訳してみました。(すべて3/18/2020付けのFinancial Planning誌より)
鳥の目で見る 株式市場
毎週毎週株価が下がるブログトピックばかりで残念ですが、でもやっぱり人が寄るとコロナウイルスの話になり、旅行規制などに話が及べば経済の話になり、経済から株式市場へと話題はつながり・・となんだかパターン化しているような気もします。早くテストキットが広く普及し、ウイルス拡散のスピードが抑えられるように、重症例が医療キャパシティの範囲内に収まるようにと祈るばかりです。株式市場も人々の不安をあおるように下向きを続けています。報道を見ていても、ブレイキングニュースと銘打って赤字で市場の大きな下落を伝えています。「米株式市場が急落 新型ウイルス“パンデミック”宣言受け」、「米株式市場で初のサーキットブレーカー発動、S&P 500が7%安で自動的に15分間取引停止」、「米株はS&P7日続落、週間では08年以来の大幅な下げ」・・とこんな感じですから、401(k)やIRAのことが頭をよぎるのも仕方ありません。
“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(2)
前回、インデックスファンドを使った長期投資では、市場がどう動こうと何もしないことが最善であることを見てみました。一般的に10年以上を長期投資とみなしますが、10年の間には平均的な数字ではありますが、10%以上の値下がりが3回、20%以上下がったまま2か月以上続くのが2回、大きな景気後退が1回がある計算になり、市場が大きく下げることは長期投資をする限り必ず誰もがかなりの頻度で経験するものです。それは当たり前に起こるものであり、実際そのような局面に来たら、ただただクールに構え何もしないこと・・これがベストということを学びました。今回は、そのただただクールに構える・・という部分に焦点を当ててみます。
コロナウイルスでどうする投資?
本来なら今週は、“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(2)“をお届けするはずでしたが、コロナウイルス関連で具体的なご質問をいくつかいただきましたので、それについてシェアさせていただきたいと思います。
コロナウイルスで株式低迷。今後世界経済は打撃を受ける・・。こんなとき株式投資をしている私たちは不安になるものです。持っている投資はこのままでよいのか、これから積み立てるはずの投資は待った方がよいのか、株でないものにお金を避難させたほうがいいのか。いろいろな質問が頭をよぎるかもしれません。長期ほったらかしのインデックスファンド投資をしている皆さんを対象に、以下のQ&Aを用意してみましたので参考になさってください。なおぜひ先週の“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(1)“と来週の(2)も合わせてお読みください。
“投資したら必ず減ることあります“を納得しておく(1)
“何もしない投資”、“ほったらかしで増やす”などはインデックスファンドを使ってのパッシブ投資を表している表現です。最近では投資には慎重な日本でさえもよく見かける言葉になりました。何もしないほったらかしでお金が増えるならば、そんなに楽なことはないけれど、でもこれ、案外やってみると難しいと感じる人も多いと思います。私たちは日々、“やる”ことに価値を置く忙しい日々を送っています。また、どこにいても24時間365日絶え間なく新しい情報が次から次へと入ってくる情報化社会に暮らしています。何か起こったらそれに反応して、早急に何かをやらねばならない・・そんな生き方に慣れてしまっています。
州によるIRA自動積立プログラムについて
比較的大きな会社や組織で働いている人は、401(k)や403(b)などリタイヤメントプランの提供を受け、所得税控除で積立ができると同時に、Employer matchの恩恵もあり、年間でかなりまとまった額がリタイヤメント資金準備に積み立てられていることが多いです。一方で、アメリカの労働人口の半分くらいは、職場でのリタイヤメントプラン提供がなく、資金準備が大きく遅れているという問題があります。前回ご紹介した、SECURE ACTもこの問題を軽減すべく、スモールビジネスのリタイヤメントプラン提供を促進することを狙ったものですが、この連邦政府での動きとは別に、各州政府がこの問題に取り組んでいます。State-run IRA(州が運営するIRA)などという総称で呼ばれることが多いこのプログラム、労働者としては何を知っておかなければならないかについて考えます。
うちの年収だと大学のネットプライスはいくら?
ならば実際に自己負担することになるネットプライスはいくらなのか・・これが私たちの一番知りたいところでありますが、これは簡単に知ることができません。実際にいくら必要かは、どこの大学に行くか、その大学が州立か私立か、その大学からはメリットエイド(ニードベースでないエイド)がどのくらい出そうかなど、かなりの個別情報が必要で、また実際大学に行くその時になってからこそわかることだからです。
とはいえ、大学に入学する随分前から学資準備をすることが肝要なわけですから、大学入学がまだ先であってもなんらかの目途をつけることが必要です。ネットプライスを知るための目途を立てるためには、まずは自分の家庭のファイナンシャルニードを知ることです。
ファイナンシャルニード
ファイナンシャルニードを決めるシステムにには大きく分けて二つあります。
Free Application for Federal Student Aid (FAFSA)
州立大学のほとんどと、多くの私立大学で使われるシステで、連邦政府によるファイナンシャルニード査定法です。フェデラルエイド、州のエイドなど公的なエイドはもちろんのこと、私立大学の大学独自でのエイド決定にも使われたりします。大学によっては、ニードとは関係ないメリットエイドであっても、FAFSAでの申請を必須としているところもあります。
FAFSAではExpected Family Contribution(EFC)を計算します。EFCは、収入や資産のレベルなど家計の状態をベースに割り出すもので、その家庭が自己負担すべきカレッジ費用額(年額)です。EFCが高いということは、家計にたくさんのカレッジ費用を負担できる力がありニードが低いということを意味し、EFCが低いということは、あまり自己負担できる力がなくニードが高いということになります。高いEFCでは、ニードベースのエイドがもらいにくく、反対にEFCが低いとニードベースのエイドがもらいやすくなります。
ご自分のその年のEFCは、どこの大学に行こうと一定です。つまり、EFCは家計にひとつです。一方、ファイナンシャルニードは行く大学の費用によって変わります。その大学でのご家庭のファイナンシャルニードは、その大学のカレッジ費用(Tuition and fees、Room and Board)からEFCを引いたものです。
アイビーリーグなどセレクティブな大学で使われることの多いファイナンシャルニード査定システムです。同じシステムを使っても、ニード査定の方式はそれぞれの大学独自の設定です。
CSS/Financial Aid PROFILE.の場合は、大学ごとに査定のしかたが違うこともあり、どのようにニードを決めるか、収入や資産がどのように計算に組み込まれるかについて固定的な方程式がありません。EFCに似たような指標を算出すると思いますが、算出法もEFCもひとつではありません。
ここではFAFSAについてだけルールを紹介します。FAFSAルールはニード決定の基本的考え方で、これをもとにしつつも、さらに細かい条件を加えることでCSS/Financial Aid PROFILE.ではさらに繊細なニードを計っていくものだとご理解ください。
数年前に、FAFSA申請についてのルールが変わりました。現在は、進学の年の前年10月1日から申請開始、申請するときのファイナンシャル情報は、進学の年の2年前のタックスリターン情報を使うことになりました。2020年に入学の場合なら、2018年のタックスリターン情報(すでにファイルしてあるので手元に存在する)を2019年の10月1日からFAFSAに入力することになります。タックスリターンから入力する情報は、2年前の収入です。
FAFSAには持っている資産も入力しますが、これはFAFSA申請するとき時点の資産を入力します。よって、年収は2年前のもの、資産は現在のものということになります。
FAFSAのニード決定にもっとも大きくモノをいうのは収入です。
Parentの収入
Adjusted Gross Incomeに、非課税所得、401(k)やIRAなどのリタイヤメントプランへの積立額を足し戻したもので、最高47%までカウントされます。401(k)などののリタイヤメントプランへの積立は、所得税控除になるためAGIを低くしますが、FAFSAでは足し戻されますので、積み立てによってファイナンシャルニードを上げることはできません。自分の会社をお持ちであったりSelf Employedの方なら、2年前の収入をある程度低くすることが有効でしょう。
一方で、W2ワーカーの場合、収入を減らすような調整はほとんどできないため、高所得の方は所得だけでニードベースのエイドの資格が得られない場合も多いです。この場合は、資産をどんなに減らしても何の役にも立ちません。
ただし、お子さんが2人かそれ以上同時に大学に通う場合は、カウントされる収入がその人数で割られますので、高収入の方でもニードベースの資格が得られる可能性が高まります。また、州立大学ではニードに資格がなくても、学費がそもそも高い私立の場合いはニードがありと判断される場合もあります。
Student自身の収入
ある程度の控除額(2020年の場合で$6,840)を超えると、50%がカウントされます。収入を得ることはぜひ奨励したいところですが、できればこの控除額以内に収まるようにするのがよいでしょう。なお、Work Studyの収入は、Studenttの収入にカウントされないので危惧する必要はありません。また、Work Study以外の収入についても、Senior時点でのFAFSAにはSophomore時点の収入が考慮され(2年前)、Junior以降の収入はFAFSAには関係なくなります。Junior、Seniorではたくさん収入を得ても問題ありません。
Parentの資産
FAFSAでは、家のエクイティ、401(k)やIRAなどのリタイヤメント口座、生命保険やアニュイティのキャッシュバリューはカウントされません。それ以外の資産は64%の率でカウントされます。
チェッキングやセービングなどの口座、ブローケージなどの課税投資口座、529などの口座は5.64%でカウントされますが、上に書いた通りそもそも収入が高すぎてニードが低くニードベースのエイドの資格がないときには、カウントされる資産を減らしても何の意味もありません。
収入がある程度低い場合には、資産の整理などを数年前から準備し、ニードを上げる(EFCを下げる)調整が肝要です。資産の整理はすぐにはいかないことが多く、また税金面からも短期間でせず複数年で計画的にしたほうがよいというケースも多いので、少なくとも入学前3~4年前までには計画を立てるのがよいでしょう。
Student自身の資産
20%でカウントされます。これもParentの収入が高くニードベースのエイドがもらえない場合には、何の問題もないのでそのまま持っていればよいですが、エイドがもらえそうな場合には、Student名義のお金はあらかじめ必要経費のために使ってしまうなど計画が必要です。
ニードがあるからといって・・・
EFCが決まり、大学ごとのファイナンシャルニードが明らかになったからといって、ニードがスカラシップやファイナンシャルエイドで100%満たされるかというと、必ずしもそうでない場合がほとんどです。
EFCはあくまでニードを測って、限られたファイナンシャルエイドのお金を効率的に学生に分配するための目安として使われるものであり、ニードを100%満たすために存在するものではないからです。
よってご自分のEFCを知ることは大切な第一歩ですが、次に必要なのはそれぞれの大学のネットプライスを知ることです。各大学に対し、Webサイトなどでネットプライスを計算できるしくみを提供することが義務付けられています。大学名と“Net Price”というキーワードでGoogle検索すると出てきます。
大学によって入力するべき情報の種類や情報の量は異なりますが、情報入力するとその大学にお子さんが進学した場合のネットプライス(自己負担額)が計算できるようになっています。
ネットプライス ケース1
たとえば、こちらは州立大学のケース。ParentやStudentの収入や資産、払った税金などのファイナンシャル情報を入力するとNet Priceを計算してくれるものです。EFCは$20,585である一方で、一番下にはトータルのカレッジ費用が$39,428とあります。差額の$18,843はファイナンシャルニードということになるのですが、この大学はニードの100%を満たしてくれません。$18,843のうち$9,343はフェデラルグラントがもらえますが、残った$9,500はStudent WorkとStudent Loanでカバーするとなっています。
実質上、ParentのEFCである$20,585と、Student WorkとStudent Loanでカバーする$9,500のトータル$30,085が自己負担(ネットプライス)ということになります。
ネットプライス ケース2
こちらは私立大学のケース。ParentやStudentの収入や資産に加え、GPAとテストスコアを入れると、メリットエイドのスカラシップまで計算してくれます。トータル費用は$54,046、そこに大学からのスカラシップが$14,000出て、ネットプライスは$40,046になります。これをカバーするためのStudent WorkとLoanのオプションも提供されていますが、基本的には$40,046が自己負担分です。なお、Student WorkやLoanはオプションとして提供され、必ず使わねばならないものではありません。Loanは組みたくなければ、その分を現金で支払うことになります。
この大学は、GPAとテストスコアでスカラシップがいくら出るかも公表しています。アプライする大学を決めるにあたって、合格するかどうかだけでなく、合格したらどのくらいの自己負担がかかるかもかなり正確に査定することができます。
世帯年収ごとのネットプライス
世帯年収層ごとの全米平均のネットコプライスのグラフがあります(College Board調べ)。下は4年制州立大学のケースで、オレンジ部分がグラントでカバーされた額、青はTuition and fees、水色がRoom and boardやテキストブック、交通費などののその他のコストです。青と水色の総合がネットプライスです。
一番新しいデータが2015-16年のものとちょっと古いですが、たとえば世帯収入$120,000以上であれば、$29,320のトータルコスト(スティッカープライスと同義)のうち、オレンジのグラント部分は$3,500程度、ネットプライスは$26,000程度という風に読みます。

私立の場合は、NonprofitとFor-profitに分かれます。
Nonprofit私立の場合、$70,000~$119,999までの収入だと、$49,740のトータルプライスに対し、$20,000超のグラントが出て、ネットプライスは$30,000弱になります。
一方For-profit私立の場合、同じ$70,000~$119,999までの収入で、トータルプライスはNonprofitより安い$35,360ですが、グラントは$4,000強しか出ず、ネットプライスは$31,000強となり、ネットプライスレベルではNonprofit、For-profitで変わりない結果になります。
カレッジ費用 いったいいくらなのか? 2020年版
ここでのカレッジ費用とは、Tuition(学費)、Fees(その他関連手数料)、Room & Board(寮費と食費)、テキストブック、交通費、個人的費用などのその他の間接的費用の総合です。
カレッジ費用と上昇率
以下2019-2020年のカレッジ費用全米平均値です。
Public college costs (in-state students)
- Tuition and feesは $10,440 上昇率 3%
- Room and board は $11,510 上昇率9%
- トータルカレッジ費用: $26,590
Public college costs (out-of-state students)
- Tuition and fees は $26,820 上昇率4%
- Room and board は $11,510 上昇率9%(In-stateと同じ)
- トータルカレッジ費用: $42,970
Private college costs
SECURE ACTで変わるリタイヤメント準備
2019年12月にSECURE ACTという法律が制定されました。本名は、Setting Every Community Up for Retirement Enhancement Actといい、アメリカで働くより多くの人がリタイヤメン準備を積極的に進めることができるよう、資金準備プランを使いやすくするということを狙った法律です。すでにリタイヤメントプランに参加している人にも、まだ参加できていないという人にも、関与する変更点がありますので、下に挙げていきます。
Roth IRAとTraditional IRAどちらを選ぶ 2020年限度額
以下、選択のための3つの要素を考えます。
収入
収入によって、Roth IRAは積み立て可能な額が決まります。Traditional IRAは収入にかかわらず積み立ては可能ですが、職場のリタイヤメントプランに参加しているかしていないかと収入によって、所得税控除できる額が変化します。
高額所得者は、Roth IRAは利用不可であるうえ、Traditional IRAに控除なしで積み立てることしかできないということになります。控除なしに積み立てるTraditional IRAはNon-deductible IRAと呼ばれます。Non-deductible IRAは積み立て時も控除なし、引き出し時も課税でいいとこなしではありますが、ただ運用利回りは引き出すときまで課税されない(税遅延)の利点がありますので、ふつうに利回りが課税されるインベストメントに比べると、運用額を早く増やせるという利点があります。また、所得制限にひっかかってRoth IRAには積み立てができない場合に、いったんNon-deductible IRAに積み立てて、それをRoth IRAのコンバートするという方法(バックドアIRA)も使われることもあります。
Traditional IRAでは、夫婦のおひとりが職場のリタイヤメントプランに参加しており、配偶者は参加していない場合は、夫婦のそれぞれで控除対象額が異なってきます。リタイヤメントプランに参加している方は比較的低い所得でも控除が制限・不可になります。配偶者は比較的高い所得まで控除が可能です。
タックス・ブラケット
基本的に、Roth IRAは積み立ててるときに所得税を払い、引き出すときは無税(所得に数えられない)でOKであるのに対し、Traditional IRAは積み立てるときには無税(所得控除により所得税を減らす)、引き出すときには所得税を払うというものです。一生懸命はたらいて貯めたリタイヤメントの資金を、リタイヤした後に使うという典型的なケースでいけば、積み立て時は勤労所得がそれなりにあるわけで所得税率は相対的に高く、リタイヤした後は所得がそれなりに低下し、所得税率は相対的に低くなるというのがふつうでしょう。この場合、他の条件が一定であれば、Traditional IRAに積み立てる時点で節約できる税金のほうが、Roth IRAで引き出すときに節約できる税金より多くなります。つまり、Traditional IRAに積み立てたほうが有利です。
反対に、現在失業中であるとか、あるいは一時的な不景気のため所得が激減したため、タックス・ブラケットが今年は低く、将来リタイヤした後のほうがかえって税率が高くなるというようなケースもあるでしょう。その場合は、Traditional IRAに積み立てる時点で節約できる税金は比較的小さく、将来Roth IRAで引き出すときに節約できる税金のほうが多くなります。つまり、Roth IRAに積み立てたほうが有利です。
また、連邦税だけでなく州税も考慮に入れたほうがいいかもしれません。今住んでいるのが比較的、州の所得税の高い州(New York, New Jersey, California, Oregon、Hawaiiなど)で、リタイヤメント後は所得税の低い州(Florida, Texas、Nevadaなどは州の所得税ゼロ)に引っ越すというのであれば、Traditional IRAのほうが有利、その反対であればRoth IRAのほうが有利ということになりますね。
その中庸で、現在の税率と引き出し時の税率が同じというのであれば、節約できる税金のことだけにフォーカスすれば、どちらでも同じということになります。
最近ではアメリカの国家赤字ため、将来にわたって税率は上がり続けるだろうという考え方が強くなってきています。本来ならばリタイヤメント後は所得が低くなり税率が下がるはずであるところ、国家的に全体の税負担が上がらざるを得ないため、自分のリタイヤメント後の税率は、今支払っている税率より高くなるであろう(たとえ所得が下がっても!です)という危惧が存在するわけです。なんだかちょっと考えるだけで暗くなりそうですが、もしそう信じるのであればRoth IRAのほうが有利ということになりますが、これはあくまで予想ですからなんともいえません。
また、追加ですが、カレッジなどの高等教育のためにはどちらのIRAからもペナルティーなしで引き出して使うことができますが、税金は払わねばなりません(Roth IRAの場合は利子のみに対して)。この場合は、積み立て時の税率とカレッジのために引き出し時(リタイヤメント後ではなくて)の税率の比較になり、当然後者のほうが高いということもありえます。そうなると、Roth IRAのほうが有利ということになります。
つまるところ、Roth IRAとTraditional IRAどちらが有利かは、積み立て時に払う税金と引き出し時に払う税金のどちらが少ないかの問題になるということですね。。
エステイト・プラニング(相続対策)
引き出しに関しての大きな違いは、Minimum Required Distributions (最低引き出し額)の設定の有無です。Traditional IRAの場合、72 歳になった時点で、最低限引き出さねばならない額というのが発生します。この額は、その時点での予想寿命から割り出されるものです。リタイやメント資金がふんだんあるわけではなく、ソーシャル・セキュリティー・ベネフィトではカバーしきれない生活費をリタイヤメント資金でまかなうことが必要な場合(つまり、大多数のフツウの人たちにとって)は、このMinimum Required Distributionsは大きな問題にならないでしょう。
しかし、あなたが富裕層でIRAからは特にお金を引き出さなくても老後の生活がなりたっていくような場合は、このMinimum Required Distributionsは面倒なものです(そんな立場になりたいですけれども・・・)。しかしながら、もし、Roth IRAでお金を貯めていたとしたら、このMinimum Required Distributionsがありませんので、一生涯、非課税のままお金を貯めて置けます。
また、本人が死亡した場合は、IRAのお金はそのベネフィッシャリー(受益者、相続者)に引き渡されますが、Traditional IRAの場合は、資金を引き出したときにベネフィシャリーが自分の収入として税金を払います。一方、Roth IRAの場合は、すでに死亡した本人が税引き後で積み立てているわけですから、ベネフィシャリーが引き出す時点で税金を払う必要がありません。言い換えれば、ベネフィシャリーに代わって税金を払ってあげたうえで、ベネフィシャリーがいつ引き出しても非課税で使える資金を残してあげるということになります。このように、Roth IRAは、リタイヤメント資金の積み立てという本来の目的に加えて、相続税対策にも使われることがあるようです。
Charles Schwabの口座申込書の問題の一節・・・
しばらく前に「変化する金融市場」というブログ記事のシリーズをご紹介しました。シリーズ第三回目には、アメリカを離れるとそれまでアメリカで持っていた口座が維持できなくなる可能性についてとりあげました。口座が維持できたりできなかったりはそれぞれの金融機関の方針によるもので、非アメリカ居住者に対してフレンドリーな機関もあれば、そうでない機関もあるというお話を書きました。フレンドリーな金融機関としてとりあげたCharles Schwabについてですが、読者の皆さんの中から、「口座を開設しようとしたが、申請フォームの中にあったFACTA reportingに関する一節に対して疑問が残りフォームにサインができなかった」というコメントをいただきました。この件について、今回は中間報告をいたします。
今年こそマネー把握 5つの質問に答えられますか?
手取り給料はいくらですか?
固定給の方ならグロス年収レベルでの把握は案外簡単だと思います。自営の方は季節性などもあるかもしれませんが、ある程度グロスでの収入は抑えられているでしょう。手取りはいかがでしょうか?すぐ答えられますか?ほとんどの方が月々の給料で生活をされているでしょうから、これがお金のINです。他に、レンタル収入や投資収入などもあるかもしれません。
夫婦の場合、家計を管理しているほうの配偶者は手取り給料を直ぐ言えても、家計にノータッチのほうの方はあまり知らないなんてこともありますね。また夫婦別会計にしているような場合は、お互いの手取りを知らないこともあるかもしれません。我が家の場合、私の主人は自分のグロス年収は知っていますが、手取り額は答えられないと思います。何年かに一度は、夫婦でグロスと手取りを確認するということも有意義だと思います。
手取りがいくらなのか確認したい場合はどこを見ればいいでしょうか?月々銀行に振り込まれる額を見ればいいですね。あるいは、給与明細に記載されている振込額を確認すればよいでしょう。ある金額を知りたいとき、どこを見ればいいかということを確認するのもひとつのポイントです。
この手取り収入というお金を将来のための貯蓄・投資と月々の生活に充てていくことになりますから、これは最も基本となる大切な数字です。
グロスの給料から引かれる項目は何ですか?
では次に、その手取り額が計算されるために、グロス収入から引かれている項目をすぐに言えますか?できれば大体の額まで把握できれいればすばらしいです。
ピンとこない方はこの機会にPay Stub(給料明細)を確認してみませんか?
引かれている額は大きく分けて、Before-Tax DeductionとAfter-Tax Deductionに分かれていると思います。
Before-Tax Deductionはその名の通り課税前に引かれる額で、つまり所得税の対象になりません。401(k)などの積立額、健康保険料の自己負担分、Flexible Spending AccountやHealth Savings Accountなどへの積立額などがあります。
After-Tax Deductionの方は課税後収入(所得税がかかったのち)から引かれる額です。401(k)などへの積立でも敢えてRothを選んでいる場合や、雇用主提供の生命保険や所得補償保険などのうち自己負担で入っている保険の保険料などがあります。
そしてさらには税金も引かれます。税金には、Federal Income Tax、State Income Tax(所得税のない州もあり)、 OASDI Tax (ソーシャルセキュリティ)、 Medicare Taxがあります。これらがグロス給料から引かれて手取りの給料になります。グロス給料がいくらで、いくらくらい差し引かれる額があり、手取りがいくらになっているか、この大枠をとらえておくとよいかと思います。
いくら貯めていますか?
「貯めている」には大きく分けて2種類あるかと思います。積極的に額を決めて貯めているものと、ラッキーなことに月々の余剰分があり銀行口座に貯まっていくものと。前者は、主にリタイヤメント積み立てや学資積み立てさらには、短中期的な目的(たとえば家の頭金、車の買い替え、家のリモデルなど)のために貯めているお金などがあるかと思います。これがそれぞれいくらなのか把握しておくことも大切かと思います。もらった手取り給料のうち合計でどのくらいを貯蓄・投資に回せているかを把握してみましょう。
リタイヤメント準備には年間でいくら貯まっていますか?
リタイヤメントについては、この目的に貯められている総額がいくらなのかという額も計算してみましょう。手取り給料からIRAなどへ自分で積み立ている額と、上で確認した給料天引きの401(k)などの積み立てを合わせ、またEmployer Matchで積み立てられている額も確認してそのトータル額を出してみます。いかがでしょう、その額をみて満足しますか?この額はそれこそ人それぞれで、現在の給料、将来望むリタイヤメントの生活レベルにもよりますが、年間$20,000程度は目指したいところです。
月々の固定費はいくらですか?
月々必ずかかる費用をざっくり把握していますか?必ずかかるものは、モーゲージやレント、HOA、電気・ガス・水・ゴミやケーブル・電話などのユーティリティ、その他塾や習い事などです。これらは月々絶対出ていく費用です。
上の手取りの収入から、貯めている金額とこの固定費とを差し引いた額が「ある程度自由に使えるお金」です。ただ半年とか年に一回払う保険料とかバケーションのお金も(ボーナスやタックスリターンのリファンドから捻出するならそれはそれでいいですが)なども、この「ある程度自由に使えるお金」から捻出しなければなりません。ですからざっくりそれらをカバーするためにバッファー分見積もる必要があります。たとえば年間保険料が$3,000、バケーションが$5,000であれば、$8,000÷12で$666を月々バッファーとして見込みます。このバッファーを差し引いた分が本当に「ある程度自由に使えるお金」です。
月々使えるお金をどう使ったかをさらに仕分けしていくと家計簿になりますが、たとえ細かい家計簿をつけていなくても、この大きなお金の流れを頭に入れておくことをやるかやらないかでかなり違います。グロス収入がいくらで、そこからどんな天引き分があり、手取りがいくらで、貯めている額がいくらで、固定費がいくらで、年間で発生する費用のためのバッファー分をいくらみこんで、それらを差し引くと手取りのうちいくらくらいが自由に使えるお金か・・これをざっくりと把握しておくと家計センスがかなりアップします。
まとめるとこんな感じになります。表をクリックするとExcelシートがダウンロードできますから、よかったらご自分の家計把握にお使いください。年に一度、ご夫婦での意識合わせなどにも良いと思います。
ほんとうにすごい本なんです!
そもそも私は結婚して子どもを持つ年齢まで、聖書を読んだことはありませんでした。2000年にバージニア州に引っ越した時、子どものお友達のお母さんに誘われバイブルスタディを始めました。いいことが書いてあるなとは思いつつも、日曜に教会にいくなど面倒だから適当な距離を置いていました。2009年にカリフォルニアに引っ越した時、どういうわけか新しい地では教会に属したいという思いが与えられ、今の教会に道を示されました。そこからは聖書をむさぼるように読み、2010年には確信をもってクリスチャンになり洗礼を受けました。
わけのわからない本・・・
洗礼は“クリスチャンになりました”と公言するための儀式であり、洗礼を受けたからと言って信仰が完成するわけではなく、それは単なるスタートです。そこからキリストとともに歩む人生がはじまりました。聖書を読んで祈るうち、自分の身勝手さや自己中心さに気づけるようになり、それをその都度豊かにゆるしてもらい、また成長できるこの豊かな人生は何にも代えがたいと思います。バージニア時代には友人に勧められ、確か70ドルを払って最初の聖書を買いました。いわばおつきあいで、“こんなわけのわからない書物に70ドルなんて高いな~”と思ったのを覚えています。今では、英語の聖書、訳の違う聖書など含め全部で4冊持っています。
私は毎朝、旧約聖書を2章と新約聖書を1章読んでから一日を始めます。その時間が素晴らしい宝で、その時間を通して神様は豊かに語られ、物事の本質を指し示し、励まし導いてくれます。“聖書は、神の霊感によって書かれた”と聖書自体に書いてありますが、本当にその中にあるみことばは生きていて、その日その日の私に必要なメッセージを豊かに語ってくれます。霊感によって書かれた本なので、霊によって紐解かねば(自分の知識や読解力だけでは)ただの“わけのわからない本”のままですが、霊にあって祈りつつ読むと、万華鏡のようにすばらしい世界を見ることができます。
矛盾のないひとつのストーリー
聖書は、旧約聖書39巻、新約聖書27巻の、全66巻の書物が合わさってできています。神の霊感によって書かれましたが、実際に書くという作業をしたのは人間で、約40人の著者によって約1500年という長い間にわたって書き記されました。著者のバックグラウントはさまざまで、預言者や祭司がいるかと思えば、取税人、漁師、職人、羊飼い、医師などもいます。旧約聖書はヘブル語で、新約聖書は主にギリシャ語で書かれています。
この時間、地理、言語、社会的バックグラウントを超えて執筆されたものが集められた一冊の本、聖書が、最初から最後まで矛盾なく、ひとつの大きなストーリーとして完全につながり完成していることは、まさに神わざです。一見、全く別の無関係なことを書いている部分(たとえば聖書のすご~く最初の方と、すごーく後ろの方など)が、実は深いところで関連しあい、一定のパターンでつながっているということが良くあります。そこには深い意味があり、しかもそれが単なる”昔の話“ではなくて、その日の自分の人生にもつながる意味があることを発見すると、楽しくてうれしくてエキサイティングで、まるで毎日宝箱を開いているようです。まさに万華鏡の世界です。
美しく並べられたもの
エンジニアリングを教えている主人はいつもそれを“フラクタル”と呼びます(主人はまだクリスチャンではありませんが、食卓でよく聖書の話をします)。フラクタルというのは、(私はうまく説明できないのでGoogleしてみてください)、小さなパターンが繰り返すことで大きなパターンができていく・・、簡単な数式モデルを繰り返すと複雑なモデルを形成することができる・・・どこまでも繰り返せば無限の複雑さを形成できるという概念だそうです。この概念は1980年代に数学者であり経済学者であるベノワ・マンデルブロートにより確立されたそうで、これは数学的概念というだけではなく、自然界に広く普遍的に存在するものでもあるということです。たとえばこれ、ロマネスコ・ブロッコリというブロッコリです。パターンが繰り返してパターンをつくりだしています。しかも美しい。しかもおいしい。
このパターンが聖書の中にもあって、小さなパターンがあちこちに繰り返されていたり、小さなパターンが大きなパターンを形作っていたり、それがすぐには見えないけれど、よくよく読むと確かにある!そしてそこには天地創造の神の意図が深く刻み込まれているのです。しかも、この小さい私という存在もその中の一部として組み込まれている・・と知れば、今日の私の一日は意味のないものであるはずがない。。
私は小さいころから推理小説が大好きで、アルセーヌ・ルパン、シャーロック・ホームズ、明智小五郎(知ってます?)などなど大体読みました。もともとロジカルに考えるのが好きなタイプなので、たまに“あれ、本の前のほうにはこんなふうに書いてあったのに、ちょっとこの展開は変だな”などと、おそらく編集者も見逃したような小さな矛盾を見つけることがありました。ところが、聖書にはこれがまったくないばかりか、読めば読むほどつながっていき深く刻まれたパターンが浮き上がってくる・・本当に不思議な(神の霊感によって書かれたから当然ですが)他にはない書物です。
人間どろどろ
自分がクリスチャンになる前は、クリスチャンや教会は縁遠いものと思っていました。“清く、正しく、美しく”・・自分にはぜったい無理と思っていました。そんな堅苦しい生活はごめんだと思っていました。でもそれは大きな勘違いでした。クリスチャンほど自由な人はいないと思います。真理は私たちを自由にする・・と聖書には書いてありますが、その通りで、聖書に書いてあることを知れば知るほど、私はどんどん解放されていきました。
教会は、“清く、正しく、美しい”人が集うところではなく、痛んでいる病人が集うところです。聖書には、痛んでいない人はいない、ズレていない人はいない・・と書いてあるので、たぶんおそらく私たち皆どこかは痛んでいるんだと思います。“ズレる=的を外す”はギリシャ語でハマルティアという単語で、この単語は「罪」と訳されます。全うに生きているつもりでも、なんか苦しい。悪いことはしていないけど、なにか満ち足りない・・これがズレであり、ズレているから聖書を読み、的を当てなおす。自分はどこから来て、どこに行くものなのか、自分は誰なのか、自分はなぜ生きているのかを知る。自分がその一部である大きなルール、オーダー、計画を知る。これは何とも安心でエキサイティングなことでもあります。
だいたい聖書は“清く、正しく、美しい”ストーリーばかりではありません。“清く、正しく、美しい”ものが出てくるとすればそれは天地創造の愛なる神だけであって、登場する人間はズレた人ばかりです。エジプトからイスラエルの民を導き出すリーター的存在だったモーセは、口下手の殺人者でした。神に愛されたイスラエルのダビデ王は、人妻を奪ったうえその夫を殺すための画策を練るような人物でした。ローマ法王がその名前を受け継いでいる、新約聖書に出てくる人物パウロは、もともと多くのクリスチャンを迫害し殺していた人物でした。彼らがなぜ現代に“よい人”“立派な人”として覚えられているのか、それはズレていた的を当てなおし、またズレたら当てなおし、またまたズレたら当てなおしを続けたからです。
聖書には人間の汚さ、どろどろした自我というものがたくさんでてきます。人間が直面するであろうありとあらゆる人生の側面で、心に抱く不安、虚無感、欺瞞、嫉妬、自己憐憫・・・。それらすべての感情や思いに対する、神の知恵のメッセージが詰まっています。
・・と偉そうに書いていますが、私もまだまだ気づいていもいない聖書の奥深さがたくさん残っています。毎日が発見なことを考えると、きっとこの世からとられるまで聖書をわかりきることはないのだと思います。今思うのは、聖書を読まないで死ななくてよかったということです。わけのわからない(本当に最初はわけがわかりません!)書物だとあきらめなくてよかった。おつきあいで70ドル払ってよかった。
自分の思いと違うから・・・
神は私たちが聖書を読みたがらないのをご存じです。キリストをこの世に送る前から、人々が受け入れないのも知っていました。キリストの生誕とその人生に関して、ヨハネの福音書にはこう書いてあります。
すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていた。
この方はもとから世におられ、世はこの方によって造られたのに、世はこの方を知らなかった。
この方はご自分のくにに来られたのに、ご自分の民は受け入れなかった。(ヨハネの福音書1章9~11節)
無料(タダ)のクリスマスプレゼント
クリスマスショッピングはお済ですか?日本的なライフスタイルの方だと、クリスマスに親戚一同で集まるというようなこともあまりなく、ひとりひとりにプレゼントを用意するというようなことも少ないかもしれません。反対にアメリカ的なライフスタイルの方だと、遠くからみんなが集まるため、寝具に始まりタオルや食器など、まずは受け入れるための生活用品一式を用意し、そのうえメニュー決めや買い出しに加え、プレゼントの用意も必要かもしれません。運よく(?)自分の家がホストするわけではなかったとしても、親戚のひとりひとりにプレゼントを用意するとなれば、それだけでも一仕事ですね。子どもが小さいうちは学校の先生や習い事の先生などへの小さなプレゼントも考えねばなりません。
クレジットカードをキャンセルする・・・
クレジットスコアへの影響?
たしかにクレジットカードをキャンセルするとクレジットスコアが悪くなる可能性があります。
ひとつには、Credit Utilization Ratioといって、許容クレジット限度額(Credit Available)に対していくらのクレジットを使っているかの割合に影響するからです。Utilization Ratioは低いほうがクレジットに余裕があるということで良く、高いほうが限度近くまで借金があるということで悪いことになります。これは、FICOスコアの30%を決定する要素です。
たとえば、3枚クレジットカードを持っていて、$10,000ずつの限度額があり、そのうち合計で$10,000の残高があれば、Utilization Ratioは$10,000÷$30,000で34%ですが、一枚カードを解約すれば、$10,000÷$20,000で50%に上がります。
クレジットカードの残高は毎月支払い切ってしまうので、クレジット利用額はゼロのはず・・という方でも、クレジットレポート上では必ずしもそうではありません。、クレジット会社がクレジットビュローに報告するときの残高なので、報告のタイミングにもよりますが、残高はゼロではないことがほとんどです。よって、カードのキャンセルにより、分母であるクレジット限度額が下がると、Utilization Ratioが思いのほか上がってしまうこといなります。
もうひとつは、Credit Historyの長さに影響します。これはFICOスコアの15%を決める要素です。Credit Historyの長さは、最も古いクレジット口座から最も新しいものまで総合的に合わせて計算されます。長く履歴がある口座があるほど、スコアが上がるしくみです。解約するクレジットカードがまだ新しいものであれば影響は極小ですが、長く持っているカードであれば影響が大きくなります。
ただ、クレジットカードをキャンセルしたからといって、すぐにクレジットレポートから情報が抹消されるというわけではなく、キャンセル後の情報もポジティブなもの(支払い遅延がない)であれば10年間記録が残ります。ネガティブなもの(支払い遅延や問題あり)は7年間残ります。記録が残っている限りはCredit Historyにも反映されるようですので、この理由でキャンセルするのを躊躇する必要はあまりないように思います。
考慮すべきこと
クレジットスコアを下げたくないので、クレジットカードをキャンセルできない・・というのも変な話で、多くの場合はそこまで神経質にならずにキャンセルしても問題がないのがほとんどでしょう。とくに以下のような方は、ほとんどキャンセルしても問題がないでしょう。
ローンを組む予定が当分ない
クレジットスコアはいつもいつも気にしていなければならないものではなく、クレジットスコアが必要なときに特に注意を払うべきものです。モーゲージを組む、リファイナンスをする、車のローンを組むなど大きな買い物の予定がないのなら、クレジットカードをキャンセルして、一時的に数十ポイントスコアが下がったからといって何の問題もありません。
反対に、ローンを組んでの大きな買い物の予定がある時期には、クレジットカードのキャンセルだけでなく、新しいカードの申し込みなども含めて、あまりクレジットスコアに変更を与えるようなことはそもそも控えておいたほうが無難です。ローン手続きのフェーズが完了してからにしましょう。
車の保険や携帯電話サービスの申し込み、アパートを借りるための審査などにもクレジットスコアはチェックされます。ローンの申請ほど、クレジットスコアが大きく影響することはないかもしれませんが、何らかの申し込みをするときにはやはりキャンセルはしないほうがいいでしょう。
すでにクレジットスコアがいい
すでに十分クレジットスコアがいい場合には、クレジットカードのキャンセルによる影響は一時的で極小でしょう。クレジットスコアは高ければ高いに越したことがありませんが、どのような理由でクレジットスコアが使われるかにもよりますが、740を超えれば享受できるベネフィットに大きな差がなくなってきます。770が740に下がったからといって何の問題もない場合が多いですし、下がっても、今まで通りスコアを維持するような生活をしていればすぐ戻るので、長期的には影響なしのケースがほとんどです。
一方でまだクレジットスコアを構築中という場合には、年会費が高いなどでない限り、十分スコアが上がるまでキャンセルしないで持っておくというチョイスも考慮に足るでしょう。
キャンセルのしかた
キャンセルすると決めたらば、まずは貯まっているキャッシュリワードやポイントなどを使い切りましょう。もうすこし利用をすれば次の段階のリワードにリーチできるというような場合なら、その分だけ利用をしてリワードを最大化するのもよいと思います。なるべく無駄のないように特典を使い切ります。
さらに、そのカードですでに支払った旅行代やレンタカーがあって旅行保険やレンタカー保険がついているような場合、さらには電子機器などを購入してExtended Warrantyが生きているような場合は、それらの補償期間が過ぎるまでキャンセルを待つのも十分に考慮に足ります。
キャンセルする準備ができたら、キャンセルは簡単です。一昔前は書面でのキャンセルがほとんどでしたが、今はChatでもキャンセルできます(もちろんカード会社にもよりますが)。Chatがなければ電話でOKです。
その時点で残高がまだあったとしてもキャンセル(もう利用をしないという意味で)を受け付けてくれるケースがほとんどです。キャンセルしたい旨告げ、カードをキャンセルし、次に残高があればそれまでの支払い形式(Automatic Bank Transferなど)で支払いを続け、残高がゼロになった時点で正式に口座がクローズされます。
ここまできたら、確かにクローズされているかを確認することが肝要です。クローズしたはずなのに開いていた・・となると、不正利用などされても気づかないことにもなるかもしれません。クレジットスコアに悪影響が出る可能性もありますから確認をきちんとします。もっともオーソドックスな方法は、書面で口座クローズのリクエストを出し、それに対して確かにクローズした旨の文書をもらう方法ですが、最近では電子メールでもよいでしょう、また、オンラインで口座にログインしてみれば“Canceled”と出てきて確認できるケースも多いでしょう。最終的には、しばらくしてから(すぐには反映されないので数か月後)クレジットレポートをチェックして、口座がクローズになっているかを確認することになります。
日本人として日本に住んだ場合の老後の課税
居住地で課税
まずここまでで何度も書いていますが、日本に帰国してもアメリカ市民権あるいはグリーンカードを維持していれば、全世界収入に対してタックスリターンを行いIRSに納税をする義務があります。外国税控除などのしくみがあるので、基本的には日米でダブル課税されることはありませんが、それでも両国にてタックスリターン・申告が必要になります(収入の額などによりその必要がない場合を除き)。
一方で、市民権、グリーンカードを放棄して日本に帰国したら、ソーシャルセキュリティなど公的年金をはじめ、民間のリタイヤメント口座からの引き出し額などは、居住地である日本のみで課税となります。アメリカ金融機関にはW8-BENというフォームを提出し、アメリカでの源泉徴収を免れることができます(注:できるはずですが、金融機関によっては、W8-BENを提出しても源泉徴収を免状をしてくれない機関もあるようです。たとえば、帰国者フレンドリーなCharles Schwabであっても、源泉徴収は免れず、タックスリターン時にリファンドを受ける申請をする必要があるという報告を受けています)
日本での課税法
日本では、アメリカから受け取る年金や引き出し額は、雑所得か一時所得かのどちらかに該当するようです。
- 雑所得:給与所得、不動産所得、利子所得など、他の名前のついている所得のどれにも分類することのできない所得。
- 一時所得:一時的に得た収入。臨時所得的なもの。
アメリカから受け取るリタイヤメント収入がどう課税されるかですが、私なりのリサーチの結果、こんな感じになるのではないかと思います。
ソーシャルセキュリティは公的年金として分類され、65歳以上と65歳未満、および、年金給付額の区分により、給付額の最高25%が公的年金等控除として差し引かれます。なお、市民権、永住権を放棄しても、放棄前受給資格のあったソーシャルセキュリティ年金は受け取れます。
401(k)やIRAなどからの受取額は、年金的に受け取るか、一時金として受け取るかにより課税のしかたが変わるようです。年金で受け取る場合、雑所得と分類され、自分で積み立てた元本は差し引いた額が課税対象となります。Employer Matchによる雇用主積み立て分は元本に含めることはできません。
微妙なのは、日本の確定拠出年金の受け取り方には、「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」の3種類があるようですが、アメリカの401(k)やIRAの場合は、年金と一時金以外に、その都度その都度必要に応じて引き出す方法も認められているので、これがどうなるかはよくわかりません。
アメリカのリタイヤメントプランのうち、401(k)やTraditional IRAなど所得税控除で積み立てたものからの出金に対しては、日本での課税は利点があると思います。というのは、もしも、これら口座からアメリカで引き出すなら、引き出す時に元本、利回りを合わせた全額が所得税の対象になります。ところが日本では、経費として投資元本(Employer Matchは含まず)を差し引けるようなので、つまり利回りの部分にしか所得税がかからないということになります。さらに、一時金で受け取った場合などは、なんとその半分しか所得税の対象にならない(ように私には理解できますが、違ったら教えてください!)となると、引き出し用によってはかなり節税が図れる可能性があるのかもしれません。
アメリカで長期で加入していた401(k)などなら、たとえば$800,000の一時引出額に対し、$400,000の投資元金というようなケースは十分に考えられ、そうすると利回り$400,000の半分の$200,000のみの所得税課税となれば、ちょっと夢のような話です。アメリカなら$800,000全額に所得税がかかります。もちろん受取金額が大きくなれば累進で税率も上がるので、トレードオフを計りながら金額とタイミング、年金と一時金受取を計画する必要があるかと思いますが、これは私のしゃしゃりでる場ではないのでコメントを控えます。ポイントは、アメリカの401(k)やTraditional IRAなら、日本で受け取ってアメリカより目減りする可能性はなさそうだとご理解くださればと思います。
実際、上については信頼のおける筋に確認をしたところ考え方としては正しいというお返事でした。ただ、これはあくまで日米の税法上の隙間的部分に存在する幸運であり、ある意味、Too-good-to-be-trueなことです。ですので、
節税対策として大手を振ってどんどん利用しよう!というよりは、大きな額が動くときには日本の税法に詳しい専門家に相談のうえ慎重にお進みください
変化する金融市場(3)~アメリカを離れると口座維持できない?
***このトピックはまだ新しく発展途上で、業界にもなかなか確固とした情報がありません。ここに書く内容は最善を尽くして集めたものですが、完全に正確でない可能性や、これから変化していく可能性もありますのでご了承ください。体験談などコメントくださると幸いです。***
アメリカ口座が維持できない?
最近になって、Bank of America/Merrill、Fidelity、Vanguard 、T.Rowe Priceなど大手金融機関が、アメリカ国外に居住している口座保持者に対し、口座の閉鎖や、閉鎖とまでは言わなくとも取引機能の限定などに関する通知を送付するという現象が起こっています。私自身2年位前に、Vanguardの担当者に、「日本に帰国した場合の口座維持は変わりなくできるか」について確認したところ、「変わりなくできる」という答えをもらっていましたが、現在は違うようです。この急激な変化も、実はこれまでご紹介しているFATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)という法律の間接的な影響です。
アメリカ居住というポイント
FATCAは2010年、オバマ大統領の任期にできた法律で、US Person(市民、グリーンカード保持者)がUS国外に所有する金融資産についての把握を徹底し、それらの資産に対する税金の徴収漏れをなくし税収を確保することを目的にするものです。
FATCAの結果、US Person(市民、グリーンカード保持者)は、一定額以上のUS国外の海外資産についてIRSへの報告義務が生まれました。同時に、US国外の金融機関は、US Personが所有する口座についてアメリカ政府に報告することが義務付けられました。これにより、US PersonがUS国外の金融機関で口座を持つことが以前より困難になり、口座を持てたとしても確認手続きなどが煩雑になりました。このあおりで、市民権やグリーンカードを放棄する人も増えていることをこれまでにご紹介してきました。
ここまではUS Personか否か、つまりアメリカ市民権およびグリーンカードを持っているか持っていないかということがポイントでした。ここからはそのアメリカでの国民・移民ステイタスではなく、アメリカに住んでいるか、住んでいないかが問題になります。言い換えると、たとえビザでアメリカに滞在してる人でも居住していれば口座維持ができるのに、たとえアメリカ市民権を持っていてもUS国外に住んでいると口座維持ができない・・という具合です。
非居住による制限
問題となるのはミューチュアルファンドです。ミューチュアルファンドの販売はアメリカの場合はSecurities and Exchange Commission (SEC)によって管理されています。アメリカで売られているミューチュアルファンドはすべてSECに登録されており、販売にあたっては購入者がアメリカに居住していることが条件になります。他国の場合も、似たような管理体制があり、その国で登録され管理されているミューチュアルファンドはその国の居住者に対して提供されています。どこの国も自国で登録されていない他国のファンドを管理することは困難なため、自国の居住者に対する非登録の他国のファンド販売を禁止しています。反対の言い方をすれば、日本の居住者にファンドを売るためには、その金融機関が日本のしかるべき統括局に登録をしていないといけないということになります。
このルールはなにも今に始まったことではなくずっと以前からあったものですが、厳格な執行はなされていませんでした。アメリカで投資口座をつくりミューチュアルファンドを買ってそのまま日本に帰国しても、“don’t ask, don’t tell”とでも言いましょうか、特に明らかに浮上しない限り、そのまま投資していてもOKというようなグレーゾーンでの対応が多く行われていました。なぜそれが急に、口座の閉鎖や取引の制限になったのかというと、どうやらFATCAにからまる間接的影響があるようです。
FATCAにより、アメリカ政府がUS国外金融機関に対して、コンプライアンス、報告義務、そして義務を怠ったときの多額のペナルティを課すようになりました。それにともないアメリカ金融機関の中に、反対に自分たちが他国の政府のルールに準拠しない行動をとったとき、他国政府による摘発やペナルティが今後課せられる可能性が高くなるのではないという恐れ(というかおそらくそれは正しい読みなのだと思いますが)があるようです。
そのため、今までは大目に見ていたUS国外の居住者による売買を、厳しくトラックする金融機関も増えているようです。電話の発信がどこの国からされたかを追跡したり、Web取引の場合は顧客のIP アドレスで発信国を認識するソフトも導入されているようです。他国に居ながら、アメリカのIPアドレスを購入してトレードするということも行われているようですが、それらをさらに追跡するソフトもあるようで、アメリカ金融機関はアメリカ非居住者による取引規制を真剣に取り締まり始めたようです。
ミューチュアルファンド取引の中でも、特に制限対象となるのはファンドの購入です。非居住者によるファンドの新規購入は制限されるケースが多いです。金融機関にもよると思われますが、既存のミューチュアルファンドを持ち続けることは許している機関もあります。また新規購入は許していなくても、既存ファンドが配当金など利回りを生んだ時の再投資(利回りを受け取らず追加ファンドを購入し運用に回す)は許している機関もあります。
当面手付かずのまま運用しておいて、利回りの再投資だけはしつつ、将来的に引き出すときまでそのままにしておきたいのであれば、これらを許す機関で口座を維持することも現実的かと思います。ただし、おそらくリバランスやリアロケーションは新規購入が関わるのでできない可能性が大です。
ETFなら大丈夫
大きな安心は、ミューチュアルファンドは持てなくともETF(Exchange Traded Fund)は規制の対象とならないということです。
ミューチュアルファンドは個人とファンド会社との間での取引になるのに対し、ETFは個別株式と同様個人間での売買となり、この違いが(私にはよく説明できませんが)非居住者の取引でモノをいうらしく、ETFに関しては非居住者の縛りを受けないということです。
多くのミューチュアルファンドには、それとまるで同じインデックスをフォローしたり同じアロケーションで投資しているETFバージョンというのが存在します。ですので、ミューチュアルファンドがダメならば、日本帰国に際してそれをETFに乗り換え、ETFで今までどおりのポートフォリオを組むという道があるということになります。
ただしこれには、金融機関自体が非居住者に口座の維持を許している必要があります。さらに、このブログで何度もご紹介しているVanguard社のETFは、Vanguard独特のしくみにより、純粋ETFではなくミューチュアルファンドのシェアタイプのひとつという位置づけであるため、現実的にはミューチュアルファンドとして認識されてしまうとのこと。Vanguardの画期的なしくみがここでは裏目にでてしまい、非居住者としてVanguard ETFは買うことができない可能性があります。
非居住者フレンドリーな金融機関
非居住者に対してフレンドリーでない金融機関とフレンドリーな金融機関が存在します。フレンドリーな機関は、非居住者であっても口座の開設を許し、口座の維持はもちろん、法が許す範囲での取引も許容しています。
もしも日本に帰る計画がおありなら、ご自分の使っている金融機関が非居住者に対してどのような制限を課しているか、許されるサービスは何かなどをあらかじめ確認する必要があります。なお、雇用主提供のペンションや401(K)などのリタイヤメントプログラムはそれぞれ雇用主の設定しているルールもありますから、人事部のベネフィット担当に確認をする必要があります。下で非居住者にフレンドリーでない機関として名前が挙がっていても、雇用主提供のプランとしては口座維持可能ということもあるようですので、あくまで自分のケースはどうなのかの確認が必要です。
一般的に非居住者にフレンドリーでない金融機関としてよく名前が挙がるのは;
- Fidelity,
- Merrill Lynch,
- Wells Fargo,
- JP Morgan,
- USAA,
- Vanguard
反対に、非居住者にフレンドリーだとして名前が挙がるのが、
TD AmeritradeとInteractive Brokersは、どちらも非居住者であっても口座開設を許し、株式、債券、ETFなどの市場取引と、限られたミューチュアルファンドへの投資を提供しています。この二つについては勉強不足であまり情報がありませんので、今回はCharles Schwabに関してわかっていることをご報告しようと思います。
Charles Schwabは、非居住者専用のCharles Schwab Internationalという事業を持っていて、アメリカ人で海外に住んでいる人(Expatriateとか短くExpatと呼ぶ)などを対象にExpatriate Serviceも充実しています。アメリカ人でなくて日本人でも、このInternationalという口座は開けます。
アメリカで働いてリタイヤメント資金を貯めてきた人が日本に帰る場合に重要になるのは、自分が口座を持っている金融機関が口座取引を制限する場合に、その投資をSchwabのようなフレインドリー金融機関に移して運用を継続できるかです。
Schwabに問い合わせてみたところ、
1)まだアメリカにいる間にSchwabの(Internationalでない)US向け通常口座で IRAを開く。
2)401(k)、403(b)、457などはTraditional IRAに、Roth口座はRoth IRAにロールオーバーする。
3)その後出国に先立ち、SchwabのInternational口座を開き、上の口座を移転させる。
Feb 2020 追記)その後、いろいろなソースから情報が入ってきましたが、アメリカにいる間であっても、非居住者になる前提で口座を開こうとすると、窓口ではいったん受け付けてくれるものの、その後最終段階で却下されたというケースがあるそうです。また、いったん日本居住になった場合は、たとえSchwabに他の既存口座があったとしても、新たな口座は開設できません。Shcwabも聞く窓口や部署で対応が一定でない雰囲気があり、まだ確固としたルール確立と組織徹底がなされていないのかもしれません。
変化する金融市場(2) ~アメリカ市民権、永住権の放棄と離脱税
市民権、グリーンカードの放棄急増
このような変化を背景に、US Person(市民権・グリーンカード保持者)の中に、それを放棄する人が増えています。以下は、市民権を放棄した件数の変遷です。2010年以降、大きく増えているのがわかります。
Source: tax-expatriation.com/
グリーンカード保持者がグリーカードを返上するケースについては同じようなグラフはありませんが、少なくとももうアメリカに住むつもりがないというのであれば、毎年タックスリターンをするのも、アメリカ滞在日数確保もだんだんと面倒になるでしょうから、返上は自然なシナリオだと思います。
ちなみに、グリーンカード返上のためには、Form I-407, Abandonment of Lawful Permanent Resident Status.を記入し、USCISに送付するという比較的簡単な手順で済むようです。今のところ手数料はありません。一方で、市民権を放棄するほうはもう少し大変で、アメリカ大使館・領事館に足を運び、何度かミーティングを行ってから書類にサインすることになるようで、こちらには高額の手数料があります。市民権の放棄件数が上がり始めたのち、2014年に手数料が $450 からなんと $2,350に値上がりました。この額は、他の国の国籍放棄にかかる料金に比べて20倍というレベルでショッキングなレベルですが、なんというかアメリカはとにかくアメリカです。どう転んでもお金がかかるというか。。。
離脱税の対象者
市民権にせよ、グリーンカードにせよ、放棄をする場合には、Exit Tax(離脱税)という税金が課せられる可能性があります。
市民権を放棄する場合は、以下の対象となる条件が一つでも合致すれば離脱税の対象者(Covered Expatriateという)となります。
グリーンカードの場合は、放棄した年から遡って過去15年間の内8年上グリーンカードを保持した長期居住者が放棄した場合において、以下の対象となる条件が一つでも合致すれば離脱税の対象者(Covered Expatriateという)となります。
離脱税の対象者(Covered Expatriate)となる条件:どれか一つでも合致すれば対象(すべて2019年の数字)
ソーシャルセキュリティーの手はじめ(1) - アメリカ年金一体いくらもらえるのか?
ソーシャル・セキュリティー・タックスは働いている人なら誰もが納めている税金ですね。若くて元気なうちは、「とられるばかりで何の益になるのか」と厄介者扱いしそうな税金ですが、万が一のときには案外心強い助けとなったりします。自分にはどのような保障を受ける資格があるのか、ある程度は把握しておきたいものです。ソーシャル・セキュリティーというと年金のことを思い浮かべる人が多いのですが、...
変化する金融市場(1)~アメリカ市民権および永住権を持っている場合
***このトピックはまだ新しく発展途上で、業界にもなかなか確固とした情報がありません。ここに書く内容は最善を尽くして集めたものですが、完全に正確でない可能性や、これから変化していく可能性もありますのでご了承ください。体験談などコメントくださると幸いです。***
FATCA 個人の義務
FATCAは2010年、オバマ大統領の任期にできた法律で、国の財源確保に苦しむアメリカの苦肉の策です。US Person(市民、グリーンカード保持者)がUS国外に所有する金融資産についての把握を徹底し、それらの資産に対する税金の徴収漏れをなくし税収を確保することを目的にしています。
アメリカは、、US Person(市民、グリーンカード保持者)であれば、世界のどこに住んでいても全世界収入についてタックスリターンでIRSに報告し、しかるべき税をアメリカに納めることを義務付けています。FATCA意図は、富裕層の所得・資産隠しや、マネーロンダリングなどの不正行為などをキャッチし、今まで取り損ねていた税金を発見し取り立てようというものです。FATCAでは、アメリカに住むUS Personが、年度末に$50,000以上あるいは、年を通して一時的にでも$75,000以上の金融資産をUS以外の国で所有した場合は、タックスリターン時にForm8938でIRSへ報告することが必要です。アメリカ国外に居住するUS Personの場合は、年度末に$200,000以上あるいは、年を通して一時的にでも$300,000以上の金融資産を所有していた場合というように限度が少し上がります。
このForm 8938での報告以前に、FBAR (Foreign Bank and Financial Accounts Report)というのが施行されていて、海外金融資産合計が$10,000の場合、FinCEN From114で、(タックスリターンとは別に)Treasury Departmentに報告することが義務付けられていました。なんとなくこれらはダブルところも多いようで、なぜ二つとも必要なのかは私にはわかりませんが、とにかく二つの義務が課せられています。
資産隠しをしている富裕層が発見され、取るべき税金をしっかりとれるようになったのはよいことなのでしょうが、ほとんど利子を生まない(よって税金などほぼかからない)日本の預金を持っているだけのグリーンカード保持者の日本人も影響を受けることになりました。さらには生まれたのはアメリカだからアメリカの市民権を持っているがそれ以降アメリカには住んだことのない海外在住の人々もUS Personであり、すべてこの報告が必要になるという事態に及んでいます。
この個人側の報告に加え、以下に記すとおり金融機関側でも個人情報をIRSに報告する義務化が生まれ、“本当はUS Personだからタックスリターンが必要だけど、ずっとアメリカには住んでいないから今までしないでいる”・・というようなことが見過ごされにくくなりました。US Personの金融資産に関しては、その人がアメリカに住んでいようが住んでいなかろうが、とにかくすべて課税できるものは課税するというアメリカの思惑が着実に現実化しています。
海外のFATCA 金融機関への影響
FATCAは個人に対しての報告義務をつくりだしただけではなく、US国外の金融機関に対しても報告義務を生みました。これまでは、個人がUS国外にある金融資産を報告せずにいても、アメリカIRSはそれを発見するすべがなかったのですが、それを解決するために、US国外にある世界の金融機関に対し、顧客がUS Personである場合は取引内容を報告する義務をつくったわけです。
これにより、US国外の金融機関に大変なコンプライアンス義務を課されたわけで、US Personを顧客に持つとコンプライアンス作業に多大なコストがかかることいなりました。これを受けて、US国外の金融機関はUS Personの新規口座開設は受け付けない、既存の顧客であっても大口でない限り口座閉鎖を強要するという措置をとるなどの変化が生まれました。コンプライアンス準拠のため顧客維持コストが増えたせいで、大口顧客でないと元がとれないということになったのです。国により差もあるようですが、スイスなどはUS Person顧客には門を閉じたともいわれています。
日本の場合はというと、やはりUS Personに対しては取引規制があります。IRSへの報告義務発生のため、その報告準備対応ができないことから、US Personへの株、ETF、投資信託などが取引できないとあります。例えば楽天証券はこんなかんじ。
SBI証券もこんな感じです。
預金の場合は、口座が絶対開けないということもないようですが、FATCA確認というのがなされるようです。考えてみれば、アメリカが勝手に法律をつくって日本の金融機関が確認をしなければならないなんて、なんとアメリカとは強引な国かとも思いますが、とにかくFATCA確認がされています。
FATCA確認とは、顧客がUS Personでありアメリカ納税義務がある人か、そうではないかの確認をするということです。具体的には、US Personであれば、IRSのW-9 Form(Request for Taxpayer Identification Number and Certification ちゃんと日本語版が用意してあるようです)にSocial Security Numberを届け、US Personでなければ、IRSのW-8BEN Form(Certificate of Foreign Status of Beneficial Owner for United States Tax Withholding and Reporting /Individuals)でUS Personではないので報告義務外であることを届けるようです。たとえば三菱UFJ銀行の場合はこんな感じ。
そして、FATCA確認ができない場合は口座開設は不可能とあります。
既存口座については少し規制が緩いようで、「IRSに情報を連携する場合がある」とだけ書いてあるので、ステイタスをはっきりさせて厳粛に取り締まるということは(少なくとも今のところは)ないように理解できます。
日本では既存口座が閉鎖されるというようなドラスティックな状況にはいたっていませんが、前述のスイスなど対処が厳しい国では極端なケースも発生しているようです。、両親が米国籍のために自分も市民であるけれど、アメリカには一度も住んだことがなく外国でずっと暮らしており、仕事も居住地もずっとその国であり、モーゲージも組み家を買い、投資も預金もすべてその国・・というような場合でも、US Personであるという理由で口座が閉鎖になりバンキングができないというような状況もあるそうで、考えただけで大変なことです。
このような変化を背景に、US Person(市民権・グリーンカード保持者)の中に、それを放棄する人が増えています。アメリカで長らく暮らしたが老後は日本で・・と考える人の中にも、市民権・グリーンカードは放棄して、アメリカへの納税義務、金融資産の報告義務から解放されるためです。次回はそのあたりについて考えてみます。
アメリカの年金で日本生活と日本の年金でアメリカ生活の光と影
年金額にはインフレ調整が必須
年金は字のごとく、年々もらう老後の生活費です。65歳でリタイヤし95歳まで生きるとすると、30年という長い期間、固定収入としてこの年金に(全額でなかったとしても)頼りつつ生活していくことになります。健全な経済には適度なインフレ(消費者物価の上昇)があります。これは経済が成長し、生活が豊かになっていく指標でもあります。
物価が少しずつ上がっていくわけですから生活費も上がっていくわけで、それに見合った形で年金額も上がっていくというのがあるべき姿です。そうでないと、同じ年金額をもらっていても、物価がどんどん上がっていけば、去年買えたものが今年は同じ分だけ買えない、つまり購買力の低下が起こります。別の言い方をすれば、同じ額面の年金をもらっていても、その貨幣価値の低下により、もらったお金が実質上目減りしたのと同じということになります。
インフレは国ごとに違います。下が日米のインフレ率をグラプにしたものです(出典:経済のネタ帳)。
日本のインフレ率は常にアメリカよりも低く、ゼロのラインの上を行ったり、下になったりというレベルです。アメリカも一時的にゼロに近くなることもありますが、Federal Reserveが目標とする2%ラインをキープしようとがんばっているため、長期的にはそのあたりを維持しています。
それぞれの国の年金は、それぞれの国で生活することを前提に支給されます。日本の年金は、日本でもらい日本で使うことを前提にしているため、たとえ年金額が10年間同じであっても、インフレがほとんどなく物価がほとんどあがらないのなら大きな問題にはなりません。実際、日本のファイナンシャルプラニングの計算などを見ても、インフレを考慮していない計算が非常に多いです。これはインフレがないのなら、それはそれで問題がないといえます。
しかしながら、インフレがない前提で支給されている日本の年金を、アメリカに持ってきてアメリカで生活する場合は少々困ったことになります。アメリカでのファイナンシャルプラニングにはインフレは必ず考慮されます。現在私の使っているファイナンシャルプラニングのソフトウエアでの、将来的なインフレ率のでデフォルト値は2.25%です。上がっていかない日本の年金を使って、年々2.25%上がっていくアメリカの生活費をカバーすることは、1年後、2年後には大きな問題にならなくとも、10年後、20年後には大きな問題になります。
日本とアメリカの年金額調整
2019年のソーシャルセキュリティ年金額は、前年比2.8%上がりました。2020年はさらに1.6%上がります。一方で、2019年の日本の年金額は0.1%上がったにすぎず、これは4年ぶりの増加改定です。
下が、日本の物価変動率(インフレ率)と年金額改定率の表です(出典:All About マネー)。上で書いたように、日本はインフレ率自体がアメリカよりも小さい上に、年金額の改定率はその小さいインフレ率よりもさらに小さい(というかほぼ改定がゼロに近い)ことが分かると思います。
日本では、「マクロ経済スライド」というしくみがあって、これは「社会全体の公的年金制度を支える力(現役世代の人数)の変化」と「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」という、マクロでみた給付と負担の変動に応じて、給付水準を自動的に調整するしくみです。現代世代の人数は少子化でどんどん少なくなり、反対に受給する世代はどんどん増えるので、収支のバランスをとるために、たとえインフレで物価が上昇したとしても、その上昇分を全額カバーするほど年金額を増額することはせず、調整額を低いレベルに抑えるというものです。
一方でアメリカでは、前述のように2%レベルをうろうろするインフレ率に追随する形で、ソーシャルセキュリティ年金に調整がほどこされます。下は、アメリカのインフレ率と、ソーシャルセキュリティのCOLA率(Cost-of-living adjustment=生活費のためインフレ調整率)をグラプにしたものです。
光と影
この影響で、どんどん増えていくソーシャルセキュリティ年金をもらいながら、生活費がほとんど上がらない日本で老後を暮らすのは楽ちんです。毎年2%ずつ増額されるとすれば、、ソーシャルセキュリティ年金を日本円に交換した10万円は、10年後には12万1,800円、20年後には14万8,500円、30年後には18万1,100円までになり、物価があがらなかったとすれば実質上年金がどんどん増えたことになります。
反対に、なかなか上がらない日本の年金で、物価が着実に上がっていくアメリカで老後を暮らすのは大変です。日本からもらってドルに換金した$1,000の年金は、10年後には$820の価値、20年後には$672の価値、30年後には$552の価値しかありません。
もちろんこれに加えて、為替の変化による影響もあります。円とドルの力関係で、換金して受け取る年金は増えたり減ったりします。増えればラッキーですが、減れば泣き面にハチです。
日本の年金でアメリカでの老後を送る場合は、ある程度このあたりの点を考慮しつつ、不足分があるとすれば他に用意したリタイヤメント資金から補てんできるよう用意をしていくことが肝要です。
Citiカードのあまりにも悲しい特典削除
Citi Card 天から地へ
それで初めて、Citi がその提供するほとんどのクレジットカードにおいて、9月22日付で、非常にドラスティックな特典削除を行ったことを知ったのでした。
以下、すべてのCiti カードから削除された特典:
Equifax個人情報流出の補償締切せまる
まだチェックしていなかったら
ご自分が被害者でないかそうなのか、まだチェックをしていない場合は、今すぐチェックすることをお勧めします。
www.EquifaxBreachSettlement.com で 画面をスクロールダウンし、”Find Out if Your Information Was Impacted” をクリックします。
電話の方が良い方は、l 1-833-759-2982 に連絡します。
補償方法
被害者であった場合は、補償方法を選ぶことになります。
まず、もしも2017年9月以降、個人情報が漏れたことで実際に問題が起こっている場合は、以下の項目について$20,000までの補償金をクレームする資格があります。
家計管理―バジェットをつくる!
事後報告と事前計画
家計把握―マンスリーキャッシュフローをつくってみる!(2)

Smart & Responsibleのプラニングサービスをお使いいただくときにも、必ずマンスリーキャッシュフローを提出いただいていますすが、下のリンクからフォームがダウンロードできます。よかったら、これをお使いいなりご自分のマンスリーキャッシュフローを作ってみてください。
全体像の把握
ここで自分の家計のお金の流れを図にして把握してみましょう。手書きで構いませんから紙の上に下のようなお金の流れずを書いてみます。
給料が出ると、まず給料から直接天引きになる健康保険料、401(k)の積み立て、所得税などが差し引かれ、残りが銀行口座に入金になります。そこから、銀行で自動で引き落とされる費用や積立額が引き落とされ、さらにクレジットカードの請求額は月に一度銀行口座から支払われます。また、ATMで現金を受け取ればこの銀行口座から引き出され、チェックを書けばそれも銀行口座から引き出されることになります。
この図を見ながら、月々の支出を把握し、マンスリーキャッシュフローに記入していきます。
以下はすでに完成したサンプルのマンスリーキャッシュフローです。完成図を先にお見せしますね。クリックすると別タブで開きます。以下、これを見合わせながらお読みください。
まずはグロス収入
まずは、マンスリーキャッシュフローの一番上の欄である収入を見てみましょう。給料明細をご用意ください。
収入には2種類あります。まずはGross Income。これは税金やその他給料からいろいろ引かれるまえの、グロスの収入です。年収契約しているような場合は、その契約の年収。自営の方はちょっと難しいですが、ビジネス経費などは差し引いた、しかし個人的な経費は差し引く前の金額です。この年収は、多くの場合私たちにとって紙上の数字であり、そのお金を全額手にする、受け取るということはありません。ただ、「年収はおいくらですか?」と聞かれた場合いは、この数字を答えることになります。
マンスリーキャッシュフローには、このグロスの数字を書き込みます。給与欄には月々のグロスの収入を、ボーナス・コミッションには年間にもらう額を12割してご記入ください。自営の方は、年間グロスの収入を12割するというやり方でいいかと思ます。サンプルのマンスリーキャッシュフローの青いハイライトの部分です。
入ってきたお金のもうひとつは、手取り金額です。この金額が銀行口座に入金されます。よって銀行の明細に載っているのもこの金額です。毎月給料が出る方はこれが年間で12回記載されているはずですし、隔週支給の方なら26回、毎週なら52回記載されているはずです。この手取り額は銀行明細には記載されますが、マンスリーキャッシュフローには記載しません。マンスリーキャッシュフローには、上のグロスの収入と、すべての支出を記載します。
給料天引きの支出
給与が銀行に振り込まれる前の段階で、いくつかの支出がすでに発生しています。ご自分で支払わないので、支出という意識が薄いかもしれませんが、それらは確固とした支出ですので、マンスリーキャッシュフローに記載します。
たとえば、会社で入っている健康保険、団体生命保険、所得補償保険の保険料などは給料振り込みの前に引かれています。もちろん連邦所得税、(州税がある州では)州の所得税、ソーシャルセキュリティやメディケアなどの社会保障税も引かれます。その他、Health Savings Accountへの積み立てや、401(k)などリタイヤメントプランへの積み立ても引かれます。これらはすべて給与明細に記載されています。これらもすべて支出として把握し、マンスリーキャッシュフローに書き入れます。サンプルのマンスリーキャッシュフローでは、これらはオレンジ色のハイライト項目です。
税金やリタイヤメントプランへの積み立ても支出?と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、支出とは必ずしも生活費のための消費活動だけをいうのではなく、お金が出ていくことすべてを差します。将来への投資だろうが、家の頭金を貯めるための積み立てだろうが、入ってきたお金が出ていく(消費してなくなるわけではありませんが、チェッキング口座から出ていく)ので支出としてカウントします。
銀行自動引き落としの支出
さて、これらの給料天引きの各支出が差し引かれたあとの給料、つまり手取り額が銀行口座に入金されるわけですが、この銀行口座(メインチェッキング口座)から支払うことになるその他の支出を次に見ていきましょう。
まずは、銀行口座から直接引き落とされる支出があります。たとえば、電気料とか保険料などの費用を銀行からの自動振り込み設定にしているような場合です。それから、セービングやその他の預金や投資口座への自動積立を設定している場合は、これらも直接銀行口座から引き落とされます。これらについては、銀行口座の明細に記載があります。月払いにしてあれば毎月、四半期ごと、半年ごと、年間払いなどにしてあれば、それぞれ選択された月の明細に記載があるはずです。四半期ごと、半年ごと、年間払いのものについては、÷3、÷6、÷12をして月割の費用に換算してマンスリーキャッシュフローに書き入れます。
サンプルのマンスリーキャッシュフローでは緑のハイライトで示されています。この家庭の場合は、お子さんのカレッジ資金をためるため529口座で投資していますが、毎月それぞれのお子さんに銀行口座から自動積み立てをしてます。それに加え、月々のレントと電気・ガスなどのユーティリティも銀行から自動支払いになっています。
クレジットカードの支出
今度はクレジットカードで支払った支出を書いていきます。銀行口座の明細には、月に一回引き落とされるクレジットカードの引き落とし額しか記載がありません。その詳しい内容は、クレジットカード明細で把握していきます。
さて、ここはちょっと手間がかかります。一番簡単なのは、クレジットカード会社が提供しているAnnual Expense ReportとかSpend Summaryなどと呼ばれているものを利用する方法です。クレジットカード会社が一年分(期間は指定できる場合と、あらかじめ定められた固定の一年の場合とあり)の利用をカテゴリーに自動で分類し、それぞれの費用をまとめてくれています。たとえばこんな感じ。
問題は、カテゴリーがクレジットカードの任意で分類されており、必ずしも自分が分けたい項目ではないことです。たとえば上だと、Merchandiseと大雑把に分けれてるカテゴリーには、食品も衣料も本もまとめられていたりします。さらには、自動分類がゆえに、内容をよく見ていくと、医療費が食費に入っていたりなど誤分類もあります。ある程度マニュアルで分類しなおしたり、さらに分類を細かく分けたりなどが必要ですが、ただ何もないところからするよりは楽かもしれません。
もしスクラッチから自分できちんと分類したいという場合は、ペーパーの明細を前にひとつひとつ項目チェックしていくのもひとつの方法ですが、あまりに大変な場合は、クレジットカードのオンラインサイトで一年分のトランザクションをまとめてExcel表などにダウンロードして、Excelを使って分類していくという方法がよいでしょう。
サンプルのマンスリーキャッシュフローでは紫のハイライト部分がクレジットカードで支払ったものです。これらのうち、保険料やインターネット代などは月々決まった金額かもしれませんが、食費や生活用品などその他の費用は月々まちまちでしょう。その場合は、年間の合計額を12割した数字で入れていきます。あまりに正確にやろうとすると嫌になってくると思いますので、ある程度の誤差は丸め込んだり、細かい分類に困るようなものは「その他」などをつくってそこにまとめてしまってもよいです。ただ、マンスリーキャッシュフローに入れ込んだクレジットカード支出の合計が、クレジットカード明細の1年間の利用合計に(ぴったりでなくてもいいので)だいたい合っているようにします。
ATMとチェックの支出
全体像を把握した図を見てみてください。ここまでで、給料天引きの支出、銀行自動引き落としの支出、クレジットカードの支出が把握できました。残るはATMでキャッシングし現金で使った費用と、チェックを書いて支払った費用です。
チェックについては、チェックブックに残っているコピーを見るか、あるいは銀行のオンライン明細でチェック番号をクリックするとチェックの写真が出てくるような機能を使って確認します。チェックで支払う費用というのは限られているかと思うので、把握はクレジットカード支払いほど大変ではない方がほとんどかと思います。
ATMから引き出して現金で支払う部分は、人それぞれですが、やはりそれほど多くない方がほとんどではないでしょうか。コーヒー代だったり、人と食事にいったときの割り勘の食費だったりします。わかる範囲で、食費やその他の項目に入れ込んでもいいですし、ATM引き出しが大した額でないのなら、一年間のATM引き出し額を12割して、マンスリーキャッシュフローにATM費用という項目でまとめてしまっても問題ありません。
サンプルのマンスリーキャッシュフローでは、これらはグレーのハイライトになっています。この家庭では、お子さんの塾の経費は毎月チェックで支払っており、あとは薬代は現金で払います。その他、ATMで引き出していて、でも何に具体的に使ったのかよくわからない額が年間で$360ほどありましたので、それらは12割して$30をATM現金支出という項目にまとめてしまっています。本当なら、何に使ったか追跡できた方がいいですが、ただ月々$30という比較的少額なので、これらは額だけ把握して内容はその他ということで計上するのも大きな問題はないでしょう。
すべての収入とすべての支出が転記される
さて、これでマンスリーキャッシュフローのすべての項目が埋まりました。別の言い方をすると、給与明細に掲載されている給与天引きの支出と、銀行口座の明細に記載されているすべての支出(銀行自動引き落としの支出、クレジットカード支払い、ATM現金引き出し、チェックの支出)の全部をマンスリーキャッシュフローに書き写したことになります。
ちなみに、ここに載っていない使い方をした方もいらっしゃるかもしれません。たとえば、デビットカードをお使いでしたら、それは銀行口座明細にデビット支払いとして載っていますから、同様に支出としてキャッシュフローに記入しましょう。電子マネーなどを使っている方がいらっしゃったら、それはクレジットカード明細と同じように電子マネー会社が出す明細を見ることになります。いずれにせよ、最終的には給料が入金される銀行からお金が出て行っている項目がすべて支出としてマンスリーキャッシュフローに認識されていることを確認します。
さて、前回、マンスリーキャッシュフローの作成に取り掛かる前に、一年の最初と最後の二時点の銀行残高を比べて下のような収支チェックをしました。
マンスリーキャッシュフロ―が作成された今、収支の細かい内容が把握されたことになります。一番上のマンスリーの収入(グロス収入)は$8,833でした。12倍すると、$105,996になります。
片や、一番下のマンスリーの支出合計は$8,572で、12倍すると$102,861です。
さて、これらのふたつの一年分の収入合計と支出合計を先ほどの収支計算式にいれてみます。
そうすると、前に出してあった、年間収支の$3,135の黒字とぴったり合いますね!
さらにダブルチェックすれば、マンスリーキャッシュフローの最後の欄、余剰金(全収入から全支出を引いたもの)$261を12倍すると$3,136になります。$3,135と$1違いますが、これは四捨五入のための誤差であり、合致とみてOK。つまり上の計算でも、マンスリーキャッシュフロー上でもぴったりです。
こうなったら、すべての収支項目が正しくマンスリーキャッシュフローに記載されたということです!おめでとうございます。
もしも、誤差がある場合は、もう一度銀行口座の明細をチェックして、すべてのお金の出し入れが考慮されているか見てみてください。月にして数ドルの誤算なら、まあいいかとあきらめるのもよろしいでしょう。ポイントは、すべてきっちり合わせることではなく、月々のお金の出入りがかなり正確なレベルで把握できていればOKです。
おつかれさまでした!
もうすぐキャンセルするAmex Platinumの話(2)
エアポート・ラウンジ利用
案外楽しみにしていた特典がこれでした。空港の食べ物ってあんまりおいしいものはない上に、空港プライスで大変高いですよね。毎回、何か家から安くておいしいものを持って行って待ち時間に食べよう・・と思うのに、そうできたためしはほぼゼロ。うちはどこに行くにもいつもラストミニットで、出発の朝パッキングしている家族だからです。というわけで、なんだか余裕を持って家を出て、優雅にラウンジでくつろぐ・・というのは私の夢でした(今も夢です)。
Platinumカードを持つと、Amex経営のCenturion Loungeと、AmexとパートナーシップのあるDelta Airのラウンジが使えるうえ、Priority Passという全世界で提携しているエアポートラウンジが使えるというパス(会費は払うとしたら$100程度相当)がもらえます。
1年弱たってみて、まともにラウンジが使えたのはたった1回。Priority Passの提携ラウンジとしてAlaskan Airラウンジが加入していて利用させてもらいましたが、まあふつうなかんじ。あとは、何度も利用を試みるも難しかったです。というのも、Centurion Loungeは、Amex経営でたいへん設備がよいという評判ではあるのですが、全米でも限られた空港にしかありません。我が家のホーム空港であるLAX(ロサンゼルス国際空港)には今建設中とかで、いつオープンするかと期待していましたが、どうやら私がPlatinumカードをキャンセルする前にはオープンしないでしょう。一度サンフランシスコ空港を経由することがあり、そこにはCenturion Loungeがあるので使ってみたいと思っていましたが、Loungeがあるターミナルと発着ゲートが遠かったので断念。
また、Delta ラウンジは、Deltaで飛ばないと使えないのでこれも利用が限られます。Priority Passが一番フレキシビリティが高いように思うものの、これもいまいちでした。私がよく行く空港にはPriority Passのラウンジがなかったり、あっても時間が合わなくて開いていないか、ターミナルが遠くて行きにくいか。そもそもラウンジというのは、ビジネスやファーストクラスで飛ぶひとが待つ時間をつぶす場所なわけで、本来はその飛行機会社の発着ゲートの近くにあるものです。Priority Passはいわばエコノミーで飛ぶひとが、会員制で提携ラウンジを使うというものなので、ちょっと無理があるように思います。
というわけでラウンジのベネフィットは限りなくゼロに近い結果です。
コンシアージュ・サービス
特典のうちのひとつの目玉として取り上げらることの多いコンシアージュ・サービス。電話一本、テキスト一本で、必要なタスクを仕上げてくれる執事サービスです。何かのスペシャルな機会に誰かに花を贈る手配とか、コンサートやショーのチケットの手配とか、人気レストランの予約などがよくあるパターンらしいです。オンラインで経験談を読んでいると、売り切れのコンサートチケットを手に入れてくれたとか、人気レストランで向こう3か月いっぱいのところ急な予約を入れてくれたとか、レストランに行ったら長い列なのですぐにコンシアージュに電話したらすぐに入れてもらえた・・などというHappyな声がある一方、旅行先の情報をまとめて集めてくれとお願いしたら、単にGoogle サーチで出てくる内容だったとか、発売前からお願いしたコンサートチケット入手だったが、結局取れず自分で買えばよかったとかのNot so happyな声もあります。
うちの体験談はというと・・・冬にカナダ・バンフに行く機会があり、出発3週間前に犬ぞりツアーを予約しようとしたら、ツアーを提供している会社はいくつかあるものの全部売り切れ。何とかなるかと思い、コンシアージュにお願いしたところ、私がやったのと同じように全部の会社のサイトを見て売り切れを確認した後、私たちの泊まるホテルのコンシアージュに電話をかけてくれて連携して探してくれたようですが、やはりいっぱいなものはいっぱいで予約はできませんでした。その後、旅行中に、夕食に行きたいと当日思い立ったレストランが予約でいっぱいだったので、もしかしてと思い再度コンシアージュにコンタクトしましたが、「そのレストランはパートナーシップがあるお店でないので無理がききません」ということでダメ。雑誌に載っているようなファンシーなレストランなら案外無理がきくのかもしれませんが、街のレストランではだめなのかな。
ま、あとはどれだけたくさんカードを使ってくれている重要顧客かというのも、データベース・マーケティングを始めた会社Amexですから、ものをいうのかもしれません。とうことで、コンシアージュ・サービスはうちにはどうも使いこなせず・・・。我が家は、なるべくあらかじめ自分で調べて手配をするのを頑張り、もしやりそびれてダメなものがあればダメはダメでその風を楽しむ・・みたいなノリなので、それで今後もいくようです。実際、予約でいっぱいだったレストランの代わりに、Yelpを見て行きついたレストランはすばらしくおいしくて、家族全員満足顔で帰ってきました(バンフにあるBlock Kitchenというタパス店。バンフに行かれる方、立ち寄ってみてください)。
ホテル・アップグレード
Platinumカードで、MarriottとHiltonの2大チェーンのメンバーシップがゴールドになります。アーリーチェックインやレイトチェックアウト、部屋のアップグレードなどが特典。何回か使いましたが、この2大チェーンに属さないホテルも案外使いました。結局、飛行機のターミナルと同じ原理で、“このあたり(物理的な地域)に泊まりたい”という機能性を重視すると、いくら大きなチェーンと言えどもそこにそのホテルがあるとは限らず案外むずかしいというのが感想。2種類に分かれるかと思ますが、ロイヤリティ重視でなるべく一つの会社で通すひとと、その時一番いい条件のところを選びたいひと・・我が家は後者なので、どうもロイヤリティプログラム自体が合わないようだというのが学んだことでした。
あと、Platinum特典には、Fine & Resortsといって、高級ホテルにディスカウトで泊まれるというプログラムもあり、アーリーチェックイン、レイトチェックアウト、$100とか$150とかまでのホテルでの利用(スパとかレストランとか)にクレジットありという内容で、うまく使うとお得ではあります。ただ、絶対お得ということもなく、かえってPricelineのほうが安いということもあります。比較が肝心。
Saks Fifth Ave.とUberのクレジットバック
あとこれはちょっとCheapな特典だと思うのですが、Saksの買い物に$100、Uberの利用に対して$200のクレジットバックがあります。ただし一度に全額じゃダメです。Saksは半年ごとに$50ずつ、Uberは月に$15ずつで12月だけ$35。この細切れベネフィットがCheapだと思うのです。頻繁にUberに乗るひとにはうれしいでしょうが、うちはあんまり乗らないので$30くらいクレジットバックをもらったくらいでしょうか。
それから、Saks!私はSaksタイプではないので、サイトに行っても別に欲しいものもないのだけど、クレジットバックが来るというから何か買うものはないかと探しますが、でもSaksですよ。$50以下で買えるものなんてない!ま、少しくらい自己負担してもいいかと思い、Tシャツとか、サマードレスとか、Le Creusetのソース入れなどを見つけ3回買いました(これも1月から12月で$100なので、年が明けると新たに$100がくるということで3回買えたわけ)。
使わせてもらってなんですが、この細切れにした小さな額でのクレジットバック、なんかAmexのPlatinumカードにしてはちょっとみみっちい特典だなあと思いました。
さいごの収支決算
他にも特典はなにやかんやあるのですが、私が主に使ったのはこのくらいでしょうか。収支をすると下のようになります。
払ったのは年会費の$550だけ。家族カード3人分まで$175となっていたけど、なぜかチャージされていません。この収支だけみると、$2,000以上のベネフィットがあったわけでびっくりもしますが、でもこのカードはやはりキャンセルします。
このうちオレンジの項目は、今後は減るかなくなります。ポイントはサインアップのボーナスポイントが大きいし、American Airは、今でこそ2年またがりで$400ですが、本当の1年間の額は$200です。Global Entryは5年毎の申請なので、これから4年はゼロ。
それでももしかしたら使いようによっては$550の会費の元は取れるかもわからないけれど、使ってみて思ったのは、やはり私にはあまり使っていてしっくりくるカードではありませんでした。会費のあるカードを使ってみて、それに見合う特典があるのかを知りたい・・というのが当初の好奇心でしたが、金額的な数字でいえば1年目は大変なプラスですが2年目以降はそれほどでもなく、このカードは細かい金銭的な損得ではなくPlatinumに関わるステイタスやサービスを重んじる人にはいいように思いました。
その人のホーム空港によってラウンジが使いやすいということもあるかもしれないし、コンシアージュ・サービスも使いようでもっとすごいサービスが受けられるかもしれません。要は、その人のライフスタイルに合っているかとういうことになるかと思います。
一年使ってみて、自分たちに合うかをチェックしていろいろ面白かったとも言えます。もうすぐキャンセルするPlatinumカードですが、トライしてみたことは良かったと思います。キャンセルした後はやはり年会費のないキャッシュバックカードで行きます。何に使っても使った分だけお金で返ってくるほうが、ストレートで簡単だし・・・。Platinumの話はおしまい。
もうすぐキャンセルするAmex Platinumの話(1)
なお、始める前に書いておきますが、Platinumカードはある程度クレジットスコアがよくないと入れないというのはそのとおりですが、すごく入るのが大変な高ステイタスカードではありません。AmexにはBlack Cardというのがありますが、こちらはInvitation Onlyの大変なステイタスカードです。年間数十万ドルの消費をする方向けだとか。Black Cardはおそらく“いくら得になった”とか“こんな特典があってうれしい”などというのは会話にも上らないクラスを対象にしているのに対し、Platinumはそれよりずっと庶民的な感じです。ま、$550の年会費は決して庶民的なものではありませんが、以下のディスカッションは$550を庶民的レベルまで引き下げますので読んでみてください。
これまで一年弱の間で使った特典は以下のとおり。
まずはボーナスポイント
加入して3か月で$5,000をカードで消費すれば、60,000ポイントがついてきます(この記事を書いた2019年8月末現在はキャンペーンで100,000ポイントになっています。時折このようなキャンペーンがあります)。Smart & Responsibleでは基本的に、ポイントやマイレッジカードより、キャッシュバックカードをお勧めしています。ポイントやマイレッジだと、お金を使うー>ポイントやマイレッジが貯まるー>それを使ってモノを購入する という2段階の変換があり、購入できる対象が限られたり(何でも買えるわけでない)、換金率がストレートに測れず使い勝手がわるいという不便さがあるように思うからです。お金を使うー>お金が返ってくるという、単純明快なキャッシュバックで、しかも変換率が高いものが便利だと思います。なので、この点でも今回のPlatinumはルール破り。
Amex Platinumのポイントも使い勝手が悪い部類に入るはずなのですが、ただし旅行をたくさんする人には特典があります。ふつうは$1使って1ポイントにしかならないのが、Amex Travelのサイトか航空会社で直接買った航空券やホテル代は、$1利用で5ポイントたまるからですす。家族での日本への帰省、旅行、出張など、全部チャージしてみました。Amex Travelは安いチケットが見つかることもあるけど、かなり微妙です。Amex Travelでだめなときは、まずはKayak.comとかSkyscanner.comで安いチケットの目星をつけ、可能な限りエアラインのサイトで直接買うという方法で購入しました。
私の場合は貯めたポイントは換金率のよいANAの航空券にしていました。実家も主人の家も両親が老いてきて、手術や用事で日本を行き来することも増えたので助かりました。実際には、PlatinumのポイントをANAのマイレージにトランスファーし(1ポイント=1マイル)、そのマイレージでANAのアワードチケットをとります。2回使いましたが、1度はオフシーズンで40,000マイル、1度はショルダーシーズンで50,000マイルでした。あと50,000ポイントくらい残っているのでもう一度日本往復ができる感じです。なおご存知の方も多いでしょうが、ANAのアワードチケットは予約時に税金&手数料で$350の支払いが必要です。
というこどで、3回日本に行けるとして、その時のチケットを安めに見積もったエコノミーで$900(ロサンゼルス発です)としても、$900-$350で1回$550くらい、3回で$1,650のコストが浮いたことになるでしょうか。
なお、ポイントの換算レートをざっと計算してみると;
$1,650÷(40,000+50,000+50,000ポイント)=1ポイントあたり$0.0118 くらいの価値です。
先ほど書いたようにカードに$1チャージすると5ポイント貰えるので、そうすると
$1使うー> 5ポイントx$0.0118=$0.059
となり、6%近くのキャッシュバック率になります。これは、巷のキャッシュバックカードに比べてもかなり良い率です。なので、航空券やホテルの出費がある程度あり、ANAもよく使うという方であれば、割のいいリワードといえるでしょう。
American Airlinesのクレジットバック
次は特典のうちのひとつにある、American Airで消費したインシデンタル費用に対するクレジット。年間$200ドルを限度にクレジットバック(払い戻し)を受けられるという特典です。インシデンタルというのは、たとえば、航空券を買った後でいい席にアップグレードする席代とか、機内で買ったドリンクや食事代とか、チェックインバッグの代金とか、そういう系統のものです。航空券自体は含まれません。
ただし、これには裏技があって、American Airの航空券を買ってもクレジットバックは受けられないのですが、American Airのギフトカードを買うとそれはインシデンタルに数えられるというものです。ギフトカード購入でインシデンタル費用に対するクレジットバックを受けておいて、そしてそのギフトカードを使って航空券を買えば、結局はクレジットバックを航空券に使えることになる・・という、こんな案配です。$200のギフトカードを買うとちょっと額が大きすぎてインシデンタルにならないかもしれないということで、$100くらいにして買うと認められる可能性が高いという裏情報でした。
ま、私もこれはどこかのWebページで読んだ情報なので、本当に大丈夫なのか・・と思いながら、ま、でもうまくいかなくてもギフトカードを購入するだけだからリスクゼロと思ってやってみました。$100のギフトカードを2枚。1週間以内に$100x2回のクレジットバックがきました。
さらに、これにはもうひとつおまけがあり、このクレジットバックの1年というのは、加入したときから1年ではなく、年初から年末の1年です。私は9月に加入したので9月から12月が1年、年が明けるとまた新しい1年・・ということなので(これも裏情報)、また、ほんとかな・・と思いながら、今年の年明けにAmerican Airのギフトカードを$100x2枚買ってみました。1週間以内に$100x2回のクレジットバックがきました。しかも5xとなっている六角形の意味は、その額にも5ポイントがつくということで、なんともありがたいものです。
・・ということで、$400分のギフトカードがコストゼロで手に入り、これを使って以前住んでいたバージニア州に遊びに行きました。古い友人に会うことができました。
Global Entry申請料クレジットバック
Platinumカードの特典として、Global Entryの申請料$100がクレジットバックされるというのもあります。Global Entryは、.US. Customs and Border Protectionが行っているプログラムで、申請して簡単なインタビューを受けローリスクの旅行者だと認定されると、下記のようなカードが発行され、アメリカ入国がスピーディに済むというものです。また、Global Entryの認定が下りれば、アメリカから出発する便に乗る際にはPre Checkラインに並ぶことができ、セキュリティチェックが早く済みます。
この申請料は$100なのですが、カード保持者が申請料をカードで払えば全額クレジットバックで、実質的にノーコストとなります。
ちなみにPlatinumカードに対する追加家族カード料金は、3枚まで$175/年です。うちは家族4人なので、この$175を払い追加で3枚の家族カードをつくりました。Global Entryの申請料$100x3人が無料になるなら、元をとって余りあるという判断からです。ちなみに、Global Entryは5年有効です。
今日はここまでにしておきます。第二弾で収支報告をします。
投資ファンド選びでステマにはまらない!(2)
このステマが投資ファンドにもあります・・という記事を前回書きました。前回は、利回りで並べたランキングは、何をどう分類し何をどう測るかでランキング入りするファンドを操作できることと、またそこで発表されている利回りに魅力を感じてそのファンドを買っても、その後はその通りにならない可能性が大であることをまとめてみました。
今回はその第二弾で、こんなランキングについてご紹介します。20位から始まり1位までカウントダウンで掲載されています。2019年8月に出た記事で、中立的な発表のように見えます。
Biggest funds with the best 10-year returns
20 Vanguard Total Bond Market II Idx Inv (VTBIX)
19 Vanguard Total Bond Market Index Adm (VBTLX)
18 Vanguard Total Intl Stock Index Inv (VGTSX)
17 Vanguard FTSE Developed Markets ETF (VEA)
16 American Funds Europacific Growth R6 (RERGX)
15 American Funds Capital Income Bldr A (CAIBX)
14 American Funds Capital World Gr&Inc A (CWGIX)
13 American Funds Income Fund of Amer A (AMECX)
12 Vanguard Wellington Admiral (VWENX) 10.26%
11 American Funds American Balanced A (ABALX) 10.50%
10 American Funds Invmt Co of Amer A (AIVSX) 11.85%
9 American Funds Fundamental Invs A (ANCFX) 12.76%
8 American Funds Washington Mutual A (AWSHX) 13.30%
7 American Funds Growth Fund of Amer A (AGTHX) 13.39%
6 SPDR S&P 500 ETF (SPY) 13.91%
5 iShares Core S&P 500 ETF (IVV) 13.96%
4 Vanguard 500 Index Admiral (VFIAX) 14.00%
3 Vanguard Total Stock Mkt Idx Adm (VTSAX) 14.01%
2 Vanguard Mid Cap Index Admiral (VIMAX) 14.37%
1 Fidelity Contrafund (FCNTX) 14.85%
前回の記事でご紹介したランキングでは、1年と3年利回りの比較でしたから、短期的に成績がよいものに飛びついてはならないという教訓で終わりましたが、今度は10年です。10年といえばそこそこの長期ですから、ここでよい利回りを出しているということは、ある程度安定的によいファンドである可能性が高いと言えます。
低コストのインデックス投資で名高いVanguardの名前が見られるのは納得(注:このリストにはパッシブのインデックス投資だけでなく、アクティブ型も入っています)。FidelityのContrafundはこれから成長する会社で安く売られている株を選んで買うアクティブ投資型ですが、よくやりましたね! という感じ。SPDRやiShareも低コストETFですからNO Wonder。不思議なのはAmerican Fundがここに名前を連ねていることです。American Fundはふつう高いSales Loadを課すので、私の頭のなかではベストファンドランキングにこんなにたくさん入るイメージがなかったので、ぱっと見た瞬間、妙な感じがしたわけです。
この記事の中には、利回りの数字がどのように測られているのか定義がありませんでしたが、通常は利回りの成績は、配当金や値上がり益などの利回りからファンドを運営するための手数料(Expense Ratioと呼ばれる)を差し引いたものを使うことが多いので、おそらくここではそれに倣っているかと思います。ただし、Sales Loadと呼ばれる販売時に課される手数料(場合によっては売却時に課されるものもある)は反映されいないのが常です。Sales Loadは年々課されるものではなく、買った時、あるいは売った時だけに課されるので、年々の利回りには反映しにくいからです。
ちなみにここにあげられているAmerican Fund以外のファンドはどれもSales Loadはかかりません。American Fundはどれも販売時のSales Loadが5.75%かかります。$10,000を投資したら$575が手数料として徴収され、$9,425だけが投資に回ります。このSales Loadの影響はファンドを持っている期間が短ければ短いほど痛手となり、反対に持っている期間が長ければ長いほど費用が長期間に分散されるので、一年あたりの負担は低くなります。7位に入っているAmerican Funds Growth Fund of Amer A (AGTHX)は、発表利回りが13.39%ですが、Sales Loadを考慮して利回りを計算しなおすと、もし3年持っていたとしたら年間利回り11.18%、2年で10.09%、1年だと6.88%となります。
前回の記事でも書きましたが、このようなランキングや利回りの出し方は、何をどうのように分類し何をどのように測るかで、かなり意図的な操作がききます。これは私の勝手な考えですが、この記事を用意した人はAmerican Fundをリストに入れたいというモティベーションがあったのではないかと推測します。Sales Loadがかかるファンドとかからないファンドを同等に並べてランク付けするというのは大変に誤解を生むものですから、本当に中立的な立場から書いたのかかなり疑わしいと感じます。American Fundは決して悪いファンドというわけではありませんが、この“中立的な”ランキングを見せられ“納得して”買っても、実際のところは少し期待と違ったというようなことも起こりかねません。
このようなランク付けはステマの可能性が大ですのでお気を付けを。
投資ファンド選びでステマにはまらない!(1)
このステマ、金融商品にももちろん適用されています。たとえばクレジットカードのランキング記事とか、ベストなローンを見つけるためのサーチエンジンなども、ある意味ステマに入るかと思います。全く第三者的、客観的に書かれているかと思いきや、紹介している商品の会社からリフェラル代をもらっているということはよくあります。投資ファンドのパフォーマンス番付なども同じで、具体的に利回りが表示されランキングがついていると、それだけでそのファンドを買ってみたい・・という思いを起こさせるため、パワフルなマーケティングです。Morningstarなどリサーチ機関として地位のある組織ならその場しのぎ的な、安定的に使えない指標付けはしないと思いますが、それ以外の、とくにファンド会社とかそれを売る販売会社とのコネクションがあるような組織がつくる記事は、ステルスマーケティングの要素が混ざっている可能性が高いのではないかと推測します。
たとえばこんな記事。
トップのInvesco S&P Small Cap Health Care ETFは、2位から5位までのファンドと見くらべてみても、2018年1/1~12/5時点までの1年利回りでも過去3年利回りでも明らかにトップです。こんなに素晴らしいファンドならばちょっと興味シンシンになりますね。
携帯に電話がかかってきて電話口でこのファンドの良さをアピールされても、興味を示さないかもしれない。。。また背広をきたセールスマンからこのファンドのパンフレットをもらっても、読まないかもしれない。。。でもオンラインで自分で調べものをしていたらこの記事を見つけたとしたら、きっと私たちは“おっつ、すごい情報をつかんだ”と思ったりします。これがステマです。
実際このようなファンドランキングというのは、何をどう分類して何をどう測るかでかなり操作ができるものです。売りたいものを上位に持ってくるようにする操作が簡単だとはいいませんが、できないことは全くありません。そして、私たち消費者が気をつけなくてはならないのは、その時上位にいるものが自分にとって必ずしもよいものではない可能性があるということです。
たとえば、このInvescoのETFですが、このETFの5年間パフォーマンスを見てみると以下のとおりです。このランキングがなされたのは2018年の12月5日でしたので(右の黄色マーカー時点)、過去1年間の利回りも、過去3年(左の黄色マーカーが開始時点)の利回りも大きく上がった時点でした。3年間の最初と最後が、かなり最低と最高に近いからです。ところがもしこのファンドをこの記事を見て購入していたらどうでしょう。2018の12月以降2019年の動きを見てください。そのあとの動きは決して芳しいものではありません。この間は、市場全体が横ばい的な時期ではありましたが、それでもたとえば超基本的なバンガードのTotal Stock Market インデックスファンドを購入していた方が値段が上がっている時期です。
こちらの記事(インデックス投資を理解する(3):儲かりそうなものを見つけようとしない!)でもご紹介していますが、バンガード社のあるリサーチがあります。そこでは、ある時点から過去5年間で、最も成績のよかったファンドから最も成績の悪かったファンドにと順番に並べランク付けし、今度は、その時点からの次の5年間も同様に成績がよかったか、同様に悪かったかを調べています。結果は、最初の5年で成績がよくても次の5年では悪くなることも、またその反対のケースも大変頻繁に見られ、限られた期間での成績の良し悪しは、長期的に見たときの恒常的な良し悪しとは相関が低いということを発表しています。つまり、ある期間、すごく利回りのよいファンドだからといって買っても、それが将来的に続きランク上位に入るかというとそんなことは全くないということです。
“3年間の利回りがすごい!“というのは、買う動機としては正当ではありません。また、たまたま見つけたファンドのランク付けを見て、刹那的にファンドを買うのもキケンです。このようなランク付けはステマの可能性が大ですのでお気を付けを。
リセッションは来るのか?来たらどうする?
経済ニュースを見ている方なら、“Inverted Yield (逆イールド)”という言葉をお聞きになったかもしれません。ここのところよく耳にすることばです。イールドというのは債券などの利率のことです。債券やその他負債の利率は、長期的な借り入れの方が短期的な借り入れよりも利子が高いのがふつうです。これが“ふつうのイールド”です。たとえば、家を購入したことがある方なら、モーゲージを借り入れるときは、30年ローンの固定金利のほうが15年固定金利より高いのを経験したことがおありではないでしょうか。
経済指標としてイールドの話をするときは、US国債(Treasury Bond)の10年ものと2年ものがよく引き合いにだされます。順風な経済では10年国債の利率のほうが2年国債の利率より高いのがふつう(ふつうのイールド)ですが、これが逆になりました。これが“逆イールド”です。最後に逆イールドになったのは、10年前以上の2007年でした。その後2008年の金融恐慌以降、アメリカはリセッションフェーズに入りました。
なぜ逆イールドが注目を集めるかというと、この逆イールドが起こった後には、上の例のようにリセッションがやってくるという過去のパターンがあるからです。下の図は、1970年代以降の10年国債の利子と2年国債の利子の差(10年利子から2年利子を引いたもの)の数値をプロットしたものです。ふつうは10年国債のほうが利子が高いのでプラスにあるはずの数値が、逆イールドが起こるとそれがマイナスになります。マイナスになった時点を示すのが赤丸です。
また、グレーの部分はアメリカ経済がリセッションだった時期です。逆イールドが起こった赤丸の後にグレーのリセッションが続いているパターンが見てとれます。
ということで、このパターンが今回も繰り返されるとすれば、リセッションが来る可能性が高いということで、メディアがそれを一斉に伝えているわけです。
リセッションが来るならどうする?
では、リセッションが本当に来るとして、私たちはどうすればいいのでしょう?経済が良ければ良いなりに、悪ければ悪いなりに、経済ニュースというのはさまざまな“アドバイス”を伝えるものです。
振り返りになりますが、前回の2008年にはじまったリセッションでは、“Now is the time to cash out! (今が株式市場から逃避し、株を売って現金で持つとき!)”などというプロパガンダを頻繁に耳にした記憶がありますが、今回はそのような過激な文言はあまり聞こえなくなったように思います。
2008年以降、サブプライムローン問題で金融不安が起こり、金融機関のリスクを無視した無責任な貸し出しが明るみに出ると同時に、それまで不透明だった金融関係の悪慣習がさらけ出されました。投資ファンドに課される不透明な手数料が問題視されると同時に、売り買いを繰り返すアクティブファンドの価値が吟味されました。同時に、低手数料で高リスク分散したパッシブ型インデックスファンドの意義が見直されました。さらには、機を見て安い時に売り高い時に買うというやり方は、割に合わないことが多いという事実が市場に浸透していき、BUY & HOLDの長期投資の有用性への理解が進みました。その後今までの10年の間に、低コストBUY&HOLDのインデックス投資で定評のVanguard社は目覚ましい成長をみせ、その運用資産は2018年には$5.3トリリオンまでになりました。
“Now is the time to cash out.”のような株式市場脱出作戦が叫ばれることが少なくなった裏には、私たち個人投資家も含めて市場に、低コストBUY&HOLDのインデックス投資への理解が浸透した結果ではないかと感じています。
その代わり今回の逆イールド状態では、こんなアドバイスをよく目にします。
- 安心のキャッシュを増やす
- 債券なら国債に投資する
- 大型の配当を確保できる株に投資する
- 不調のUS、同様にリセッションっぽい先進国はやめてエマージング国の株に投資する
- コモディティに投資する
なにか最もらしく聞こえますから、さっそく対処しよう・・と思ってしまいそうですが、ちょっと待ってください。もしも、あなたが、長期的なゴールを見据えたうえで投資ポートフォリオを作って維持しておられるのなら、これらのアドバイスをむやみにフォローすることは、せっかくつくったポートフォリオ戦略をゆがめることにつながります。
最近では、リタイヤメントにはターゲットデイトファンド、529にはAge-basedの入学年をターゲットにした自動ファンドを使っておられる方も多いと思います。それらは、リタイヤする年、あるいは入学年までの期間を鑑みたうえで、適切なリスクをとった投資ポートフォリオにすでになっています。
もちろん、適切なリスクをとった投資ポートフォリオであるからといってリセッションの影響を受けないということでは全くありません。リセッションがくればそれらのバランス額は下がります。ただ、下がっても、使う時までには上がり、下がった分を上回る成長を遂げるはず・・という信念がベースにあります。この信念をもって、ターゲットデイトファンドやAge-basedファンドに投資しているのです。なので、リセッションのニュースをきいても、ただ“何もしない”というのが正解です。
実は、リスクを見据えてつくったこれらのポートフォリオやターゲットリタイヤメントファンドは、多くの場合、いくつかのインデックスファンドを組み合わせて投資していることがほとんどで、そうであるならば上で挙げている2。国債、3.大型配当株、4.エマージング株はすでに含んでいるのがふつうです。投資期間を見据えてちょうどよい割合ですでに含んでいるので、リセッションが来るからと言ってこれらを買って比率を上げるのは間違った考え方です。
最後の5にあげられているコモディティについてですが、これは株式や債券とは異なる投資媒体であり、他とは異なるパターンの値動きをすることが多く、リスク分散には有用です。ただ、利子を期待する債券や、会社の成長に期待する株式への“投資”とは異なり、コモディティの値段は需要と供給によって決まる要素が多く、ある意味“賭け”的な部分が多いです。そのため、持つ場合は投資ポートフォリオの数パーセント以下にとどめるのが基本です。リセッションがくるからといって投資比率を上げるのがいいとは思いません。
最後にキャッシュ・・・
残るは1のキャッシュですが、これは特筆すべき点があります。
まず、基本は現金化はしない=何もしないということです。まだリタイヤメントまでに10年以上の期間があるなら、回復&成長を十分に待てるからです。あるいはあと〇年でリタイヤしようと思っていたけど、市場の状態が悪いなら少し長く働いてもよいというフレキシビリティがある方も、待てることになります。今はむやみにポートフォリオをいじらず当初に組んだ長期投資を維持するのがよいでしょう。
例外は、お金を使う予定がすでに目前の方です。もしも、お子さんの大学入学年が数年以内であったり、あるいはリタイヤする予定が数年以内という方は、ポートフォリオからお金を引き出すタイミングを繰り上げ、今から現金プールを多めに蓄えておくのがよいように思います。ポイントは、“下がった時に手付かずのまま上がるまで待てるか”です。待てない分だけの金額は、リセッションが来る前に、必要によって何回かに分けて引き出し(タイミング分散)現金で持っておくというのが賢明です。
こうすることで、リセッションが本当にきてから安く投資を売らざるを得ないことを回避できます。ただ引き出すのは、あくまで”待てない“部分、どうしても使わねばならない金額だけにしましょう。待てる部分はそのままのポートフォリオで長期投資を続けましょう。たとえば、今65歳で、67歳でリタイヤするというようなケースなら、当面3年~4年分くらいの生活費には困らない額を現金化しておきますが、それを超えたお金は今までの投資で継続して増やします。67歳でリタイヤしても、寿命がくるまでには20年とか25年とかある可能性が高いわけで、残りの部分はリスクをとって長期投資ができるから(また、リスクをとって長期投資をしないと、早くリタイヤメント資金が枯渇してしまう可能性が高いから)です。
とうことで、リセッションへの対応は、基本は何もしない、数年に必要な部分だけ現金化となります。
Smart & Responsibleのファイナンシャルプラニング(2)
今までプラニングを使っていただいた方々はどんな人?
Smart & Responsibleでこれまでプラニングサービスをご利用いただいた方の年齢は以下のようです。安定した収入ができ、家庭をお持ちになる可能性の高い30代、40代の方の比率が高いですが、これからファイナンス基盤を作っていく20代や、反対にリタイヤメントがだんだんと近づき具体的な老後のプランを練り始める50代、60代はもちろんのこと、リタイヤメントに入ってからの70代の方もいらっしゃいました。
また、世帯年収では以下のような分布でした。$100,000~$150,000が最も多く、次いで$50,000~$100,000でした。ファイナンシャルプラニングに最適な年収というのはありません。入ってくるお金が多いなら多いなりに、少ないなら少ないなりにプランが必要です。
さらに、純資産(資産から負債をひいたもの)は下のような分布になっています。純資産$500,000までが最も多い層でした。収入と同じで、ファイナンシャルプラニングに最適な純資産というのも存在しませんが、資産が多くなればなるほど、資産の種類も多くなり、それだけプラニングが複雑になるという傾向はあるかと思います。
Smart & Responsibleの得意と不得意
これまで数百人の方のプラニングをお手伝いをしてまいりました。個人を相手にするサービスであり、代金の回収が大変ではないか(回収率が低いのではないか)と危惧してくれる知人もいましたが、Smart & Responsibleの回収率はインボイスをお出ししてから1週間以内でほぼ100%です。通常は、最終の分析レポートをお出ししてからご質問などを承り、それが落ち着いてからインボイスをお出ししますが、サービスに満足いただいているケースが多いためか、ほぼ即日1,2日以内にお支払いいただけるのが90%以上です。超良好な回収率の裏には、プラニングサービスについてお客様からご連絡いただく時点で、すでにブログなどを読んでいただいておりSmart & Responsibleの考え方などに賛同いただいている、裏返せば異なるものを求めていらっしゃる方はご連絡をいただかないということかと思います。
今まで1件だけ、ご不満がありお支払いをいただけなかったケースがあります。そのお客様はたくさんの不動産をお持ちで、リタイヤメントは不動産収入中心で・・という方でした。反省するに、私のお出ししたレポートはあまりに簡略的で、全く詳細を欠いていたのだと思います。長いリタイヤメント期間の間の物件の老朽化や買い替えなどのタイミングや前提づくりなどを踏まえて、不動産収入の確実性をどう見込むかなどは、私の不得意分野です。不動産収入を年金などと同じように定期収入と見込んでモデル化することは可能ではあります。ただ不動産収入が収入源のメインという方はそれぞれのマーケットに詳しい不動産専門家にご相談されるのが良いと思います。
一方で、Smart & Responsibleの得意とする分野は、今まで書いてきた包括的なパーソナルファイナンスの要素のバランスをとりつつ、長期投資においては低手数料のインデックスファンドを基本に、投資期間とリスク許容量を踏まえながら高くリスク分散した投資ポートフォリオで運用しつつ備えるという方法です。特定の個別株やホットで旬な投資ファンドをお勧めするというような短期的視野には立たず、インデックスファンドを使った長期パッシブ投資(売り買いを繰り返さない投資)を基本に考えます。
インデックスファンドを使った長期パッシブ投資については、こちらの特集シリーズの、「わかる長期投資特集」と「インデックスファンド投資をわかる特集」をご覧ください。
Smart & Responsibleのプラニングは、特に投資に興味があり時間と労力を割いてがんばりたい・・という方でない方向きです。、一般に多くの方は、不動産や特定株のように投資資産を一極集中することで得られるハイリスク・ハイリターン狙いではなく、広く投資を分散させることでリスクを抑えつつも、ゴール達成ができるだけのちょうどよいリスクをとり、長期的に低手数料運用していくのが、一番簡単で効率的であるという信念に基づいています。
Bestな使いかた
これまでSmart & Responsibleを使っていただいたケースを振り返るに、お客様のタイプでいくつかのパターンに分けることができるかと思います。
Starting&Growing (20代から40代) :
キャリアが軌道にのりそろそろ将来を見据えお金の使い方を検討したい、結婚、出産を機に、新しくファイナンシャルプランを作りたい、子どもが大きくなるにつれ学資やリタイヤメントを視野に入れつつバランスの取れたバジェットを構築したい、負債の返済計画を作りたい、他のニーズとの整合性をとりながら家の購入をすべきかどうか、いくらまで大丈夫かなどを知りたいなどは、今から家計を建て上げ、また力強く貯めていくフェーズで対応が必要な問題です。計画的な準備が必要ではありますが、まだお子さんの行く大学もリタイヤメント後の生活もあまり具体的には想像できません。ただ、それでも長期的な貯蓄・投資は必要です。このような場合には、大きな枠で長期的ゴール設定を絞りすぎない程度に緩やかに行いつつ、現在手元にある現金の使い方の最適化にフォーカスを置いたプラニングサービスをお使いいただくのが良いかと思います。同時に、職場のベネフィット利用を最適化したり、401(k)などの投資ポートフォリオの見直しも行います。また、万が一の場合に備える保険のチェックも欠かせません。
Goals in view (40代から60代) :
だんだんと長期的ゴールが可視化してくるフェーズです。お子さんの大学にどのくらいのコストを見込めばよいか、リタイヤメント後にはどのような生活がしたいかが少しづつ明確になってきます。ソーシャルセキュリティやその他の年金なども受給額の目途が立ってきますので、その受給開始時期の最適化も行います。このフェーズでは、具体的なゴールを明確化するとともに、不安に思っていることなども洗い出していきます。ゴールは、Need(絶対必要なレベル)、Want(なるべく実現したいレベル)、Wish(できれば実現するとうれしいレベル)に分けて考え、不安材料などと合わせ、それぞれの実現可能性を割り出していきます。実現可能性が低い場合には、どのような要素をどう変更すれば実現可能性が上がるかについてシナリオ判断します。シナリオ判断の結果を持って、必要な軌道変更などを行い、ゴール実現への道を可視化していきます。
Near or In Retirement (60代から70代):
リタイヤメントを目前に控えているフェーズです。今まで蓄えてきたリタイヤメント資産、ソーシャルセキュリティ、その他の年金などを合わせて考慮し、リタイヤする時期の判断や、リタイヤメント資産が枯渇しないようなお金の引き出し方、節税を視野に入れた401(k)などのRoth IRAコンバージョンや、固定収入確保のためのアニュイティの購入などを総合的に見ていきます。また、これまで貯めてきた様々な投資口座を整理して、管理を簡略化し、スムーズなお金の引き出しを実現することも考慮します。この時期でも、Need(絶対必要なレベル)、Want(なるべく実現したいレベル)、Wish(できれば実現するとうれしいレベル)とともに、不安材料を洗い出していって、リタイヤメント資産の枯渇を防ぐ実行可能性を上げるためのシナリオづくりをしていきます。
以上はすべてHolistic(包括的な)ファイナンシャルプラニングサービスです。フェーズの違いで考慮する要素に変化はあるものの、お客様のパーソナルファイナンスに関わるすべてのエリアを考え併せます。
まだ、どのフェーズにあっても、お客様のファイナンシャル知識の向上もお手伝いさせていただきます。日ごろから疑問に思っていること、今一度よく理解できないことなども同時に確認する機会を提供いたします。体系的に学びたいという方には、お読みいただくとよいブログ記事をお勧めしながら、全体的に理解するためのお手伝いをします。
一度Holistic(包括的な)ファイナンシャルサービスをお使いいただいた後は、転職した、お子さんが生まれた、引っ越したなど家計で大きな変化があった場合や、そうでなくとも3~5年に一度、メンテナンスチェックとして、立てたプランの進行度や方向性チェックなどをすることをお勧めします。
Smart & Responsibleのファイナンシャルプラニング(1)
Holistic &Hourly Fee Onlyアプローチ
Smart & Repsonsibleは、Holistic(包括的)なファイナンシャル・プラニングを提供いたします。パーソナルファイナンスにおいてお互い関係しあう要素を包括的に考え併せ、部分最適ではなく、全体的な最適解を探します。考慮される要素には、下記のように保険によるリスク管理、リタイヤメントや教育などの長期運用、税金面での考慮、収支バランス、バジェット管理、ローン返済、家や車など大型消費プラニング、ソーシャルセキュリティ年金受給プラニング、リタイヤメントの引き出しプラニングなどを含み、その方その方のニーズに合わせて決定します。現在の収入をどう使い、どう貯めるかという現時点のお金の使い方のバランスを考えながら、将来的にお金が必要となる時に備えるためゴールを洗い出し、ゴール実現への道を計画します。
Smart & Repsonsibleは、Hourly Feeのみで報酬を得ます。特定の金融商品の販売や推薦によるコミッションはいただきません。また、手数料をいただいて投資資産の管理をすることも行っていません。完全にお客様の立場に立って、金融商品や投資ファンドの推薦を行います。また、お客様のほうから指定いただく商品に対する中立的な目での吟味・分析も行います。可能な限りいくつかの選択肢を用意し、それぞれ長所・短所などを上げながら、お客様がご自分にぴったりのものをご自分で選んでいただくための意思決定サポートを行います。選択肢を挙げられないような問題の場合にも、お薦めするプランがなぜよいか、問題があるとすれば何かについて説明させていただきます。お客様ご自身で納得のいく選択をすることができるようにお手伝いいたします。
よって、決断はお客様のおしごとです。また、ファンドの購入や保険の加入など、プラン実行はお客様でやっていただくのが基本です。必要に応じ、プランの実行もHourly Feeベースでお手伝いすることができます。
Smart & Responsibleのチャージのしかた
今までSmart & Responsibleでお受けしてきたケースでかかった所要時間は、1時間~18時間までの範囲です。1時間というのは、簡単にお答えできるご質問を1,2ついただき、メールで回答したものです。18時間というのは、収入や資産構成が複雑で1度のレポートですぐに答えを出すことが難しく段階的に詰めていくことが必要だったり、あるいは最初にお出ししたレポートから、さらに新たな分析事項が生まれ、何回かのステージで分析範囲が拡大していったようなケースです
これまでのやり方では、ご連絡をいただき詳細情報をいただいてから分析内容を確定し、それにかかる時間を見積もり、かかった時間分だけをチャージさせていただいていました。他のファイナンシャルプラナーも抱えている問題なのですが、この時間を正確に見積もるというのは大変に困難な作業です。よくリノベーションするときにコントラクターが、「やりはじめて壁の中(あるいは屋根の下などでも)を見てみると問題が出てくることがあるので、正確な見積もりは難しい」と言うのを聞きますが、それと同じで、プラニングもやりはじめてみると、当初予測ができなかった要素にも時間がかかり、始めの見積もりをオーバーするということはよくあります。見積もりを出して、それをオーバーしたことは頻繁でしたが、かといって、見積もり上限以上にお支払いいただいたことはありませんでした。とにかく見積もりは難しいというのが本音です。
こんな状況を踏まえ、今後の新しいシステムでは、ある程度パッケージ化したサービス提供に移行する予定でいます。それぞれのケースの簡単さ、複雑さに応じて、ある程度の料金の調整ができる柔軟さは確保しながら、パッケージ1、パッケージ2のように商品化したサービスで基本固定料金を設定した形になります。これにより複雑な見積もり作業がなくなり、またお客様のほうでもあらかじめWebページ上で基本的なトータル料金を見ることができるようになります。新システムは秋から開始の予定で適宜お知らせします。
Smart & Responsibleを使っていただくのにぴったりのお客様は
ファイナンシャルプラニングに限らず、どんなサービスであっても、サービスを利用する人のタイプは、大きく下の3つに分けられます。まずは3つのタイプを見てみましょう。
Delegator(おまかせタイプ):
理由はいろいろでしょうが、時間的にまたは能力的にすることができない、またはできるけどしたくないので、人に完全に委任して(Delegateして)おまかせしたいタイプです。ファイナンシャルプラニングの場合だと、とくに投資資産管理などで、ファイナンシャルアドバイザーを立て、たとえば年間投資資産の1%というような管理手数料(AUM Fee=Asset Under Management Fee)を払って、ポートフォリオづくりからリバランスまで全部おまかせするケースなどがそれです。また、金融商品の選択なども、信頼できる人に選択決断を委託してしまい、面倒なことはすべて丸投げしたいという方です。
Do-it-yourselfer(自分でやるタイプ):
Youtubeを見てやり方を勉強したり、自分なりに情報を集めて学んだりで、自分で決めて自分で実行するタイプです。最近では、401(k)で提供されるファンドも低手数料のインデックスファンドが増えてきていますし、またそれをベースにしたターゲットデイトファンドが提供されていることも多くなりました。ちょっと下地の勉強をしたら、自分でファンドを選んで投資をするということは決して敷居の高いことではなくなりました。
Validator(確認したいタイプ):
ValidatorはDelegatorのようにお任せにしたくはないが、Do-it-yourselferのように完全に自分でやるのも少し不安が残るので、自分の考えていること、やろうとしていることをValidate(お墨付きをもらう)したいタイプです。一応自分で調べてやっているけれど、ファイナンシャルプラナーに確認したいというようなニーズを持つ人です。
Smart & Responsibleでは、パーソナルファイナンスに関わるさまざまな情報をできるだけわかりやすく提供することを目指しています。これは、Smart & Responsibleを始めた動機でもあり、いわばミッションとも思ってやっています(同時に情報を整理することで、プラナーである私自身の勉強にもなっています)。Do-it-yourselferである方がこれらの情報を使って、ご自分で解決できることがあれば大変うれしく思います。
また、問題が少し複雑であったり、いくつかの要素が絡み合うので、自分の選択があっているか確認したいというような場合や、もっといいやり方があるかもしれないので検証してほしいというようなValidatorニーズには、Hourly Feeのプラニングサービスをお使いいただければと思います。
包括的なプラニングとなると、どうしてもDo-it-yourselfでは追いつかない部分もあります。その場合は、お客様と一緒に最適解を探っていき、最終的に納得のいく回答へと導くタイプのプラニングサービスをお使いいただくことになります。このプロセスにはお客様ご自身も、情報提供に始まり、どうしたいか、どう思うかなどインプットをいただく機会がたくさんあり、最終的にはご自分にとって最善の意思決定をしていただくので、広義のValidatorに属するかと思います。
こんなわけで、Smart & Responsibleのブログを読んでいただくのにぴったりなのはDo-it-yourselferとValidatorタイプの方であり、有料でプラニングサービスを使っていただくぴったりのお客様はValidatorタイプの方です。完全に、お任せで自動操縦でやってほしいというDelegatorタイプの方のニーズには、対応できるサービスではありません。
ファイナンシャルプラナーのいろいろ
Sales Commissionタイプ:
これは最も古くからあるタイプで、投資ファンドや保険ポリシーなど金融商品の販売によりコミッションを得るタイプです。販売においては、細かく顧客の状況を聞き、必要なシュミレーションなどもしながら、商品の長所・短所を説明する必要がありますが、このようなコンサルテーションは無償で提供します。その代わり、商品が売れた場合には販売時の手数料や、あるいは年々の運営手数料の一部を継続的に受け取ります。金融商品を持ち続ける顧客は、必要に応じて、販売したアドバイザーに連絡をとり、継続的なサービスを受けることができます。
Asset Under Management(AUM) Feeタイプ:
過去数十年の間に、販売によるコミッションベースから、販売によらない手数料(Fee)ベースへのシフトが急速に進んできました。とくに大きく発展したのが、AUMモデルです。Asset Under Managementとは、アドバイザーが投資・管理する投資資産のことで、通常は401(k)などのリタイヤメント口座は含まず、アドバイザーが直接手を下し選択したり売り買いのできる投資資産をいいます。
AUM Feeは、投資資産の大きさによっても変化しますが、平均は1.02%/年(2017 AdvisoryHQ study)です。投資資産が大きくなるとパーセンテージが下がるのが普通です。反対に投資資産が小さいと、パーセンテージが上がったり、あるいはそもそもサービス提供を受けてもらえないこともあります。$1,000,000投資資産のあった場合の1%は、年間$10,000収入になりますが、$100,000の1%は$1,000であり、アドバイザーにとってサービス提供が効率的でないからです。$250,000程度が最低投資資産ラインに設定されていることが多いようです。Feeは、ファンド自体のファンド手数料に追加でかかります。
AUMは必然的に、投資マネージメントに焦点があたります。保険などエリア外のことは、カバーされないことがほとんどです。
Robo Advisorタイプ:
BettermentやSwellなど、最近よく話題に上るロボアドバイザーは、いわばAUMモデルのロボット版です。AUMはアドバイザーという人間が投資ポートフォリオを組み、その後リバランスやアロケーション変更などの管理を行いますが、ロボアドバイザーはこれをソフトウエアで行うというイメージです。ソフトウエアで自動化する部分が大きいため、AUMモデルのように一定の投資資産をもっていることを必要条件にされることもなく、誰でも気楽に始められます。Feeは、投資資産の0%(少額投資)から0.89%程度までで、平均は0.40%/年です。Feeは、ファンド自体のファンド手数料に追加でかかります。
また、Vanguard やSchwabなどロボアドバイザー機能に加えて、必要なら人に直接話せる機能を合わせて提供しているところもあります。いずれにせよAUMモデルと同じく、焦点は投資マネージメントにあたります。
自分の投資スパンやリスクに対する姿勢、その他の財産などを入力し、自分にカスタマイズしたポートフォリオを安価に組んで欲しいというニーズがある場合には、力づよい味方になるでしょう。また、投資額が小さいうちは%ベースの手数料は絶対額にして非常に小さい額ですから、とりあえず若いうちはロボアドバイザーで始めておいて、そのうちもっとパーソナルファイナンスが複雑になったら(結婚した、家を買う、子どもが生まれたなど)、必要に応じ広い範囲のプラニングサービスを使うというのも悪くないでしょう。
低手数料のインデックスファンドを使ったBuy&Hold(いったん買ったら持ち続ける=売り買いをしない)のパッシブ投資が、最近では大きなトレンドになってきています。低手数料インデックスファンドを4つも合わせれば、リスクを広く分散させた優良ポートフォリオが簡単に作れる時代です。このことは、Do-it-yourselfer(自分でやるひと)には追い風で、AUMモデルにせよ、ロボアドバイザーにせよ、ずっとかかり続けるFeeに渋い顔をし、自分でやろうとする顧客層も存在します。
また、最近ではリタイヤメントのTarget Date Fundや、学資準備の529のAge-based Portfolioなど、いつ退職するか、いつ入学するかというターゲット年に合わせて、時間経過するにつれ自動的にリスク調整を行うファンドも人気を博しており、このようなファンドを使えばわざわざAUMやRobo Advisorはいらないとする人たちもいます。
Retainer タイプ:
AUMタイプではカバーされない投資マネージメント以外のさまざまなパーソナルファイナスの要素をカバーするモデルで、月ごとの料金(Monthly Retainer)か、年間料金(Annual Retainer)かの形で、継続的に料金を支払い、必要に応じ継続的にサービスを受けるモデルです。アドバイザーによっては、まず初回は数千ドルで包括的なファイナンシャルプラニングを行い、それ以降は月/年の料金を徴収しながら、プランしたことの実行を助けたり、その後の投資モニタリングを行ったり、必要に応じて質問に答えたりなどの継続サービスを提供するというタイプもあります。
料金は、AUMのように投資資産に対して一定パーセンテージがとられるというのではなく、誰が利用しても一定額です。典型的な料金は、年間にして$2,000から$7,500の間です(Nerdwallet)。
Charles Schwabがロボアドバイザーに加えて、Retainerタイプのサービスを始めました。最初は、オンラインで入力された情報をもとに1時間のミーティングででファイナンシャルプランを作り(初回$300)、その後月々$30で必要なヘルプ、相談を提供する(30分ミーティング)というものです。バジェットつくり、リタイヤメント、学資などのゴールのための投資などまで相談にのってくれます。比較的短時間でシンプルにプランを作り、実行するためのヘルプもちょこちょこっつと欲しいというタイプの方にはお手頃なサービスだと思います。
Hourly Feeタイプ:
このタイプは、単に必要な時間だけ必要なサービスを提供し、かかった時間に対し時間給でチャージします。ポートフォリオの見直しだけ、生命保険のチェックだけというように、単発課題だけを取り組むこともあれば、全体的かつ包括的なファイナンシャルプラニングとして、すべての要素を分析することもできます。Smart & ResponsibleはこのHourly Feeシステムを使っています。
Hourly Feeは$200~$400程度が典型的です。Hourly Feeモデルでは、ひとつひとつの案件にかかる時間数を見積もることが必要となりますが、これが実はなかなかむずかしいものです。やりはじめて分析していってはじめてわかる要件というのもあって、見積もった以上に時間がかかることも少なくありません。よって、Hourly Feeの考え方をベースにしながら、案件ベースでFlat Fee(固定料金)を課すモデルもあります。Flat Feeでは、案件によりますが、$1,000から$3,000が典型的な範囲です。一般的に収入が多いほうが、資産構成も複雑になる傾向があり、同時にプラニングの複雑性も高まります。一般に、収入の1%から2%程度が包括的ファイナンシャルプラニングのコスト目安とされています。
Hourly Fee/Flat Feeベースのアドバイザーの多くは、包括的パーソナルファイナンスをカバーする場合が多く、全体的なプラニングをし、アクションプランの実行は必要に応じ時間給でヘルプするというような形が主です。
ファイナンシャルプラニングって何?
ファイナンシャルプラニングの領域
Smart & Responsibleが行うファイナンシャルプラニングは、Holisticアプローチを使っています。Holisticとは「全体」を意味し、たとえば医療などでHolisticといえば、身体面だけでなく精神面や「気」まで考慮にいれた統合的な治療法をさしますが、パーソナルファイナンスに使われる場合も同様にそれに関わる要素を包括的に扱うということをさします。
ファイナンシャルプラニングと一言でいいますが、カバーする範囲は大変に広いです。しかしながら、その広い範囲の一部をとりあげて、他の部分は無視したまま、計算したりシュミレーションしたりして決断をするということも案外よく行われています。たとえば、家を購入するとして、今頭金に出せる資金がいくらあり、いくらいくらの家を購入したら、どのくらいのモーゲージを抱えることになり、月々の返済がいくらか・・というような試算はよく見ますね。頭金もあり、月々の返済もできそうならば、家の購入をしてよいと判断するかもしれません。しかしながら、ここに、リタイヤメントや学費準備についての観点を入れ込むと、もしかしたら、頭金に充てようとしているお金をカレッジ資金準備のための長期投資に回した方がいいかもしれないという選択肢も生まれる可能性がありますし、月々のモーゲージ返済は問題なくできそうだったとしても、モーゲージ返済を少し削って月々の401(K)への積み立てを上げた方がいいという判断が生まれる可能性もありえます。
アニュイティを購入しようとした方は、将来の収入の試算表を手にすることがあるでしょう。それはアニュイティにだけ関わる部分のプラニングです。それだけを見ていても、将来のソーシャルセキュリティと合わせてどのくらいの年金収入になるのか、その収入で将来の必要経費の何パーセントをカバーするのかなどはわかりません。全体的に見て、他にどのくらいのリタイヤメント資産を蓄えておく必要があるのか、今の401(K)で十分かなど、大きな図のなかでとらえる方が最適な決断ができるでしょう。
また、お金をどう使うかだけではなく、それにより税金面での影響はどうかについても考えことも必要です。直接的にいくらかかるかだけではなく、それにより税金が増えればそれは追加の費用として考慮する必要がありますし、それにより控除があり税金が減れば、それは直接かかる費用を削減するものとして考慮せねば、全体的に最適な解は得られません。
雇用主提供のベネフィットの活用も大切な分野です。節税できる可能性がまだ残っているのに、使わないままになっているベネフィットがあるかもしれません。反対に、ベネフィットを使わないほうがいいのに使ってしまっているケースもあるでしょう。雇用主提供の生命保険がトクに違いないと加入していたら、実は別個で個人加入した方が安いということもあります。何を取って何を捨てるか、これも包括的に考えていきます。
さらにはお金をどう守るかも一緒に考える必要があります。十分な貯金、十分な資産運用をしていても、家が火事になった、大きな事故に遭った、家計の大黒柱が病気になって働けない・・など万が一のことがあった場合、一生懸命築き上げてきたものがいっきに崩れるのでは大変なことです。万が一のことがあっても、崩れ去らず何とか持ちこたえることができるセーフティーネットを提供してくれるのが保険です。保険は大変重要ですが、無駄な保険に入ることは大きな無駄遣いです。保険は必要なだけ、ただし無駄なく持つこと、これもファイナンシャルプラニングの大切な要素です。
お金はひとつの場所に使えば、他の場所には使えない・・・といえば当たり前ですが、つねにこのトレードオフを考えつつ、全体的に最適になるようにお金の使い方の配分していく必要があります。
今、現在の収入をどう使い、どう貯めるかという縦方向のトレードオフを考えるとともに、将来的にお金が必要となる時に大丈夫なように、今使う代わりに貯めておくという横方向も考えに入れる必要があります。
ファイナンシャルプラニングはつまるところ、今から死ぬまでの間の収支をうまく合わせることが目的です(もちろん、人によっては、次世代への相続まで考慮に入れる場合もありますが)。今の収支も考えつつ、将来の収支も合うように計画すること、全体図をとらえつつ、さまざまに絡み合う要素を広く考慮して、存在するいろいろな選択肢を比較しつつ自分に最適な道を選んでいくこと、これがHolisticアプローチの意図するところです。
ファイナンシャルプラニングの意義
ファイナンシャルプラニングの意義は、大きく4つあるかと思います。
トレードオフが見える:
今使うか、将来のためにとっておくかという時間軸上のトレードオフや、今この時使うにしても、使うならAに使うか、Bに使うかという使い方の種類上のトレードオフがあります。お金の使い方にはいろいろありますが、それらに優先順位をつけ、順位の高いものからお金を割り振っていくことで、同じ使うにも有効な使い方ができるようになります。
バジェットをつくり守るのが得意な方なら、お金の使いかたを優先順位によって細かくプランしそれに沿って生活するものよいでしょうし、反対にバジェットはどうも苦手という方なら、優先順位の高い部分だけしっかり押さえ、あとはある程度の自由度をもって生活するという方法もあります。
ゴール達成への道が見える:
家や車の購入など短中期的ゴールから、学資やリタイヤメントなど長期的ゴールまで、実現可能性を把握し、それを実現すべく貯蓄や投資などのしくみをつくり、ゴールまでの道を可視化することを実現します。
そもそも自分たちにはどのようなゴールがあるのか、自分たちらしい生き方をするためのゴールは何か、それは現実的なものか、それを実現させるだけの十分な資金や準備期間があるか、どう具体的に準備すればよいかを明らかにできます。このような情報を整理すると、ついつい将来を考えるのを回避して貯めないということも、反対に心配し過ぎてため込みすぎるということも最小化でき、目的意識をもった貯蓄・運用ができます。
安心して使う:
どうしても欲しい服、どうしても行きたい旅行、どうしても参加したいセミナーなどなど、お金を使おうかどうか迷ったことはおありでしょうか。そんな時、トレードオフが良く見え、優先順位の高いものはしっかり押さえ、将来のゴールへの道は軌道にのっていることがわかっていれば、罪悪感を感じずお金を使うことができます。結局ファイナンシャルプラニングは貯めるためにあるのではなく、使うためにあるのです。貯めたままで死にたい人はあまりいないでしょう(子どもに莫大な相続を残したいというのなら別ですが)。将来のために貯めるのも、それは使うためであり、いつもいつも罪悪感を覚えて不安にかられながらお金をつかうのであれば、それは悲しいことです。
やることをできる限りでプラニングしたあとは、使えるお金があるなら安心して自由に使うことができるようになります。
時に流されない:
「今はビットコインが旬」だとか、「〇〇株が期待」だとか、「ゴールドが上昇中」だとか、「××ファンドが二けたの利回り!」だとか、「株式市場は降下傾向」だとか、いろいろな気になるニュースが現れますが、ファイナンシャルプラニングで自分たちのスタンスをつくり、ゴール実現のシステムをつくっておけば、それらに流されることを防くごとができます。
長期的に見て安定的なゴール実現のしくみをつくるので、時がよいときも悪い時も、そのしくみを忠実に守っていく土台を持つことができます。そのしくみには必要な微調整こそすれ、時の良し悪しや流行でちょこちょこ変更を加えることはありません。
Smart & Responsibleはじめ・いま・未来(3)
Smart & Responsibleの葛藤
Smart & Responsibleをビジネスとして始めるには葛藤がありました。わたしは聖書をこよなく愛するクリスチャンなのですが、お金という現実的なものを扱い、またそれを計画するファイナンシャルプラナーという仕事は果たして神様の喜ばれることなのかどうか、心に迷いがあったからです。お金に焦点を当てることは大事なものを見失うきっかけにならないか、また「計画する」ということは、計画通りにものごとを薦めたいという自我や、計画通りに行かないとどうしようと心配したりとらわれたりして、神の大きな恵みを見過ごすことにつながらないかという思い煩いでした。聖書に以下のことばがあります。
それだから、あなたがたに言います。
何を食べようか、何を飲もうかと、自分のいのちのことで心配したり、
何を着ようかと自分のからだのことで心配したりするのはやめなさい。
いのちは食べ物以上のもの、からだは着る物以上のものではありませんか。
空の鳥を見なさい。種まきもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。
それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。
あなたがたはその鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか。
あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを延ばすことができるでしょうか。
(マタイによる福音書 6章25-27節)
進むか止めるか決めかねていたところ、私を洗礼に導いてくださった牧師先生が、創世記に出てくるヨセフという人の逸話をもって励ましてくださいました。ヨセフはすぐれた管理能力を用いて財産・資産管理をした人でした。イスラエル人でありながら兄弟によってエジプトに売られたものの、エジプトではファラオから絶対の信頼を得るに至り、エジプト全土の穀物を管理し飢饉に備えて蓄え、飢饉が来てからは計画的に穀物を各地に配布し、エジプトだけでなく近隣諸国まで食物供給を行った人です。牧師先生は、このヨセフの逸話を持って、「あなたのやろうとしていることは価値あることです。お金がいけないものだとは聖書には書いてありません。お金にとらわれることが罪なのです。私たちが手にするお金でさえ神様が与えれくださる貴重なものであり、それを賢く管理し賢く使うことはStewardship(財産管理、委託責任)という聖書でもとても大事な概念です。お金のことを考える能力も神様が与えてくださった賜物です。どうかその賜物を使って、多くの人のために働いてください。」と励ましてくださいました。
この激励がなければ、私は決してファイナンシャルプラナーの仕事をしていなかったでしょう。実際はじめてみて、ますます神の偉大さを知るとともに、自分の小ささを思い知っています。
プラニングしきれない人生
偉そうにファイナンシャルプラナーなどと名乗っていますが、私にはわからないことがたくさんあります。たとえば、リタイヤメントプラニングをしていても、私たちには最も決定的な情報がありません。計画するに最も決定的な情報、それはいつ死ぬかです。いつ死ぬかがわかれば、ちょうど採算がうまく合うように、ちょうどいいだけ貯め、ちょうどいいだけ使うという計画ができます。
また、インフレーション率や株式市場の利回りなども、将来どうなるかなど正確に予想することは不可能なので、いろいろな数字を想定してシュミレーションするしか私たちには手がありません。「決定的に将来をわかること」は到底ありえず、そういう意味ではファイナンシャルプラナーのするシュミレーションというのは、つたない限度あるものだと思い知ります。どんなに有能なファイナンシャルプラナーがするプラニングであっても、それがそのままその通りに実現する確率はほぼゼロです。一瞬無力感をも覚えますが、ただ同時に、Stewardshipとして託していただいたお金を大切に管理し、限られた範囲ではあるが知恵を尽くしてできるだけのことをする、そしてそのあとは、上の聖書のことばどおり心配しないこと、神様は鳥を養うように、私たちも養ってくださることをからだで理解することができるようになりました。
また、住むのにも、食べるのにも、着るのにも困らないお金があって命は維持していけるのに、いのちがない場合もあるということにも考えを馳せました。聖書で、「いのち」とひらがなで書くときは、それはだた息をして生命があるというだけではなく、自分がつくられたままの形で生き生きと平和に喜んで生きている・・状態であることを差します。命があっても、いのちがない。
マザーテレサ来日の際に、豊かな国日本をご覧になって口にしたことばが心にのこります。
豊かな国では、パンのために人が死ぬことはないでしょうが、
さびしさのために人が大勢死ぬことでしょう。
お金はなんのためにあるのか
お金は使うためにあるのだと思います。もちろん、お金を稼ぐことは大事です。でもなぜ稼ぐのかといえば、使うために稼ぐのです。お金を貯めることは大事です。でもなぜ貯めるのかといえば、将来使うために貯めるのです。子どもに相続させたいという方がいらっしゃるでしょうが、それもお子さんが使うために相続させるのだと思います。つまるところ、お金はいくらためても、死ぬときには持って行けません。この人生で生きていてこそのお金です。
学資やリタイヤメントのために貯めること、長期投資することは大変大切ですが、これは増やすことが最終目的ではなく、今使うのと将来使うのとをバランスをとりつつつじつまを合わせていく作業です。節約したり貯めたりしていると、だんだんと残高が増えることに心がとらわれて、本当はお金は使うためにあるということを忘れてしまいがちになります。ともするとお金を使うと罪悪感を感じるというような症状もでてきて、そうなるとお金がたくさんあっても使えない・・・大変不自由なことにもなります。
お金はまずは命の維持のために使われるべきであり、その次にはいのちの育みのために使われるといいなと思います。生命を維持する衣食住を満たした後は、いのちを育む豊かな人間関係のために使われると素敵だと思います。Harvard Study of Adult Developmentというプログラムが、70年以上にわたり人々をしあわせにする要素について研究し続けた結果、人間関係とその質、安定した結婚などが人の幸福度にとって非常に大切だということがわかりました。
私たちの社会は、幸せを考えるとき、金銭的な財や仕事や地位などに多くの重きを置きますが、この70年以上もの間をかけて行われた研究結果では、そのどれでもなく、家族、友人、コミュニティでの人間関係に満たされている人がより幸せであるということを物語っています。この研究は、Harvard大学の学生とボストンのインナーシティの青少年というある意味で社会的に両極端にあるような人たちを対象しています。財にしても、学にしても、持つものと持たないものという対照がそこにはあるように思いますが、人がどれだけ幸福であるかを考えるとき、この要素がまるで語られない、つまり統計的に幸せを決定する要素ではなかったことは興味深いことです。
となると、使うためにあるそのお金の賢い使い道は、人間関係に投資することだと思ます。家族旅行、両親への感謝、困った人への差し入れ、子どもが本当に必要とするものへの出資、自分や相手を豊かにする本や音楽や芸術、家族が集うためのリビングの改装、特別をお祝いする食事などなど。。時間と思い出を共有するために使われたお金は、Vanguardのミューチュアルファンドよりはるかに高い高利回りを生んでくれるような気がします。そして、その利回りこそがいのちのような気がします。
私のするファイナンシャルプラニングでは、いのちまでは計画することはできませんが、ただお金の管理の仕方、使い方を考えるきっかけをつくることで、いのちに考えを馳せる糸口くらいは提供できるかもしれないという希望もあります。
Smart & Responsibleはじめ・いま・未来(2)
Smart & Responsibleの由来
なんでこんな舌を噛むような名前にしたのか。。。Smart & Responsibleという名前は、私自身そうなりたいな~という希望をこめて作ったものです。
Smart・・・
私たちはお金を使ってモノを買ったり、サービスを買ったりして生きていますが、賢く消費するために必要なものごとのしくみについてできるだけの理解をすることと、自分たちの権利をしっかり知ることがとても大切だと感じています。そうでないと、あふれるPR情報に流されてしまい、“ものを買わされ”ているのに、それさえにも気づかないような鈍感な者になってしまいがちです。
私が大学生のころ、ヨーロッパに遊学に行きました。半年アルバイトしてお金を貯め、その後の半年はロンドン、ミュンヘン、カンヌにそれぞれ2か月ずつ滞在し、英語とドイツ語とフランス語の学校に通いました。当時(年がわかる・・・)インターネットはなく、赤坂にある日米教育委員会に通い、そこに揃えられた各国の語学学校を選び、電話とファックスで連絡をとりつつ、授業や滞在先を申し込みました。Google Mapなどないので、そこにたどり着くのもドキドキもの。地図と「地球の歩き方」を片手に手探りで行きました。自分の子どもがその年になった今、振り返ってみれば、弱冠21歳の娘をよく一人で遠くヨーロッパまで旅に出した(ケイタイ電話もない時代!)と親にもあっぱれと思う一方で、振り返ると自分もよく行ったものだとも思います。考えるに、これは日米教育委員会が、洗練された学校の確かな情報をそこに準備していてくれたからだと思います。そこまで行けば、たしかな情報があったのでした。感謝なことです。
現在は、赤坂まで行かなくても、インターネットで情報はすぐ見つかります。今や、情報がない時代ではなくて、情報がありすぎてどう選んでいいのかわからない時代とでもいいましょうか。Fake Newsの時代でもあります。確かそうに見えて実は落とし穴があるような情報も、大きな顔でネット上に居座っています。
目に良くつくひとつ、ふたつの情報をみてすぐ飛びつくのは賢明ではないでしょう。広く情報を見渡しつつ本当に信頼のできそうなものだけを見極め、自分にとって必要な情報やものを選択していくということも大切だと思います。またものやサービスは比較して初めて、それの良いところ悪いところが浮き上がってくるので、多少面倒でも比較検討を怠らず納得のいく決断をする姿勢を持っていたいとも思います。それが私にとっての賢い消費者であり生活者です。難しいことですが、あきらめたくないチャレンジです。
また、賢い消費者というのは、決して「うまく得する」というのだけではないかとも思います。賢い消費者には、責任ある姿勢も共存するように思います。アメリカは返品社会なので、たとえば庭仕事があって一時的にスコップが必要だというとき、Walmarttに走り購入して、すぐ使って返すということは十分可能です。パーティーに来ていくドレスをタグ付きのまま着て、パーティーが終わったら返品するという人もいます。返品自由なオンラインショッピングなら、いるかどうかわからないけど、とりあえず手あたり次第オーダーして必要なかったら返せばよい・・というのもひとつの考え方でしょう。こういうやりかたも致し方ない時には選択肢に入るかもしれませんが、できればあらかじめ計画したり調べたりして、なるべく責任のある買い方をするというのも大切に思います。それが、結局は責任のあるお金の使い方、管理の仕方、家族の守り方にもつながっていくようにも思います。
Responsible・・・
アメリカは自由の国。私たちにはいろいろな選択肢があります。日本で育ち、日本の企業で働いた私には、アメリカにきて降りかかってくる「自由」が少し怖くもありました。健康保険ひとつとってみても、日本ならどこに住もうが、その会社で働こうが、働いていなかろうが、病院によってお医者さんの良し悪しはあるかもしれないけれど、同じ治療の値段が違ったり、自己負担比率が違ったりなどということはありません。税金だって、会社員なら自動的に源泉徴収され、ほぼ自動的に年末調整までやってもらえます。ところが、アメリカに来れば、健康保険もよりどりみどり、タックスリターンも自分でせねばなりません。節税策もいろいろとありますから、知っているか知らないかで差が出ます。
自由度が高いということは一見いいことのように見えますが、自分が得意でないことや専門的知識がいるような判断は、どちらかというと万人に良いものを誰かうまいこと選んでくれて、上から与えられるものを安心して使うほうがずっと楽です。自由があるということは、自分が選択をしなくてはならないということであり、選択をするということはその結果に責任を持つということです。これが「自己責任」というものです。
アメリカの常とう手段として、”You are free to choose from so many selections.”と選択の自由を売り物にしつつ、単純比較があまりに難しく、結局企業側が儲かるような選択をせざるをえないようにしくみができていたり、選択の自由にフォーカスを当てその裏にある責任から目をそらすようなやりかたがあります。たとえば、自分の選択できるたくさんの健康保険プランについて、全部よく理解し、すべてを比較検討してみ、「あ~これこそが自分のニーズにぴったりあうものだ!」と確信をもって選択しているかたは何人いるでしょう。あまりに多くの考慮点があるうえ、自分がどのくらい病気やケガをするかなど想像の範囲でしかなく、どれがベストかを正確に測ることはなかなか難しいのではないでしょうか。健康保険会社は統計的に多くのデータを持っていますし、すべてのケースの平均値というか、全体的傾向で予測があっている限り利益が出る計算になっています。一方で、個人はあくまで「1」です。大けがをするか、大病をするかで、結果が大きく変わってきます。こう考えるとき、自由は重い責任だと知ります。
スチューデントローンの例でも考えてみましょうか。この国では、自分の生きたい大学に行って(合格できればですが)、学びたい学問を学べる自由があります。大学の費用が自力で用意できない場合には、ファイナンシャルエイドも用意され、それでも足りなければお金を借りて大学に行くこともできます。これはすばらしい自由です。けれども、借りて大学に行くという権利の裏にある、借りたものはきちんと返済しなければならないという責任をよく体で理解してから権利を行使しないと、結局は返済に追われる人生、自己破産しても消えない負債の奴隷となり、大きな不自由を味わうことにもなりかねません。
自由の国アメリカで、私たちに許されている選択の自由、行使できる権利をよく知りながら、その裏にある責任もしっかり理解して、賢く責任のあるお金との関係をつくる・・・これが目指すものです。
今まで8年間、さまざまなお客様をお手伝いしてきて感じることは、きちんと財産管理をして将来への着実な蓄えをしている人、決して収入は莫大に多くなくとも大きな資産を作っている人というのは、このSmart & Responsibleを共通項として持っていらっしゃるということでした。
Smart & Responsibleはじめ・いま・未来(1)
Smart&Responsibleを始めて8年
最初は週に3回も書いていたブログ記事ですが、それが2回になり、だんだんと週1のペースに落ち着きました。これまでの投稿数500記事あまり、1時間80ドルで始めたファイナンシャルプラニングサービスは、全く広告などは使わずとも、このブログを見てコンタクトしてきてくださるお客様がいてくださいました。アメリカでは、Lighthouse、企業概況ニュースなどのフリーペーパーで取り上げていただき、2018年にはダイヤモンド社から「勝手にお金がたまってしまう最高の家計」(編集者の方がつけてくれた名前で、いまだにちょっと恥ずかしいタイトルです)を出版させてもらい、そのあおりで日本では日経ウーマンやAn.Anなど(私が若かりし頃、An Anといえばお金のことなど関係ないファッション誌だったように記憶しているのですが、今回のお金特集はなかなか素晴らしいものでした)で、お金特集にも参画するチャンスがあり、2019年春には生放送コミュニティSchooで5回のオンライン授業の機会も与えられました(この授業は好評をいただき、今度文書化される予定です)。がんばりすぎることのできないタイプで、他に大切にしていることもあるので、適度に力を入れたり抜いたりしながらパートタイムプラナーとして歩んできた8年でした。細々とでも続けてこられたのは、ブログを読んで励ましてくださるみなさんがいらっしゃったおかげです。心から感謝いたします。
Smart & Responsibleのはじめ
なぜ、Smart & Responsibleを始めたか、その初心を振り返ってみます。
2000年に主人の転職にともない東京からバージニア州に引っ越し、リタイヤメントプランの見極め、積み立ての額や投資ファンドの選択、健康保険選び、生命保険加入などなど、まずは雇用主提供のベネフィットの理解と活用にはじまり、それから家の購入、タックスリターン、子どもが一人増え、学費の積み立て開始などなど、慣れないシステムを英語で解読しなくてはならなず、分からないことを気軽に日本語で聞ける人もおらず、苦労しながら格闘した日々でした(主人は、大学のテニュアをとるのに必死で家計は私が一手に引き受けました)。幸いビジネススクールでファイナンス専攻だったので、ある程度ファイナンスの基礎知識があり、なんとかだましだまし乗り切ってきました。
我が家が初めてファイナンシャルプラナーなる人に相談をしたのは、二人目の子どもが生まれた2002年。学費を貯めねばならないと思い529プランを選択するために相談できる人を探していたところ、主人の同僚から紹介を受けたアメリカ人の男性プラナーでした。「529なら絶対Rhode Islandのものがお薦め」と言われ、「へえ、そうなんだ」と簡単に納得。このプラナーに口座開設をお願いしてもよいということだったのですが、ちょっと調べてみたらプラナーを通して開設するより自分で口座を開いた方が仲介手数料がないことを突き止め、さっそくオンラインで自分で開設しました。このときは、「あ~、無駄な手数料を払わなくてよかった~」と少し得意になっているも、あとあと2年くらいしてみて、そもそもRhode Islandのプログラム自体それほどよいものではないうえファンド自体の運営手数料も高く、なぜプラナーがそれを薦めたかと言えば、自分に手数料が入るからという単純な理由であったということに気づき、Utah州の529にロールオーバーしたこともありました。
ちょうど私たちがバージニアに引っ越し、初めてのリタイヤメントプラン(主人は大学勤務なので403(b)というプログラムですが、401(k)と同じようなものです)を始めた2000年は案外株式がピークでした。積み立てを始めてから数年間はコンスタントに降下し、2003年初頭くらいまで下がり続けたのですが、ちょうどそのくらいの時期に、昔のビジネススクールの友人が香港から我が家に遊びに来て来ました。ご夫婦ともにビジネススクールで学び、ご主人はファイナンスの博士号、奥さんは修士を持っているふたりでした。このふたりから、「今後も下がるから今売ってしまったほうがいい。とりあえず現金ベースに退避させておいて、市場が回復しそうになったらまた株投資をするのがよい」と聞き、素直に従いリタイヤメントプランの中の株式ファンドを売ったことがありました。結局、これによってその時点の含み損が確定損になってしまい、その後の再投資するタイミングもわからず、そうこうしている間に株式市場は上昇を続け、「あ~、あれはあのまま持っていればよかったんだ」と経験を持って学んだことがあります。この経験があったので、2008年の金融恐慌のときは一筋も揺るがず「なにもせず持ち続ける」ことを実践できましたし、多くの方に伝えることもできました。
そのうち子どもの手が離れたら会計の仕事でも・・と思って勉強を始めたCPA資格でしたが、時間をかけて4つのサブテストをひとつずつ受けつつやっと合格。その後、主人の転職でカリフォルニアに引っ越し。だんだんと企業の会計より、個人のファイナンシャルプラニングのほうが私には向いていると発見して、結局、CPAの中の専門分野であるPersonal Financial Specialistという資格のために勉強をはじめ、苦しみながらも合格。バージニア時代の自らの苦労や、ファイナンシャルプラナーから勧められたRhode Islandの529、売ってしまったリタイヤメントファンドのことなどを想い返しながら、パーソナルファイナンスのさまざまな情報を中立的な立場から日本語で提供したいという思いに至り、Smart & Responsibleを始めることになりました。
Smart & Responsibleのいま
Smart & Responsibleはホームベースでやっているビジネスです。オフィスを構えません。その他の固定費も下げ、できるだけものごとをシンプルにしつつ、低コスト低料金でやってきました。8年目のこの段階にきて、ある程度の枠組みを整えシステム化を迫られています。
ひとつには、州政府のアドバイザー監査がきっかけでした。投資のアドバイスをする者はRegistered Investment Advisorとして州/連邦政府に登録することになっており、私の場合はカリフォルニア州に登録していますが、今回はじめての監査が入りました。ファイナンス関係ということで不正や不適切なビジネスも多いことから、定期的にコンプライアンス(法令順守)監査が入るのですが、あれやこれは死ぬほど面倒な書類の提出が必要です。幸い、担当のお兄さんはとても親切で、私が弱小ビジネスながらがんばっていることを見て取って、いろいろ忍耐強く導いてくれたのですが、それでも書類作成が面倒で気が狂いそうでした。会計書類なども、たいして複雑な会計は必要ないから自分でちょちょいとまとめてしまっていたのですが、やはりきちんとしたシステムで管理したほうが良いと思い直しました。
ファイナンシャルプラニングは、在庫を持つわけでもなく、自宅でPC一台あればできるからコストがかからないと思われがちですが、案外上のようなコンプライアンス(法令順守)や、専門ライセンス・資格などのメンテや更新、さらには分析ソフトなどに案外お金がかかるのです。今回、基盤をきちんと整え枠組みも整えるとともに、分析ソフトも刷新しよりパワーアップした分析を提供できるよう、現在研究中です。
長期介護保険を買うなら・・・(2)
長期介護保険、どこで買う?
個人で購入する保険
保険エージェントから紹介のある保険ポリシーや、電話やメールなどで宣伝の届く保険ポリシー。メディカルテストにより、保険会社の定める健康上の基準を満たす必要があります。保険会社によって売る保険ポリシーの内容はさまざまで、また同じ保険会社のなかでもいくつかの異なるポリシーがあるので、最初に見たもので決めないこと。かならず、複数社、複数のポリシーを集め比較することが必要です。
雇用主提供の保険
雇用主がベネフィットの一環として長期介護保険を提供することがあります。グループ保険として提供される場合や、個人保険ではあるがグループディスカウントが効く場合などがあります。グループ保険として加入できる場合は、個人保険のようなメディカルテストが不要な場合、必要であっても基準が緩いもあります。また、雇用者の配偶者や両親などにも、保険を利用できる枠が拡張されることもあります。
離職の場合は、(雇用主がグループ保険をキャンセルしない限り)同じ保険をキープし続けることができる場合がほとんどです。雇用主提供プランでは、個人保険では得られないような特典がある場合もあるので、内容をよく理解するとともに、個人保険の保険料の見積もりも集め、比較してみることが賢明でしょう。場合によっては(とくに健康な人)、多少面倒でもメディカルテストを受けて個人保険に入る方が安いこともあります。
連邦・州政府の保険
長期介護保険を買うなら・・・(1)
カバーされる介護を確認する
長期介護保険でカバーされる介護の種類は、契約によってバリエーションがあります。どれも同じと決め付けないで、細かいところまで確認することが大切です。カバーされる介護の種類には、ナーシングホーム(Nursing home)、介助施設(Assisted living)、デイケアサービス(Adult daycare service、在宅介護(Home care)、自宅の介護のためのリモデル(Home modification)、コーディネーションサービス(Care coordination service)などです。また現在は選択肢にないが、将来的に新しいタイプの介護サービスができたとき、そのようなサービスもカバーするよう契約を変更できるオプション(Future service option)が選べることもあります。
それぞれの保険で、施設の定義が異なることがあります。そもそもNursing HomeとかAssisted Living Facilityといっても、それぞれの州、それぞれの会社、それぞれの保険で定義が一定ではないこともあり、確認が必要です。今はA州に住んでいるが、将来はB州などに住む予定などという場合は、A州で加入した介護保険が、B州にある施設の適宜に適用されるかも確認する必要があります。また、介護保険はこのように具体的条件を満たした施設でないと補償がおりないこともあり、日本に帰国することになると補償がおりるか定かでありません。帰国の予定がある場合には、慎重に吟味・考慮する必要があります。
契約によっては、介護要となって補償を受け始めたら保険料を納めなくてよいとするものもあれば、一定期間.介護要が続いたら保険料免除とするものもありますので、あわせて確認しましょう。
介護要の資格を確認する
通常、Activities of Daily Living (ADL)で規定された6つの基本アクティビティ(入浴、着替え、食事、歩行、身の回りの衛生、排泄)のうち少なくとも2つができなくなる場合、あるいは認知上の問題が起った場合を、長期介護の必要対象とみなします。保険契約の中に、入浴が盛り込まれていることを確認しましょう。入浴は、まず一番最初にひとりでできなくなることが多い項目で、これが漏れているとその他の項目でふたつができなくなるまで資格が得られないことになりがちです。
また同様に注意したいのが、認知上の問題です。認知症やアルツハイマーがどのようにテストされ資格有りとみなされるのかについて、しっかりと確認しておくのが後々の頭痛を軽減します。
除外条件をチェックする
どの契約にも、カバーの適用外とする除外条件が設定されています。先立つ病院での入院が長期介護資格の条件になっていたりするケースも、まだあります。薬物乱用、精神障害、自殺行為などを除外条件に設定している契約もあります。アルツハイマーや、心臓病、糖尿病、一部のがんなどがさらりと除外条件に入っている場合もあります。除外条件を確認しないことは、せっかく買った長期介護保険が使えるか、まったく使えないかの大きな分かれ目になることもあります。目を皿にしてチェックしましょう。
適切な補償期間を選ぶ
平均的なナーシングホームの滞在年数については、情報源によりばらつきがありますが、だいたい2年~3年です。入居する人のうち65%は1年以内に死亡し、平均滞在は5ヶ月。一方、10%は5年以上滞在するというぐあいです。ずいぶんとばらつきがあるので、自分の長期介護保険を買うときにどこに基準を置くかはなかなか難しい選択です。今までは長期介護保険でもっとも人気のある補償期間は3年と5年でしたが、最近では2年という選択もでてきています。補償期間は短ければ短いほど保険料は削減できます。ただし、補償期間を短くして保険料を削減するよりは、補償期間は十分に保ちつつディダクタブル(下記参照)を上げるほうが、小さなコストは自分でカバーし、自力ではどうにもならない部分を保険でまかなうという保険本来の使い方だといえましょう。
ディダクタブルを考える
長期介護保険のディダクタブルはElimination PeriodとかWaiting Periodとよばれる除外期間のことで、たとえば除外期間が30日という設定であれば、長期介護要となってから30日間は自己負担、その後の長期介護を補償期間を限度にカバーするという契約です。除外期間は、20~30日から100日以上までさまざまですが、最もポピュラーなのは90日~100日の設定です。除外期間が長いほど、保険料は下がります。
ディダクタブルの除外期間の間は自己負担ですから、その期間のコストは自分で無理なくカバーできる準備をしておくことが必要ですが、それさえできれば長引く長期介護でかさむコスト部分を、保険料を抑えつつ効率よくカバーするという理想的な形になります。また、除外期間が、長期介護が必要になった都度、一日目からカウントされるのか、それとも一度除外期間を満足すれば、その後は何度長期介護が必要になってもすぐに補償が受けられるのかは大きなポイントです。
補償限度を理解する
“total lifetime benefit”、“maximum lifetime benefit” 、“total plan benefit” というような用語で、保険の支払う最大補償限度が設定されています。最大限度額($)で設定されているものもあれば、〇年というように年数で設定されているものもあります。
インフレ保護をよく吟味する
長期介護保険は、加入してから数十年以上たってからはじめて補償をうけるという性質のもので、よって年々上がる物価の影響を大きく受けます。一般的な物価の上昇率より、医療コストや介護コストの上昇率は高いことも予想され、インフレーション対応をよく考慮しておかないと、30年後に補償を受けることになった段階で、「こんな少ない額では到底不十分」ということになりかねません。
インフレ保護のオプションは、当初、一日当たり$150の補償で契約しても、これが年々インフレ相当分ずつ増加していくしくみのことで、保護率(補償額上昇率)は3%、4%、5%というように選択します。また、単利(Simple protection)と複利(Compound protection)についてもどちらか選択します。同じ3%でも、毎年、当初契約額の$150の3%($4.50)ずつ上がっていく単利と、毎年、その時点での補償額の3%(一年目は$4.50、二年目は$4.64、三年目は$4.77)と上がっていく複利では、30年後には大きな差になります。前者の補償額は30年後には$285/日であるのに対し、後者では$364/日になります。1年分にすれば$104,025と$132,860の差になります。
現実のインフレの状況に即しているのは、後者の複利のほうです。インフレ保護のオプションは、保護率が高いほど、また単利より複利のほうが保険料が上がることになり、このオプションをつけるだけで保険料が50%アップとか場合によっては倍になるようなこともあります。とくにまだ若年で契約する場合は、将来が長いだけに、3%複利が適切かと思われます。反対に、すでに高齢の場合は2%の単利でもなんとかなる場合も十分あります。
インフレに対応するもうひとつの方法は、契約後何年かに一度、補償額を上げていくやり方です。上のように自動的に補償額が上がっていくことはありませんが、何年かに一度保険会社から、“Increase your benefit”というオファーがくることがあります。このオファーは通常、新たにメディカルテストなどを受ける必要がなく、オファーをアクセプトしさえすれば補償額を上げることができます(もちろん保険料にはそれが反映されます)。オファーはアクセプトしている限りは、定期的に次のオファーがき続けますが、一度拒否するとそれ以降来なくなる(もしも補償額を上げたければ、メディカルテストが必要になる)ようなケースもあるようです。保険会社に照会ください。
インフレに対するプロテクションは非常に重要な機能です。よく考慮し、しくみを把握してから契約しましょう。
次回、続きを書きます。
課税口座での投資、できるだけ税金がかからにようにするには?
課税口座を使う場合
課税口座を使う理由はいくつかあると思います。
RMDを知る(2)
RMD額の推移
RMDの額はある程度、毎年同じようなレベルの額を保つことができるように工夫されています。RMDを計算するためのDevisor=残存平均寿命は、前回の記事にあるテーブルをご覧いただくとお分かりになるように、だんだん小さくなっていきます。同時に、引き出す額と運用利回りにもよりますが、多くのケースではリタイヤメント資金の残高自体もだんだんと小さくなっていくことから、小さくなった資金残高を小さくなった残存平均寿命で割るということになり、典型的な例では毎年のRMDは大きく上下することはありません。下は、リタイヤメント時、$750,000の残高で、リタイヤメント以降の運用利回りが3%で推移した場合の、毎年のRMD額をグラフ化しています。$30,000程度から$40,000程度の間で収まっているのがわかります。
RMDと聞くと、「引き出したくないのに、引き出さなくてはならず、課税されてしまう頭の痛いもの」というようなイメージがありますが、趣旨としては、「非課税で貯めてきたリタイヤメント資金を、平均寿命の期間にわたって、なるべくおしなべて毎年同じような額を引き出し続けさせる」ということを目的にしており、ある意味で理想的な引き出し方でもあります。実際、RMDをベースにリタイヤメント資金を引き出すと、枯渇を防ぎつつも毎年の引き出しをしっかり確保する効率的な引き出しが可能であるというようなリサーチ結果も出ています(リヤイヤメント資金を引き出す - RMDで考える)。反対に言えば、RMDより大きく超えて引き出しをすると枯渇の可能性も大きくなるともいえます。
複数のRMD対象の口座がある場合
RMDが必要となる口座が複数ある場合は、それぞれの口座でRMDを計算する必要があります。ただし、口座の種類によっては、別々に計算したRMDをまとめて一つの口座から引き出すことも可能です。
RMDを知る(1)
RMDとは
401(k)やTraditional IRAなどは、70歳半(2019年末SECURE ACTにて72歳に変更)になると、そこからお金を使う必要がなかったとしても、最低限の引き出し額(Required Minimum Distribution :RMD)を引き出すことが義務付けられます。これは、リタイヤメント資金準備目的がゆえに税優遇のあるプログラムでお金を貯めながら、実はあまりリタイヤメントに使わず、税優遇を受けたまま次世代へ相続するなどの使われ方を防ぐ意味があります。年々最低限の額は引き出させ、課税するというのがRMDの存在意義です。
RMDが必要な口座
基本的に、RMDが必要になる口座は、下の1)や2)のような所得税控除で積み立てた口座です。税金を払わないで積み立て、利回りも税優遇で運用している口座です。そのダブル特典の状態が永遠に続くことを防ぎ、あくまでリタイヤメント資金準備のための税優遇であることを徹底するため、多くの人がリタイヤメントに入っているはずの70歳半(2019年末SECURE ACTにて72歳に変更)になったらリタイヤメント資金として引き出しをさせ、所得税の課税をその時点ではじめてするというしくみです。
- 401(k)、403(B)、457
- Traditional IRA、SEP IRA、、SIMPLE IRA
- Roth 401(k)
3)のRoth 401(k)は、1)や2)とは違い、所得税を支払った後の積み立てで引出額も所得税対象となりませんが、RMDの対象になりますので注意が必要です。ただしRoth 401(k)は、離職後に、RMDの必要のないRoth IRAにロールオーバーすることができ、そうすることでRMDを回避することができます。RMDが必要になる時点の前の年の年末時点でRoth 401(k)の残高がゼロであれば、RMDは発生しません。
RMDのタイミング
第一回目のRMDは、70歳半(2019年末SECURE ACTにて72歳に変更)になった年の、次の年の4月1日までに引き出す必要があります。
第二回目のRMDは、第一回目のRMDがDueの4月と同じ年の12月31日までに引き出す必要があります。
それ以降は、毎年12月31日までに引き出す必要があります。
たとえば、ふたつ例を見てみると。。。
同じ1948年生まれでも、生まれ月により、第一回目のRMDの年が異なってきます。
注意したいのは、1回目は4月1日までに引き出し、2回目は12月31日までに引き出しですが、これらは同じ年であることです。ソーシャルセキュリティやペンションなど他の収入がある場合、またRMDの対象となるリタイヤメント資産が大きい場合には、2回のRMDがあると課税対象となる所得が膨れ上がり税金も大きくなる可能性があります。それが危惧される場合には、第一回目のRMDを、4月1日の前の年の年末までに引き出しておくことで、1回目と2回目が違う年に分かれ、所得税が抑えられる可能性があります。
ご自分のRMDの期日はこちらで確認することができます。https://www.kiplinger.com/tool/retirement/T045-S001-when-do-i-have-to-take-my-first-rmd/index.php
もしも、70歳半(訂正:2019年末SECURE ACTにて72歳に変更されました! 72歳になった年の12/31までに、RMDを引きだします)時点でまだリタイヤしておらず働いていた場合は、1)の401(k)、403(b)、457の場合は、離職するまでRMDを遅らすことができる場合がほとんどです。それぞれ雇用主のルールによりますので、確認してください。IRAにはRMDの遅延は許されていません。
RMDの額
RMDの額は、RMDの引き出しがDueである年の年初の口座残高を、以下のDivisor(残存寿命年数)で割った額です。
たとえば、最初のRMDの場合、年初に$500,000の残高であった401(k)は、その年の4月1日までに$500,000÷27.4=$18,249を引き出すことになります。
ただ、その口座のBeneficiaryが、口座を所有する本人の配偶者であり、配偶者の年齢が本人より10歳以上若い場合には、上記とは別のDivisorテーブルが用意されており、年齢差を考慮し、よりゆっくりと引き出しができるしくみなっています。若い配偶者の存命期間中、リタイヤメント資金を枯渇させず使うことができるようにという配慮からです。
最初のRMDで、リタイヤメント資金の大きさによって、どのくらいのRMDが必要になるかについて、いくつかのケースを見てみましょう。ペンションなどがないことを前提にするなら、RMDはおそらく生活費として必要となる範囲の額です。
| リタイヤメント資産 | 最初のRMD |
| $250,000 | $9,125 |
| $500,0000 | $18,249 |
| $750,000 | $27,373 |
| $1,000,000 | $36,497 |
| $1,500,000 | $54,745 |
| $2,000,000 | $72,993 |
Roth 401(k) とAfter-tax 401(k)
いろんな401(k)積み立て
401(k)の積み立ての種類は4つあります。下の表の最初の三つは雇用者が自分で積み立てるもの、最後の雇用主マッチは、雇用者の積み立てに対し一定のルールで雇用主がマッチアップしてくれるものです。
401(k)プランは、雇用主によってその提供の度合いはまちまちです。会社によっては401(k)がまったくない場合もありますし、雇用主マッチもあったりなかったり、ある場合のその条件も会社によりまちまちです。ふつうの401(k)はあっても、Roth 401(k)やAfter-tax 401(k)がない場合は一般的で、かえって提供しているところはまれです。ただ、昨今、提供されている会社も増加傾向であるように感じています。
なお、ふつうの401(K)は、場合によってはTraditional 401(k)とかPre-tax 401(k)などとも呼ばれることがありますので、追記しておきます。
まずは401(k)かRoth 401(k)を決める
いろいろなプランが提供されている場合のまず第一歩は、401(k)かRoth 401(k)を決めることです。この二つは、合わせて年間積み立て限度があります。組み合わせて限度額内で両方に積み立てることも可能ですが、あまりそのような使い方はしません。
401(k)かRoth 401(k)かを決めるのは、Traditional IRAかRoth IRAかを決めるのと同じロジックを使います。現在税金を払ってしまってあとあと払わなくていいのをとるか、現在所得税控除を受けあとで払うほうをとるかの選択になります。現在、中~高レベルの所得があり所得税ブラケットが高く、将来の老後は税率が下がるだろうと想像できるなら、今控除を受けた方が有利で401(k)を使うことになります。反対に、現在は所得税ブラケットがそれほど高くないが、将来にはブラケットが上がると思われるならRoth 401(k)を選びさっさと税金をはらってしまって、老後は非課税で引き出しができるほうが有利です。多くの場合は、おそらく401(k)のほうに軍配が上がるかと思います。
401(k)でも、Roth 401(k)でも、とにかくこの二つをまず限度の$19,000内で積み立て、もしそれでも余裕があるならば、After-tax 401(k)を考慮することになります。
After-tax 401(k)
法律では、401(k)、Roth 401(k)、After-tax 401(k)、雇用主マッチの401(k)積み立てのすべての積み立てトータルでの限度額が定まっており、2019年の場合は、50歳未満で$56,000です。たとえば、401(k)を最大限まで積み立て、$6,000の雇用主マッチを得た場合は、$56,000-$19,000-$6,000=$31,000までをAfter-tax 401(k)で積み立てられることになります。
After-tax 401(k)はその名の通り、所得税を納めた後での積み立てになります。将来引き出すときには、元本は非課税で引き出せますが、ただ利回り分は課税されます。同じ課税後の積み立てでも、この点がRoth 401(k)と違う点です。この利回り分の課税を非課税にするために、下のようなロールオーバーをすることができます。
ロールオーバー
After-tax 401(k)に積み立てた資金をRoth バージョンにロールオーバーすることで、利回り分への課税も回避することが可能です。いろいろなパターンがあります;
1. 雇用主のプランが許していれば、After-tax 401(k)に積み立てたものを、Roth 401(k)にロールオーバーする: いつロールオーバーできるか、いくらをロールオーバーできるかなどの条件は雇用主によりまちまちです。ロールオーバー時の利回り部分に対しては所得税が発生しますが、ロールオーバー後は、利回りも非課税になります。ラッキーなことに積み立てて短期間でロールできれば、利回りが最小限で抑えられ、その後の課税は全く回避できます。
2. 雇用主が許していれば、After-tax 401(k)に積み立てたものを、Roth IRAにロールオーバーする: ケース的には許されていることはまれですが、もしも許されていれば外部のRoth IRAにロールオーバーすることで、その後の利回りは非課税になります。
もしもふつうの401(k)とAfter-tax 401(k)が混在している場合は、After-tax 401(k)だけのロールオーバーは許されていません。401(k)はTraditional IRAへ、After-tax 401(k)の元本部分はRoth IRAへ、After-tax 401(k)の利回り部分は課税前であるためTraditional IRAへ、それぞれロールオーバーします。
3, 雇用主のほとんどが離職後には、上のロールオーバーを認めています。離職後に、上と同じ要領でロールオーバーをします。
ポイントとしては、After-tax 401(k)は、引出時に元本部分は非課税で降ろせるものの、利回り部分が課税されるので、これを完全に非課税のRoth状態へと変換したほうがいいということです。1)の場合は、雇用主提供の401(k)のプランのなかでAfter-tax 401(k)からRoth 401(k)へと変換(In[-plan rolloverと呼ばれる]、2)の場合は離職前にAfter-tax 401(k)を外部のRoth IRAに変換(In-service rolloverと呼ばれる)、3)の場合は離職してからAfter-tax 401(k)を外部のRoth IRAに変換というパターンです。どれが可能かは、雇用主のプランの条件によります。401(k)プランの説明文書に明記されているはずですので、ご確認ください。
Roth IRAかAfter-tax 401(k)か
Roth IRAは、After-tax 401(k)と同じ、課税後のお金を積み立てるものという点では同じですが、Roth IRAは元本も利回りも非課税であるのに対し、After-tax 401(k)は元本は非課税ですが利回りは課税対象のまま残ります(これが、上のロールオーバーをする動機)。その意味ではRoth RIAを優先的に積み立てた方がよいでしょう。
ただ、Roth RIAには収入限度が設定されており、Married filing jointlyの場合は、AGIが$193,000から積立限度の制限が始まり、$203,000で完全に積み立て不可となります。この層の方には、After-tax 401(k)が心強い味方です。また積立限度がなかったとしても、IRAは年間$6,000(2019、50歳以上は$7,000)までしか積み立てられませんので、これを超えて積み立てたい方はAfter-tax 401(k)に頼ることになります
長期介護保険を買うか、買わないか
ハイブリッド版も考慮する
長期介護保険の新規契約数が大きく減少している一方で、ハイブリッド版と呼ばれる形での長期介護補償の契約が大きく上昇しています。これは、生命保険やアニュイティに、慢性症状介護(chronic care)特約など、特約(rider)を付加する形で長期介護に備えるものや、そもそも生命保険と長期介護を合体させて商品化しているものもあります。
長期介護のために得られる補償は、死亡保障額を限度とするのがふつうで、月々死亡保障の〇パーセントが支払限度というような形で限定がつきます。保険料に5~15%程度の特約料を付加してこの補償を提供するところや、追加の料金は取らないが、もしも長期介護を利用した場合には死亡保障が大きく減るというようなところがあるようです。
たとえば、$500,000の死亡補償に、1ヶ月に2%($10,000)を長期介護補償として4年を限度に支払うというようなものです。長期介護補償を使わずに死亡すれば$500,000の補償金が支払われ、長期介護が必要になれば$10,000/月で4年まで補償、その後死亡した時点では死亡補償金は受けた長期介護補償の分だけ減額されるというしくみです。
また別のタイプでは、たとえば65歳で$100,000を一括で払い込めば、長期介護補償として月に$4,723、トータル$226,000までカバーし、もしも長期介護を使わずに死亡した場合は$113,000を死亡保障として支払うというものもあります。一括で支払うので保険料の上昇を気にする必要はありません。一方で、補償上限の$226,000の長期介護がもしも必要であった場合でも、なんとか自己負担で支払う能力があるのなら、わざわざ$100,000を手放して、必要でもない生命保険も買う必要もないともいえます。それならば、$100,000を自己資金として投資に回すことができます。
ハイブリッド型は、そもそもは生命保険、あるいはアニュイティですから、長期介護の補償が欲しいから考慮するというものではありません。もともと生命保険やアニュイティが必要であるから入ること、あるいはすでに入っていることを前提に、そこに長期介護の要素を付け加えるというものです。
終身保険をすでにもっておりキャンセルするのもはばかられるので、1035エクスチャンジ(税制上で、1035Exchangeと呼ばれ、税金が発生しない形で切り替えすることができます)により、長期介護保険特約付の生命保険に乗り換えるというチョイスはいいかもしれません。
いずれにせよ、生命保険、アニュイティ、長期介護保険の契約は、一生ものです。自動車保険のような気軽さで加入してはいけません。迷いがあるときは、独立系のファイナンシャルプラナーに相談し、よく理解の上購入してください。
短期介護保険はどうか
短期介護保険というのもあります。長期介護保険が$150~$200程度の補償を3年~4年程度まで提供するというのが多い一方で、短期介護保険は若干少なめの補償レベルで$100~$200程度を90日間~1年などのような形で補償します。
最近では長期介護保険の保険料がどんどん高額になっている背景があり、短期介護保険とまではいかなくとも、介護の補償期間を比較的短くする傾向があります。2000年には加入者平均の補償期間は5.5年であったのが、現在では2年まで短くなっています。
たしかに、あまりに慎重に厳重すぎる補償を買うのは、大きなコスト上昇を招くとともに過補償になりがちですから避けたい一方で、保険はそもそもは自分たちではカバーしきれない大きな損失やコストをカバーするというリスク対策が目的なので、あまりに短い期間、あまりに小さな額だけしか補償せず、せっかく入っていたけどあまり実効力がなかったとうことにならないように気をつけたいところです。
そもそも短期介護保険は、長期介護保険が始まるまでのWaiting Period (Elimination Period)をカバーするためのもので、短期介護保険だけ買ってそれでいいという使い方をするものではありませんでした。よって、本来は長期介護保険の代わりになる類ものではありません。
年齢別考え方
まだ40歳以下なら、契約から補償を受けるまでにより長期間が存在することになり、長期介護保険を購入するには不確定要素がさらに大きくなりがちです。それならば、保険料にあてるお金をリタイヤメント資金として自分で運用するほうが理にかなうでしょう。リタイヤメントまで時間がありますから、その分、高リスクもとれます。
35歳時に年間保険料$840($70/月)の長期介護保険に加入するかわりに、そのお金を投資に積み立てたとしましょう。月々$70は70歳まで積み立て続け、70歳以降は85歳まで手付かずのまま運用。通産して、年間8%の利回りで運用し続けたとすると、$528,000まで伸びます。85歳で長期介護が必要になった場合、2年間なら$723/日、3年間なら$482/日相当をカバーできます。50年後のことなので、インフレを考慮するとこの額が十分かは難しい判断ですが、現在の長期介護保険で平均的な一日あたりの補償額$150は、年間3%のインフレで50年後の相当額を計算すると、$658になりますので、なかなかいい線といえましょう。
50代から60代前半の方であれば、長期介護保険を考慮するのいいかもしれません。比較的若く、健康状態も良好であれば、低い保険料で大きな補償が期待できます。低い保険料といっても、年間数千ドルレベルになりますので、決して安い買い物えはありませんが、長期介護に加入するのにはタイミング的にはよいときです。
持ち家があり返済も順調で、老後にエクイティが貯まることが期待できる場合は、エクイティを必要経費の砦、つまり保険の代替として考えることができます。エクイティをできるだけ使わなくてよいように、リタイヤメント資金準備をしておき、いざというときはエクイティを使って介護費用をカバーするという考え方がよいでしょう。
エクイティの大きさが十分ではない場合や、老後資金で生活費は賄えるが、長期介護となると捻出が難しいという場合いは、長期介護保険を考慮します。
一方、60代半ばを過ぎると、保険料はかなり割高になることが予想され、そもそも入りたくても加入が難しくなる可能性も高いです。
家族の病歴や自分の健康状態からして、おそらく長生きが予想されるならアニュイティを購入するというのも選択肢でしょう。アニュイティは月々の生活費の確保などにも活用することができますが、長期介護を念頭において、80歳とか85歳からもらいはじめるアニュイティ(Deferred Annuityという)を追加で買うという方法です。たとえば60歳で$100,000を入れて、85歳から一生涯もらい続けるとすると、2019年4月現在で、年間$57,600(一日あたり$160相当)受け取ることができます。85歳の代わりに80歳から一生涯受給にすると、$30,000(一日あたり$83相当)。ただしこの額はインフレ対応はありません(インフレ対応版の購入も可能です)。しかしながら、今後市場の利率が向上していくと、同じ元金のアニュイティ契約でも受給できる額が増額していくはずので、タイミングが合えば、活用に足る選択肢です。また、介護要と認定されなければ一銭ももらえない長期介護保険に比べれば、アニュイティは生きているということだけが条件になるのも、心強い味方かもしれません。
あるいはハイブリッド版で、$100,000の生命保険に一括で払い込み、長期介護が必要な場合には、月$4,723、トータル$226,000までの補償を確保し、もし長期介護なしに死亡した場合は、$110,000程度の死亡保障というような利用も場合によってはいいかもしれません。アニュイティの場合は、ある年齢になれば死ぬまで、長期介護の必要不必要にかかわらず、一定額がもらえますが、生命保険ハイブリッド版の場合は長期介護が必要でなければ自分の懐にはお金は入らず、残された家族に死亡保障が残ります。








































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